パオパオだより

2014年10月31日(金)

コザ中乃湯 [沖縄]

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「中乃湯」の仲村シゲさん(右)から郷土の菓子をもらい、くつろぐ照屋林賢さん

◎朝日新聞10月27日朝刊・ニュースの扉

   照屋林賢さんと訪ねる沖縄最後の銭湯

 沖縄で「ユーフルヤー」と呼ばれ親しまれてきた銭湯が今年、最後の1軒を残すのみとなった。沖縄を拠点に活動する音楽家、照屋林賢さん(65)と湯けむりを訪ねて、基地の町へ。沖縄の政治と文化を考えた。

     * 

 沖縄市の中心部にほど近い路地裏、「中乃湯」と書かれたのれんが風に揺れている。「お客さん初めて? あちこーこー(熱々)に沸いてるさ」。店を1人で切り盛りする仲村シゲさん(80)が笑顔で出迎えてくれた。

 沖縄県に銭湯は2軒残っていたが、5月、那覇市の1軒が閉店。中乃湯の近くに実家がある照屋さんは「子どもの頃は近所にいくつもあったのに……。家風呂が普及したし、元々シャワーで十分な気候だからかな」。

 のれんをくぐって脱衣所に入ると、体を洗う先客の姿が目に飛び込んでくる。浴場と脱衣所の仕切りがない沖縄独特の様式だ。「沖縄は暖かいでしょ。保温のための仕切りは必要ないから」と照屋さんは慣れたもの。

 小ぶりの浴槽は「湯池(いけ)」と呼ばれ、「内地」のような番台はなくフロントで料金を支払う。「中国様式の影響を受けたと聞いたことがあります」と仲村さん。照屋さんは「異文化を取り入れて沖縄独特のスタイルにつくりあげるチャンプルー(まぜこぜ)文化の一例かな」。

 ほっこり温まったら、常連客は店の前に置かれたベンチへ。路地を通る風で湯上がりの髪を乾かしながら「ゆんたく」(おしゃべり)を楽しむ。照屋さんも交じり、郷土菓子サーターアンダギーをつまみながら仲村さんの思い出話に耳を傾ける。

      *

 亡き夫が店を開いたのは米軍統治下の1960年ごろ。夫を手伝い始めた70年、米兵による交通事故への抗議から始まった「コザ暴動」が近くで起きた。当時、店の前に客の列ができるほど繁盛したという。現在は、ぽつりぽつりと1日20人ほど。「にぎやかな時代が懐かしい気もするけど、食べる分だけ稼げたら十分さ」

 そう話す仲村さんが1枚の写真を持ち出してきた。仲井真弘多知事と並んで写っている。県庁を訪れた際に撮ったものらしい。写真を見た照屋さんは「県知事選(30日告示、11月16日投開票)に出る予定の人たちは、仲井真さんをはじめ知り合いばかり。応援を頼んでくる人みんなに『応援してるよ』と答えています」と苦笑する。

 最大の争点は、米軍普天間飛行場の移設計画だ。面積では全国の0・6%にすぎない沖縄県に、米軍専用施設の7割が集中するだけに、県民の関心は高い。中乃湯がある沖縄市も面積の3割を米軍基地が占める。

     *

 音楽家として戦後の沖縄芸能を盛り上げた父、林助さんは楽器店も経営していた。子どもの頃、店は伝統楽器の三線(さんしん)のほか、米兵向けにオリジナルのエレキギターも扱っていたという。最高級の三線用の材料を使い、三線職人が腕をふるったエレキギターは「照屋カスタム」と呼ばれ、「店頭に並べると、すぐに米兵たちが買っていきました」。望むと望まざるとに関わらず米軍基地と共にあった戦後沖縄の、チャンプルー文化の一つに数えたくなる逸話だ。

 中乃湯からの帰り道。照屋さんは「右耳で沖縄民謡、左耳で米ビルボードチャートのヒット曲を聴いて育った私も、チャンプルー文化の申し子なのかな」とつぶやくと、知事選の立候補予定者ののぼりがはためく幹線道路をながめて考え込む。

 「でも、沖縄をチャンプルー文化という言葉でくくるのには少し抵抗があります。基地と隣り合わせに暮らしても、受け入れられないものはある。私の音楽の核にあるのは沖縄言葉から来るリズム。決して、ごたまぜにはならないと思っています」

 (文と写真・上原佳久)

