パオパオだより

2012年09月07日(金)

茨木金曜日行動「再稼動反対、全ての原発をゼロに」 [平和]

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 「あー藤井さん、よく来てくださいました。びっくりしましたよ」と山下けいきさん。
 「山下さんからもらったメールの最後の一文、『一人でもやります』を見たら来んわけにいかんでしょう。」
     ◇     ◇     ◇
 茨木金曜日行動のご案内

東京での毎週金曜日の首相官邸前脱原発活動にあわせて
茨木でも毎週金曜日午後6時から阪急茨木市駅東口で
再稼動反対、全ての原発をゼロにのアピールをやりたいと思います。

種々のビラや署名などご自由にアピールください。
参加される方の自主性を重んじ、また協調性にも期待したいと思います。
準備はこれからですが、一人でもやります。
     ◇     ◇     ◇

 今日は、「京都キャロット」の仕事で私ができそうなことがほとんどなかった。きくちゃんの散歩を早めにすまし、夕立が来そうだったので干してある布団を取り入れ、食洗器をまわし、お米を洗い・・・。よし、これで出かけてもいいだろう。
 4時51分の京都バスに乗り、地下鉄国際会館駅。四条から阪急で茨木市駅へ。5時55分に到着。

 山下けいきさんは6時ちょうどに到着。
 

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 集まった人は全部で10人ほど。
 心配していた「一人でも・・・」にはならなかった。

 最初に山下さんからの訴え。

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 次に「福島のお母さん」からの訴え。訴えというより切なるお願いでした。
 ビラを配りながら聞いていたので、内容をすべて覚えているわけではありません。正確に伝わらないと困るので書くのはやめておきます。ただひとつだけ。
 「私のかわいい子どもたちが、福島の出身ということでこれからどうなっていくのかが心配です。」

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 「走らないアピール行動は初めてです」と私。
 「えっ、走らないって・・・」と福島のお母さん。
 「藤井さんは、こののぼりを持っていつも走ってられるんですよ」と山下さん。
 「そうなんですか。『9の会』って、憲法九条の?」
 「そうです。毎月9日にはのぼりを持って9km走って、最終水曜にはJR不採用の国労組合員の職場復帰を応援するランをしてます。」

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 配ったビラは2種類。
 「映画・内部被ばくを生き抜く」上映ビラと、「子どもたちを放射能からまもろう!」学習会紹介ビラ。

 ほとんど方がスルーされてしまったが、マイクの声のほうをチラッとでも見られた方は100%受け取ってくださった。そういう方は、「ありがとうございます」とお礼を言うとニコッとされる。

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 放射能から子どもを守る会の山本さんからの訴え。
 「何十年か先に原発をなくすなんて話は納得できません。いつまでも待てません。今すぐなくしてください。」

 すごくしっかりした口調と「いつまでも待てません」という言葉から、私よりかなり年配の方かと思っていた。しかし、よく聞いてみると私より少し年上なだけだった。

 「この時間に京都から大変だったでしょう。お仕事はだいじょうぶだったんですか。」
 「私、仕事ありませんねん。」
 「えっ、ひょっとして失業中とか・・・。」
 「いえいえ、もう21年もヨメさんに食わしてもろてますねん。」
 「あー、・・・家事をしておられるってことですね。」
 「いえいえ、それもほとんど。」
 「それでだいじょうぶなんですか。」 
 「だいじょうぶなもんですか。毎日が離婚の危機で・・・。」
 「・・・。」

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 真剣に活動しておられる人たちの中に、私のようないいかげんな人間が入っていいんでしょうか。
 「いいんです。にぎやかしです。」 ( これは私の心の中の言葉。)

 最後に、山下けいきさんと福島のお母さんと一緒に記念写真。
 私のような「ほとんど役立たず」でもよかったら、またにぎやかしに行かせてもらいますね。

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上映ビラ・表 (1101KB)

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上映ビラ・裏 (1231KB)


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学習会ビラ (1897KB)


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2011年08月10日(水)

第24回反核平和の火リレー・徳島 [平和]

