2017年07月15日(土)
静かな生活 [雑感]
いなかの我が家は静か。
両隣は、昼間は人がいるが夜間は無人。裏に父もお世話になっている老健ホームがあるが、こちらも静か。
うちにいて一番大きな音は、家の前を流れる川の音。川向に国道477号が通っているが、夜はほとんど通る車はない。
窓を開けていると寒い(川からの冷気)ので全部締め切って寝た。ぐっすり寝て、起きたのは7時半ごろ。
「きょうのわんこ、見やんなん」と思って、テレビがないことに気付く。
私の部屋の窓を開けると、すぐ下にびわの木。
「ヨメさんに、びわの葉っぱと実を持って行ったろー。」
ゴミ出しの曜日を忘れたので、ゴミ出し場所までお散歩。
これがちゃんと歩けない。
ブランクがあってもすぐに走れるようになるのに、歩くほうがむずかしい。走るのは、もう体内リズムのようなものが確立できていてそれをすぐに呼び出せる。
それに対して、近くでもすぐ車で行ったりするので歩くのが苦手。なーんか変ですね。
お昼前、みき江姉とターコ姉が訪ねてきた。
みき江姉は父のお見舞いに来たらしい。
「こうじが11年前にPTAだよりに書いてたおじいさんの戦争の時の話なあ、ちょっとまとめて使わせてもらおうと思ってんねん。本人の了解を得なあかんし、使っていいか聞きに来てん。」
「プロの文筆家はつらいね。どうぞどうぞ、つこてやー。」
「11年前の文と今書いてる文と比べたら、やっぱりだいぶ変わってきてるな。」
「そやろ、成長してるやろ。」
みき江姉は呆れていた。横で話を聞いていたターコ姉はもっと呆れていたかも。
ターコ姉が「私も見たい」と言うので、11号まで出したPTAだよりを全部持って行った。(姉夫婦の家まで、うちから200m。)
今ごろ、「なんじゃー、このPTAだより! こうじのやりたい放題やんかー」とか思って読んでいるでしょうね。
お昼は、家から持ってきたラーメン。
具になるものを買って行こうと思っていたが、一人分の具ちゅうのはむずかしい。けっきょく、具なしラーメン。
こちらに来てみると、たりないものがけっこうあった。
しゃもじ、台所用スポンジ、しょうゆ、単3電池など。
びわの葉っぱも持って行きたかったので、峠を越えて一度下界へ降りることにした。
店にいるものと思い直行すると、バイトさんのみ。
家に帰ると、ヨメさんは試験勉強中。
きくちゃんはうれしそうに出てきてくれた。
「きくちゃん、こわないん? 前やったら、しばらく会わんと恐がって逃げ回ってたのになあ。」
「暑すぎて、それどころやないみたい。」
私も暑すぎて、ヨメさんにびわの葉っぱを渡し、要るものをちゃいちゃいとつかんで早々に引き上げた。びわの葉はよろこんでもらえたようでよかった。
町内にある野菜の販売機で、割れトマト(200円)ときゅうり(100円)を購入。
それを持って、またいなかへ。
明日は京都走ろう会例会に行くつもり。
朝寝坊できないので、時計の電池も買ってきた。
退寮した寮生にもらった電波掛時計。T君、ありがとね。今も役に立ってるよー。
こんなええ環境の中にいるんやし、今日も走らな。
昨日は南向いて花背峠往復8kmやったし、今日は北向いて大布施・八桝往復10kmやな。
スタートして300mで兄夫婦と父の家。
ちょうど前の畑に兄がいたので声をかけた。
それから20分以上も話し込んでしまった。
兄は私と正反対で超真面目。別所の将来を考えて、何か打つ手がないかとあれやこれや考えてくれている。協力できることは精一杯したいという気はあるが、なんせ末っ子は力なしなもんで・・・。
うちの山がある滝谷口。
「樹木葬ってええなあ」と思っていたが、うちの山には樹木がいっぱい。ここに灰まいてもらおかー。
ただし、夏はマムシと蜂で大変やし、冬は雪で来れへんし、「死にどきは、春か秋ですなあ」と勝手に思っとっても、誰もまいてくれんか。
家から2.5kmくらいのところに、犬の訓練所。私の一つ下の喜代春君がやっている。
今日もたくさんのワンちゃんが吠えまくっていた。それでも、周りに家がないところなので全然だいじょうぶ。犬も人もストレスがなくていいね。
大布施のドン付き、開花橋で4.5kmほど。
