パオパオだより

2014年04月29日(火)

「チスル」 [映画]

画像(214x320)・拡大画像(380x566)

◎シネマトゥディより

■チェック:太平洋戦争終結後、南北に分断された朝鮮半島の済州島で起きた「済州島四・三事件」を題材に描く衝撃のヒューマンドラマ。1948年、3万人を超える島民たちが犠牲となった実話を基に、戒厳令下でおびえながら暮らす人々の戦々恐々とした日々を映し出す。済州島出身のオ・ミョル監督が韓国の歴史的タブーに挑み、サンダンス映画祭ワールドシネマ・グランプリなどを受賞。明らかになる現代史の知られざる暗部に、言葉をなくす。

■ストーリー:1948年10月、済州島の海岸線から5キロを超えて内陸にいる者は全員射殺するとの韓国軍からの有無を言わせぬ通達に島民たちは面食らう。風評に惑わされた彼らは山中深く逃げ込んだり、銃を手に応戦しようとしたりとさまざまな反応を見せる。そして韓国軍は実際に村人たちの無差別虐殺を開始し、家を追われた人々は洞窟に逃げ込んで命をつなぐ。

画像(256x208)

-------------------------------------------------------------------------------

 4月23日、「京都シネマ」で見た2本目。
 こちらの映画は観客が少なく、20数人。

 韓国内部でも語られることが少ないと言われる「済州島四・三事件」。済州島出身の監督は島出身者にこだわり、ほとんどの出演者を島出身者にしたそうだ。そのこだわりだけでも、この映画を見る価値があると思った。(題名「チスル」は、この地方ではジャガイモのこと。)

 戦後の韓国済州島でこんなことがあったとは。まったく知りませんでした。
 現在の済州島は、観光客年間1千万人を超えるリゾート地とのこと。このあたり、沖縄と似ているところもある。
 日本も沖縄はアメリカ、北海道にはソ連が進駐していたので、箱根あたりを境に東日本国と西日本国に分裂していたかも。そして、日本人同士で殺し合いを繰り返していたかもしれない。

 直接は関係のない話だが、韓国の沈没船のニュースを聞くたびに、人を殺すことは簡単で救うことはなんてむずかしいんだろうと思う。
 すべての人の命を救うことに血まなこになる国ばかりだと、戦争も起こらないのにね。

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

「世界の果ての通学路」 [映画]

画像(320x212)・拡大画像(403x268)

◎毎日新聞4月26日夕刊「シネマ通信」より

 この国では、子供が教育を受けるということは義務であり権利とされている。おそらく私たちは、小さいころから何ほどの疑念もはさまずに学校に通ってきたことだろう。しかし世界には大人の足でも過酷で危険だらけの道のりを、毎日数時間もかけて通う子供たちがいる。今回紹介する映画は『世界の果ての通学路』。地球を通学路という視点からとらえた実に興味深いドキュメンタリーだ。

 野生のキリンや象が生息するサバンナを駈け抜けるケニアのジャクソン。ヤギ飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子に教育は不要とする古い慣習が残る村から、4時間かけて寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル…。

 別の大陸、違う言語、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳で夢を語る。ひたむきな彼らを見て、教育とは未来を切り開くためのパスポートだということに気づかされる。撮影後のインタビューでパスカル・ブリュッソン監督は「エネルギッシュでモチベーションの高い彼らを、もっとサポートすべきだ」と語る。私たちもこれを見て学べることがあるはずだ。
          ◇
 『世界の果ての通学路』は下京区の京都シネマにて公開中。(京都シネマ・谷口正樹)

画像(320x88)・拡大画像(640x177)

-------------------------------------------------------------------------------

 4月23日に「京都シネマ」で見た1本目。
 私が見る映画としてはめずらしく、ほぼ満席。
 私はすごくおもしろかったのだが、今の若い子が見てもおもしろいのだろうか。戦争関連映画を見て、「戦争のない今の日本に生まれてよかった」という感想しか持てない子が多い。そんな子らは、この映画を見て「苦労せずに通学できる今の日本に生まれてよかった」という感想で終わるのかもしれない。