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 去年に引き続き、今年も「反核平和の火リレー・徳島」に参加してきました。
 ヨメさんは私に聞く、「どういう関係で参加してるん?」「いっしょに走ってる人は、どういう人?」
 それらの答えはすべて同じ、「全然知らん。」
 「ほんまにアンタはええかげんなやっちゃなー」とヨメさんは言う。
 「そのとおーり、私はええかげんなオッサンです。まあ、ひと言でゆうたらこれやね。『にぎやかし参加』。」

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 朝早起きして温泉入浴。
 そのあと、右アキレス腱テーピング。
 「21km、3時間、何とかもってくれ!」

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 和歌山港8時30分発の南海フェリーで徳島港へ。

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 朝ごはんを食べる時間がなかったので、フェリーの売店のお弁当。値段が安く、味もなかなかよかった。
 ゆったりとした船のデッキで食べるから、よけいおいしく感じるのかも・・・。

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 フェリーの中に描いてあったキャラクター。
 タオルやシールも販売してあった。

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 大鳴門橋を撮ったつもりなんですけど、遠すぎて分かりませんね。

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 船室内は冷房が効きすぎていたので、ずっとデッキ。

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 10時35分、徳島港着。

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 徳島道に入り、三好市池田町をめざす。

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 吉野川SAには、高知に出張する阿波踊りのグループ。

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 去年は時間がなく、お昼にろくなものを食べずに「反核平和の火リレー」のスタートを切ってしまった。その結果後半フラフラに。
 今年はその轍を踏まないように、しっかり食べることにした。
 「あなご丼」、750円。ごはんもしっかり入っていて、残さず食べたら力が湧いてくるような気がした。

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 中野勇人さんが待つ三好市役所についたのは1時前。
 少し休けいさせていただき、ランニングウェアに着替え、車で中継地点へ。

 今日、「反核平和の火」は朝に上板町役場を出発。午後2時過ぎにこの中継点に到着予定。ここは美馬市と三好市の境にあたるところだ。

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 待機していた場所は、日陰のないところ。

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 でかい看板があったので、せめてその日陰で直射日光を避ける女性たちの姿も。

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 2時20分ごろ、やっと先導車の姿が。

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 去年は初参加で、不安な面のほうが大きかった。しかし、今年はコースも日程も去年とまったく同じということで気持ちの余裕があった。

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 便乗ランナーという私の立場も忘れ、一番にお迎えに行ってしまった。
 でも、去年に続けて参加されている方がほとんどということなので、私ののぼりを見つけて喜んでくださった方もあったと思う。

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 2時半ごろ、いよいよ私たちがスタート。
 ところで、ここで中継したグループは何グループなんでしょう。三好市職労グループかな?

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 約1kmごとに立ち止まり、「反核平和の火」をリレーする。

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 この火は、もともとは広島、長崎、沖縄から採られたものらしい。

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 「青年学生」と言われると、おっちゃんはつらい。みなさん、私の半分くらいの年齢です。

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 役所(支所)前でのセレモニー。
 建物の中からもっと人が出てこられるものと思っていたのに、少なくてちょっとガッカリ。

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 中野さんののぼりは、茨木市議・山下けいきさんの制作されたもの。背中にポールをしっかり固定できるバックとセットで、横風にも強そう。

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 一番前に回って、全体をパチリ。
 それを見ていたサポート組の方が、「写真撮りましょう」。
 以下12枚の写真は、その方が撮ってくださったものです。(ありがとうございました。)

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 ここからあと、また私が撮った写真です。

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 この手前、去年こちらに向かって手をふってくれた男子中学生がいた。なんと、その同じ場所で、今年もちがう男子中学生3人が手をふってくれた。これは、本当にうれしかった。

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 土地勘がないのでどのあたりのことだったか忘れたが・・・。
 坂道を集団で下っている時、後ろから「バッバッバッーーーーー!」
 何事かと振り返ると地元のタクシー。
 車の上に会社名を掲げ、ナンバープレートをつけて走っている公共性の高いタクシー会社の社員がこれですか。タクシーなら、他府県のお客様を乗せることも多いだろう。たった一人の行為が、その県全体のイメージダウンになってしまうこともある、ということを教えてあげないとね。