広河原向きにあと500m走ろう。
そうそう、駐在所のワンちゃん見やな。
「あれっ? 駐在所だよりに載ってた写真見たらコーギーに見えたのに、ちゃうやん。由緒正しき雑種犬やん。ああうれしー。」
「いろはちゃーん」と呼んだら、私が恐いようで吠えて吠えて吠えて・・・。
消防の駐在所を超えたところで5kmになりそう。
おお、かわいいワンちゃんとこでちょうど5km。27分36秒。5分半ペース。
ここで折り返し。
開花橋から京北側を望む。
この先の温度計を見ると28℃。もう6時半だというのにこの暑さ。
上り坂をふうふう言いながら、やっと別所へ。
北の一番かかりのおうちは木村さんち。
いましたー、クーちゃん。
「クーちゃん、ごめんな。今日はさわったりでけへんにゃわ。ほんまにごめんな。」
「事情があんにゃったら、しやーないがな」と聞き分けのあるクーちゃんでした。
兄はもう畑仕事を終えて、家に入ったようだ。
帰りの5kmは、31分13秒。6分15秒ペース。
後ろ姿ジャンプ自撮りに挑戦したが、あまりうまくは行かなかった。ちょっとは浮いているはずですが・・・。
ダウンジョグで花背山の家まで。
入り口近くに大きなねむの木があるんですね。今まで気付きませんでした。
今日の夕食は、制限食用に買っておいたやきとり缶詰。あとは煮豆とトマト・きゅうり、それときゅうりのどぼ漬け。まあまあ安上り。
夜8時で、気温25℃、湿度67%はきつい。
別所としてはあり得へんような気候。
でも、街中に比べたらずっとまし。今日も安眠できそう。
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2017年07月14日(金)
退院すれども近寄れず [病院]
今日のお昼、京大病院を無事退院いたしました。
退出可能限界というのが決められていて、放射性ヨードの体内残留量が30マイクロシーベルト以下なら退院できるらしい。私は10マイクロシーベルト。優等生ですか。
「1日2リットル以上の水分を取って、ドンドン尿や汗で出してください」と言われ、がんばって飲みましたがな。元々マラソンとかでも水を飲まへんほうやのに。起きてるときは1時間に1回くらいトイレに行っていた。ああ、その甲斐があった。
「退院後の生活の注意点」を説明してくださった看護師さんは、今回のピカイチ。
「一番心配なんは、飼ってる犬に近づいてもええんかどうかゆうことなんです。それを先生に質問したら、すっごい困らはって・・・。人間のことはスラスラ説明してはった先生が、なんやあいまいな返事で・・・。」
「そうでしょうね。犬への影響は研究されてないと思います。何かあったら大変ですから、用心するに越したことはないと思いますよ。ワンちゃんは喜んでひっついてきますもんね。」
「そうでしょう!」
実は、うちのきくは私のことを下に見ているので、「喜んでひっついてくる」ということはめったにない。でも、そう言ってもらえるとうれしいじゃないですか。
家が別の所にもう一軒あるのでそこに行こうと思っていると話したら、「3日間はそうされるほうがいいと思います」と言われた。
【最も気を付けること】
・5才以下の子ども、妊婦さんとは1m以内に近づいたり濃厚な接触は8日間は避ける。
・5才以上の子どもと1m以内に近づくことも4日間は避ける。
【帰宅後3日間】
・家族と一緒に過ごす場合、できるだけ離れる。
・用便後は2回流す。
・寝るときはひとりで。
・入浴は家族の最後にして、すぐに浴槽などを洗浄。
・十分に水分を摂取。
・衣類などの洗濯は他の家族のものと別に行う。
・旅行・移動は必要最小限。
・人混みには行かない。
・職場は休む。
【投与後数カ月から1年間】
・治療者カードを3ヶ月間携帯(火災報知器が作動したり、セキュリティチェックでひっかかる場合がある)。
・交通事故や医学的な緊急事態に巻き込まれたときは、治療者カードを提示。
・女性は1年以内の妊娠、授乳をしない。
・男性は半年間は避妊。
これに付け加えられたことがショックだった。
「1年間は赤ちゃんに接触しない」
万一、廉や真樹に1年以内に赤ちゃんができたとしたら、さわったらあかーん!
