2011年04月09日(土)
第19回伊江島一周マラソン [ランニング]
待ってくれている人がいたらがんばれる。
3kmを走った後、自分が思っていたよりも早く5kmがスタート。その後半、早くも目の前クラクラ。ほんまに、ゴール1km手前のへんで倒れるかもと思いました。でもゴール前300mのところに真樹が待っているはずと思ったら、気がしっかり持てた。
5kmは21分31秒と好タイムだったが、惜しくも4位。悔しかったけれど、不思議な満足感もあった。自分なりに100%近い力が出せたと思う。それで入賞できなかったらしょうがない。
10kmは、5kmゴール後すぐ。
こちらは、前半がクラクラ。でも、走っているうちに体も心も安定してきた。
最後の交差点に真樹がいてくれるはずと思って探したが見つからず。「車で寝とんのかな。」
そしたら、そのちょっと先の高いところで、カメラを構えて待ってくれてましたわ。
「帰ってきたでー」と大声で呼びかけたら、「ニコッ!」
記録証発行所でもらった結果は・・・、3位!
「わー!」と叫んだら、係の女性がびっくりされていた。これは、最初の3kmの2位よりうれしかった。
「がんばれたのは、待っていてくれた真樹のおかげです。ありがとね。」
本部港9時発のフェリーで伊江島へ。
少しは島の観光もしたかったので、レンタカーごと船に乗った。
フェリー乗り場では、野良犬らしき黒いワンちゃんがさまよっていた。船が出る寸前まで、船のすぐ近くにいた。そんなにやせてはいないように見えたが、何とか生き延びていってほしい。
伊江島の東部にとんがっている城山(ぐすくやま)。高さ172mだそうだが、もっと高く見える。
約30分で伊江港に到着。
ナンバーカード交付会場は、港のすぐ近くの「はにくすにホール」。
スタートまでだいぶ余裕があったので、島の観光をすることにした。
港のすぐ近くに、真樹が民泊させてもらったおうちがあった。ごあいさつをしたかったのだが、真樹からNG。また、次の機会に・・・。
伊江島といえばここ。
「伊江島タッチュー」と呼ばれる城山。昔から漁師さんの目印になっていたらしい。
真樹は1月末の民泊の時に登ったばかりなので、私ひとりで登ることになった。
島の南側(港側)は、わりと家が多い。
そして、すぐ目の前に沖縄本島(本部半島)が見える。
登っている途中、大勢の外国人とすれちがった。マイクロバスで来られていた方のようだ。
島の北側は一面畑。ほとんど民家は見られない。
島の西側は米軍の飛行場と訓練場。
ハーフマラソンのコースでは、飛行場の敷地を少しかすっていくようだ。
頂上に誰もおられなかったので、カメラを岩においてセルフ写真。
太陽が雲にかかっていたので、まだそんなに暑くはなかった。
下りも登りと同じ道。狭くて急だが、ちゃんとした階段になっているので歩きやすい。
このあと、島の最北端「リリーフィールド公園」へ。
4月後半から「ゆり祭り」が始まるらしいが、まだゆりはほとんど咲いていなかった。
そこから飛行場のまわりを回ってマラソン会場に戻った。
マラソン会場である「ミースィ公園」のまわりを散歩。
ゴール前300mくらいのところのおうちに、「ご自由に菊の花、どうぞもらって下さい」のはり紙。コース上にこんなところがあると、これだけで大会の印象がよくなる。
もし、このおうちの人と会えたらお話させてもらおう。
一方、沖縄ならではのはり紙広告もある。
「軍用地専門」不動産取引。ここを訪れた多くの修学旅行生(研修旅行生)は、このはり紙に気づいただろうか。
大会参加者には、「弁当、そば、牛汁、魚汁」の4つのうちのどれかの食券と500円分のフリー食券がついている。真樹は沖縄そばが好きなので「そば」。私は3種目参加なので、それ以外の3種類を申し込んでおいた。
最初の3kmが2時半スタートなので、11時半ころには食べておきたかった。ドライブ中に寝てしまった真樹を車に残したまま、私一人で早めの昼食。
お弁当と魚汁にしようと思ったら、「イカ汁もありますよ」。もらったら、真っ黒け。イカ墨汁でした。でも、すごくおいしかった。(イカ汁にはごはんも付いていたのだが、食べきれないので返しておいた。)