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 橋の手前の温度計は34℃。去年と同じ。

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 見よ、この中野さんのくたばりぶり。ほぼ、死にかけ。去年の私みたい。
 去年、中野さんのとっておきのゼリーをぶんどってしまい、そのあと中野さんの元気が一挙になくなってしまった。しかし、今年はそんなこともなしなのに去年以上に消耗しているように見えた。
 「歳ですか?」

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 一方、私は元気元気。便乗ランナーである自分の立場も忘れ、時々先頭に立って走る場面もあった。

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 あの長い橋を渡りきると、あとゴールまで2km足らず。

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 最後のリレー地点からは、女性や子どもさんもたくさん加わりにぎやかに。

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 5時10分過ぎ、三好市役所にゴール。

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 ゴールした時、「藤井さん、遠くからのぼりが見えてすごくよかったですよ」と声かけ。去年もずいぶんとお世話になった今村さん。
 去年も同じようにほめてくださったんですよね。だから今年も来たんです。私の「のほりラン」を喜んでもらえれば・・・。

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 私の「のぼりラン」はカミキリムシの一歩のようなもの・・・、(意味不明)。
 SAのトイレにいたカミキリムシは、ほんまにゆっくり歩いていた。でも、私はあきずに観察していました。
 「来年も・・・。」

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2010年12月07日(火)

日本酒「九条」 [平和]

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 12月5日は、私の父・藤井善一の誕生日。89歳になった。
 明日の夜、恒例の誕生会をする。
 何かお祝いをと思ったが・・・。

 そうそう、「ねっとわーく京都」に佐々木酒造さんの日本酒「九条」の広告が出てたっけ。

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 問合せ先に電話してみると、佐々木酒造さんではなく「ねっとわーく京都」の事務所だった。
 「父の誕生日のお祝いに、日本酒『九条』をあげようと思ってるんですけど・・・。」
 「藤井さん、お父さんの誕生日のお祝いなら、こちらからプレゼントさせてもらいます。」

 私の父については、「ねっとわーく京都」の10月号にも書かせてもらった。父の戦争体験を、孫である私の息子と息子の所属する大学陸上部のメンバーに話したこと。その記事には父の写真も載せてもらったので、編集人さんにも親しみを持っていただいたのかもしれない。
 また、私の兄が退職まで長年市職労に所属しており、「ねっとわーく京都」とのつながりも深いのも関係しているのかもしれない。(兄は今も「ねっとわーく京都」を定期購読している。)

 いずれにしても大変うれしいお言葉。お祝い事なので、気持ちよく受け取らせていただくことにした。
 私にできることは、「ねっとわーく京都」の連載記事をよりしっかり書くこと。そして、今以上にたくさんの方々に読んでもらえるよう努力することですね。
 本当にありがとうございました。

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 さて、その日本酒「九条」だが・・・。
 私がほしいと思った「吟醸あらばしり 1.8L」は直接佐々木酒造さんに行かないとないとのこと。一度行ってみたかったのでちょうどよかった。

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 丸太町智恵光院の北側をちょっと東に入ったところ。まあ、京都の人以外ならたどり着けないでしょう。京都らしい狭い道路に面したところに佐々木酒造さんはありました。

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 「ああ、ここが俳優・佐々木蔵ノ介さんの実家かー」などとしげしげ眺めてから、「ごめんくださーい。」
 「ねっとわーく京都」さんのほうから電話を入れてもらっていたので、すぐに日本酒「九条」を渡していただいた。

 お礼のごあいさつに伺わなければ。
 そのあとすぐ、「ねっとわーく京都」の事務所のある寺町夷川へ。

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ねっとわーく京都・最新号

 事務所には、いつもお世話になっている宮内さん、丸山さんがおられた。ご両名とも、私はお会いするのは初めて。
 ゆっくりお話してみたかったが、車で来ていたためお礼だけ言って帰ってきた。

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 ついでなんで、最新号に載っていた広告もご紹介。

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 明日、父が喜んでくれればいいのだが・・・。

※佐々木酒造さんのホームページがすごくおもしろい。佐々木蔵ノ介さんの弟さんが跡継ぎをしておられます。(蔵ノ介さんは佐々木家の次男。)ぜひ、のぞいてみてください。→佐々木酒造株式会社

