パオパオだより

2010年10月06日(水)

「ビルマVJ 消された革命」 [映画]

画像(320x240)

◎公式サイト・解説より

 2007年9月、世界中のトップニュースがビルマ(ミャンマー)の反政府デモの様子を報じた。
それまで沈黙を続けていた約2000人の僧侶たちが立ち上がると、やがて路上は10万人の人々で埋め尽くされた。

 地を揺るがす民衆の興奮―― “革命”の予感がした――
 世界はその瞬間、この国の未来を信じた。

 軍事政権による独裁が続くビルマ。民主化運動の指導者 アウンサンスーチー氏は、いまなお自宅軟禁中のままだ。苛烈な情報統制によって外国人ジャーナリストの入国が厳しく制限されているため、私たちがビルマ国内で何が起こっているのかを知ることは困難を極める。しかし、それにも関わらず、世界中のニュースが2007年9月の大規模な反政府デモの様子を報じることができたのはなぜか? その陰には、拷問や投獄のリスクをかえりみず、情報を発信し続ける〈ビルマ民主の声〉[※1]のVJたちの活動があった。隠し撮りされた映像は密かに国外へ送られ、無償で国際的なメディアに配信される。豪雨の中、アウンサンスーチー氏を訪ねるデモ隊の姿や、国軍兵士によって日本人ジャーナリスト長井健司氏が故意に射殺される瞬間を世界中に配信したのも彼らである。映像の力によって閉ざされた自国の未来を切り開こうとする若者たち。ジャーナリズムの精神を体現する彼らの活動は、いまこの瞬間も続いている。

 デンマーク人映画監督 アンダース・オステルガルドは、VJたちが撮影した断片的なニュース映像を再構築し[※2]、彼らの文字通り命がけの体験そのものを私たちに伝えようと試みた。そして、膨大な映像がはじめて一編の大きな物語へと紡がれたのだ。私たちは、主人公、自ら“ジョシュア”と名乗る若きVJと「心のレンズ」を共有し、彼が感じた恐怖や怒り、そして希望とともに、ビルマという国の現状を理解してゆく。矢継ぎ早に飛び込んでくる最新情報。走りながら撮影されたスリリングな映像は、画面全体が大きく揺れ、現場の緊張と恐怖を私たちに体感させる。アカデミー賞では惜しくも『ザ・コーヴ』に敗れたものの、ベルリン、サンダンスほか150の映画祭で上映され、40以上もの国際的な賞を受賞。ビースティー・ボーイズが米国での配給に名乗りをあげ、ジェーン・バーキンやリチャード・ギアなど多くの著名人から賛辞が寄せられている。

[※1]・・・<ビルマ民主の声> 英語公式名称はThe Democratic Voice of Burma(DVB)。ノルウェーのオスロに本部を置く在外ビルマ人活動家による民主化支援メディア。1992年からビルマに向け短波放送を開始し、2005年から衛星を使ったテレビ放送を実施している。

[※2]・・・本作は、その映像の多くが現地に潜入したVJたちによって実際に撮影された素材によって構成されている。また、いくつかの再現映像も使用されている。なぜなら、実名や地名、実際に起きた出来事の詳細を公表することは、関係者たちの身に危険を及ぼすことになりかねないからである。それらの再現映像は、実際の現場を直接体験した当事者たちとの緊密な協力関係によって撮影されたものである。
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 「おー、今日は京都シネマにしたらたくさん入っているほうやなあ。さすが、いい映画やから・・・。」
 と思っていたのはかんちがい。「シネマ3」は62席。やっぱり30人も入っていなかった。

 前からずっと不思議だった。
 ビルマは軍事政権が成立し、国の名前まで無理やり「ミャンマー」に変えてしまった。この映画の中でそれが40年前と言っていたので、今の若い人は「ビルマ」という国の名前さえ知らないのかもしれない。(私自身もそんなになるとは思ってもみなかった。)

 京都の公立高校の研修旅行も、何の意味もないシンガポールやマレーシアはやめて、ビルマにしたらいいのに。こんな近くに軍隊が民衆を制圧している国があるというのに。
 (なんぼなんでも外国から来た高校生に銃を向けることはないでしょう。)

 「ビルマ」は、アウンサンスーチーさんが何十年も軟禁させられている国です。
 「ビルマ」は、3年前、日本人ジャーナリスト・長井健司さんが軍によって至近距離から射殺された国です。
 
 国連は何しとんねん! 
 世界の警察と自負しているアメリカは何しとんねん!
 「ミャンマー」という国名しか使わない日本は何しとんねん! 

 その答えは、この映画の中にはなかった。
 軍政府の弾圧により、この映画に関わったVJ(ビデオジャーナリスト)は拘束され、続編を撮ることは困難らしい。
 私たちにできることは、「ビルマ民主の声」のVJを支援するチャリティーTシャツを購入することくらいしかないのだろうか。

 何でこの映画が、「ザ、コーブ」に負けるねん!
 「ハートロッカー」の受賞の時も首をかしげたけど、これでアカデミー賞自体がますます信用できんようになった。

 みなさん、ぜひこの映画を見てください。

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