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浴場と脱衣所の仕切りがい沖縄式銭湯

 ■照屋の目 基地との共存、融合でなく妥協

 私が住んでいる沖縄県北谷(ちゃたん)町は面積の5割が米軍基地。頭上で米軍機の轟音(ごうおん)が響くのが日常です。

 「おれたちのおかげで生活できているくせに」。街で粗暴に振る舞う米兵の子どもを叱ったら、そう言われたことがあります。ショックでした。子どもが考えつく言葉ではありませんから、周りの大人の口まねなのでしょう。

 沖縄人であることを理由に人として尊重されないのは絶対におかしい。沖縄は断じて、「植民地」などではありません。

 沖縄をチャンプルー文化という言葉でひとくくりにしてしまうことに抵抗を感じるのは、妥協と融合は違うと考えるからです。あまりに多すぎる基地との共存は妥協であって、受け入れて融合できるものではありません。

 知事選でみんなに「応援してるよ」と答えるのは八方美人ではなく本心。多すぎる基地を減らす、という長期的な目標では一致できるはずだからです。もちろん、短期的にとる方法については、基地の当面の存置を含め、県民の意見はそれぞれですが……。基地が返還された場合の跡地活用策など、知事選が長い目で見た沖縄の将来像を考える機会になればいいと思います。

 ユーモアの人だった父、林助は中乃湯がある沖縄市に「コザ独立国」という架空の国を立ち上げて、大統領を名乗っていました。ただ、沖縄県自体の独立には反対で、「沖縄より先に、日本が独立せよ」と言っていました。

 また中乃湯を訪ねて、湯につかりながら、父の言葉の意味を考えてみたいですね。

     *

 てるや・りんけん 音楽家。沖縄県沖縄(旧コザ)市生まれ。沖縄ポップグループ「りんけんバンド」のリーダー。


 ◆キーワード

 <沖縄の銭湯> いまは「中乃湯」1軒のみとなった沖縄県の銭湯だが、かつては300軒以上あったとされる。洗い場の蛇口や鏡の位置が高く、客が立ったまま体を洗うなど、「内地」との入浴文化の違いに驚く旅行者も少なくない。

 銭湯は全国的に減少。全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会によると、加盟する銭湯は、最も多かった68年度には1万7642店あったが、2013年度は3036店という。 

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 綾部の「カフェ・じょんのび」の村長さんに教えてもらった「コザ中乃湯」。

 「沖縄行くんやったら、ぜひコザの銭湯に行ってください。いいとこですよー。」

 コザは、現在は沖縄市。2月に行われる「おきなわマラソン」は、この近くの陸上競技場をスタートゴール。また11月の「中部トリムマラソン」もここが会場だ。この2年で計4回沖縄市を訪れているが、残念ながらまだ「中乃湯」には行けていない。

 明日から、来年2月の「おきなわマラソン」の参加申し込みが始まる。過去2年連続真樹といっしょに参加したのだが、来年はどうしますかねえ。マラソン走って、「中乃湯」にも行きたいねえ。

 9月7日の「名護市議選」が、真樹の初選挙権行使の日になると思っていた。ところが現住所を変更するのが遅かったので、選挙には行けなかった。それで、11月16日の「沖縄県知事選」が初の投票ということになる。

 照屋林賢さんはすごいね。
     ◇
 知事選でみんなに「応援してるよ」と答えるのは八方美人ではなく本心。多すぎる基地を減らす、という長期的な目標では一致できるはずだからです。もちろん、短期的にとる方法については、基地の当面の存置を含め、県民の意見はそれぞれですが……。
     ◇ 
 こんなふうに書かれると、真樹も悩むやろうな。
 真樹は大学卒業後もずっと沖縄に住みたいと言っている。大学時代の4年間だけでなく、沖縄と米軍基地の問題はこの先ずっと身近で切実な問題として考えていかなくてはならない。沖縄県民として最良の選択は何かをよく考えて投票してほしいと願う。

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【RUN】

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 午前中に練習。
 久しぶりに、岩倉実相院経由の仏大グランド往復10kmコース。
 仏大グランドまでの5kmは27分45秒。

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 折り返し近くにかわいいワンちゃん発見。
 しっかり顔を撮りたかったが、ぐっすり寝ていた。

 家に帰って10km、53分59秒(26分14秒)。
 帰りは上りが中心なのに、いい感じで走れた。

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 ダウン中に、黒猫ちゃん。
 こんなんに会えると、走ってよかったなあと思える。
 「また、出てきてやー。」

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