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2010年09月02日(木)

「攻められたら死ぬ」 [平和]

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叡電・京都精華大前駅付近の黒猫ちゃん

◎毎日新聞8月30日夕刊より

 今、平和を語る:作家・日本ペンクラブ会長、阿刀田高さん

 ◇「攻められたら死ぬ」が9条精神−−阿刀田高さん(75)

  社団法人・日本ペンクラブは今秋、創立75年を迎える。平和を希求し、表現の自由に対するあらゆる弾圧に反対してきた。阿刀田高会長(75)は「ゆるやかな反体制派」を自任し、平和と表現の自由を守るには覚悟がいると語る。26年ぶり3度目の国際ペン東京大会を前に、阿刀田会長に聞いた。<聞き手・広岩近広>

 ◇平和と表現の自由、覚悟して守れ
 −−まず、「ゆるやかな反体制」とは。

 阿刀田 現在、日本ペンクラブには約2000人の会員がいますが、皆が同じ方向を向いているわけではありません。いろいろな考え方を持っていて当然ですし、国際的な活動も反体制ばかりではやっていけない。しかし、いまの世の中を考えると、そうそう体制にべったりというわけにもまいりません。日本ペンクラブは良心と良識にかけて「ゆるやかな反体制」を維持しますが、時と場合によっては「厳しい反体制」の旗を掲げます。

 −−厳しい事例は。

 阿刀田 一例をあげると、03年に当時の小泉純一郎首相が自衛隊をイラクに派遣したときです。自衛隊についての考え方は、会員のなかで種々の意見があると思います。ですが、自衛隊をイラク駐留の多国籍軍に参加させるとなると多くの会員が許し難く思い、ひとつのコンセンサスが得られると考えました。そこで日本ペンクラブとして、憲法の不戦原則に背くので断固として反対する、との声明を出したのです。

 国家にとって重要な問題が持ち上がったとき、文学者は意見の対立を乗り越えて、つまり小異を捨て大同につくと申しますか、そういう行動をとるのがこの団体だと思っています。

 −−このとき日本ペンクラブが45人の会員に呼びかけて緊急出版した「それでも私は戦争に反対します」(平凡社)に、阿刀田さんは短編「神々は笑う」を寄せられました。自衛隊が軍隊になり、ついには徴兵制度が始まったという近未来はリアルでした。

 阿刀田 軍隊は戦争する組織ですから、戦場で死ぬこともあります。そうなったら日本では志願兵なんて出てきませんよ。おのずと徴兵制が敷かれます。徴兵制になったら、貧しい人や恵まれない人たちが兵隊にとられる。いつの時代でも変わりません。

 私は10歳のときに長岡大空襲に遭い、強いと教えられた日本の軍隊が国を守ってくれないことを思い知らされました。広島、長崎の惨禍も防ぐことができなかった。だから軍隊を持てば国を守れると言われても、どこまで信頼したらいいのかと思ってしまう。

 −−一方で、軍備を持つ国から攻め込まれたらどうするのか、と必ず問われます。

 阿刀田 私の答えは決まっています。そのときは死ぬんです、とはっきり申し上げております。

 実は私たちの世代は戦時下の子ども時代、国家のために死ぬんだと教えられました。だから、やれ本土決戦だと竹やりを持つようになると、敵国が攻めてきたら死ぬ覚悟でした。しかし戦争が終わって日本国憲法が施行されたとき、戦争の放棄をうたい軍隊を持たないというのだから、なんと素晴らしい決心だろうと感動した覚えがあります。

 私は、人を殺すくらいならば、自分が死ぬ道を選びたい。特別な倫理ではなく、同じ倫理観の持ち主はきっといるはずです。だから私は命がけで平和を守り、それでも攻撃を受けたら、丸腰で死ぬんだと覚悟を決めています。攻められたら死ぬんです、という覚悟が憲法9条の精神だと思います。私たちはこうした憲法を保持し、培ってきた。だから、この65年間戦争しないでやってきたのです。

