パオパオだより

2019年06月09日(日)

第27回みかた残酷マラソン [ランニング・出張販売]

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 今年「みかた残酷」に申し込んだとき、久保井実行委員長からメールをいただいた。
 「藤井さん、今回で15回目になるんで、アオダモの記念樹を植えました。レースの途中で見てください。」。

 去年まで7年連続でヨメさんが出ていたので、その前に14回も出ていたという意識がなかった。間に7年も空いた15回出場者ってめずらしいでしょうね。

 植えてある場所がわかるかどうか心配だったが、9km地点の手前で見つけましたわー。
 きつい上り坂の途中だったので、歩いているランナーをつかまえてシャッターを押してもらおうと思った。ところが今回の私は「前半突っ込み」で来ていたので、かなり前のほう。歩いている人など一人もいない。

 いや、でも抜きつ抜かれつだった走友・桜井由美子さんがもうすぐ追いついてくるはず。しばらく待っていると、いいペース上ってこられた桜井さん。
 「すいませーん。15回出場記念の木が見つかったんですよ。写真とってもらえますかー。」
 桜井さんは、いつものにっこり顔で「はーい。見つかってよかったですね」と2枚も撮ってくださった。
 桜井さんのレースプランを乱してしまって申し訳なかった。

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 このあと、気をよくした私はペースを落とすことなく順調にゴールまで。
 8年前が2時間21分50秒だったので、2時間半くらいでゴールできればいいと思っていた。ところが、今年のゴールは2時間18分00秒。目標より10分以上も速くゴールできた。

 ゴールして少し前に進んでから振り返ると桜井さんの姿。
 「あら、ひょっとしてすぐ後ろに来られてたんですか。」
 「最後の直線でチラッチラッと藤井さんの姿が見えて、がんばって追いつこうと走りました。眞寿美さんの前で立ち止まれてたでしょう。それで追いつけるかと思いましたけど、あと少しでした。それでも、思っていたより10分ほど速くゴールできたのでよかったです。」

 お互いに刺激しあって好タイム。こんないい結果はない。
 ただ走るだけではおもしろくないが、ライバルっぽく思えるお相手が見つかると楽しく走れます。またお願いしますね、桜井さん!
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 5時半起き。
 きくの散歩をちょっとだけして、5時45分ころ出発。

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 途中のコンビニでおにぎりなどを買う。
 以前は商品がさっぱりだったのに、今年入ってみると、おにぎりやパンが充実していてビックリ。たぶん朝ごはん抜きで来られたランナーが、寄って買って行かれるのでしょう。

 会場に着くちょっと手前で、桜井さんご夫婦を発見。
 先週の「たたらぎ」で、「みかたの目標は2時間半」とおっしゃっていた奥様(由美子さん)を目標にして走る予定。

 ゼッケン先送りなので、ランナーのみなさんは早く来る必要はない。ただ、駐車場が早く来た者順に近いところになるので、次第に人が多くなった。

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 のどが渇いたので自販機を探しに行ったら、中島さんご夫婦に遭遇。
 今年はバラバラ、それともご一緒に走られる?

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 地元の人にお聞きしたら、「自販機は谷川工務店の前にある」とのことで引き返し。

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 ジュースを買ってテントに戻ると、「まぼろしー」のような光景が。
 「カフェ・やんちゃ村」(昨年閉店)のマスター&エミロンがご来店。
 やんちゃマスター(もうマスターは引退されました)が、ゼッケンをつけて・・・。
 「病気の加減で歩くのも困難で、それが進行しつつある」とお聞きしていたのに、もうびっくりです。

 思い起こせば、2010年の「丹後ウルトラ」のレストステーションで話しかけて来られたのが初め。そこで、「好きなシューズに好きな色がなかったので、自分で塗りました」と言われて、いっぺんに好きになった。
 その時のやんちゃマスターのかっこうが坂本龍馬。ご自分で塗られたシューズの色は紫。
 こういう人にひかれてしまう。分かる人には分かる。分からん人にはなんぼゆうても分からん。

 「走り出したらブレーキがかからないかもしれない」ともお聞きしていたので、この急な下り坂のあるコースは心配だらけ。
 「奥さん、付いて走られるんでしょ」とお聞きすると、「いやあ、・・・。」
 ああ心配。

 でも、ゼッケンをつけてスタートラインに立とうと思われただけでもえらいと思う。
 「どうか崖から落ちませんように・・・。」

 こういうとき、「やんちゃマスターから元気をもらった」というフレーズは、私が最もゲーが出そうになるもの。いつも言ってるけど、人様の元気をタダでもらったらあかん。元気は有料。
 「やんちゃマスターをもっと好きになった」でいいんじゃないでしょうか。
 ねえ、エミロン!