4年連続でアイソトープ治療を受けておられる方もある。そろそろ解禁→入院治療→そろそろ解禁→入院治療のくり返し・・・。ということは、私がそうなったら永久に孫に近づけへんちゅうことか。
「退院すれども近寄れず」解禁は、いったいいつになるんでしょう・・・。
今日は治療室に持ち込んだものをすべて処分。
何か記録に残しておきたかったので、使い捨てカメラだけ持ち込ませてもらった。昨日の体内残留量測定の時に、このカメラも測ってもらえばよかったのだが忘れていた。ちゃんと撮れているかどうか分からん写真だが、これは今日持ち出せないのでだいぶ先に公開ということになる。まあ、すんだことやしどうでもええか。
ペットボトル500×6本、コーヒーパック×10、お茶パック×10、もも×2、すもも×8、ぶどう×2房。
ちょっと気持ち悪くなった時もあったが、「放射性ヨードは、早く出さないと体のあちこちに支障がある」と聞いていたので必死。食べ物系はほとんど捨てずに済んだので、まだ後ろめたさがなくてよかった。
シャワーを浴びて着替えると、やっと治療区域から脱出。
最後にRI診療棟に行き、シンチ撮像。
まあ簡単にゆうたら、放射性ヨードがしっかり癌細胞に食らいついとるかどうかを調べるヤツ。
「食らいつけよー!」
今からゆうても遅いか。
「機械が鼻すれすれのところまで来ますよー。こわかったら目をつぶってください。」
「なななんちゅう・・・。」
ほんまに鼻すれすれまで来よるがな。もうちょいで鼻つぶれて息止まるがな。
こっちは手足縛られとるちゅうねん!
スリルありすぎて疲れた。USJには行ったことないが、絶対にこっちのほうがドキドキハラハラ。全部で40分くらいだったらしいが、終わった時立ち上がれなかった。体フラフラ。無茶しよんで。
支払い手続きに行くと、高額医療の認定証を持ってきてから計算してくださるとのこと。入院前になんぼ探しても出て来ず、「一旦3割計算で払っていただきます」と言われていた。そんなややこしいことにならず助かった。
京大病院さん、しっかりしてはります。よかった。
通路に現在工事中のお知らせ。
「この工事のガードマンは〇〇〇です」と書いてほしかったなあ。緑の制服のわが社のガードマンが立っている。
暑い中、ご苦労様です。倒れんようにね。
アイソトープ治療病棟を出た人は、うどんを食べに行く人が多いらしい。昆布やカツオのだしが使ってあるうどんは、ヨード制限食にまともに引っかかる。つまり、この治療を受けた人は全員2週間はうどんを食べていない。
私は・・・。
うどんよりラーメン。ラーメンは胆のう炎に悪そうだが、今日くらい食いたいもん食わせよー。
京大病院の東向いの「らんたん」さん。
前はよう食べに来てたけど、うちの子らが小さい時に来て以来やから15年ぶりくらいかなあ。
じいさんばあさんと、その娘さんらしき人の3人でやっておられた。あのじいさんばあさんは、40年前にもおられたのだろうか。
「あんたらの30℃は実際は32℃やから。2℃はおかしなってるから」と娘さんらしき人がおっしゃっていた。たしかに。私も、昔ほど暑さを暑いとは思わなくなってきている。
タクシーのおっちゃんの、「鴨川の洪水の時は上流から牛が流れてきた」という話も興味深かった。
チャーシューメン・並(850円)を食べ終わるころ、汁の中にきくちゃん登場。こら、ヨメさんにメールせなあかん。
「線量基準以下なので、退院できました。3日間は要注意とのことなので、予定通り別所に帰ることにします。」
「店暇やし迎えに行きます。」
「人に近づいたらあかんので、迎えに来たらあきません。」
ありがたい申し出を断らなくてはならないこの辛さ。(車の中は、1m以内に長時間となる可能性が高い。)