 といっても誰しも死にたくはありません。将来のある若者を死なせたくはない。だから、そういうことにならないように、外交努力はもちろん、ありとあらゆる努力をする、やり尽くすのです。平和を守るには並々ならぬ覚悟がいります。命がけでなくてはならない。それを実行するのが政治です。

 −−昨今の政治は力がなくなったようです。

 阿刀田 政治家の言葉が貧しくなっていますね。言葉の後ろに覚悟や信念がない。言葉は覚悟を伴わなければ、いい言葉になりません。消費税の問題にしても、いまちゃんとやらねば国家存亡の問題になると、本当に信じて、本当に考えて発言したなら、国民は聞き耳を立てるはずです。腰が引けた調子でやっているもんだから、ダメなんですよ。言葉は熟慮したうえで、覚悟をもって発してほしい。要は覚悟の問題なのです。

 −−ところで阿刀田さんはわが国の表現の自由度は5段階で3と指摘しています。

 阿刀田 最近の例でいえば、ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の上映自粛です。内容に賛否両論のある映画とはいえ、一部の団体の抗議を受けて上映中止に至ったのは残念です。過去にも同様の抗議行動により、映画の上映や講演会が開けなかったケースがあります。自分の考えと異なる意見にも耳を傾け、発言する機会を保障できる社会でなくてはいけません。

 表現の自由に対する覚悟が薄い、民度がゆるいからだと思います。表現の自由がいかに大切であるかわかっていないのではないでしょうか。弊害的なことには、すぐ目がいくのですがね。表現の自由を、民衆がいかに大切にしているか、その意識の甘さにおいて日本は世界からあまり評価されていません。

 −−「環境と文学」を主題にした国際ペン東京大会が9月23日から早稲田大・大隈講堂などで開かれます。日本ペンクラブは「日本の環境文学100選」に原爆文学の井伏鱒二「黒い雨」を選びました。

 阿刀田 私たちは、表現の自由、平和の維持、環境の改善、文芸の発展の4本柱を目標に掲げて活動しています。東京大会では自然環境をとりあげますが、原爆は顕著な自然破壊です。「黒い雨」は市民の生活を描きながら原爆の被害を訴えています。井上ひさしさんの戯曲「父と暮らせば」もそうですが、原爆を日常の感情で描いた文学作品は味わいが深いですね。

 −−最後に、この国を担う世代にメッセージを。

 阿刀田 もともと貧乏な国でしたから、日本人は資源を使わずに、どうしたら心が豊かになるかを考えるくせをもっています。俳句や茶道にみられるように日本文化はシンプルなのです。今一度、おカネをむやみやたらと使わずに、抑制のきいた生活に戻るべきでしょう。人間は理性を持たないとダメです。(専門編集委員)

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 ■人物略歴

 ◇あとうだ・たかし
 1935年東京生まれ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館勤務を経て作家に。79年に「来訪者」で日本推理作家協会賞、「ナポレオン狂」で直木賞を、95年に「新トロイア物語」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。03年に紫綬褒章を受章、09年に旭日中綬章を受勲。07年から日本ペンクラブ会長を務める。近著の「闇彦」(新潮社)は国際ペン東京大会の記念として特別書き下ろし。

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きくに向かってふいています

 どえらい記事を見つけてしまった。
 なんて、分かりやすい!

 聞き手ーー軍備を持つ国から攻め込まれたらどうするのか、と必ず問われます。
 阿刀田ーー私の答えは決まっています。そのときは死ぬんです、とはっきり申し上げております。
 私は、人を殺すくらいならば、自分が死ぬ道を選びたい。特別な倫理ではなく、同じ倫理観の持ち主はきっといるはずです。だから私は命がけで平和を守り、それでも攻撃を受けたら、丸腰で死ぬんだと覚悟を決めています。攻められたら死ぬんです、という覚悟が憲法9条の精神だと思います。私たちはこうした憲法を保持し、培ってきた。だから、この65年間戦争しないでやってきたのです。