沖縄のマラソン大会はどこも屋台が充実している。今日のフェリーで帰らなくてもよかったら、いろいろ食べ歩きをしたかったんですけど・・・。また、次の機会に・・・。
中央ステージ前に、東日本大震災への義援金を呼びかけるテントが設置されていた。その募金箱の置かれている後ろに、なにやら袋に詰められたものが大量に・・・。そのときはそれが何かも検討つかなかった。
その横のテントには、東日本大震災に関する写真が。
見てびっくり。最上段中央のマスクをされている方・・・、伊江島診療所の所長さんだそうです。今回の震災で被災地に派遣されているようです。
「マラソン大会もきちっと開催して、被災地支援もしっかりやる」
マラソン大会中止を押し付け自分は何もしない人に、この伊江島の姿勢を見てもらいたい。
このあとひらめいたので、真樹に宣言。
「パオパオなあ、入賞した数かける1000円の募金するわ。最高3000円で最低は0。」
真樹は笑っていた。
うす曇だった空がだんだん晴れてきた。
心配していた気温が、どんどん上っていっているようである。ただ、救いは少し風があること。これで体感温度がだいぶましになる。
食べ終わって車にも戻ると真樹が起きていた。
今度は、真樹の昼食のためにもう一度屋台前へ。
真樹は、「全部の麺類の中で、『沖縄そば』が一番好き」だそうだ。しっかり食べて、久しぶりのレースをしっかり走ってもらわんなん。
屋台の一番はしに、伊江島のお菓子類を中心においておられるテントがあった。
「フリー食券、ここでも使えるんですか?」
「使えるよー。」
やったね。うちは500円×4人分あるから、いっぱい買える。ヨメさんやおじいさん(父)やバイトさんのおみやげになりそうなものを選んだ。
マラソン大会でこういうサービスがあるとすごくうれしい。
「すいません、写真撮らせてもらっていいですか。」
「なにー、おばあ?」
「はい、モデルになってください。」
「いいけど、おばあは高いよ。」
そのあともまだ時間の余裕があったので、先ほどの菊の花のおうちを訪ねてみた。すると、ご夫婦で玄関先に出でおられた。
「菊の花を出してくださっているんですね。」
「あー、たくさん持っていってよー。」
「いや、私、京都からなんで花がしおれてしまうでしょ。」
「2日ほどだったらだいじょうぶよ。京都から?」
「はい、娘の高校がこの1月に民泊で伊江島に来させてもらって、すごくいいとこやったって言ってたんですよ。それでちょっと調べたら、4月にマラソン大会があるっていうことが分って、娘といっしょに来たんです。」
「そうですかー。それは応援しなくちゃねー。何キロ走られるの?」
「娘は3キロで、私は・・・、ちょっと変ってて3キロ5キロ10キロと続けて3回走るんです。」
「えー、それはそれは・・・。」
「この最後の上り坂を3回も走らんなんと思うと・・・。」
「最初の3キロは準備運動のつもりで行けばいいさー。」
「ほんまほんま、ほんまにそうですよね。レース中声かけますから、応援よろしくお願いします。」
伊江島のおじい(大城さん)からいいアドバイスをいただいた。
午後2時から開会式。
もう、空は晴天。たぶん、気温は25℃を超えていると思う
コザ高校駅伝部の選手がたくさん招待されていた。
開会にあたって、まず1分間の黙祷。
それぞれがいろいろなことを思われたと思う。
私は、「もう原発はやめたい」。
伊江島ではほとんどワンちゃんを見ない。会場でもほとんど見なかった。
やっと見つけたかわいいワンちゃん。
「にこちゃん・メス・3ヶ月」
ラプラドールの子犬かなあと思ったら雑種だそうです。かわいかった。
2時30分、いよいよ3kmのスタート。
私は一番前、真樹は一番後ろへ。
スタートして東へ。
直線300mほど行くと右折、港側へ下る坂道。そこでペースをつかまなくては。
スタートダッシュはいい感じ。
右折してからの下り坂も、前に離されないようについていけた。坂を下りきったところで左折して平坦な道へ。
