2011年12月29日(木)
「お弁当食べに来ました」ー兵庫・ゆめさき舎にてー [私の好きな人]
「今日は、お弁当食べに来ました。」
「・・・。」
今日が共同作業所「ゆめさき舎」の年内最終日ということで、急きょ訪問させてもらった。ただ、今日は午後2時くらいまでということだった。早めに行けたらよかったのだが、私は今日も早朝バイト。年末は食料を買いだめされるようで、定時になっても積み込みは終わらなかった。しかし、今日はどうしてもゆめさき舎に行きたかったので、ほかのメンバーににお願いして帰らせてもらった。
「12時くらいに着くように行かせてもらいます」とまっちゃんには言っていたのだが、到着は12時5分前。ほんまにお弁当だけ食べに来たみたいになってしまいましたわー。
玄関でのお迎えは、私の大好きなMI君。今日も仁王立ちの首ブルンブルン。初めてゆめさき舎におじゃましたときも同じ。そのときは正直ビビリまくったけれど、今はなんということもない。
首ブルンブルンのあとに「あはははは、あはははは・・・・。」笑いがとまらない。
「こんなこと、いつもはないんですよ。」
これは、素直に私の訪問を喜んでくれていると思っておこう。
「今日は今年最後の日ということで、みんなでお弁当を食べておしまいにしたいと思います」とまっちゃん。
「特別ゲストとして、京都からパオパオさんが来てくださってます。藤井さん、15分ほどお話お願いします。」
「15分て、それは無理。こんにちは、おじゃましてます。去年12月に来させてもらって以来1年ぶりになります。○○さん以外はおなじみの方ばかりで、また会えてうれしいです。
松本さんとは、『ランナーズ9の会』というランニングのクラブを通して知り合いました。 松本さんは、うちでは『ちっちゃいおっさん』と呼ばせてもらってます。でも、ちっちゃいおっさんやけど、口だけじゃなくていろいろと精力的に動き回る人やと言ってます。
私は何の役にも立ちませんけど、みなさんと仲良くさせていただけたらうれしいです。」
お弁当を食べ始める前は、あっちでキャーキャー、こっちでゴーゴーだったのに、いただきますをしたあとはシーンとなってしまった。私は、あのキャーキャーゴーゴーが大好きなのに・・・。
「あっ、さっきゆうのん忘れてましたわ。長岡京市の市会議員さんで、今年の長岡市長選に立候補した小原さんていうまだ34歳の人なんですけど。その小原のホームページのトップに『ひとりもみすてない政治』と書いてあるんです。今、弱者切捨ての政治がはやってますけど、『ひとりもみすてない』という姿勢を貫こうとするのはすごいことやと思います。松本さんがやろうとしていることもそれと同じやと思います。」
松本さんは、ほかの施設で断られた人を積極的に受け入れようとしておられるらしい。ほかの施設で薬漬けにされようとしている人も受け入れようとしておられるらしい。それが、「ひとりもみすてない」ということですね。
お弁当を食べ終わると、まっちゃんから一人一人に「ボーナス支給」。
「えっ、ボーナス?」と一瞬思ったが、共同作業所なので当たり前と言えば当たり前。うらやましいなあ。おっちゃんはバイトやから、ボーナスないねん。
そして、まっちゃんはいつもの連絡帳記入。
連絡帳の中には表紙がボロボロになっているものもあった。これは、みんな長く続けて通っているということ。「ゆめさき舎」の歴史を物語っていますね。
少しだけ時間があるということで、近くの河川敷へ散歩へ行くことに。
その前にみんなで記念撮影。まっちゃんに撮ってもらった。
全然みんなそろわんし、「すわり」ゆうてもすわらへんし、「前向いて」ゆうても向かへんし・・・。
ええね、この世界。大好き。
けっきょく、笑顔のすてきなKOさんは来ずじまい。
必ず誰かが下を向いてるし・・・。
「まっ、いいか。」
近くの河川敷まで2台の車で。
私は、まっちゃんの運転の助手席に。道々いろいろなことをしゃべった。
まっちゃんは、この「パオパオだより」を隅々まで見てくださっているようである。今日も、昨日の夜に書いたばかりの「勝手に国労応援ラン」の話題が出てきた。
この一年の記事の中で一番印象に残っているのは、10月12日の「グリコ!」だそうだ。私ら夫婦と真樹とで、夕方から滋賀の野洲川競技場まで走高跳の練習に行った記事。うちにしてみたら特別なことでもない普通のことなのに、まっちゃんは「そんな家族は見たことない」とのこと。ほとんど走高跳をしている写真ばっかりの記事やったのに、なにを喜んでもらえるか分からんもんですねえ。
まっちゃんは首の具合がずっと悪く、現在高価なお薬を飲み続けておられるらしい。「最低3ヶ月は続けてもらわないと効果は出ません」と言われ、今2ヶ月たったらしいがよくなったという実感なし。
「それね、信心が足らんから効かへんのですわ。この高い薬は絶対に効くと思て飲まんと。」
「藤井さん。それ、本気で言ってはるんですか。」
まっちゃんがあらためて聞き直さはったので、ややビビリ。何でもかんでもええかげんな私としては、らしくない発言だったでしょうか。
お日様が出ているときはまあまあ暖かい。ところが、雲がかかるととたんに寒くなる。
1周1050mのジョギングコースをゆっくりとお散歩。
おしゃべり好きなSA君と。
「SA君、何歳やったっけ?」
「23です。」
「そうかー、23かー。うちの息子な、20歳やねん。」
「えー、名前は?」
「れん。」
「れん君。」
「そうや、藤井廉。」
「会いたいなあ。つれてきて。」
「ほんまやな。来るかどうかわからんけど、今度来るとき誘ってみるわ。」
「野球やりたいなあ。」
「SA君、野球好きなん?」
「好き。グローブ持ってる?」
「持ってへん。」
「僕持ってるから、今度野球やろう。」
ありがたいねえ、誘ってもらえるなんて。
廉はどんな反応するかな。
けっこう寒かったのに、みんなわりと薄着。
散歩はみんな好きみたい。
まっちゃんは、一番後ろあたりから全体を見渡しながらゆっくりと。
コースの途中にかわいいワンちやん。
ちっちゃいほうは、「あずき」と呼ばれていた。
ようほえてました。
こっちは、ちょっと口の黒い私好みのワンちゃん。
ペロペロしてもらった。
来年4月には、また新しいメンバーが3人増える予定。
「送迎だけでもたいへん」と言っておられた。
体が大きく大暴れすることも多いメンバーを相手に、「ちっちゃいおっさん」は日々奮闘している。ずっと首の具合が悪く、いろいろと試されたがいっこうによくなる気配がないらしい。激しい上下動は首に響くため、ランニングのほうは長期休養中。
何とかよくなってもらって、またいっしょに走りたいですね。
今日は、まっちゃんの奥さん、お兄さん、お母さんも紹介していただいた。職員さんにも私のことを紹介していただいたのだが、「変なおっさん」と思われへんかったかちょっと心配。
私のことを、「口ばっかりでかしこぶってええかっこして」と批判する人がいる。でも、私が「ゆめさき舎」に来るのはそれには当てはまらない。ただ、おもしろくて楽しくて居心地がいいという単純な理由です。
「また行こう」っと。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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