 そうか、日本はどんなことがあろうと絶対に戦争しない国なんです。戦争をしないためにありとあやゆる手を尽くす国なんです。そして、万策尽き、攻められた時はみんな死ぬ国なんです。
 いざとなったらこわくてこわくて、そんな覚悟は決められないだろうが、そういう国であるということは世界中に広めて行きたい。

 

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2010年08月06日(金)

中野高級ホテル [平和]

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中野さんがうちのヨメさんのおみやげにくださった「タコ」

 初めから夜はアルコールを注入する予定だったので、中野さんのお言葉に甘えて、中野さんのおうちでの宿泊を予定させてもらっていた。
 映画「人らしく生きよう・パート2」でそのおうちが少し写ってはいたが、どんなところかまったくイメージがわいてこなかった。

 案内されたおうちは、一軒家の二階。
 一階のあけにくいドアから入ると、階段にはたくさんのシューズ。その時、一瞬、二階に何人か住んであおられるのかと思った。しかし、よく見るとそれらはほとんどがランニングシューズ。二階部分全体を、中野さん一人で使っておられるのだった。

 二階に上ると、細かくは仕切られているが3部屋続き。それとは別に、キッチン、バス、トイレ。おっと、これは高級ホテル並み。言わば、「3K」ですか。

 いや待てよ、「3K」と言えば・・・。
 「きつい」「汚い」「危険」な労働。

 私は中野さんの「5K」を思いついた。
   か なしいです
   き ついです
   く るしいです
   け っ!
   こ んなくらしがいつまで・・・

 でも、こんな「5K」も考えられる。
   か いこはふとう、でも
   き ぼうはすてない
   く にがあいてでもひるまず
   け んぽうのせいしんがうしろだて
   こ ようされるひまではくじけない

 中野さんが23年前国鉄を解雇される前、「国労をやめて生き延びろ」という周りの声が多かったそうだ。しかし、中野さんは「ここで自分の信ずる道を捨ててしまえば、この先同じような場面に出くわすたびに自分をごまかしながら生きていかなくてはならない」と思われた。そんな生き方はできないと決断され、その後いばらの道を歩まれることになる。

 寝る前に、中野さんの部屋にあった数々の写真を見せていただいた。
 去年の「国会前54日間連続フルマラソンアピール行動」の前にも、「1047kmキャラバン」などさまざまな行動を起こされていた。そのほとんどが中野さんの得意なランニングがらみ。
 「今までこれだけすごいランニングの実績を残されているのに、私ら一般ランナーにほとんど知られてないのが残念ですね。『JR不採用問題』をおいといて、ランニングの部分だけを取り上げても、ランナーなら関心を持ったと思うんですけど・・・。それを見たうちの何人かは、『なんで、ここまでやらはんにゃろう』と思って調べると思いますわ。そういう意味で、マスコミの姿勢ってどうなんやろうと疑問に思います。」
 「組合活動に対するマスコミの目は、決してあたたかいものではないですから・・・。」
 「ボクは、組合活動や平和運動って弱い者を助ける活動やと思ってるんですけど、それを白い目で見る人ってどうかしてますよね。私らの親の世代ならそういう教育を受けてきたからある程度は仕方ないと思いますけど、私らの下の世代くらいからまた反動化しているようで・・・。」
 「そうなってきたのも、社会や教育の力が大きいでしょう。」

 話している途中で気がついた。 
 ずっと話し続けているは私。中野さんはほとんど聞き役。中野さんは私の7歳下だが、7歳上のどうしようもないオッチャンの話をしっかりと聞いてくれている。
 もう一つ気がついた。
 私は今まで、生マジメな人を茶化してカンカンに怒らせてしまったことが何度もある。(そういうどうしようもないタイプの人間なんです。)中野さんは、その生マジメな人間。でも、カンカンに怒らない。フシギでしたねえ。
 マジメ・不マジメは本来強烈に反発しあうものであるのに、中野・藤井は今後も意外と長持ちするのかも・・・。そんなことを思いながら眠りについた。
 「ここは、中野高級ホテル・・・、むにゃむにゃ・・・。」

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※ 上の写真は、泊めていただいた翌朝、中野さんが顔を洗いに行ったスキに盗撮した中野部屋。これは、「高級ホテル」と言うより「アジト」ですね。(「アジト」って、死語ですか?)