 私は小中といなかの学校に通学したのだが、その学校は山間にある川沿いに伸びた長さ2kmの集落の中心にあったので通学の苦労はなかった。うちの家から学校までは700mほど。
 ただ中学は、峠を越えた別の集落から徒歩で通う同級生がいた。その距離約4km、山道を1時間。普段も大変だが、雨の日や冬の雪の日はそれはそれは大変だったと思う。しかしその当時の私は、峠を越えて通っている同級生のことをなんとも思っていなかった。(2年前に亡くなった私の相棒、幸博君もその中の一人。)身近にそんな友だちがいた私でもそんな状態だから、この映画を見たくらいではなんとも感じないという人がいたとしても不思議でもない。

 私の母校の小中は統合でなくなり、今地元の子は「スクールバス」という名の乗用車で6kmほど先の統合校に送迎してもらっている。京都市の果ての小中一貫校の通学路は、今そんな状態のようです。(もう地元を出て7年になるので正確な情報ではありませんが、6kmほどの道を歩いては行ってないようです。)

 学校のすぐ前の元旅館「小谷屋」のおばさんは、「学校があったときはうちの前を通って行くさかい、どんな子がいるのかよう分かったけど、なくなったらあかんな。さびしいわ」と言ってはった。「学校がなくなったとき、その集落も終わり」とよく言われるが、そのとおりだと思う。
 学校があり、その子どもたちの通学路があり、その町や村が元気になるような気がする。私はこの映画を見て、そんなことを思った。

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年02月28日(金)

「さよなら、アドルフ」-夫婦50割引- [映画]

画像(170x170)

◎シネマトゥデイより

■チェック:第2次世界大戦の終戦直後、ナチス親衛隊高官の父と母が去ったあと、14歳の少女が小さい妹弟と共に祖母に会うために困難な旅をする姿を描くヒューマンドラマ。旅の過程で、ナチスの行ったユダヤ人虐殺の真実に動揺し、葛藤する加害者の子どもたちの繊細な心の動きが映し出される。監督は、『15歳のダイアリー』のケイト・ショートランド。ヒロインは、ベルリン国際映画祭シューティングスター2013に選出されたザスキア・ローゼンダール。過酷な現実に直面し、さまざまな経験を経た少女の成長の物語に心を揺さぶられる。

■ストーリー:1945年、敗戦して間もないドイツ。ナチスの幹部だった両親が去り、14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、妹と弟と共に南ドイツから900キロ離れたハンブルクの祖母の家へ向かうことに。途中、貼り出されたホロコーストの写真を見たローレは困惑する。翌日、連合軍兵士に呼び止められたローレはユダヤ人青年のトーマス(カイ・マリーナ)に助けられ……。

画像(320x234)・拡大画像(450x330)

 一人で映画を見に行くときは、もちろん自分の好き放題。でも、ヨメさんと行くときは「夫婦50割引」の恩恵を受けるので自分の好みは言えない。今回は新聞の映画スケジュール欄で探しても、これというのがなかなか見つからなかった。
 「みなみ会館で、ナチスの家族の映画やってるんちゃうん」とヨメさん。
 ヨメさんにしてはめずらしく、社会派の映画に興味を持ったようだ。まさかこの映画を夫婦50割引で見にいけるとは思わなかった。

画像(320x234)・拡大画像(450x330)

 毎度のことだが、私の映画評では個人の感想をだらだらとは書かない。誰がそんなもん読みたいかっちゅう話です。ただこの作品なら、1800円でも惜しくないと思った。ケチなパオパオなのに・・・。なぜそう思ったかを探しに、この映画を見に行かれるのも良いかと思います。

 日本では、戦争首謀者やその家族は敗戦直後どうしていたのだろう。そんな映画、なかったような・・・。
 原題「LORE(主人公の名前)」は日本では「さよなら、アドルフ」として公開された。ということは、日本版「LORE」は「さよなら、陛下」になるのだろうか。

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2014年01月16日(木)

「少女は自転車にのって」 [映画]

画像(228x320)・拡大画像(400x560)