そこで前を観察したのだが、50代以上らしき人は見当たらず。
「ひょっとして、現在トップ?」
1km地点、3分49秒。このスピードだと、優勝も夢じゃないかも・・・。「へっへっへー!」
2km地点を過ぎても、初めの下り坂でついた勢いそのままで走り続けることができた。
「これは、ゴール11分40秒くらいか?」
しかし、最後の上り坂でやや失速。それでも後ろから一人も抜かれることはなかった。
さあ、ゴール。記録証か出てきた。
「・・・2位! 12分04秒!」
実は、3km5km10kmの中ではこの3kmが一番自信があった。最悪でも3位には入れると踏んでいた。まあまあ予定通り。でも、ここまできたら優勝ねらいたかったなあ。
でも、冷静に考えると、ここはおさえて13分くらいで走る予定だった。ついついきばりすぎてしまった。これがあとに響かへんかったらええんやけど・・・。
さあ、真樹の写真を撮りに行こう。
見に行く途中、菊の花の大城さんご夫妻にお願いしておいた。
「うちの子、660番ですし、応援お願いしまーす。」
坂の一番下まで行くと、やっと真樹が戻ってきた。
さすがの上り坂。まわりの人もほとんど歩いている。
大会記念Tシャツは、復興祈念のデザイン。
真樹が「せっかくやから、これ着て走ろう」と言ったので、私もめずらしくそれで走った。このTシャツで出ていた人がすごく多かった。
真樹のゴール。
大きな男の人に隠れてしまい、うまく撮れなかった。
「ちからをあわせて がんばろう、にっぽん。」
暑い中、きつい上り坂もあったけど、それなりにしっかり走りました。
3km一般女子(高校生〜29歳)58人中18位。(タイムは秘密。)
私はこんなゆっくりしている場合じゃない。
真樹を迎えに行ったりしていたので、あっという間に5kmのスタート時刻に。
大急ぎで着替えてスタート地点へ。
5kmは、今までの入賞者のタイムを見ても一番の難関。ここは、3kmの勢いのまま攻めるレースにしたい。
3時20分、5kmがスタート。
スタート直後は下っていくので楽に走りだせた。
しかし、途中の記憶がほとんど残っていない。ラップも何回かとったはずなのに時計に残っておらず、記憶にも残っていない。ただ、残り2kmくらいから目の前が薄暗くなってきたことだけは覚えている。
ここらで思ったこと。
シュミレーションランでは10kmの終わりに気絶寸前になったけど、本番ではもうかい! ここで倒れてどうすんねん! 坂を上りきったところに、真樹がカメラ構えて待ってるはずや。倒れてられるかい!
坂の途中に菊の花の大城さんち。
「1枚、写真撮らせてもらいますわ。」
「余裕だねー。」
ちがうんです。こんなことでもせんと倒れるんです。
公園入り口で真樹発見。
「イェーイ!」
「(パチリ)」 (トップの写真)
これで息を吹き返し、怒涛のゴール。
「3位いけたかも・・・。」
出てきた記録証は「4位」。タイムはこの暑さの中で21分31秒だからようがんばりました。というか、よう倒れんとゴールしました。
こんなことに一喜一憂してられん 。またまた急いで着替えて10kmスタート地点へ。
スタート前で、チョッパーがジャグリングをしていたので写真を撮らせてもらった。
「今日、3km5kmと走って3種目なんです。5kmのゴール前では倒れそうになりました」と言ったら、チョッパーにあきれられてしまった。
10kmの名簿を見て、どえらい人の名前を発見してしまった。「名嘉真儀孝」さん。
昨年の5km優勝者(18分31秒)であり、この大会の10km50代最高記録保持者(36分13秒)。そして、去年私が優勝ねらいで参加した「とかしき島マラソン10km」の優勝者でもある。
「あー、これでまた3位入賞が遠ざかったかー・・・。」
4時10分、10kmがスタート。
10kmは3km5kmとは反対に西に向いてスタート。
太陽に雲がかかり、少しは走りやすくなった感じだった。
最初はゆるやかな上り。
そのあたりで、50代らしきランナーをだいぶ抜いた。
しかし、5kmゴール前のしんどさをそのまま引きずっている。体か重く息がしんどい。