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 私は「峨山道トレイル」バージョンの修行僧スタイルを用意してきた。ところが、肝心の菅笠を忘れてしまった。予備のランシャツランパンを用意していたからよかったものの、変なかっこうで走らんなんとこでした。

 「ランシャツランパンスタイルでゆっくりは走れんなあ。」
 これは、神さんが「しっかり走れ」ってゆうとんにゃなあ。スタートから6kmくらいは普通に走れるし、そこまでは飛ばして、だんだんペースが落ちて行ってもええというプランで行くか。

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 スタート地点に着くと、狭い道にランナーがびっしり。
 こういう時、ランシャツランパンスタイルは有利。前の方に行かせてもらっても、「速い人やからしょうがないなあ」と思ってもらえる。

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 先頭から30mくらいのところまで行けたんかなあ。
 スタートセレモニーの方に目を向けると、なぜか「カッパちゃん」がいる。「カッパちゃん」が人間になりかけているのだろうか。

 9時に3000名が一斉スタート。
 前の方に行かせてもらっていたので、スタートラインまでわずか30秒。
 そのあともゆるやかな下りが続くので、気持ちよくスタートすることができた。

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 2kmも行かないところで、「藤井さん、ファイト」とか言って抜き去っていく女性あり。
 「桜井さんじゃないですかー。目標2時間半て言ってはったでしょ。これ、2時間10分台のペースですよ。」
 「そうなんですか。よく分からない。」

 私でもちょっと突っ込み過ぎで後半心配なのに、もっと突っ込んでる人がいた。だいじょうぶかいな。

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 その先で話しかけて来られる男性あり。
 「松本さんの後輩の生田です。」
 「ああ、前に一度お話しさせてもらいましたねえ。」

 生田さんは、松本さんの大学の一年後輩だそうだ。姫路で「イーハトーブ整体院」を開いておられる。
 「このごろ松本さんは全然走っておられないようで・・・」と心配されていた。
 「うーん、あいつはなんたらこーたら」と口から出まかせをゆうたろうと思ったがやめといた。

 「ブログで宣伝しときますね。」
  ここをクリック→イーハトーブ整体院 

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 3kmほど進んだところがおり返し。 
 おり返すと、ゆるやかな上りになる。

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 老健施設前の応援に手を振ってこたえる「たいせい」さん(ランナーズ9の会)。
 朝にうちの店でシューズを買われ、いきなりそれを履いての挑戦。不具合がなければいいんですが。この時点では快調のように見えた。

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 5km、25分44秒。
 スタートの30秒をひくと、ほぼキロ5分ペース。いい感じ。
 5km標識を撮ろうとすると、ちょうど桜井さんが通過。
 どこかで私がいったん追い抜き、ここで追いつかれたということ。

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 6kmを過ぎて山に入ると、すごい上り坂。
 前を行く藤浦さんを発見。
 「えらい前にいやはりますやん。」
 藤浦さんも突っ込みタイプなんでしょうか。

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 8kmは44分くらい。
 「ここで3分の1やから、これを3倍すると2時間12分。いやいや、6kmまで普通に走れてこれやから、2時間20分は超えるんかなあ」とか考えながら。

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 丘の上から、さわやかな歌声が・・・。

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 「ともやさーん。」
 「ああ、おとうさん。」

 「ん? おとうさん?」と一瞬思ったが、ヨメさんが「京都キャロットおかん」を標榜しているので「おとうさん」でも仕方ないか。

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 そこからさらに500mほど進むと、記念樹が見えてきた。
 見落とさないように目を凝らして・・・。
 なーんや、一番最後やがな。

 やっと見つけたが、写真を頼めそうな人が見つからない。
 そうそう、桜井由美子さんがもうすぐ追いついてくるはず。

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 そんなに待たずに桜井さんゲット。
 快く引き受けてくださって、いい記念写真を撮ってもらうことができました。ありがとうございました。

