パオパオだより

2014年04月29日(火)

「世界の果ての通学路」 [映画]

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◎毎日新聞4月26日夕刊「シネマ通信」より

 この国では、子供が教育を受けるということは義務であり権利とされている。おそらく私たちは、小さいころから何ほどの疑念もはさまずに学校に通ってきたことだろう。しかし世界には大人の足でも過酷で危険だらけの道のりを、毎日数時間もかけて通う子供たちがいる。今回紹介する映画は『世界の果ての通学路』。地球を通学路という視点からとらえた実に興味深いドキュメンタリーだ。

 野生のキリンや象が生息するサバンナを駈け抜けるケニアのジャクソン。ヤギ飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子に教育は不要とする古い慣習が残る村から、4時間かけて寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル…。

 別の大陸、違う言語、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳で夢を語る。ひたむきな彼らを見て、教育とは未来を切り開くためのパスポートだということに気づかされる。撮影後のインタビューでパスカル・ブリュッソン監督は「エネルギッシュでモチベーションの高い彼らを、もっとサポートすべきだ」と語る。私たちもこれを見て学べることがあるはずだ。
          ◇
 『世界の果ての通学路』は下京区の京都シネマにて公開中。(京都シネマ・谷口正樹)

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 4月23日に「京都シネマ」で見た1本目。
 私が見る映画としてはめずらしく、ほぼ満席。
 私はすごくおもしろかったのだが、今の若い子が見てもおもしろいのだろうか。戦争関連映画を見て、「戦争のない今の日本に生まれてよかった」という感想しか持てない子が多い。そんな子らは、この映画を見て「苦労せずに通学できる今の日本に生まれてよかった」という感想で終わるのかもしれない。

 私は小中といなかの学校に通学したのだが、その学校は山間にある川沿いに伸びた長さ2kmの集落の中心にあったので通学の苦労はなかった。うちの家から学校までは700mほど。
 ただ中学は、峠を越えた別の集落から徒歩で通う同級生がいた。その距離約4km、山道を1時間。普段も大変だが、雨の日や冬の雪の日はそれはそれは大変だったと思う。しかしその当時の私は、峠を越えて通っている同級生のことをなんとも思っていなかった。(2年前に亡くなった私の相棒、幸博君もその中の一人。)身近にそんな友だちがいた私でもそんな状態だから、この映画を見たくらいではなんとも感じないという人がいたとしても不思議でもない。

 私の母校の小中は統合でなくなり、今地元の子は「スクールバス」という名の乗用車で6kmほど先の統合校に送迎してもらっている。京都市の果ての小中一貫校の通学路は、今そんな状態のようです。(もう地元を出て7年になるので正確な情報ではありませんが、6kmほどの道を歩いては行ってないようです。)

 学校のすぐ前の元旅館「小谷屋」のおばさんは、「学校があったときはうちの前を通って行くさかい、どんな子がいるのかよう分かったけど、なくなったらあかんな。さびしいわ」と言ってはった。「学校がなくなったとき、その集落も終わり」とよく言われるが、そのとおりだと思う。
 学校があり、その子どもたちの通学路があり、その町や村が元気になるような気がする。私はこの映画を見て、そんなことを思った。

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