京大病院からの帰りは、市バスで元田中まで行き、元田中から叡電で帰る方法をヨメさんが教えてくれていた。しかし、バスは人混みになる可能性があるので回避。
京阪・神宮丸太町駅まで歩いて、そこから出町柳。出町柳から叡電で京都精華大学前駅へ。
電車の中で、小さい子が近づくたびにドキドキした。「おっちゃんは、わけあってあなたに近づいたらあかんのです」とも言えへんし・・・。
京阪・出町柳駅には徳力富吉郎さんの版画が飾ってあった。この方も別所ゆかりの人なんですよ。
家に着くと、ヨメさんの忘れ物。それを届けに店へ。
きくはなんか調子が悪いらしい。そういう時はオッサンと「ガウガウごっこ」をすると元気になるのだが、残念ながら今はできない。
「あと3日待ってなー。」
まずは左京区役所へ。
「限度額適用認定証なくしましたー」と言ったら、係の方は困っておられた。それでもすぐに再発行してくださった。これで一つ片付いた。
今日金曜は4時にヨメさんときくが帰ってくるので、大あわてでいなかに帰る準備。ガガガといろんなものをつかまえて持ってきたが、あるもんでなんとかしよう。
いなかの家に着いたのは4時半すぎ。
気温はそれほどでもないのだが、いやに蒸し暑い。
いなかでもポケットWifiが使えるようになった。
治療室に入っていた3日分のいろいろなことをチェック。
一番気になるのはfukikoさんのブログ「猫と過ごす、こんな一日」。
さてーとー・・・。
せっかくいなかに来たんやから、走らんとね。
別所で走ると言えば花背峠往復8km。
監禁部屋で運動できなかったので走れるか心配だったが、ゆっくり行けばよろしい。
5時半ころスタート。
上の町の浄水場前の温度計は26℃。別所にしたら暑い。これに加えて湿度の高さ。すぐに汗が吹き出てきた。
こうして体内残留放射能を出すのはすごくいいことらしい。病院ではエアコンが効いていて、全然汗が出ませんでしたから。
もうすぐ峠というところで、後ろから追い付いてきた車。
「おっちゃん、どこまで走るん?」
姪(ターコ姉の三女)とその娘。街に出かけるようだった。
「峠まで。今日、京大病院退院してん。」
「そうなん。走ってだいじょうぶ?」
「汗出さなあかんねん。今、体から放射能出まくりやし、近寄ったらあかんでー。」
「はーい。」
峠の北向きは23℃だったが、南向きは25℃。
ここまで約4km、26分01秒。6分半ペース。
帰りはずっと下り。
曇っているのに汗は出る。よしよし。
うちの3軒手前、「庄七」にワンちゃん発見。
長いこと見てなかった「カイちゃん」やと思う。だいぶ前に見た時よりえらいごっつなってたけど・・・。
帰り4km、22分13秒。5分半ペース。
8km、しっかり走れました。
家のびわの木にたくさんの実がなっていた。ヨメさんはお灸に使う葉っぱをほしがっていた。おみやげに持って帰らんならん。
お墓参りの予定日を聞きに、兄の家へ。残念ながら留守。
その帰りにターコ姉夫婦の家へ。
「近寄ったらあかんで」と前置きして、少し離れて歓談。姉は私のブログを時々は見てくれているらしい。
家に帰ってすぐシャワー。
家を建てるときにこだわった広いお風呂。ゆったりとしていて気持ちいい。
シャワーのあとはすぐ掃除。たいへんやわ。
時計が止まり、テレビもない。
しかし、何もしなくていいので不便ではない。
制限食用に買っておいた焼肉缶詰と、帰り道のJA市原野で買った納豆とトマト、無人販売のどぼ漬けなどで夕食。これはこれでぜいたく。
三線の練習をしようと持ってきたが、今日はもう寝る。
また明日。
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2017年07月13日(木)
武庫川ミニ駅伝の写真 [ランニング]