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 そのちょっと先のエイドにはすごい応援の人だかり。

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 ここが、応援の人数が一番多かったように思う。

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 10kmは、ギリギリ1時間切り。
 この5kmに35分かかったことになる。

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 さあ、いっちゃんきついキャンプ場への上り。
 全部走りたかったが、頂上の手前20mほどは歩いた。

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 ゆっくり休みたかったが、給水だけしてすぐ再スタート。

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 見下ろしたときのこの景色がいいんですよねえ。

 ただ、急な下りにはまいった。
 ブレーキのかけようがない。

 「あっ、恥骨にビンビン来る。」
 
 この時、恥骨骨折した時に履いていたシューズ・スカイセンサーJAPANを今日も履いていることを思い出した。

 「これ、あかんやつやん。」

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 下りきるとほぼ平坦が続く。
 ここで恥骨の調節を・・・、そんなことできるわけがない。

 12km、1時間13分29秒。
 単純に倍にすると、2時間17分。
 後半はペースが落ちて行くかも知れないが、まだまだ元気だったので、そこそこのいいタイムでゴールできるかもと思えてきた。

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 いい景色を見ながら余裕の走り。

 「あっ、コムレケア忘れてきた。」

 そう言えば、さっきからの下りで太ももやふくらはぎにピッ、ピッと来ている。危険!

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 15km、1時間28分03秒。
 この5kmは28分10秒くらい。

 ここらあたりは下りが続くので、ずっとキロ4分半ペース。
 ここで稼いどいたら、この後に来る急な上り坂はゆっくり上ってだいじょうぶ。

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 さあ来ましたで、17km手前から始まる急坂。
 給水の横で、大声で応援し続ける男性あり。

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 「藤井さん!」
 「あっ、『さかえ』の・・・。」

 毎年お泊りでお世話になっている、ハチ北「さかえ」の西谷さん。
 ヨメさんからは、「橋を渡ったところにいやはる」と聞いていたが「どこの橋か分からんわ」と言っていた。ここやったんや。

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 19km手前のコンクリート坂。
 私が一番つらいと思っていたところ。なかなか現れないので、「ひょっとしてコースが変ってなくなったんかも」と期待していた。
 ありましたがな、ちゃんと。
 この坂も、100mほどは歩いてしまった。

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 8年ぶりだと、けっこうコースを忘れている。
 あのきつい坂のあとは大した坂はないあとと思っていたが、中くらいの坂が次々と現れた。忘れてたなあ。

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 20km、1時間57分08秒。
 この5kmは29分。

 ここでゴール2時間20分切りを確信。
 ただし、こむら返りが起こらんかったらという条件付きですけど・・・。

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 「終盤にこんなに小刻みなアップダウンあったっけ」と思うくらい、アゲサゲアゲサゲ。

 それでも22kmが2時間07分21秒。

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 最後の給水は、何も取らずにゴー。

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 残り1kmは気持よく下って行ける。

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 この子たちも村岡高校生なんでしょうね。
 長時間の応援、ありがとうございます。

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 最後のカーブを曲がるところで、「藤井さん」と呼ぶ声。
 見なくても分かります。宍粟市のカメラマン・佐古井さんの声でした。

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 ちょっと下ったところに久保井委員長。
 「写真撮らんでええから、早う行きいなあ。」

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 「ますみちゃん、ますみちゃーん」と呼んでいるのに、ヨメさんは「ちょっと待って、カメラが・・・。」
 起動してないらしくて、仕方なくその前で足踏み。
 しばらくしてやっと撮ってもらったのがこの写真。

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 「ますみちゃんも撮っとくわ。」

 あとで分かったのだが、その時、刺客・桜井さんが坂を下ってきていた。

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 それとも知らず、私はグランドを悠々と。

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 ゴールのデジタル掲示板は、2時間17分台。
 「やったねー、余裕で2時間20分切ったねー」と思いつつゴール。
 私の腕時計を見ると、2時間18分ちょうど。

 記録証発行所で記録証を出してもらうと、本当に2時間18分00秒だった。
 まさか、8年前55歳の私の記録を上回るとはねえ。
 私は「やったらできるジジイ」なんかなあ。

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 賢く待ってくれていたらしいきくちゃんと記念写真。

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 私のお尻の下からきくちゃんの鼻が出てるの見えます?
 「くっさー」ってゆうてるかもね。

 でも、オッサンはがんばったよ〜ん。

(注)明日に続く。

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