パオパオだより

2011年10月19日(水)

第17回四万十川ウルトラ・後半 [ランニング]

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 50km地点を過ぎて、はたと気づいた。
 「目標90kmって、なんて気が楽なんやろう。あとたったの39.8kmやん。サンキュッパー、サンキュッパー・・・。」
 わけの分からんことをブツブツつぶやいているオッサンに気づいた人は、さぞ気持ち悪かったことでしょう。

 半家沈下橋を過ぎると、きつい坂が始まる。

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 さすがにこの坂は歩いてしまった。
 それでも、だいたいキロ9分をキープ。これなら、貯金はそんなに減っていかない、

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 四万十川ウルトラ恒例のオカリナ奏者。
 吹き続けるのはたいへんでしょうに、ありがとうございます。

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 第3関門、61.4km地点。
 標識を見ると1時間13分も余裕があるが、これはだいぶおまけがプラスしてある。イーブンペースで換算すると、ここは14時05分までに通過しなければならない。つまり、実際は55分の貯金。

 こんな計算は、走りながらでは絶対無理。私も含めて完走ぎりぎりのほとんどの人が、自分のペース表を作って持ち歩いているはずだ。

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 そろそろきつくなってきたので、佐山さんから伝授された「若くてきれいなおねえさん追跡作戦」。
 でも無理。まず、そんな適当な女性が近くには見つからない。仮に見つかったとしても、そんな自在にペース上げられません。逆に、どう見ても私をペースメーカーに使っている女性がおられた。「反対ですがな!」

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 2年前、1分ほど間に合わなかった第4関門前。
 今年は余裕のラン。

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 第4関門、71km地点。
 見かけは49分の貯金、実際は38分。貯金が少なくなってきた。

 「ここで、だいたい半分やと思わなあきません」と言ったら、エイドのスタッフのおばちゃんがビックリしておられた。
 「あと29kmでしょう。3分の1もないのに・・・。」
 「いやいや、こっからが長いんですよ。私、2年前ここでアウトで、去年は78kmでアウトです。そやから、ここからが勝負なんですよ。」

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 走り始めて少し行ったところで、「ワンワン」とほえる声。
 「じょん、ほえるな。じょん」とおばあちゃんがしかっておられた。
 「じょんゆうんですか。写真撮らせてもらおっと。」

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 じょん君はあんなにほえてたのに、手を差し出すとペロペロと。
 ちょっと塩からかったやろうに。ありがとね。

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 ずっと私たちランナーに歌声を届けて下さっていたお二人。
 ありがとうございます。

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 75.1kmのエイドで、話しかけてこられる女性あり。
 大阪の原山さん。いつも、「京都キャロット」の出張販売の時に買ってくださっているらしい。ありがとうございます。
 「村岡に続けての出場なんで、ちょっときついねえ」ですって。これも抽選制の大会の弊害かな。予定が立てにくいですよね。

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 77.6kmのエイド。
 去年はここらへんでアウトになってしまった。

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 今年ももうキロ10分をこえるペースになり、歩いている人にも抜かされる始末。
 スタスタと抜いていく長身のウォーカーに、「速すぎまっせー。」
 そしたら、「私、スタートからずっと歩きです」やと。
 「おー、なんてこったい!」
 初めから歩きの人にまで抜かれとるんかい。

 毎年このパターンで時間切れになり収容されている。でも、今年はまだちょっとは貯金が残っている。

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 第5関門、79.5km地点。
 見かけの貯金は23分、実際は19分。
 だんだんおしりに火がついてきた。

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 80km、10時間55分。
 イーブンペースで11時間12分だから、まだ17分の貯金がある。これで、当初目標にしていた90km到達が見えてきた。
 それまで5kmごとのラップしかとっていなかったのだが、ここから先は1kmごととるようにした。自分を励ますために。

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 さっきから何回も抜いたり抜かれたりしていた自転車での応援の方。
 かぶられていた笠が目立っていたが、さっき休けいされている時に追い抜いたら笠を脱いでおられた。
 「ビッビッ美人!」
 次追いついてこられたら、ゆうだけゆってみよう。

