パオパオだより

2022年02月15日(火)

ある意味「長距離走者の孤独」 [雑感]

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◎「長距離走者の孤独」ウィキペディアより

長距離走者の孤独(ちょうきょりそうしゃのこどく、原題: The Loneliness of the Long Distance Runner)は、イギリスの小説家、アラン・シリトーが1959年に出版した短篇小説集、また同書に収録された短篇小説名。「怒れる作家」と呼ばれたシリトーは、この作品で青春期の大人社会への反抗や若者の怒りを描いた。短編集はホーソーンデン賞を受賞し、表題作は1962年に映画化された。

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■ストーリー
主人公のスミスは、貧しい労働者階級の母子家庭に生まれ、学校を中退し、仲間と町をうろつく不良少年。ある晩、彼は友人と共に、町のパン屋に忍び込んで金を盗む。やがてこの店舗荒らしは露見し、家に警察が来て彼は捕まり、感化院に送られる。そこで彼は長距離走の選手として選ばれ、トレーニングを受けるうち、自分でも長距離走を愛するようになり、練習に打ち込むようになった。

彼の才能に気がついた感化院の院長は、彼を陸上競技大会に院の代表として出場させることにし、特別に院外での練習を許可した。入所者がスポーツで優秀な成績を収めることは、院の評価、ひいては自分の評価につながるからであった。

大会の当日、彼は思いきり走る。二位以下を引き離した彼はゴールラインの前にくるが、なぜかそこで立ち止まった。やがて後続の選手があえぎながら追いついてきて先にゴールラインを越え、彼は結局、等外となった。彼はゴールラインを踏むことを拒否することで、院長や、周囲の大人の思惑に反抗したのだった。

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◎ダイヤモンドオンラインより

   北京五輪、スキージャンプ混合団体が「単なる敗北」ではない理由
                     小林信也 2022/02/10 06:00

◇失格でメダルは遠のくも…
 素晴らしい追い上げで堂々の4位

 スキージャンプ混合団体。あまりにも無情な現実が日本チームを奈落の底に突き落とした。高梨沙羅選手が1本目103メートルの大ジャンプで期待を膨らませた。その直後、「スーツ規定違反で失格」と発表され、ポイントがゼロになった。その時点で事実上、メダル獲得は難しくなり、大きな期待が一気にしぼんだ。

 それでも日本チームは諦めず、最後に小林陵侑が106メートルを飛んだ時点では2位、メダル獲得に望みをつなぐほど素晴らしい追い上げを見せた。

「勝負が全て」の価値観で見れば、メダルを逃す4位の結果は「負け」とみなされても仕方がない。規定や運用、準備に関して検証の必要は大いにあると私自身、やるせない思いを募らせている。だが一方で、全く別の感慨に包まれてもいる。

 失格が宣告された後の激しい怒りと困惑。だが私たちは、冷たい落胆と混乱の中で、いつしかこの上なく温かな感銘が交錯する不思議な光景を見せられていた。

 スポーツが「勝ち負け」だけでなく、「心のときめきや衝動を喚起してくれる」ことに深い意義や魅力があるとすれば、ジャンプ混合団体で私たちが共有したひどく感情的な時間は、大きな落胆とぶつけようのない憤りを伴うものではあったけれど、同時に素晴らしく貴重な感銘を共有する出来事でもあった……。

 高梨をいとおしく感じた。そして、誇らしく、貴く感じた。単純に表現すれば、それが私自身の心の変化だった。

◇見る者全てが心を打たれた
 高梨の2本目のジャンプ

 高梨は、10代の頃「無敵の女王」として登場した。世界でも圧倒的に強い。ほとんど負けない。若くして有名人になった。それだけ見れば、卓球の福原愛選手のように「お茶の間のアイドル」になってもおかしくない存在だったが、高梨は「愛されキャラ」にはならなかった。

 オリンピックで金メダルに恵まれず、「悲運の女王」とも言われた。冬の競技の女子選手の中ではフィギュア・スケートのスター選手たちと同じかそれ以上の知名度を誇り、誰もが知る存在だが、ざっくばらんに素顔をさらさない。あまり多くを語らないせいか、人間的な側面を感じさせない孤高のイメージが強かった。

 北京五輪前に、メークをめぐる論争が物議を醸した。これも、メークの是非が問われたと言うより、高梨と応援する側の心の距離へのいら立ち、見る側の屈折したねたみのような感情の表れと言えないだろうか。要するに、高梨と応援する一般の人々の間には、「金メダルを取る」「取ってほしい」という記号のような目標以外に、共有できるものがなかった、といえないだろうか。