※今ごろ監禁真っ最中。この記事は7月11日に書いています。
7月9日の武庫川ロード記録会。そのあとにあったミニ駅伝にも出場。
そのとき、走友・松本一之さんが居残りで私の写真を撮ってくださっていた。
松本さん、いい写真をいっぱいありがとうございました。
おかげさまで、申告とは2秒差の優勝ができました。
私が退院して元気なら、またいっしょに走ってくださいね。
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2017年07月12日(水)
悲しい思い出 [昔話]
※今ごろ監禁真っ最中。この記事は7月11日に書いています。
京大病院に関することでずっと忘れていたことがあった。
高校卒業後、私は立命館大の2部(夜間)に進学。それと同時に、京大正門前にある「ナカニシヤ書店」に就職した。今から43年ほど前の話。
仕事は、京大職員さんへの本の配達。私の配達区域は、医学部・病院だった。たいていは定期購読の医学雑誌などを配達する。「蛋白質・核酸・酵素」とかいう月刊誌もあったなあ。
たいていは決まったルートを順番に配達して行くだけ。まあそれさえまちがわなければ、誰にでもできるような仕事。
しかしある日、いつもとちがう方からの注文がありそ、その部屋を探すことになった。京大医学部の裏手あたりをウロウロしていると、檻に入れられたたくさんのワンちゃんが悲しそうに鳴いていた。いや、泣いていたといったほうがいい。
そのあと、やっと注文された方の部屋が見つかり入っていくと、檻の中にネコちゃん。体中にチューブかなにかがいっぱいつけてあった。
私が目の当たりにしたのは、まちがいなく「動物実験」。そのおかげで何人もの命が助かり、私が使う薬の研究にも貢献しているのかもしれない。それは分かっているのだが、18歳の犬猫好きの私には、厳しすぎる現実だった。
けっきょく、「ナカニシヤ書店」は3か月でやめてしまった。
今日お昼に、洗面所にヒゲをそりに行った。
その時に、「ひゅー、ひゅー」と悲しげな音。たぶんそれは風の音であったと思う。(そう思いたい。)でもその音で、43年前の悲しい記憶が一挙によみがえった。
もうここまでいろいろなことが進歩したんやし、もう動物実験はかんにんしてほしい。甘いでしょうか・・・。
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2017年07月11日(火)
京大病院2日目 [病院]
出たー、必殺「温泉卵」。
胆のう炎最大の敵は卵の黄身。次々と刺客を送り込みよんなー。
※アイソトープ治療室移動は今日の午後。
それまではパソコンを使えるので、このあともなんか書きますね。
朝から採血。
「5本、採血しますね。」
「えっ、5本もですか。」
でも、うまい看護師さんでよかった。
「捨ててもよくて、おもしろくてためになる本」を探しに地下売店と地下ローソンへ。
「そんな本は、ない!」
仕方なく、家から持ってきた本。
中島義道さんの「狂人三歩手前」。2006年出版で初版本を買っているので、古本屋さんで買ったものではない。当時1300円。よく考えると、今日読めるところまで読んで、ロッカーに入れておいて退院の時に持って帰ればいい。
それにしても、なんと今回の私の入院のテーマにピッタリな・・・。
窓もない厚さ1メートルの壁に囲まれた部屋に3泊4日監禁されるものと思い込んでいたので、「これは発狂する可能性あり」と思っていた。ヨメさん曰く「アンタはもう十分狂ってるから心配いらん」ということだったが、そんな私でも心配は心配だった。
7月11日(火) アイソトープ治療室1日目 発狂三歩前
12日(水) 2日目 発狂二歩前
13日(木) 3日目 発狂一歩前
14日(金) 4日目 発狂!退院?