◎シネマトゥデイより

■チェック:厳格な宗教戒律によって女性の行動が制限されているサウジアラビアを舞台に、自転車に乗る夢をかなえるため奮闘する少女の姿を描いた感動作。自転車を手に入れるためコーラン暗唱大会に挑む少女の視点を通し、因習を重んじるイスラム社会で女性が置かれた不条理な現実を浮き彫りにする。サウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが全て国内で撮影した同国初の長編作で、ベネチア国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で絶賛された。

■ストーリー:サウジアラビアに暮らす10歳の少女ワジダ(ワード・モハメド)は、男友達と自転車競走をするため自転車を買うことを決意。母親(リーム・アブダラ)にねだるも女の子が自転車に乗ることに反対され、自分で費用を工面しようとするが目標額には遠く及ばない。そんな折、学校でコーラン暗唱大会が開催されることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと懸命にコーラン暗唱に励む。
--------------------------------------------------------------------------------

 新聞でこの映画の紹介記事を見て、絶対見にいこうと思った。なんちゅうたってサウジアラビアの映画。
 「サウジアラビア=石油」くらいの知識しかない。あとは男の人は白い布で頭に輪っか、女の人は忍者みたいな黒装束というのはぼんやりと知っていた。(女の人は、アバーヤと呼ばれる黒い布で全身を覆い、ヒジャブという黒いスカーフで髪を隠す。)

 「女は自転車乗るな」って、どんな国やねん!
 でも、映画を見てもっとビックリ。女の人は男の人に見られてはいけない。こちらから見えるということは向こうからも見えるということなので、ヒジャブをしていない女の人はすぐに姿を隠さなければならない。また、男の人に声を聞かれてしまうこともダメらしい。

 この映画の公式ホームページを見て、またまたビックリ。
     ◇     ◇     ◇
 「結婚」・・・結婚前の男女交際は禁じられ、結婚は親が決めることが多い。男性は宗教上、同時に4人までの女性と結婚することができる。また、結婚最低年齢を法律で定めていないため、幼い少女が祖父と同年齢の老人と結婚させられる事例が後を絶たず、物議をかもしている。
     ◇     ◇     ◇
 これって、「宗教のちがい」ですむ話なんでしょうか。

 サウジアラビアは映画館の設置が法律で禁じられている。また、女性は参政権もない(2015年からは女性も地方選挙に参加できる予定)。そんな中、すべての撮影をサウジ国内で行った初の長編映画だということ。
 まあいろんな意味でビックリだらけ。ただ、すごく映画らしいいい映画だと思った。希望の光が見える・・・、いや希望の光を見出したいという願いが込められている。
 「コーラン暗唱大会」が出てきて、途中で「運動靴と赤い金魚」(イラン映画)みたいになるんかもとハラハラ。その結末は・・・、ぜひ映画館で!
 主人公ワジダ役の子もすごくかわいくてよかった(私の知り合いにそっくりなんやけど、それがだれか思い出せないんですよねー・・・。)
 
 この映画を撮るにあたって、政府や周囲からの妨害行為はなかったのだろうか。メイキング映像があれば見てみたいと思った。

画像(228x320)・拡大画像(400x560)

--------------------------------------------------------------------------------

【RUN】

 今日も昼前からバイト。
 もともと午前中に走る習慣はなかったのだが、バイトのおかげで毎週木曜は午前に走る習慣ができた。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 新GPS腕時計をつけ、9時にスタート。
 せっかく明るいうちに走るのだから、夜に行きにくいところをチョイス。クリーンセンター前から雲ヶ畑街道へ。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 十三石橋から鴨川上流へ。 

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 「大岩」到着。4.93km、28分14秒。

 前はここまでがちょうど5kmだったのだが、うちの近所に近道が出来て短くなってしまった。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 帰りはほとんど下りなので楽。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 クリーンセンターの近くの温度計は2℃だった。
 しかしこの冬は風の日が少なく、今日もそれほど寒さは感じなかった。

 10時ごろ、我が家到着。4.90km、26分05秒。
 今日は、9.8km。

 痛めている左足は、昨日の晩にヨメさんがマッサージしてくれたのでさらによくなってきている。もう当分レースはムリと思っていたが、今週の「京都走ろう会例会」、来週の「くみやまマラソン」も走れそう。よかった。
--------------------------------------------------------------------------------

