パオパオだより

2011年10月19日(水)

第17回四万十川ウルトラ・後半 [ランニング]

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 50km地点を過ぎて、はたと気づいた。
 「目標90kmって、なんて気が楽なんやろう。あとたったの39.8kmやん。サンキュッパー、サンキュッパー・・・。」
 わけの分からんことをブツブツつぶやいているオッサンに気づいた人は、さぞ気持ち悪かったことでしょう。

 半家沈下橋を過ぎると、きつい坂が始まる。

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 さすがにこの坂は歩いてしまった。
 それでも、だいたいキロ9分をキープ。これなら、貯金はそんなに減っていかない、

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 四万十川ウルトラ恒例のオカリナ奏者。
 吹き続けるのはたいへんでしょうに、ありがとうございます。

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 第3関門、61.4km地点。
 標識を見ると1時間13分も余裕があるが、これはだいぶおまけがプラスしてある。イーブンペースで換算すると、ここは14時05分までに通過しなければならない。つまり、実際は55分の貯金。

 こんな計算は、走りながらでは絶対無理。私も含めて完走ぎりぎりのほとんどの人が、自分のペース表を作って持ち歩いているはずだ。

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 そろそろきつくなってきたので、佐山さんから伝授された「若くてきれいなおねえさん追跡作戦」。
 でも無理。まず、そんな適当な女性が近くには見つからない。仮に見つかったとしても、そんな自在にペース上げられません。逆に、どう見ても私をペースメーカーに使っている女性がおられた。「反対ですがな!」

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 2年前、1分ほど間に合わなかった第4関門前。
 今年は余裕のラン。

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 第4関門、71km地点。
 見かけは49分の貯金、実際は38分。貯金が少なくなってきた。

 「ここで、だいたい半分やと思わなあきません」と言ったら、エイドのスタッフのおばちゃんがビックリしておられた。
 「あと29kmでしょう。3分の1もないのに・・・。」
 「いやいや、こっからが長いんですよ。私、2年前ここでアウトで、去年は78kmでアウトです。そやから、ここからが勝負なんですよ。」

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 走り始めて少し行ったところで、「ワンワン」とほえる声。
 「じょん、ほえるな。じょん」とおばあちゃんがしかっておられた。
 「じょんゆうんですか。写真撮らせてもらおっと。」

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 じょん君はあんなにほえてたのに、手を差し出すとペロペロと。
 ちょっと塩からかったやろうに。ありがとね。

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 ずっと私たちランナーに歌声を届けて下さっていたお二人。
 ありがとうございます。

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 75.1kmのエイドで、話しかけてこられる女性あり。
 大阪の原山さん。いつも、「京都キャロット」の出張販売の時に買ってくださっているらしい。ありがとうございます。
 「村岡に続けての出場なんで、ちょっときついねえ」ですって。これも抽選制の大会の弊害かな。予定が立てにくいですよね。

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 77.6kmのエイド。
 去年はここらへんでアウトになってしまった。

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 今年ももうキロ10分をこえるペースになり、歩いている人にも抜かされる始末。
 スタスタと抜いていく長身のウォーカーに、「速すぎまっせー。」
 そしたら、「私、スタートからずっと歩きです」やと。
 「おー、なんてこったい!」
 初めから歩きの人にまで抜かれとるんかい。

 毎年このパターンで時間切れになり収容されている。でも、今年はまだちょっとは貯金が残っている。

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 第5関門、79.5km地点。
 見かけの貯金は23分、実際は19分。
 だんだんおしりに火がついてきた。

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 80km、10時間55分。
 イーブンペースで11時間12分だから、まだ17分の貯金がある。これで、当初目標にしていた90km到達が見えてきた。
 それまで5kmごとのラップしかとっていなかったのだが、ここから先は1kmごととるようにした。自分を励ますために。

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 さっきから何回も抜いたり抜かれたりしていた自転車での応援の方。
 かぶられていた笠が目立っていたが、さっき休けいされている時に追い抜いたら笠を脱いでおられた。
 「ビッビッ美人!」
 次追いついてこられたら、ゆうだけゆってみよう。