だいたいこういうスケジュールを考えていた。
ところが窓はあるわ、ちょっとだけやったら部屋の前の廊下(2部屋分10mほど)に出てもええわで予定が狂った。この二つで息抜きができるので、たぶん発狂は免れそう。
私のブログを見たヨメさんからメール。
「ちゃんと卵はあかんて言うてください。入院費払うのだから。ええ加減なことされて、ネタと思っておもろがってんと」とおしかりのメール。
「細かいことを気にしだすと、心が重くなります。今あるもんで何とか工夫してしのいでいく。ええ歳のジジイやから、それでいいと思います。心配かけてすみません」と返信。
私は「食べんと残したらええだけ」と簡単に考えていた。それよりもエアコンが寒くて寒くて。甲状腺は体温調節機能という役目を持っている。その甲状腺を全摘しているのだからか、最近エアコンがものすごくこたえる。
「治療室に持ち込んだものはすべて捨てる」ということだったので、着るものを全然持ってきていない。捨てる用バスタオルとして、「2006年小豆島へんろ道マラソン」の大きいバスタオルを持ってきといてよかった。小6の真樹と親子ペアで優勝した思い出の大会。これでだいぶ寒さがしのげた。
まだ家では一度もエアコンを入れていないので、切ってもらってもいいくらいなんですが・・・。
このへんのことを、体温・血圧を測りに来られた看護師さんに言ってみた。
「部屋ごとに温度変えられますよ。1℃上げときますね。」
ズッ・・・。
「卵、マヨネーズ、乳製品など取ってからお出ししますね。」
ズッ・・・。
今までのことはなんやったんでしょう。よう分からん。
昼食は、鯛!
卵系がなく、心配なく全部食べられた。
そろそろ部屋移動の準備。もう更新は無理かな。
順調にいけば、次は金曜の夕方に。
それまで、さようなら。
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往生際(?)の一枚。
もうすぐ、放射性ヨードカプセル飲まんなん。
看護師さんが心配してくださって、いろいろと話しかけてきてくださった。
「サバイバルやとおもて、楽しみます。」
「そうなんですかー・・・。」
飲んだ後も、いつものヘラヘラ笑顔やったらいいんですけど・・・。
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2017年07月10日(月)
京大病院1日目 [病院]
「おっ、いきなり胆のう炎に挑戦してきたなー。負けへんで―。」
「親子とじ」のたまご、「野菜サラダ」に載せられているチーズ、それにマヨネーズ・・・、3点攻めかー!
梅干しと汁だけでは腹ふくれんなー。バナナ2本しか持って来てへんけど、早くも投入かなあ・・・。
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朝9時半までに病院に入り、入院手続きをするようにと言われていた。治療室持ち込みの荷物が多く、電車・バスでは大変なのでヨメさんに送ってもらった。うれしいうれしいきくちゃん付きで。
「きくちゃん、バイバーイ」と言っているのに、そっけなかったなあ。
退院後3日間も体内残留放射能に要注意なので、次にきくと会えるのは1週間後の月曜の夜の予定。長いなあ。
月曜に入院される方が多いようで、入院受付は混雑。
私はまだよかったが、少し後に来られた方は20何人待ちになっていた。
手続きが済み、病棟を案内してもらうと個室。
「こらええわ」と思ってヨメさんにメールしたら、「差額ベッド代請求されるんちゃうか」と返信。
心配になって看護師さんに聞いてみると、「この治療は今日から始まっていて、元々個室しかありませんから、差額請求はないです」とのこと。よかった。
この病室の特徴は、監視カメラ。
以前はこの部屋もアイソトープ治療に使われており、その名残のようだ。(もちろん、今日は稼働していない。)
この注意書きも名残ですかねえ。
「密封病室」という名前だけでビビってしまう。
わしら、パウチされんのか?