 「あのー、写真撮らせてもらってもいいですか。」
 「はい。」
 「さっきからその笠が目立ってたんですけど、笠を取られたらすごい美人が出てこられて・・・。」
 「えー・・・。」
 「ブログに載せさせてもらいます。『京都キャロット』で検索して見てください。」
 「はい。」

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 ランナーでは「若くてきれいなおねえさん」が見つけられなかったが、こんなところで・・・。でも、相手は自転車なのでとても追いかけることはできません。

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 84km手前、一人一人のランナーに声をかけている女性あり。
 「私、抽選にはずれて走れなかったんです。私の分までしっかり走ってください。」
 「私、抽選にはずれて・・・、あれっ、『京都キャロット』さんて、国労の中野さんのお友だちですよね。」
 「はい、そうです。」
 「私、中野さんたちといっしょにやってる高知の谷と言います。中野さんにもキャロットさんが走っておられたと伝えておきます。」
 「ありがとうございます。しっかり走りますわー。」

 そういえば、抽選にはずれた人の存在など完全に頭の中になかった。主催者さんのお話によると、100kmの定員1500人の倍率はちょうど2倍だったそうだ。出場している1500人と同じ数だけはずれた人がいるということだ。

 この谷さんは女神さんだったのだろうか。
 83〜84kmの1kmが12分20秒もかかっていたのに、次の1kmが7分09秒。このあとも、しばらくキロ8分ペースをキープ。何が復活のきっかけになるか分からんね。

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 第6関門、86.9km。
 見かけ13分の貯金、実際は6分。

 ここで落ち着いて計算してみた。次の関門93.9kmまでちょうど7km。これを1時間11分(71分)で・・・。そうか、キロ10分ペースでクリアできる。ここまで来たら90kmで満足せず、最終第7関門クリアをめざすべき。

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 90km、12時間33分。
 一応、まだ3分だけ貯金が残っている。でも、もう8分24秒ペースは無理。

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 真っ暗な中にペンライトが円を描いてくれていた。
 「なーんにも見えへんけど、写真撮らせてもらうわね。」
 あとで見たら、こんなかわいい子たちでした。ありがとうございました。

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 第7関門、93.9km。
 2分半ほど貯金があるように見えるが、実際はマイナス4分。
 でも、私の前のランナーがスタッフさんに尋ねておられた。
 「この関門をこえたら、ゴールさせてもらえるんですよね。」
 「そうです。もう関門はありませんから。」

 よっしゃー。動けんようになったら収容やけど、前に前に進んでいるランナーは止めへんちゅうこっちゃな。「四万十」ってええ大会やん。

 しかし、この先あたりから街灯がほとんどなく、応援の人もほとんどおられない。
 私のすぐ後ろで、「あー!」という叫び声。後ろを歩いておられたランナーが溝にはまってしまわれた。
 「だいじょうぶですか。」
 「・・・」
 「だいじょうぶですか。」
 「あー、なんとか。」

 若いおねえさんだったら飛んで助けに行ったのだが、私くらいのおじさんランナーだったので見捨ててきた。われながら、なんちゅうやっちゃと思ったね。

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 もうこのあたりはランナーにも出会わず、夢の中を走っている感じ。なんてさびしいゴール前なんやろう。
 8〜9分ペースにいったん上っていたのに、ここらはまた11分ペースに落ち込んでいた。

 暗闇の中で「にゃー」となく声。
 「えー、こんなとこに・・・。捨て猫かなあ。」
 とっさにシャッターを切った。何とかそのネコちゃんがぎりぎりカメラに収まってくれていた。

 今日は、おおかたあんものことを忘れていた。5月に5km20分切れたのも、黒猫あんものおかげやったのに・・・。
 そう思ったら、また走る気力が湧いてきた。残りたったの3km。せめてキロ7分くらいのペースで、気持ちよく走ってゴールしよう。

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 「ワンワン」と応援してくれるワンちゃん。
 この写真を最後にして、あとはゴールまで突っ走ろう。