「早く自分のリズムを組み立てて行かなくては・・・。」
飛行場の手前を右折し、島の東側をめざす。城山が見えたあたりからゆるい下りになっていたようだ。少しずつ体が楽になっていく。
すぐ前を走っている若者に「ゆうたー、ゆうたー」とすごい声援。呼び捨ての応援ということは、地元・伊江島の青年にちがいない。
そんなことを考えながら走っていると、体も心も落ち着いてきた。自分なりのいいリズムで走れるようになってきた。
東海岸手前で右にカーブし、あとはゴールまでだいたいまっすぐ。その後半は前を走るランナーを目標に、一人また一人と抜いていくことができた。
「ゆうた君」に追いついたので、「地元の方ですか?」と聞くと、「そうです」。すぐ追い抜けると思ったら、そこからだいぶ私についてきた。「ええ粘りじゃー。」
坂を上りきる手前で何とか「ゆうた君」に先行。
公園の入り口で、また真樹から写真撮影。今度は5kmの時より元気だった。
「真樹、帰ってきたでー。」
「(パチリ)」 (トップの次の写真)
ゴールタイムは45分02秒。
この条件の中ではゆうことなしのタイム。これで入賞ならずとも納得できるところ。
そして、出てきた記録証は「3位」。
「やったー!」
「ゆうた君、ゆうた君。」
いきなり知らないおじさんから名前を呼ばれた「ゆうた君」は、少しとまどっていた。
「ゆうた君、いっしょに写真とってもらいましょ。」
「はい。」
なかなかガッツのある若者。最後のゴールではちょっとだけ先行させてもらったが、私が追いついてからの粘りはすごかった。真樹の友だちになってもらえたら・・・。
「高校生ですか?」
「いえ、22歳です。」
「そうなん。若く見えるねえ。社会人?」
「はい、そうです。」
残念。6歳も上ではちょっと無理か。
表彰式でとなりの2位の男性から話かけられた。
宇江城さんという方で、奥様は女子の1位だった。すごく仲のいいご夫婦だったので、記念に写真を撮らせてもらった。ご夫婦ともいい笑顔ですね。来年はうちも・・・。
あとで記録を調べてびっくり。2位の宇江城さんは、去年の10kmの優勝者。
今年の50代10kmの入賞タイムはえらいことになってます。
1位 名嘉真儀孝 38分22秒
2位 宇江城政博 39分21秒
3位 藤井 廣司 45分02秒
ほんま、ようこれで入賞できたもんや。
「3位3位3位」ねらいは、結局「2位4位3位」。
よって、募金額は1000円×2で2000円。ちゃんと募金箱に入れてきました。
募金箱の後ろに大量に置かれていたものが何かやっと分った。募金した人へのお礼として、島特産の菊の花束を渡しておられたのだ。私は京都まで帰るのでと辞退したのだが、本当に細かい心づかいがうれしかった。
ああ、こんないい大会、来年も出たいなあ。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 3 )
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コメント
☆智さん
うれしいことを言ってくれるじゃあーりませんか。うちなんちゅ顔にはあこがれます。もう少し顔が焼けたら近づけるかも・・・。
この大会でも、たくさんの沖縄の方としゃべることができました。みんなやさしくていい感じの方ばかりでした。でも、シーサーのような人はいなかったような・・・。
☆ふきこさん
「そんなランナー、いるんです。」
もうちょっとで目標の「3位3位3位」も達成できたのに・・・。
ただし、途中で2、3回「三途の川」が見えました。だから、決してほかの人にはお勧めできません。私ももう1回挑戦してみたいようなみたくないような・・・。とにかく、今は体ガタガタです。
「2位4位3位」、おめでとうございます!
パオパオさんが3種目に出場されることを夫に話したら
「そんなランナーいるか?」なんて呆れてました〜(笑)。
あ!パオパオさん
アースマラソンの有名な方とシーサーを足して2で割ったみたいな顔してる!!
うちなんちゅみたいだよ。沖縄にはシーサーみたいな人、いっぱいいるよ。