 「あのー、写真撮らせてもらってもいいですか。」
 「はい。」
 「さっきからその笠が目立ってたんですけど、笠を取られたらすごい美人が出てこられて・・・。」
 「えー・・・。」
 「ブログに載せさせてもらいます。『京都キャロット』で検索して見てください。」
 「はい。」

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 ランナーでは「若くてきれいなおねえさん」が見つけられなかったが、こんなところで・・・。でも、相手は自転車なのでとても追いかけることはできません。

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 84km手前、一人一人のランナーに声をかけている女性あり。
 「私、抽選にはずれて走れなかったんです。私の分までしっかり走ってください。」
 「私、抽選にはずれて・・・、あれっ、『京都キャロット』さんて、国労の中野さんのお友だちですよね。」
 「はい、そうです。」
 「私、中野さんたちといっしょにやってる高知の谷と言います。中野さんにもキャロットさんが走っておられたと伝えておきます。」
 「ありがとうございます。しっかり走りますわー。」

 そういえば、抽選にはずれた人の存在など完全に頭の中になかった。主催者さんのお話によると、100kmの定員1500人の倍率はちょうど2倍だったそうだ。出場している1500人と同じ数だけはずれた人がいるということだ。

 この谷さんは女神さんだったのだろうか。
 83〜84kmの1kmが12分20秒もかかっていたのに、次の1kmが7分09秒。このあとも、しばらくキロ8分ペースをキープ。何が復活のきっかけになるか分からんね。

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 第6関門、86.9km。
 見かけ13分の貯金、実際は6分。

 ここで落ち着いて計算してみた。次の関門93.9kmまでちょうど7km。これを1時間11分(71分)で・・・。そうか、キロ10分ペースでクリアできる。ここまで来たら90kmで満足せず、最終第7関門クリアをめざすべき。

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 90km、12時間33分。
 一応、まだ3分だけ貯金が残っている。でも、もう8分24秒ペースは無理。

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 真っ暗な中にペンライトが円を描いてくれていた。
 「なーんにも見えへんけど、写真撮らせてもらうわね。」
 あとで見たら、こんなかわいい子たちでした。ありがとうございました。

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 第7関門、93.9km。
 2分半ほど貯金があるように見えるが、実際はマイナス4分。
 でも、私の前のランナーがスタッフさんに尋ねておられた。
 「この関門をこえたら、ゴールさせてもらえるんですよね。」
 「そうです。もう関門はありませんから。」

 よっしゃー。動けんようになったら収容やけど、前に前に進んでいるランナーは止めへんちゅうこっちゃな。「四万十」ってええ大会やん。

 しかし、この先あたりから街灯がほとんどなく、応援の人もほとんどおられない。
 私のすぐ後ろで、「あー!」という叫び声。後ろを歩いておられたランナーが溝にはまってしまわれた。
 「だいじょうぶですか。」
 「・・・」
 「だいじょうぶですか。」
 「あー、なんとか。」

 若いおねえさんだったら飛んで助けに行ったのだが、私くらいのおじさんランナーだったので見捨ててきた。われながら、なんちゅうやっちゃと思ったね。

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 もうこのあたりはランナーにも出会わず、夢の中を走っている感じ。なんてさびしいゴール前なんやろう。
 8〜9分ペースにいったん上っていたのに、ここらはまた11分ペースに落ち込んでいた。

 暗闇の中で「にゃー」となく声。
 「えー、こんなとこに・・・。捨て猫かなあ。」
 とっさにシャッターを切った。何とかそのネコちゃんがぎりぎりカメラに収まってくれていた。

 今日は、おおかたあんものことを忘れていた。5月に5km20分切れたのも、黒猫あんものおかげやったのに・・・。
 そう思ったら、また走る気力が湧いてきた。残りたったの3km。せめてキロ7分くらいのペースで、気持ちよく走ってゴールしよう。

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 「ワンワン」と応援してくれるワンちゃん。
 この写真を最後にして、あとはゴールまで突っ走ろう。

 あと1kmちょっとやてー。
 ますます調子が出てきて、上り坂もらーくらく。
 よう考えたら、最終関門からあとの5kmで10人以上は抜いている。

 坂を上りながら、「向こうに見える明るいとこがゴール会場なんやな」と思いつつ・・・。

 そこに現れたバイクの役員さん。
 「ゴール関門時間が過ぎたので、収容車に乗ってください。」
 「いや、私走れますので・・・。」
 「決まりですから。」

 仕方なく後ろから追いついてきた収容バスに。
 「えー、乗れって言われたんですか。ゴール、そこに見えているのにね。」
 バスの中におられたスタッフさんが、そう言ってくださった。
 「いや、ここまで走らせてもらっただけでも・・・。」