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2010年08月05日(木)

第23回反核平和の火リレー(徳島)・続き [平和]

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 JR阿波池田駅前の「へそっこ公園」にゴール。
 いったん中野さんのおうちにおじゃまし、シャワーを浴び着替え。再び、イベント会場になっているへそっこ公園へ。

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 会場では、アンパンマンショーや手話入りの合唱、琴の演奏などが行われていた。

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 私と中野さんが焼きソバをあてにビールを飲んでいると、今村さんという女性が「ご一緒させてください」と入ってこられた。私は私の横の席を勧めたのだが、なぜか中野さんの横に。
 中野さんいわく、「中野後援会会員ナンバー0番の今村さんです。」
 「ふむふむ・・・。」

 だいたい、国労北見闘争団の中野さんがなぜ四国徳島の三好市池田におられるのか。これさえも、いまだに理解できていない。その中野さんが、三好市役所の地下にある市職労の今村さんとどういう仲なのか。これも分かっているようで分からない。

 「藤井さん、では交流会ということで・・・。ちょっと、行きますか。」
 よっしゃー、こういうときに遠慮せず何でも聞かにゃー。

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 「今日、わざわざ京都から徳島まで来たのは、反核平和を訴えるためでもなく、酷暑の中を走るためでもないんです。一番の目的は、中野さんのしっぽをつかむことです。」
 そんな私の自己紹介を、今村さんは半分あきれて半分興味深く見ていてくださった。
 「あっ、中野さんの『イメージダウン作戦』でしょう。ブログ、見せてもらってます。」

 中野さんは、国労北見闘争団から四国に派遣されている。私はてっきり、四国におられる国労の仲間を応援するために来ておられるのだと思い込んでいた。しかし、実際はそんなに特化した活動ではなくもっともっと広く大きな活動のようだ。その拠点にされているのが三好市市職労であるようだ。
 7年前中野さんがこの地に来られたとき、初めに仲良くさせてもらわねばと思ったのがこの今村さんだそうだ。当時はまだ町村合併前の池田町時代で、今村さんは労組の「書記」という立場の方であったらしい。

 まあ、それはさておき本題へ。
 「中野さんの弱みをつかもうといろいろ聞きまくってるんですけど、うまくいかなくて・・・。なんか、中野さんの悪事とかないですかねえ。」
 「それがね、徳島に来られてからの中野さんは品行方正で・・・。」
 「ボクは、スキャンダルとかが発覚したら終わりだと思ってるんで・・・。徳島に来て、悟りを開きましたから。この7年間、一度も怒ったことないですから」と、中野さんの割り込み。
 「おかしいでしょ。そんなことありえへんて。」
 「あっ、でもね、前に北海道に行かせてもらったとき、中野さんの古いお友達に会ったんです。そのお友達が私たちの話を聞いて、『信じられん。北海道にいたときの中野は気が短くてすぐカッカと来るやつだっだ。みんなだまされている』とおっしゃったんですよね。あっ、そうなんかと思ったりもして・・・。」
 「そっかー。やっぱり取材は北海道まで行かなあかんね。できたら、高校までおられた増毛まで行って同級生とかに聞かなあかんのかも。」
 「あっ、ひとつだけ思い出しました。中野さん、すごいスーツを持っておられるんですよ。見る角度によっていろいろな色に見える玉虫色のスーツ。あれを着ていかついサングラスをかけてこられることがあるんですけど、どう見てもアッチ系の人にしか見えなくて・・・。」
 「あっりゃー、そのへんうちのヨメさんといっしょですわ。そんなへんなかっこして、みんなから声をかけてもらおうという作戦ですわ。その手に乗ったらあきませんでー。
 うちのヨメさん、あの歳でミニスカート専門ですから。困ったもんでしょう。」
 「と言うことは、大屋政子さんみたいな・・・。」
 「そそそ、自分で『大屋政子2世』みたいなことゆうてます。」