【今日のきく】

 このごろ、ちょっとお腹の調子が悪いらしい。○ンコに血が混じっていたりするとのこと。私の散歩のときには気づかなかったのだが・・・。要注意です。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 朝きくが気を抜いているときに、背後急襲。
 素早く抱っこで体重測定。16.9kgだった。
 体重は減っていないし、食欲もあるみたい。どこが悪いんやろう。動物病院で診てもらった方がいいのかなあ。

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2013年12月06日(金)

「REDリターンズ」-夫婦50割引- [映画]

画像(226x320)・拡大画像(424x600)

◎シネマトゥデイより

■チェック:引退した元スパイたちの活躍を描いた、人気アクション『RED/レッド』の続編。至って静かに日々を過ごしていた元CIAの敏腕エージェントが、仲間らと行方不明の小型爆弾を追いながら事件の裏に潜む巨悪に挑む。ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンら名優たちが前作に続いて登場。さらにアンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、イ・ビョンホンという豪華な面々が共演。老いてますます盛んを地で行くようなノリや見せ場を堪能できる。

■ストーリー:恋人サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)と一緒に生活し、諜報(ちょうほう)活動から縁遠い毎日を過ごしていた元CIAのフランク(ブルース・ウィリス)。しかし、かつての仲間マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が関わった小型核爆弾をめぐる冷戦時代の極秘計画が原因となったトラブルが持ち上がる。解決の手掛かりを追い求め、フランクはサラ、マーヴィンと共にヨーロッパへと足を運ぶが……。
--------------------------------------------------------------------------------

画像(170x124)

 「やっぱり吹き替えはあかんな、微妙なニュアンスが分からんから」とヨメさん。
 「えっ? そんなに英語分かるん?」

 まさか・・・。
 おととい、ヨメさんが映画に行くというので付いて行かせてもらった。時間が合いそうな映画があまりなく、深く考えることもなく「REDリターンズ」を見ることになった。
 この時間の分は吹き替え版。私は字幕を読むスピードが遅いので、これはありがたかった。しかし、ヨメさんは吹き替えは嫌とのこと。
 ただし、私は英検2級筆記試験のみ合格という輝かしい(?)過去を持っているが、ヨメさんの英語力でだいじょうぶかいな。本人いわく、「ほとんど分かる」。
 まさか・・・。

 内容はむちゃくちゃ。
 もう、何人簡単に銃殺されたか分からん。
 最後、核爆発やし・・・。

 ヨメさんはイ・ビョンホンの肉体と68歳のヘレン・ミレンのかっこよさが印象に残ったらしい。
 私は、(出ているとは知らなかった)アンソニー・ホプキンスの気味悪さがよかったな。そうそう、アンソニー・ホプキンスはやっぱり吹き替えじゃないほうがよかったな。

画像(170x85)

--------------------------------------------------------------------------------

【RUN】

 今日は、1.3+5+1。5kmは24分48秒。

 明日はもっと走ろうっと。

--------------------------------------------------------------------------------
【今日のきく】

 今日も、お店で大暴れ。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 「人間の歳にしたら、私より上のはずやで。いつまでも子どもみたいに・・・。ええかげん落ち着きや」とヨメさん。
 「それはお互いさんかも・・・。」

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 ふだんは落ち着いた賢く見えるええ犬です。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2013年12月05日(木)

「かぐや姫の物語」 [映画]

画像(227x320)・拡大画像(454x640)

◎Yahoo!映画より

■解説: 数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。   (シネマトゥデイ)

■あらすじ: 今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。   (シネマトゥデイ)

■映画レポート「かぐや姫の物語」

   「誰でも知っている物語」を飽きさせずに見せる演出と表現力

 はぁーーあ。観終わった後、思わず深いため息をついてしまった。あまりにも集中していたせいである。まず浮かんだ感想は「ただただ圧倒的」。

 日本最古の、日本人なら誰でも知っている物語は、なにも斬新な解釈でもって語られ直されているわけではない。奇をてらわず、現代の観客がかぐや姫の心情を深く理解できるようきめ細かく補足しているだけ。「姫の犯した罪と罰」というポイントをおさえつつもそこをことさら強調するわけではなく、最後に「ああ、そうだったんだ」とその思いがボディ・ブローのようにきいてくる感じ。紛れもなく私たちの知っている物語そのものなのだ。だというのに2時間17分、まったく飽きさせることなく観客の心を惹きつけ、かきたてる。

 そこにはまず、画の力、演出の力がある。なめらかに動き、登場人物の心を雄弁に映し出すのは淡い色彩の水墨画のような描線の画。タッチやテンポを自在に変えながら、感情を描ききるアニメーション表現の豊かさ、美しさ、新鮮さ、力強さ!