 目標90kmでのぞんだレースですもん。99.5kmまで行けたんやから、ゆうことなしです。 

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 残り500m分を収容バスに乗り、ゴール会場へ。
 これで、私の「第17回四万十川ウルトラマラソン」はおしまい。
 約99.5km、およそ14時間10分。たっぷり楽しませてたいただきました。

 大会関係者のみなさん、たいへんお世話になりました。私は、残り500m走らせてもらえなかったといって怒ってはいませんよ。これも実力。
 ほんとうにありがとうございました。

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2011年10月18日(火)

第17回四万十川ウルトラ・前半 [ランニング]

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 今回の作戦。
 ?50kmまでできるだけ飛ばして貯金を作る。そこから5kmのインターバルのつもりで、貯金を小出しにしながら少しずつ距離を積み重ねいてく。
 ?シューズは、軽量「アディゼロジャパンKYOSO」で最後まで。ウェアも着替えない。
 ?大会のルールを守るお上品なランナーをめざす。立ち○○○などもってのほか。

 スタート前に心がけたのはこれくらい。

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 スタート会場に着くと、いきなり話かけられた。
 「今日は奥さんは?」
 「ヨメさん仕事ですわ。私一人で来てますねん。」

 京都からのお二人。越本さんと吉岡さん。越本さんのほうはウルトラのベテランらしいが吉本さんは初ウルトラ。初ウルトラが四万十というのは正解だと思う。

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 大阪ミントJCの福原さんとお連れさん。
 お名前を忘れていたので「お名前は・・・」とお聞きしたら、お連れの女性が「服の腹と覚えてください」とお腹ポッコリのポーズ。
 「うまい!」

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 地元高知の西本さん。京都キャロットのお得意さまです。

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 5時30分スタート。
 スタートラインを越えるのに1分半。ほぼ最後尾からのスタートだった割には上出来。

 スタートラインを越えたところで、「ふじいさーん!」の声。なんと、兵庫の「みかた残酷」の久保井さん。走られないのに、高知までどなたかの応援に来られているのだ。

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 2km地点あたりでかわいいワンちゃん発見。
 「ごろーちゃん・オス・まだ1歳」

 細かな霧が出ていたため、まるで雨が降っているような写真になってしまった。でも、ほんとうにかわいいワンちゃんだった。

 いかんいかん、今日は写真は最低限にとどめる予定だ。このワンちゃんは明らかに柴。写真は雑種限定にしなければ。

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 9km付近で、「ランナーズ9の会」の山下けいきさんに遭遇。山下さんは超久しぶり(10年ぶり)の2回目のウルトラだそうだ。出場されることは知っていたが、私のはるか前を走っておられるものだと思っていた。ここから約1時間、峠まで山下さんと並走させてもらった。

 「去年一応ウルトラ引退宣言したんですけどね、山下さんのブログに『四万十、申し込むだけ申し込んでみよう』と書いてあったでしょう。あれを見て、そうやなあと思って、しめ切り最終日に申し込みしたんですよ。3年連続は当たらんやろなあと思ってたんですけどね。」
 「そうだったんですか。」

 山下けいきさんは、大阪府茨木市の市会議員さん(私より3歳上)。1980年の補選で初当選、現在9期目。議会内所属会派は「元気市民」。政党としては新社会党。
 私が山下けいきさんを初めて知ったのは、2年前の国労闘争団・中野勇人さんの「国会前54日間連続フルマラソン」のレポートを見て。私が東京に行って中野さんと走ろうと思いたったのは、山下さんのレポートのおかげです。
 そのあとも、ずっと山下さんのブログを見せてもらっている。旧社会党から「憲法9条を守る」という部分をしぼり出したような新社会党(あくまでも私のイメージです)。それは今の私の考えにかなり近い。
 もちろん山下さんは幅広い活動をされており、憲法9条以外のことにも精通されている。私の政治社会ネタのほとんどは、山下さんのブログから始まっていると言ってもいいくらいである。

