パオパオだより

2022年02月08日(火)

学習性無力感 [沖縄]

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◎毎日新聞2月8日朝刊

   <火論> 勝つまで続くジャンケン 大治 朋子

 先月投開票の沖縄県名護市長選は、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画を進める政府・与党が推薦する現職が再選された。

 果たしてこれは「基地容認」の潮流なのか。琉球新報の前編集局長で現在、取締役広告事業局長の普久原均さんに聞いた。

 普久原さんによると、沖縄では景気が悪くなると「生活防衛の心理」が働き、政府からの予算締め付けなどでさらに経済が悪化しないよう、与党支持の候補に票が集まりやすくなるという。

 古くは1998年、基地問題解決に尽力する当時現職の大田昌秀知事が、3選をかけた戦いで敗北を喫した。現職有利とされたが、沖縄の失業率は当時過去最悪の9・2%を記録。危機感をあおるように、「9・2%」とだけ書かれたポスターがどこからともなく張り出され、保守系候補が勝利した。

 今回もコロナ禍で、基幹産業である観光業や飲食業が大打撃を受けている中での選挙だった。

 ただ、経済界だけではない「もっと大きな、漠然とした恐怖ともいうべき心理」が現職再選の背景にあると感じているという。

 普久原さんの「仮説」はこうだ。
 「明治維新の琉球処分や沖縄戦を通じ、日本政府や日本兵に逆らったらどんな目に遇うか、という経験を通じて県民一般の深層心理に刷り込まれた恐怖が、緊急時に発動してしまうのではないか」

 沖縄ではいま、急激に景気が悪化している。危機に瀕すると人減の思考は本能的になりやすい。過去のつらい体験から、政府の意に沿わない候補者を選ぶことに、直感的にためらいを覚えてしまう――。つまり「心のどこかに刷り込まれている恐怖から、無意識のうちに、政府に対峙しない、対峙してもしょうがない、という無力感が生まれ、対峙を避けようとする心理が働くのではないか」という。

 普久原さんの言葉を聞いて、学習性無力感という心理学の概念を思い起こした。抵抗も回避もできないストレスや抑圧を受け続けると、「自分は無力だ」と学習してしまい、逃れる努力すらできなくなるほど無気力に陥ってしまう。

 沖縄では選挙のたびに基地の是非が問われ、何度もノーを突き付けてきた。だが「本土」はそれを無視するように「容認」を求め続ける。それはまるで「勝つまで何度もジャンケンを迫る幼児のよう」だという。普久原さんは、県民に漂うそんな「無力感」に強い危機感を覚え、自ら執筆した社説で警鐘を鳴らしてきた。

 今回の選挙結果を単純に「基地容認」と受け止めることはできない。

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 今日は火曜の17時間バイト。

 ヨメさんがいつも、「ムダな新聞を2つも取って。アンタが新聞読んでるとこ、見たことない」となじる。
 少なくとも、火曜と金曜の長時間アルバイトの日はじっくり読んでますよー。そうでもしないと、時間が長すぎて・・・。

 今日の毎日新聞のコラム<火論>で、先の名護市長選のことが取り上げられていた。
 真樹が住む沖縄県名護市は、沖縄本島北部の人口6万人あまりの市である。真樹は、名護市の海が見渡せる丘の上にある名桜大学を卒業し、そのままそこに住み着いている。名護市民歴9年で、もうすぐ10年目に突入する。

 前回、フルマラソンも走られる現職市長の稲嶺ススムさんが敗れたのはショックだった。今回は若くて知名度も高い岸本洋平さんにバトンタッチされ、辺野古移設反対派が再び勝利するものと思っていた。
 ところが、結果は5000票の大差で容認派の現市長が勝利。
 「なんでやねん!」と残念でならなかった。

 琉球新報の普久原さん、毎日新聞の大治さんは、それを「学習性無力感」という言葉を使って解説されている。
 私も読んでいて、最初は「そうそう」と思っていたが、いや「ちょっとちがう」。
 「年代別投票先」を見たとき、学習性無力感を感じていくはずの高齢層は、いまだに辺野古移設に抗う人が圧倒している。
 辺野古容認派の市長を再任させたのは、10〜50代の「戦争を知らない子どもたち」のそのまた子どもの世代。私はこの世代を「太平洋戦争の学習をしない世代」と呼びたい。

 以前にも書いたが、京都と沖縄は似たところがあった。それは、「保守」ではなく「革新」が強かったところ。次第に京都の「革新」勢力が弱まって行ったときも、沖縄の「革新」勢力は強かった。その違いは、京都が親から子、孫へ「反戦平和」の考えがうまく引き継がれなかったのにくらべ、沖縄のそれは地道にしっかりと引き継がれていったからだと思う。

 しかし、残念ながら今の沖縄はかつての「弱化京都」に似てきている。
 それは悲しい、そんな沖縄は見たくない。

 毎年6月23日「沖縄慰霊の日」に、「平和・憲法九条」ののぼりを背負って炎天下70kmほど走っているのも、「反戦平和」を忘れた沖縄になってほしくないから。
 うれしいことに、車のクラクションをならして応援してくれたり、すれちがいざまに「ありがとう!」と声をかけてくださる方は、圧倒的に若いお母さんが多い。どう見ても20代30代。これは希望が持てる。

 真樹が名桜大学に入ってから、9年連続で走ってきた。今年は記念すべき10年目。くしくも沖縄復帰50年と重なった。
 記念すべき10年目なので、福井のネコ4さんを見習って「3日で170km」くらい走ろうかと計画していた。ところが甲状腺癌の悪化で、ちょうどその時は入院前の「チラージン中止」の時期に当たる。体がだるくて仕方がない状態になるらしい。(チラージンは、甲状腺を全摘し甲状腺ホルモンが出なくなった患者が毎日服用する薬。)

 「毎日マラソンしてるんですけど、チラージン中止したあとも走ってもだいじょうぶですか」という問いに、医師は「走ってはダメということはありませんが・・・。」
 それは、「走れそうなら、走ってみられたら」というニュアンスに聞こえた。もっと意地悪く聞けば、「走れるもんなら、走ってみー」ってとこですかね。

 あー、今年の6月23日は絶望かー。
 「学習性無力感から学習性有力感へ」。

 まだ日はある。よーく考えましょう。

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2021年6月23日 (沖縄県庁前スタート)

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【今日のきくみー】

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 昨日のきく。
 オッサンのこと好きやから、フンフン言ってても鳴きやむ。

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 と思ったら、やっぱりオバサンの方が好きみたい。

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 今朝のみーちゃん。
 ストーブのおはようタイマーが効いていて、朝からぬくぬく。
 よかったね。

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 これは、昨日のかわいいみーちゃん。

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