 スーツ規定違反で失格になり、日本チームに大きく貢献したはずのポイントがゼロになった失意と申し訳なさのどん底で、高梨は2本目のジャンプを飛んだ。

 この健気な姿に、見る者は誰もが、理屈抜きに心を打たれただろう。そして、98.5メートルの見事な弧を張家口の空に描いた。着地した直後、うずくまり、両手で顔を覆って肩を震わせる高梨に、何も感じなかった日本人がいただろうか。この光景はヨーロッパのメディアも情緒的に報じたと伝えられている。日本人だけでなく、世界の人々の胸を揺さぶるジャンプだった。

 さらに、日本の最後のジャンパー・小林陵侑が106メートルの大ジャンプを飛び、この時点で2位に立った。メダルの可能性さえ抱かせたその瞬間、見つめていた高梨が左胸を抑え、倒れるようにうずくまった。その姿にまた、激しい衝撃を受けた。

◇この出来事は単なる敗北ではない
 勝利とは別次元のドラマ

 デビューから長年の間、高梨の戦績をニュースで知らされ、オリンピックのたびに注目し期待を寄せて来た私たちだが、高梨沙羅という女性の心の底に流れている素直な感情を目の当たりにするのは、これが初めてだったのではないか。少なくとも私は、初めて高梨沙羅という人の心に触れた気がした。

 本質とか人間性とか、そんな言葉にすればちょっと堅苦しすぎる気がする。高梨が何を考え、何に悩み、何を求めて生きてきたのか。その一つは金メダルだろうけれど、金メダルだけでない何かもっと大切な、高梨を支え、駆り立てている魂の素顔が、にじみ出た光景ではなかっただろうか。

 このとき、高梨沙羅をいとおしく、好きになった人はきっと大勢いただろう。

 メダルを逃した選手にこのような言い方が何の慰めにもならないことを承知の上で、あえて伝えたい。「スポーツはアートだ。選手は心や才能の表現者だ」と思う私は、勝利とは別の次元で展開された素晴らしいスポーツのドラマに深い感銘を受けた。その喜びと感謝を語らずにはいられない。

 このような理不尽な出来事を二度と起こしてはならない。ルールの見直し、運用の見直し、対応策を改めて徹底することは関係者、当事者にお願いしつつ、この出来事が単なる敗北や悲劇ではなく、素晴らしい感情の共有を生み出したハイライトの一つだったと、あえて大きな声で叫びたい。

 この出来事はきっと、長く心に残り続けるだろう。

 高梨沙羅、そして佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑。日本チームの選手たちに、心からの「ありがとう」を贈りたい。

(作家・スポーツライター 小林信也)
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 もうすぐ北京五輪が終わる。
 今回の話題を三つ上げるとすれば、

1.高梨沙羅選手と小林陵侑選手のジャンプ複合団体
2.平野歩夢選手の活躍と海祝選手の「兄ちゃん」連発
3.羽生結弦選手のやらんほうがよかった記者会見

1.ジャンプ複合団体のあとの高梨選手の謝罪文。
 「そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、・・・」
 ここで「小林陵侑選手だけ呼び捨てかーい!」と叫んだのは私だけでしょうか。(謝罪文を読み上げていたアナウンサーも、ここでちょっと「ウッ」となっていたように思う。)
 これを聞いて、私は「高梨沙羅、だいじょうぶ」と確信した。いい仲間がいてよかったね。
 (小林信也さんの、高梨沙羅選手と卓球の福原愛選手とを対比した批評も秀逸。)

2.三つの中でも、私的にはこの「兄ちゃん」にMVPをあげたい。(もちろん、弟の海祝選手に。)
 あのかっこよすぎるスノボと「兄ちゃん」のアンバランスがうれしすぎる。
 歩夢選手の鋭い顔と海祝選手の癒し系顔との乖離がまたよかった。

3.なに? あの記者会見。途中でチャンネル変えましたわ。
 私なりに解釈すると、今回の羽生結弦選手は、ある意味「長距離走者の孤独」だったんじゃないでしょうか。「期待してくれる人のためになんか走るものか」という感情がにじみ出ていたように思う。
 「穴が開いていた」とか「足首をくじいていた」とか言うより、「いつも期待通りの私だと思ったら大まちがい」と言ってくれた方がスッキリしたなあ。

 とか言うと、また「何の努力もしたことのないもんが、勝手なこと言うな」とヨメさんに叱られる。ちがうんですよ。何の努力もしたことない者のほうが、案外冷静に分析できたりすることもあるんですよ。
 「ねっ。」

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