 峠までのおよそ1時間、こんなところで山下さんとじっくりお話ができるとは思ってもみなかった。もう、これだけでも今回四万十に来た甲斐があった。話の内容は、多くの個人情報も含まれているのでカット。まあ、ひとつだけ書いときましょか。

 「ボクね、前から思ってたんですけど、『軍事費を震災復興に当てる』という案はどこからも出てこないんですか。」
 「今のところないですね。」
 「一応、自衛隊って仮想敵国から日本を守るためにあるってことになってるんでしょう。仮想敵国というのがあるのなら、震災後、自衛隊が被災地に取られてるときにせめて来るもんでしょう。そんな国、実際にはありませんよ。
 軍事訓練(殺人訓練)に使う費用を当分凍結して、それをすべて震災復興費に回してもだれも怒らんと思いますけどね。」
 「確かにそうですね。自衛隊が使っている砲弾が、1発何十万もするんですからね。」
 「公務員削減を言う人が多いのに、役に立っているかどうか分からない軍事訓練をしている自衛隊の予算を削減という人が少ないのはなんででしょう。」
 「そこは手をつけてはいけないような、悪しき世論誘導が作られていますね。」

 というようなお話とか・・・。
 こんな話をしながら走っていると、峠までが近く感じられた。

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 峠手前(21.3km)のエイド。
 「誰か元気そうな人はおらんかなあー・・・。あっ、すいません。写真撮ってもらえますか。」
 私たちのちょっと後ろを走ってこられた女性にお願いした。

 

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 「おねえさんも、撮らせてもらいます。」

 この方が写真をとってくださった方です。ちょっと足をひきづっておられたようで気の毒でした。
 私のカメラで2回、山下さんので1回。レース中なのに足止めをしてごめんなさい。でも、きれいに撮れていました。ありがとうございました。

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 「山下さんのブログ、リンクさせてもらいますねー」とお約束し、ここで山下さんとはお別れ。
 (私のブログのリンク集の中で、まちがいなく一番ためになるブログです。ぜひ一度のぞいてみてください。「お元気ですか」→)

 ここからの下りで貯金を稼がねば。
 目標は、前半50kmを休けいも含めてキロ7分ペース。50×7=350、つまり5時間50分。
 上りにも関わらず、ずっとキロ7分は切っていたので行けるはず。気持ちを緩めないように。

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 峠から先は、写真も封印。
 でもでもでも、37km付近の大通り。
 「道のお向かいで、わろとる犬おるがなー。」

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 「ワンちゃんの写真、撮らせてくださいね。お名前は?」
 「ハチです。」
 「ハチ? 去年も写真撮らせてもらいましたよね。」
 「あー、そうですね。」
 「バナナ食べてたワンちゃんですよね。」
 「そうです、そうです。」

 「前に写真を撮らせてもらったワンちゃんに再会」、これがあると力が湧いてくる。

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 41.8kmのエイド。
 
 「あのー、この口の黒いワンちゃんの写真、撮らせてもらっていいですか。」
 「はい。」
 「あのー、種類は?」
 「ポメラニアンですよ。」
 「口の黒いポメラニアンて、めずらしいですよね。」

 「りく・オス・6歳」でした。

 このエイドでおにぎりをほおばっていたら、「ふじいさーん」と言いながら山下さんが追い抜いていく。もっと離していたつもりだったのに・・・。やっぱり実力差は歴然。

 私は、なんとか少しでも貯金を増やすことを目標に。
 100kmを14時間ということは、1km8分24秒ペース。それを上まわれば貯金ができ、下まわれば貯金が減っていく。
 45km過ぎから、ところどころキロ9分台に落ち込んでしまった。
 「いかん!」予定よりも早く、貯金小出し生活。ここは踏ん張りどころ。

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 やっと50km。
 走路員のスタッフさんに写真を撮っていただいた。

 5時間56分。目標より6分多くかかってしまったが、前半で1時間4分の貯金は大きい。
 心配していた左おしりの大爆発も、今のところだいじょうぶ。
 後半はこの貯金をうまく使って、とりあえず「目標90km!」


(注) 後半に続く。

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第17回四万十川ウルトラ・スタートまで [ランニング]

