2010年10月30日(土)
三途の川をクロールで [雑感]
◎京都新聞10月25日朝刊「こまど」欄より
「三途の川をクロールで」 菊田たきえ
狭い小川しか流れていない山間で育った。当時は学校にプールなどなく泳ぎには無縁で、カナヅチでも不便を感じなかったが、人生の終焉を控え、三途の川を渡る心配が頭をもたげてきた。冥土でおぼれるのはさぞ苦しかろうと、一年発起し水泳のレッスンを受けることにした。
これが思った以上に困難きわまりない。「力を抜け」と指示されるとガチガチに力が入る。「手を丸く回転させる」と言われると、足に意識がいかない。「三つ子の魂百まで」とは的を射ており、何事も柔軟性のある間に覚える必要性を痛感する。
横で泳いでいる人を見ると、イルカのように水に同化されている。一方、私は水と格闘しヘロヘロに疲れ、体は石のよう。
三途の川は深いのか、浅いのか。実際ターンして帰った人はいないので想像もつかない。不用品は処分したし、身辺の整理もついた。しかし、クロールで息継ぎのできない私の冥土への道程は遠い。頑張るしかない。 (大津市・74歳・無職)
もう、言うことなし。
明日の「土山マラソン」が中止になり、ほんとなら今日は準備でてんてこまいなのだがヒマだった。こんなときは、たまっている新聞の再読。
「ほー、こんなん載ってたんやー。」
まるで自分のことみたい。
山の学校で育ち、中学時代にやっとできたプールはなんと10m。高校体育の水泳の授業はだいぶずる休み。
そんな私が、20代後半にトライアスロンに挑戦。ハワイアイアンマンレースの予選となった「第1回びわ湖トライアスロン」はフル(水泳3.8km、自転車180km、マラソン42.195km)。
自転車、マラソンはどうってことなかったが、水泳は平泳ぎで50m泳いだのがそれまでの最高。
「へたしたら、溺れ死ぬどー。」
水泳教室に通い、クロールの特訓をした。その時の状況が、「こまど」欄に投稿された菊田たきえさんとそっくり。
けっきょくクロールは本番に間に合わず、平泳ぎで3.8km。何とか制限時間2時間30分には間にあった。時間内に泳ぎきり、自転車のスタートを切った時こみ上げるものがあった。
「これで、このレースの完走、いただきやー。」
うれしくてうれしくて、自分のことで泣きそうになったのは後にも先にもこのとき一度きり。あれほど苦手だった水泳で、平泳ぎとはいえ3.8kmを溺れず2時間30分以内で泳ぎきれたことが、私の人生の唯一の誇りです。(もちろん、全コース完走もゲットしました。)
でも、菊田たきえさんによると、三途の川はゆっくり平泳ぎで泳いでいるようではダメらしい。私の水泳への苦手意識は強烈で、今でも溺れる夢はしょっちゅう見る。
「三途の川で溺れ死ぬのはいや!」
「もう、死んどるちゅうねん!」
とにかく、私も菊田たきえさんを見習って楽しく冥土への道を迎えたい。がんばるしかない。
「んっ、何を?」
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
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コメント
智さん、ウォーキング続けてくださいね。最近はランニングよりウォーキングのほうが体にいいと言われているくらいですから。
沖縄の戦争体験はいつまでも語り継いでいってほしいです。私たちの知らないことばかりですから。
私がタイムマシーンに乗れるとしたら、沖縄戦で戦死した私の父のいとこに会ってみたいです。出征する私の父に向かって、「絶対に死ぬなよ」と言ってくれたうちの本家のおじさんです。
その藤井勘六さんの遺骨は、まだ沖縄のどこかに埋もれたままで京都には返っていません。もう、あれから65年もたつというのに・・・。
那覇マラソンのスタート地点で、朝のウォーキングしてきました。続けたいです。
参加しませんが、この時期、ジョガーが増えている気がします。沖縄セルラースタジアムもできてたのしいです。
…若い世代は、ほぼ泳げると思います。ただ、戦争体験者の若い世代は、海が怖いです。この意味はご存知だと思います。
京都マラソンは3月なんですね。陰から応援しています(^^)再見
智さん、なんぼ早起きなんですか。毎日6時前に起きておられるんでしょうか。「朝練」、無理のないように。
話は変りますが、沖縄は意外や意外、カナヅチ率全国最高だそうですね。「夏は暑すぎて泳げない」と言われるとか。うーん、確かに。
智さんは水泳のほうはどうなんでしょう。
おはようござます、パオパオさん。一反もめんになれるよう、朝練開始です。
「自分のことで泣きそうになったのはこのとき一度きり」僕にもできるかなあ。
「三途の川で溺れ死ぬのはいや!」「もう、死んどるちゅうねん!」ひゅるる〜〜
一反もめんの尻尾につかまって家族のためにたのしく長生き
-続 ゲゲゲの三途の向こう岸トライアスロン- ひゅるる〜〜 (冗談すぎました)