 そしてそれは姫だけにあてはまることではない。たとえば、幼い姫が近所の子たちに「たーけの子!」とはやし立てられ、よろよろ歩くのを見て、愛しさのあまりたまらず駆け寄る翁。手に取るようにわかる感情に思い入れられるからこそ、翁の犯した罪と罰もまたくっきりと浮かび上がり、せつなくてたまらなくなる。声優陣は完璧だし、劇中のわらべ唄、ラストに流れるテーマ曲も、物語の力を強く後押しして消えない余韻を残す。8年の歳月、50億円の製作費をかけた高畑勲監督のルナティックな執念は、見事な結実を見せている。(若林ゆり)(映画.com)
-------------------------------------------------------------------------------

画像(120x120)

高畑勲監督

◎朝日新聞12月4日朝刊

   映画界「反対」
        吉永小百合さん。宮崎駿監督ら269人が会

 高畑勲監督、降旗康男監督、山田洋次監督ら5氏が呼びかけ人となり、「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が3日発足した。4日間で264人が賛同し、法案の内容や拙速な国会審議を批判する声明を発表した。

 賛同したのは大林宣彦監督、宮崎駿監督、是枝裕和監督、井筒和幸監督、俳優の吉永小百合さん、大竹しのぶさん、脚本家の山田太一さん、ジェームス三木さんら。撮影監督や映画館主、評論家らのほか、映画ファン約60人も加わった。

 声明は「心ならずも戦争に対する翼賛を押し付けられた映画界の先達の反省に立ち、日本映画界は戦後の歩みを開始しました」とした上で、「『知る権利』を奪い、『表現の自由』を脅かすことになりかねないこの法案は、とても容認することはできません」と反対を表明している。

 呼びかけ人や賛同者の一部のメッセージも公表。高畑監督は「安倍政権を生み出してしまったのが他ならぬ私たち国民自身であることに愕然(がくぜん)とせざるをえません」、降旗監督は「戦前、戦中の日本に戻らないように、ねばり強く抵抗していくほかありません」と記した。原田眞人監督は「公聴会を公然とセレモニー化したやり方にも憤りをおぼえます」と書いた。

■日本映画監督協会なども声明

 日本映画監督協会など各分野の著作者でつくる5団体は3日、特定秘密保護法案の廃案を求め、共同で緊急声明を出した。

 声明を出したのは同協会と日本児童文学者協会、日本シナリオ作家協会、日本美術家連盟、日本脚本家連盟。声明は「私たち著作者は、かつて国家による言論弾圧により、尊い仲間の生命を失った歴史を決して忘れることはできません」などとして、廃案を求めている。
--------------------------------------------------------------------------------

 NAHAマラソンの翌日、12月2日に見た映画。
 ふだんの私なら、わざわざこの映画は見に行かないだろう。廉と真樹が「スペック」を見ると言ったので、その時間にあう映画がないか探してみた。「スペック」の1時間半にくらべ、こちらは2時間17分。二人にちょっと待ってもらわんなんけど見ることにした。
 高畑勲監督が特定秘密保護法案に反対されていることも心の隅にあったし。

 誰もが知っている「かぐや姫」の話を、わざわざアニメで映画化ねえ。それも2時間17分やてー。どうすんの、そんな長いこと。そのあたりには興味があったが、作品自体にはあまり期待していなかった。

 しかし、映画が始まり見ているうちに、完全にはまってしまった。くわしく書いてしまうとおもしろくないので、ここには書かない。すべての人が好評価を下すかどうかは分からないが、私にとっては払った映画代以上の価値があった。

 キーマンは、捨丸と帝。原作にどう描かれているだろう。身分の差があり、かぐや姫に対する気持ちも同じではないが、二人ともダメ男。ほんまにあかんど。この二人の存在によって、かぐや姫の清廉さがますます際立っている。