 あと1kmちょっとやてー。
 ますます調子が出てきて、上り坂もらーくらく。
 よう考えたら、最終関門からあとの5kmで10人以上は抜いている。

 坂を上りながら、「向こうに見える明るいとこがゴール会場なんやな」と思いつつ・・・。

 そこに現れたバイクの役員さん。
 「ゴール関門時間が過ぎたので、収容車に乗ってください。」
 「いや、私走れますので・・・。」
 「決まりですから。」

 仕方なく後ろから追いついてきた収容バスに。
 「えー、乗れって言われたんですか。ゴール、そこに見えているのにね。」
 バスの中におられたスタッフさんが、そう言ってくださった。
 「いや、ここまで走らせてもらっただけでも・・・。」

 目標90kmでのぞんだレースですもん。99.5kmまで行けたんやから、ゆうことなしです。 

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 残り500m分を収容バスに乗り、ゴール会場へ。
 これで、私の「第17回四万十川ウルトラマラソン」はおしまい。
 約99.5km、およそ14時間10分。たっぷり楽しませてたいただきました。

 大会関係者のみなさん、たいへんお世話になりました。私は、残り500m走らせてもらえなかったといって怒ってはいませんよ。これも実力。
 ほんとうにありがとうございました。

Posted by パオパオ   トラックバック ( 0 )   コメント ( 5 )

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コメント

☆ハットリさん
 お友だちは一晩入院されたということでしょうか。本当に力を出し切ったら、そうなるのかもしれませんね。
 ハットリさんの記録を見せてもらいましたが、もうすでに私の倍近い速さです。サブ8なら、ほんまに2倍の速さと言ってもいいですね。ああ恐ろし!
 当たるか当たらんか分らん抽選を待つのはつらいですね。来年も特別な練習はせずに、申し込むだけ申し込んでみようかと思っています。

☆アスナロさん
 コメントありがとうございます。
 「丹波ロードレース」は、レースに出ないのでレース中はヒマなんですが、それ以外はバタバタしていると思います。ゆっくりお話するヒマはないかもしれません。
 辛口コメントも、遠慮せず書いてくださったら結構ですよ。いまだ、うちのヨメさん以上にきつい人に会ったことはありませんから・・。
 前から気になっていたんですが、頼まれていた「ハッチャンのアスナロ日記」、リンクしたのですが現在繋がらなくなっています。何か変えられましたか。ご連絡よろしくお願いします。

パオパオ 2011年10月20日 18時18分 [削除]

パオ先生へ
四万十川ウルトラご苦労様でした。身体が万全で無い状態で
良く頑張られたと思います。次の機会には、体調を万全にして、完走されると信じています。丹波高原ロードレースで
お会い出来れば幸いです。その時は此所に書けない、辛口の
コメントを用意しときます、、、?イヒヒ?

アスナロ 2011年10月20日 05時00分 [削除]

パオパオさん、ありがとうございます。
友達は翌日には元気になり三重まで車で帰れました。
次の目標はパオパオさんと四万十川ウルトラを完走することでしょうか?

是非ウルトラに挑戦し続けて下さいね!!

僕も新たな目標(サブ8)に向かった頑張りますー☆

ハットリ 2011年10月20日 01時49分 [削除]

 ハットリさん、コメントありがとうございます。

 あとでいろいろな人からお聞きしたのですが、私が収容された大通りからわき道に入っておれば収容されなかっただろうということでした。あと50m、30秒の差でしょうか。そう思えば、惜しかったことは惜しかった。
 でもそれでもゴール関門は過ぎているわけですから、ゆってもしょうがないです。これから1年、「99.5km」を楽しませてもらいます。

 お友だちはだいじょうぶでしたか。私も、いっぺん救急車で運ばれるくらい燃え尽きてみたいです。

 ハットリさんの次の目標は?

パオパオ 2011年10月19日 21時12分 [削除]

パオパオさん、お疲れさまでした。

あと500mなんで走らしてくれないんでしょうかね??

お会いできず残念でした。。
パオパオさんをゴールで待っていようと思っていたのですが、一緒に行った仲間がゴール後、脱水&痙攣で救急車で病院送りになり、同行してました。

病院から戻ってきた時にはゴール会場は撤去されていて誰も居ませんでした(涙)

諏訪湖ハーフでお会いできると思いますので、
楽しみにしております。

ハットリ 2011年10月19日 20時11分 [削除]

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