今日は、去年の父の日に廉がプレゼントしてくれた上下を着て入院。
最近冷房がすごくこたえる。これとTシャツ、半ズボンしか持って来てへんし―。寒うてしゃーないがな。
いろいろな方(医師、看護師)からいろいろな説明を受けた。
そのたんびに、「放射性ヨードを飲んで、甲状腺癌細胞だけをやっつけに行き、ほかの臓器などに悪影響がないちゅうのが分かりません」と聞いてみた。みなさん説明に困っておられたが、「放射性ヨードは、シューとすごいスピードで癌細胞めがけて走るんです」という説明がまあまあかなあと思った。わき目もふらず、突っ走ってくれるんてすね。
「放射性ヨード、がんばって行きや〜。」(ユリアン・レトリーバー風に。)
この治療が初めて患者は、放射性ヨードカプセルを飲んだ後の体調の変化を一番心配するらしい。その不安を取り除こうとしてか、「こうなる場合もありますが、こうすれば何とかしのげますし・・・」という話が多かった。とにかくその体調の変化も人それぞれらしい。
「どう出るか、楽しみにしてます」と言ったら、目をまん丸にしておられた若い医師もおられた。病人がお医者さんをおちょくったら、きっとひどいしっぺ返しがあるでしょうね。
今日の部屋は快適やけど、明日はこの横のアイソトープ治療室に移動。「基本、この部屋と同ですよ」とおっしゃっていたが、窓がないはず。窓あるなしでだいぶ気分が違ってくるやろうね。
コーヒのフレッシュの代わりにする牛乳を買い忘れたので、地下売店へ。
病院でうまいコーヒーが飲めるとホッとする。
ただし、熱湯が出るところから病室までこぼさんように運ぶのが大変。
売店に行ったついでにテレビカードを買ってきた。
病院でテレビを見る気はあまりなかったが、パソコンが持ち込めないので、テレビを見るか本を読むしかない。本もいろいろと選んだのだが、どうしても「捨てる」というのがしのびない。テレビを見るしかない。(新聞は、お願いすれば買って来てくださるそうだ。)
ここのテレビカードは1000円で1000分(16時間40分)。
オールスター前の最後の3連戦、「巨人対ヤクルト」がBS日テレで放送される。「これだけで10時間やなあ、ひひひ」と思って喜んでいたら、「BS、映らへんやん!」
ああ、もうこれで見るもんない。アイソトープ治療室に持ち込んだテレビカードは、残っていても持ち出せない。新聞の付録のTVの週刊案内だけは持ってきたんやけど、ほんま見るもんない。
体調悪化が予想される治療より、そんなことばっかり考えているパオパオでした。
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【追加】
今(午後3時前)、明日から入るアイソトープ治療室を見に行った。
「窓、ありますやん! いやー、これで気分がだいぷ楽になりましたわー。」
鞍馬口の?医師、ヒビらせすぎ。「窓のない厚さ1メートルの壁に囲まれた部屋」ゆうてはったやないですか。窓があったというだけで、もう3泊4日はだいじょうぶと思えてきた。
単純でしょ。
【また追加】
タイロゲン注射2回目。
自分で半ズボンとパンツをずらしていたのだが、「失礼します」と看護師さんがペロリンチョ。「おっと、そこまでずらすんかーい」というぐらいずらされた。昨日はそこまでは行かんかったけどなあ。ああ、恥ずかし。
次から次と、薬剤師、医師、医師とインターン。
なんか若い人ばかり。放射線治療科にはじいさん先生はおらんのか。
また例の「なんで放射性ヨードは他の臓器に悪影響を及ぼさないか」の質問。
「放射性ヨードは体中をぐるぐる回るんですが、甲状腺由来の癌細胞は、ヨードが近づいたら積極的にガッと取り入れるんです。もちろん、体中をめぐるわけですから長い間体の中に残ったままだと悪影響が出ます。そのために、下剤を飲んでもらったり、水分を大量に取ってもらって取り入れられなかった放射性ヨードは体の外に出して行くというわけです。」
おー、だいぶ分かってきたような・・・。
ついでに、もう一つの疑問も思い切って質問してみた。
「退院後の3日間ほどは小さい子などには近づかないように言われたんですが、飼っている犬はどうなんでしょう。」
残念ながら、これに対する答えはあいまいだった。たぶん、「そんなこと聞かれても・・・」状態だったと思います。
「疑わしきは、用心の上に用心」
そんなことわざなかったやろうけど、そうしとこ。
きくちゃんになんかあったらえらいことやし・・・。
夕食は超久しぶりの魚。さかな魚サカナ〜。
ぜーんぶ食べたけど、もうきゅうりはええなあ。あきたなあ。
野球中継が見られないので、読書。
沖縄・東村高江で「土人」と差別発言された目取真俊さんの「沖縄『戦後』ゼロ年」。戦後60年にあたる2005年に出版され、私は2007年に買って放置してあった。
もう捨てるとなったら、赤ボールペンで線を引きまくり。でも二度と読むことはないのに、なんの線ひきやーちゅうことやね。
とにかくしっかり読みましょう。
おー、テレビ見んかったら一日で読み終えてしまった。
この本が「捨てんといてー」ってゆうたんかなあ。というか、土人と呼ばれた目取真さんの筆の力ですかね。
明日、売店で本買わなあかんなあ。
でも、捨ててもええヤツやしなあ。むずかしいなあ。
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