 ああ、やっぱり映画を見てもらうしかない。

 一つだけ付けたし。
 月よりの使者が奏でる音楽を絶賛している人が多いが、わしゃーずっこけましたわ。
-------------------------------------------------------------------------------

【RUN】

 今日も昼前からバイトなので、朝練。
 9時に廉が家を出るのといっしょに出た。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 廉はまたぜんぜん走ってへん。
 もったいないねえ。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 久しぶりの、岩倉実相院経由仏大グランド往復10km。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 途中のやぶで、かわいいネコちゃんに会った。

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

 天日干しされている大根も。

 行きの5kmが25分49秒。
 帰りの5kmが23分56秒で、49分46秒。

 まあ、これからぼちぼち追い込んで行きましょか。

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2013年11月14日(木)

「標的の村」 [映画]

画像(226x320)・拡大画像(350x494)

◎「標的の村」公式サイト解説より

   アメリカ軍・普天間基地が封鎖された日
          全国ニュースから黙殺されたドキュメント

 日本にあるアメリカ軍基地・専用施設の74%が密集する沖縄。5年前、新型輸送機「オスプレイ」着陸帯建設に反対し座り込んだ東村(ひがしそん)・高江の住民を国は「通行妨害」で訴えた。反対運動を委縮させるSLAPP裁判だ。[※1]わがもの顔で飛び回る米軍のヘリ。自分たちは「標的」なのかと憤る住民たちに、かつてベトナム戦争時に造られたベトナム村[※2]の記憶がよみがえる。10万人が結集した県民大会の直後、日本政府は電話一本で県に「オスプレイ」配備を通達。そして、ついに沖縄の怒りが爆発した。

画像(180x139)・拡大画像(224x173)
画像(180x139)・拡大画像(223x173)

 2012年9月29日、強硬配備前夜。台風17号の暴風の中、人々はアメリカ軍普天間基地ゲート前に身を投げ出し、車を並べ、22時間にわたってこれを完全封鎖したのだ。この前代未聞の出来事の一部始終を地元テレビ局・琉球朝日放送の報道クルーたちが記録していた。真っ先に座り込んだのは、あの沖縄戦や米軍統治下の苦しみを知る老人たちだった。強制排除に乗り出した警察との激しい衝突。闘いの最中に響く、歌。駆け付けたジャーナリストさえもが排除されていく。そんな日本人同士の争いを見下ろす若い米兵たち……。

 本作があぶりだそうとするのは、さらにその向こうにいる何者かだ。復帰後40年経ってなお切りひろげられる沖縄の傷。沖縄の人々は一体誰と戦っているのか。抵抗むなしく、絶望する大人たちの傍らで11才の少女が言う。「お父さんとお母さんが頑張れなくなったら、私が引き継いでいく。私は高江をあきらめない」。奪われた土地と海と空と引き換えに、私たち日本人は何を欲しているのか?

画像(227x320)・拡大画像(350x493)

-----------------------------------------------------------------------------

◎QAB琉球朝日放送ホームページより

   標的の村 なぜ、「劇場映画化」なのか

画像(213x320)・拡大画像(300x450)

琉球朝日放送 報道部 三上智恵

 テレビドキュメンタリー「標的の村」は過去二回、放送しています。テレビ朝日系列のテレメンタリーとして全国放送したのは2012年の9月。10月のオスプレイ配備の1か月前、どうしてもその前に全国にこの状況を知って欲しいと企画をねじ込んだ30分の番組作りでした。

 2回目は12月1日、こちらは46分ですが沖縄ローカル放送です。本来は東村高江のお話ですから、9月の放送以降、10月に予定どおりオスプレイが配備されてついに高江にオスプレイがとんだという絶望的な結末が想定され正直、そんな番組は作るこちらの気持ちが持たないとディレクターの私自身腰が引けていました。

 しかし、10月1日配備を前にした沖縄の抵抗はかつてなく激しいものでした。普天間基地を封鎖するという県民の怒りの渦中にあって、座り込む方も、排除する方も、そして報道する側も泣きながらという修羅場そのものでした。ところが、気がつくとこれは全国ネットには全く載っていませんでした。正確には、QABとテレビ朝日だけが、大山ゲート始めすべてのゲートを封鎖した前代未聞のライオットを放送したことになります。