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 土曜日、家を出たのは11時前。
 髪の毛がうっとおしくなっていたので、北大路ビブレの1000円散髪をして行こうと思っていた。ところが上の駐車場がいっぱいだったのであきらめてスルー。
 でも、これがよかった。受付会場に着いたのは5時45分。お昼ごはんに30分ほどとったが、けっきょく7時間ほどかかった。終了の6時に間に合わないかもしれないと思ってあせった。ぎりぎりセーフ。

 家を出る前、滋賀のリトルランナーさんからメール。思ってもみなかった人から応援メールをいただけるとすごくうれしい。特に「ご自身の力を楽しんで発揮できますように」という言葉がうれしかった。そやねー、楽しまなねー。

 受付会場に向かってハラハラしながら運転中に、またメール。今度は兵庫のまっちゃん。私のブログに何度も登場してもらってる「ゆめさき舎」のまっちゃん。村岡、完走されたそうだ。こら、負けてられん。

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 今までの2回はシングルが取れず、45km手前の窪川に泊まっていた。その行き来が大変だった。しかし、今年は出足よく手続きしたのでシングルゲット。中村駅のまん前の中村第一ホテル。
 シングルにしては大きなベッドで、ゆっくり寝られそう。大きなお風呂がないのが残念だが、ビジネスホテルだから当たり前ですね。

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 「このお料理にはビールがいりますよねえ。」

 大広間での夕食の時、ビールを注文すると、お隣りの女性がそう話しかけてこられた。こういう場で初対面の女性から話かけられることなどめったにない。
 「そうですよね・・・。」
 「ビールいりますよね。それなのに、だれも飲まれてないんですよー・・・。」
 「いや、ほんまや。」

 遅がけから行ったのでもう10人もおられなかったのだが、確かにビールを飲まれているのはその女性お一人だけだった。たまたま隣りにすわった私がビールを注文して、ほっとされたような・・・。ひょんなことから話が弾んだ。

 その方は神戸のKさん(お名前公表を言ってないのでイニシャルで)。ウルトラは大ベテランで、今まで一度も収容されたことがないということだった。
 「ボクはね、15回連続関門収容中ですねん」と言ったら凍ってしまわれた。「いい大人が、同じ失敗を15回もくり返すとは・・・」と言いたそうな表情だった。
 「一番の原因はスタミナ切れじゃないですか。私は、前の晩の夕食を食べられるだけ食べて、そのあとも寝るまで食べ続けます。」
 「えー、それっておなか痛くなって寝られへんてことないですか。」
 「それを慣らしていかないと。レース前も手に持って、食べ続けます。」
 「すげっ! ボクも友だちから、『おなかがへってから食べてるようでは手遅れ。初めからドンドン食べ続けないとダメ』と言われました。」
 「その通りです。とりあえず、そのビールを2本飲んだ後はごはんを2杯は食べないと・・・。」
 「それ、無理ですって。」
 「あっ、それなら、このホテルの向かいにコンビニがあるから、そこでケーキとかサンドイッチとかチョコとか買って食べればいいですよ。アイスとかもいいですよ。」

 もう、「ハハー」という感じです。確かに、ガリガリに見えたKさんだが、出ていたお料理をぺロリとたいらげておられた。私はごはん2杯を食べられなかったので、コンビニに直行。だいたいKさんが指図してくださったものを買ってきた。

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 しかししかし、やっばり、「ムッリー!」

 アイスは元々好きなので2個ぺロリといけた。でも、そのほかのものは食べる気がまったくおこらなかった。
 レースではく予定のシューズに足を入れておこうとかがむと、「オェー」。間一髪セーフ。もう、ここらが限界。
 やっぱり、思い切り食べだめができないのが私の最大の弱点なのかもしれない。でも、食べだめする練習って言われてもねえ・・・。

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2011年10月17日(月)

第17回四万十川ウルトラ・結末 [ランニング]

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 順番逆ですけど、「99.5kmってどういうこと?」というお問い合わせが多いので、結末を・・・。

