パオパオだより

2012年01月13日(金)

「天使突抜六丁目」 [映画]

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◎京都新聞1月5日夕刊・シネマガイドより

 作家の創造性、奔放にはじける
  シネマフィルム「京都連続」第2弾 「天使突抜六丁目」

 映画制作会社シネフィルム(舞鶴市)が手がけた「天使突抜六丁目」(山田雅史監督)が、京都シネマで上映されている。京都の地名を題材にした「京都連続」シリーズの第2弾。創作上の制約を一切設けず、若手監督の混じりけのないイマジネーションの世界に観客を放り込むような奔放さが、シリーズの大きな魅力だ。   (長谷川真一)

 “枠組み”はずし、人にこだわり

 「京都連続」は約3年前から始動し、主に関西ゆかりの若手映像作家を抜てきしている。決まりごとは、「京都の地名をモチーフとして使うこと」だけ。作品の内容については、すべて監督にゆだねられる。
 「天使突抜六丁目」はまちに迷い込んだ男と、それを取り巻く人々の奇妙な日常を描くファンタジー。弟1弾の「堀川中立売」(柴田剛監督)はダメ陰陽師と妖怪が闘う型破りなSFだった。製作総指揮の志摩敏樹・志摩フィルム代表は「どちらも『ヘンな映画』なんですよ」と笑いながら、「2作とも作り手の持ち味が生きた作品になりました」と手応えを感じている。
 企画の背景には、日本の商業映画製作の手法に対する違和感があるという。興行的な成功から逆算し、一定の集客が見込める人気原作やテレビドラマの映画化、俳優の顔ぶれなどの“枠組み”ばかりが優先される。「『それでいいの?』との思いは、映画に携わる誰もが持っている。それは志摩フィルムの仕事ではない」と言い切る。
 だからこそ「まずは作家ありき」にこだわる。「東京に出ず、関西に残っていていも、力のある作家はたくさんいる。その創造性をそのまま世に出したい。評価は僕が死んでからでもいいんですよ」と志摩代表。映画への愛と情熱が走らせる企画、来春にはシリーズ弟3弾の撮影も始まる予定だ。

   
 非日常的世界 イメージ膨らませ 
  京都出身の山田雅史監督

 山田雅史監督=京都市出身=は今作品を手がけるにあたって、個性的な地名を探すうちに京都市下京区の「天使突抜町」に行き当たった。「語感のインパクトが強い。『天使』が『突き抜け』ていくって、いったいどんなまちなのか」との興味から、非日常の世界で展開される物語のイメージを膨らませた。
 《勤め先が倒産し、ヤクザに追われることになった昇(真鍋拓)は見知らぬ「天使突抜六丁目」にたどり着く。身を寄せたアパートで、まちから抜け出すことを願うみゆき(瀬戸夏実)と出会う。みゆきは、背中のこぶがやがて天使の羽根になると信じていた・・・》
 町名は実在するが、「六丁目」は架空だ。撮影地の多くは舞鶴市内。トンネルを抜けると突然出現するまち、昇たちの暮らす古びたアパート、どこか浮世離れした登場人物など、わい雑さと幻想的な雰囲気の交錯する世界観を丁寧につくり上げた。
 現在は東京を拠点に活動するが、ホラー作品で監督デビューしたこともあり、同様の仕事を求められることが多い。「『ホラー以外をやらない』と思われるのは抵抗があった」と打ち明ける。「今回は本当に自由にやらせてもらった。京都だから、『京都連続』だからこそできた映画です」
 柄本明、麿赤児、栗塚旭らが出演。実際の天使突抜町に活動拠点を置くマリンバ奏者・通崎睦美が挿入曲を提供している。
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 この映画を見た人が、ブログに書いておられた。
 「わけの分からない映画を見てしまった」と。

 ふーん、わけの分かる映画を求めている人もいるんや。映画って、わけが分からんからおもしろいんちゃうん。私は「わけが分からん系の映画」、だーいすき。この映画、合格です。

 ただ、巨大化したきゅうりの意味だけはほんまに分からんかった。誰か解明した人がいたら、その意味を教えてください。

 主人公・昇は京都弁でしゃべってほしかったなあ。その点、みゆきはよかった。あの怪しい「めぇー」もよかった。京都にいそう、あんな人。
 (京都弁の基本の一つ。一字の言葉は全部伸ばしましょう。「目」は「めぇ〜」、「歯」は「はぁ〜」、「胃」は「いぃ〜」、「手」は「てぇ〜」、「木「は「きぃ〜」、「酢」は「すぅ〜」など。そんな視点で京都を題材にした映画を見てみると、おもしろいかも。) 

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