 辺野古と高江をずっと取材してきた私達にとってオスプレイはこの17年の欺瞞の象徴であり普天間を封鎖するほどの怒りは充分想定していたことでした。どうやって逮捕者が出ないよう、また出たらそれをどう報道するのかシミュレーションをしながら迎えた事態でもありました。

 だからこそ、複数のカメラマンと取材者を配置して一部始終を捕えることができたのです。でも、結果的にはその意味をきちんと報道するメディアが放送局は特に少なかった。その記録を世にきちんと提示する義務があると思い直し、素材をプレビューするのさえ胸が詰まる映像でしたが歯を食いしばって向き合い、46分バージョンを作りローカルで放送しました。

 すると、直後にその映像がネットにあがり、一人歩きを始めます。アクセス数あっという間に3万を超え、基地問題のドキュメンタリーという地味な内容にもかかわらず、DVDで欲しいという依頼が報道部に殺到し始め、許可のあるなしにかかわらず、全国放送されていないために、そのDVDを使って上映会や勉強会をする方々が後を絶たないという状況が生まれました。

 ローカルを超えて、全国の方々にそこまで求められる内容を含む映像であるのならば、なんとかそれにこたえたい。元々沖縄のこの問題を広く知ってもらいたいために報道しているのですから、地域に密着したテレビ報道マンの日々積み重ねている貴重な時代の証言や記録を電波という枠にこだわらずお届けするというのも立派なテレビ報道マンの仕事ではないかと思い至りました。

 テレビドキュメンタリーの劇場映画化はANN系列でも初めての試みでいろいろと越えねばならぬ壁もあり、テレビ朝日始め多方面のみなさまのご理解ご協力なしには成立致しませんでした。この場をお借りして深く感謝申し上げます。

 91分に編集しなおした「標的の村」テレビではお見せできなかったシーンテレビでは味わえない長いカットそしてまたテレビ局の機動力無くしては捕えられなかった普天間基地のゲート前に身を投げ出した人々の生々しい怒りと悲しみ、有形無形の暴力今、まさに進行中の沖縄の基地を取り巻く現状を是非大きなスクリーンで見届けて下さい。

 この島と、国の、不幸な関係をもうこれ以上次の世代に丸投げしたくはない。

 そんな思いで制作致しました。そのためには、全国も皆さんのお力が必要です。どうか劇場に足をお運び頂いて、91分間おつきあい下さい。

                         2013/06/26


■ 三上智恵(みかみ・ちえ)

 1964年東京生まれ。父の仕事の関係で12歳から沖縄に通い、成城大学で沖縄民俗を専攻。卒業論文『宮古島の民間巫者に見る霊魂観〜タマスウカビを中心に〜』。
 アナウンサー職で大阪毎日放送(株)入社。8年後の1995年、琉球朝日放送の開局とともに両親の住む沖縄へ移住、第一声を担当。以来夕方ローカルワイドニュース「ステーションQ」のメインキャスターを務めながら(17年目)、取材、番組制作に奔走。
 沖縄民俗学の研究も継続し、放送業と並行して大学院に戻り、2003年春、沖縄国際大学大学院修士課程修了。修士論文『大神島における祭祀組織のシャーマニズム的研究』。同大学で沖縄民俗の非常勤講師も務める。
 ドキュメンタリーは主に沖縄戦や基地問題をテーマするが、サンゴの移植やジュゴンの文化を追いかけるなど海洋環境の保全と海をめぐる沖縄の文化をテーマにした番組も精力的に製作している。

-----------------------------------------------------------------------------

 最近やっとのことで、「辺野古」のことがちょっとだけ分かってきたと思っていたのに・・・。
 「高江ヘリパッド」の問題は、その言葉を聞いた程度で私はほとんど知らなかった。東村といえば、真樹が住んでいる名護のすぐ近く。(私らマラソンランナーは、フルマラソンの42km以内は「近く」と表現する傾向がある・・・、かな? それは、自分の足で走っていける距離だから。いや、こんなことを言っているのは私だけかも・・・。)