 97km過ぎ、「にゃー」というなき声。
 「えっ、こんなとこにネコちゃん?」

 初めて通る道。しかも、人家もなく応援の人もなく真っ暗。もう、14時間制限のゴールにはとうてい間に合わないことも分かっていたし・・・。このとき、キロ11分台まで落ち込んでいた。
 でも、このネコちゃんのなき声で我にかえった。5月に死んでしもた黒猫あんもちゃんのお使いかなあ。
 このあと急に元気が出てきて、トボトボ歩いているランナーを抜きまくり。

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 98km地点あたりで14時間は過ぎてしまったが、ますます調子が出てきた。

 99km地点あたりで「ワンワン」とほえる声。
 「あー、また私の応援やー。これは写真撮っとかなー。」

 「りんたろう・オス・6歳」
 ほえてほえてするけど、ちゃんとなでさせてくれはった。
 りんたろうからパワーを吸いまくり。

 りんたろう君の家を過ぎると上り坂。そこでトボトボと歩く二人を一挙に抜き、上り坂もなんのその。
 「ここで99.3km。あと700mです。がんばってください」と走路員のスタッフさん。
 「へっへっへー、あと700mやてー。ゴール関門過ぎてもゴールさせてくれはるんや。」

 しかし、そこへバイクの役員さん。
 「ゴール関門時間が過ぎましたので、収容車に乗ってください。」
 「えー、あとちょっとですよー。」
 「決まりですから。」
 「収容されている人はみな歩いてる人でしょ。私、ずっと走ってるんですよ。あと5分ほどあったらゴールできますし・・・。」
 「決まりですから。」

 1台目の収容車は満杯でスルー。
 「次のが来るまでもうちょっと走ってもらっていいですよ。」
 よっしゃー。逃げろや逃げろ。
 しかししかし、坂を上り切ったあたりで2台目の収容バスが到着。一巻の終わり。

 あとで聞くと、あの坂を上り切ったところで右折して細い道に入るとあとゴールまで500mほど。おー、私の走った距離は99.5km!

 スタッフの方やゴール後にお話したランナーのみなさんは、「何で最後まで走らせてくれないんかねえ」と憤ってくださった。もう、そう思っていただけるだけで十分です。
 15回連続収容車の「ウルトラ未完走王」の私としましては、こんなことどうってことないんです。なれてますから。逆に、「ようここまで走らせてくれはった」と感謝の気持ちでいっぱいです。

 「決まりですから」と役員さんに言われた時、むっとして強い口調で抗議しつつも、顔は「ニタッ」としていた。それは、「しめしめ、99.5kmなんて、ねらってできるもんじゃない。これはおいしいかも・・・」と思ったからかもしれない。

 でも、本心は「京都からおこしの藤井さん。19年ぶりの100kmのゴールです」とかアナウンスしてほしかったなあ。

 もし神様がいるとしたら、「神さん、あんたちょっとおちょけすぎるで。99.5kmて、まあ・・・」と言いたくはなりますね。

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2011年10月16日(日)

99.5km〜四万十川ウルトラ速報〜 [ランニング]

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 99.5kmで収容。
 収容された人の中で最長やー。

(注) 収容後、ヨメさんに電話してアップしてもらいました。

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2011年10月15日(土)

四万十、90km [ランニング]

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昨日のきくちゃん

 もうすぐ京都を出て、高知・四万十へ向かいます。

 体調は・・・。
 長らく続いていた右アキレス腱の激痛は、やっと普通の痛みになってきた。だいじょうぶ。その代わり、左太ももの裏からおしりにかけての痛みがきつい。左足がしっかり上らない状態が続いている。まあ、いつ左ケツが爆発してもおかしくない。それをだましだまし、「目標90km!」

 昨日、「スペシャルゴールドフィンガーマッサージ」を1時間ほどしてもらった。これで70kmくらいまでは持つでしょう。そのあとが勝負。

 ヨメさんときくが応援してくれていると思いながら走ろうっと。
 では、行ってきまーす。

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2011年10月14日(金)

やめてもいいよ京都マラソン [マラソン評論]

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ご近所のネコちゃん

◎毎日新聞10月14日朝刊

 「京都マラソン:当日の車自粛巡り、市が回覧で署名集め」

 来年3月に初開催される「京都マラソン」大会当日のマイカー自粛への賛同を求め、京都市が自治会の回覧板で署名を集めていたことが分かった。対象は市内全域。市民からは「拒否したらどうなるのか」など戸惑いや反発の声が出ている。