 「奥さんには頭が上らない・・・。」
 「そうなんですよ。なんせ、ヨメさんの稼ぎでメシ食わしてもうてますし・・・。今日出てくるときも、『お願いやし帰って来んといて。吉野川にはまって溺れ死んで。生命保険ガッポリだけはきちんとしといて』ってゆうて送り出されたくらいですから。」
 「いえ、でも、いざとなったらきっとちがうと思いますよ。」
 「いや、それはない。あいつは本気でそう思とる。恐ろしいおなごじゃー。」
 「でも、あっちこち行かせてくださって、理解あるんじやないですか。」
 「とんでもない。『アンタのしていることはすべてムダ』と断言しているくらいですから。こうやって反核平和の活動も政治活動やからと言って、『京都キャロット』のホームページから私のブログへのリンク、ぶち切ったんですよ。何の説明もなしに突然ぶち切ったもんやから、『パオパオだより』がなくなったと言う人が続出して困りました。こんなん政治活動ってゆうたら、ほんまに政治活動やってはる人怒るでーってゆうたんですけど・・・。
 今日ね、走ってて出くわした小中学生がいたじゃないですか。こっちが手を振ったら手を振り返してくれた子もいましたよね。あの中の何人かが、『反核平和ってなんやろう。変なオッチャンが9の会と書いたのぼりを背負って走ってたけどなんやろう』と思ってくれたらめっけもん。その程度のことを、『政治活動』って目くじらたてるとはねえ。
 特定の政党を応援する活動ならいざ知らず、ボクがしたいのは『憲法9条を守る』、この1点だけ。ほかのことにはほとんど興味もないです。」
 「反核平和運動を色メガネで見る人は、オカルト集団を見るのとおんなじ目で見てしまうんでしょうね」と、中野さんの割り込み。

 ヨメさんに言わせると、『アンタのやっていることはアンタの葬式に来る人が増えるだけで、家族のためには何の役にも立ってへん』とゆうことらしい。
 葬式なんてしてもらおうなんて思ったこともないのにね。ボク死んだらね、できたら死体を野良犬のえさにしてもらえたらと思ってるんですけど。臨終の席では家族ではなくて雑種犬に見守られて息を引き取りたいなあ。」
 それまでほとんど黙って聞いていた中野さんも、さすがにこの言葉にはひいていた。「ヘッ、ヘンタイ!」と心の中で・・・。

 「娘さんと沖縄旅行されたんですよね。二人で行かれた目的は?」
 「うちの子ね、中学の時にいろいろとあって、もう人と競争するのはいやなんですて。それでね、日本で一番競争のイメージから遠いのは沖縄かなと思って。沖縄の大学なら行ってもいいかなあと今漠然と思っているみたいです。」
 「そうなんですか。」
 「沖縄の大学を出られてその大学の先生になられた方と話す機会を作ってくださったんです。そのあと、『真樹も沖縄の大学の先生になったら』って言ってみたんですよ。そしたら、「先生になるのだけは絶対イヤ!』ですって。この言葉はショックでした。」
 「そうですか・・・。でもね・・・。うちの子もずっとそう言ってたんですよ。大人になった今、絶対ならないって言ってた教師の仕事してますよ。」
 「いやまっ、そうなんですか。」
 「毎日夜遅くまで仕事があってたいへんみたいですけど・・・。」
 「へー、すごいですやん。そんなこともあるんですねえ。でも、あんまり気張りすぎんようにね。どんなに忙しくてつらいことが続いても、この部分だけは心から楽しめるぞーと言えるところを見つけてほしいです。そしたら、これからもずっとその仕事を続けていけると思いますよ。」
 おー、なんと、わずか12年で教職を「ケツワリ」してしまった私が、何を偉そうにアドバイスかい! 反省!

 中野さんをそっちのけにして、初対面の今村さんとしゃべりすぎた。
 このほかにも、池田町はタバコの栽培で栄えた町であることや、中野さんが家の前でファイティングポーズをとっているカマキリを見て驚かれた話(北海道にはカマキリはいないらしい)など、ためになる話もたくさん聞かせていただいた。
 聞き上手な方は、ほんとに感じがいい。自分のことばかりしゃべりがちな私は、今村さんの爪の垢でも煎じて飲まねば・・・。

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