 この映画「標的の村」を見た人のコメントで多かったのが、「出来るだけ多くの人に見てもらいたい」と「見ていて涙が止まらなかった」の二つ。私は前者には同意、後者には同意できない。私も正直泣きそうになったが、「泣いてスッキリしてしまったらそれで終わり」ってよく言うじゃないですか。そこは涙をこらえて、「自分にできること」を冷静に考えるべきですね。
 たとえば、東村を正しく「ひがしそん」と人に伝えるだけでも価値あることだと思う。こちらの感覚では「ひがしむら」ですから。沖縄の村は、「今帰仁村(なきじんそん)」「伊江村(いえそん)」「大宜味村(おおぎみそん)」など全部「そん」と読む。泣いてるヒマがあったら、沖縄の地名をまず覚えましょう。
 真樹が大学に入学して初めて友だちになった女の子が、「与那原出身です。でもどこかわからないでしょう」と私に言った。「那覇の東の方やろう」と言ったら、「えー、どうして知ってられるんですか」とすごくうれしそうな顔をしてくれた。行ったこともなくどんな町かまったく知らないが、位置だけは知っている。そんなことで喜んでもらえてよかった。私にとって「自分のできること」とは、こういうことだ。

 今日の寮の泊りのバイトがあけると、明日のお昼に関空から沖縄へ。今回も「中部トリムマラソン」参加のための旅。遊びです。
 でも「東村高江ヘリパッド」問題を知ったからには、何かをしなくては。余裕があれば名護の真樹のアパートからヘリパッド前の座り込み地点まで走って行きたかったが、今回は準備不足のため断念。でも、「1時間でもいいので座り込みに来てください」とホームページに書いてある。そら、行かんならん。自分の目でしっかり見てこよう。

 あー、「いらんちゃ 米軍基地!」ジャンバー、持ってくるのを忘れてしまったー。「京都の丹後と沖縄の連帯」って、かっこつけて言ってたのにー。わしゃ、ボケですわい!
----------------------------------------------------------------------------
◎こんな上映会があるようです。

◆『標的の村』上映&トーク(感想・意見交流)

●日時:2013年11月23日(土)午後6時45分〜上映(6時30分開場)
1、午後6時45分〜映画『標的の村』上映(2013年制作)
  (91分/三上智恵監督/制作・著作:琉球朝日放送/配給:東風)
2、高江に行かれた方からの発言(予定)
3、参加者で感想・意見交流
  (午後9時10分頃終了予定)

●会場:ひと・まち交流館京都 第4・第5会議室(3階)
    河原町五条下る東側 市バス「河原町正面」下車すぐ
    京阪「清水五条」駅下車 徒歩8分      
    地下鉄烏丸線「五条」駅下車 徒歩10分
    案内:http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html      
    TEL:075ー354ー8711
●参加費:1000円  学生500円
●主催(共催):
・ピースムービーメント実行委員会
・沖縄・辺野古への新基地建設に反対し、普天間基地の撤去を求める京都行動 (京都行動)
http://kyoto-action.jugem.jp/    
     
●問い合わせ先:
           Eメール anc49871あっとnifty.com(山崎)
-----------------------------------------------------------------------------

【今日のきく】

 泊りのバイトの続きで、そのまま関空に行く。だから車に乗ってこれない。
 そしたら、ヨメさんが「バイト先まで送ったげる。」
 「それは、愛してるって言うこと?」
 「あー、うっとし。いらんやったら、やめとくでー。」
 「めっそうもございません。よろしくお願いします。」

 ということで、きく付きのお見送り。
 ありがとうございました。

画像(320x240)
画像(320x240)

 沖縄から帰ってくるのは1週間ほど先。
 「きくはかしこう待ってくれてるかなあ。ヨメさんはかしこう待って・・・、くれてへんはなあ。」

Posted by パオパオ   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

4

2014


    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

プロフィール

パオパオ

このブログについては「ごあいさつ」をご覧ください。

PHOTO

きくの診察

きくの診察

手もみ総本店・修学院店

手もみ総本店・修学院店

第50回勝手に国労応援ラン

第50回勝手に国労応援ラン

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

リンク集

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2008 Paopao All rights reserved.