 大会は市を中心とする実行委員会が主催。観光名所を含む市街地のコースを、1万5000人が走る。交通規制で最大5時間通行止めになる道路もあって大規模な渋滞の発生が予想され、京都府警は実行委に対策を強く求めている。市は当日を「ノーマイカーデー」に設定。通常の交通量の35%に当たる17万5000台の削減を目標にしている。

 署名用紙は「京都市から『ご署名』のお願い」と題し、「大会当日はノーマイカーデー。ご賛同いただける方は、ご署名ください」などと住所、氏名、乗用車の台数の記載を求めている。

 さらに、市のまちづくり施策「歩くまち・京都」に賛成する人は印をする欄もある。市は9月中旬から配布、回覧して今月14日をめどに集約するよう求めている。

 市民団体「市民ウォッチャー・京都」は13日、「隣人に見られる回覧板で、特定の施策に意思表示させるのはおかしい」とし、用紙代などの返還を求めて住民監査請求した。

 市スポーツ企画課は「署名は市が独自に判断した。賛同する市民の数を把握し、今後に生かしたい」としている。【古屋敷尚子】

 ◇平野武・龍谷大法学部教授(憲法)の話
 個人情報を収集する際は目的を明確にし、その範囲内で最小限の情報を集めるのが常識になっている。協力者数の把握に住所や名前は不要だ。署名しなかった人には説得に来るのかと勘ぐる市民もいるのではないか。行政のやり方として適切でない。
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 私が9月15日のこのブログの記事「京都マラソン門前払い」で書かせてもらった「マイカー自粛署名」が、やっと新聞記事になった。この翌日、日本共産党京都市議団が、署名中止・回収を求めて市長への申し入れをしたことも一般紙には報じられなかった。
 やっとですか。住民監査請求とかにならないと、新聞にも載らんちゅうことですか。

 京都シティハーフマラソンを中止して、2年以上の準備期間があったにも関わらず、なにをバタバタしてるんでしようね。

 私が取り上げた問題点は、新聞での内容とはちょっとちがう。「町内会の役員さんの迷惑」を考えよということ。
 うちの町内会は約100軒。その中を約10軒ずつ10組に分けてある。回覧物は会長さんから各組の組長さんへと渡され、各家庭に回される。会長さんは一応立候補制だが、組長さんは輪番制だ。うちの組は今年はお隣りが組長さん。つまり、来年度はうちが組長をしなくてはならない。そんなとき、今回のようなわけの分からん署名簿が下りてきたらどうしよう。私は良心に従って、こんな署名簿は回覧できない。つまり、こんな署名簿は町内会の組長さんにいらぬ心労をかけることになる。京都市はそこまできちんと考えているんでしょうか。こんなことをしていたら、ますます町内会を脱会する人が増えていってしまう。

 先日、綾部・じょんのび村の村長さんが言っておられた。
 「京都府警が、よく6時間の交通規制を受け入れましたね。」
 じょんのび村村長さんは、かつてトライアスロンの実行委員をされていた。そのときの、京都府警との交渉のことを思い浮かべておられたのであろう。うわさには聞いてはいたが、京都府警の頑迷さはかなりのものらしい。
 しかし、2年もの準備期間があったのに、その点をクリアできていなかったということなのか。「京都マラソン」の開催に関しては賛否両論あっただろう。それでも開催が決まったからには協力しようと思っている市民のほうが圧倒的に多いと思う。マラソン参加者に対して、「不愉快な思いをして帰ったらいいわ」なんて思っている人なんておりませんてー。
 公務員削減がはやってるけど、警察を批判する人は少ないようだ。「京都マラソン」のひとつもしっかり警備できないような京都府警なら解体してしまえばと思う。この人たちも公務員として優遇されている人たちだろうに。

 いや、その前に準備期間にろくな仕事もせず、直前になってバタバタしている京都市の責任のほうが重い。
 今回はもう決めてしまったのでなんとしてでも開催して成功してほしいが、次年度以降はもういいです。無理に無理を重ねるようなマラソン大会なんて、だれも望んでいません。

 特色のないマラソン大会なんて、いずれ落ちぶれていきます。
 「やめてもいいよ、京都マラソン。」

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