パオパオだより

2017年07月10日(月)

京大病院1日目 [病院]

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 「おっ、いきなり胆のう炎に挑戦してきたなー。負けへんで―。」

 「親子とじ」のたまご、「野菜サラダ」に載せられているチーズ、それにマヨネーズ・・・、3点攻めかー!
 梅干しと汁だけでは腹ふくれんなー。バナナ2本しか持って来てへんけど、早くも投入かなあ・・・。

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 朝9時半までに病院に入り、入院手続きをするようにと言われていた。治療室持ち込みの荷物が多く、電車・バスでは大変なのでヨメさんに送ってもらった。うれしいうれしいきくちゃん付きで。

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 「きくちゃん、バイバーイ」と言っているのに、そっけなかったなあ。
 退院後3日間も体内残留放射能に要注意なので、次にきくと会えるのは1週間後の月曜の夜の予定。長いなあ。

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 月曜に入院される方が多いようで、入院受付は混雑。
 私はまだよかったが、少し後に来られた方は20何人待ちになっていた。

 手続きが済み、病棟を案内してもらうと個室。
 「こらええわ」と思ってヨメさんにメールしたら、「差額ベッド代請求されるんちゃうか」と返信。
 心配になって看護師さんに聞いてみると、「この治療は今日から始まっていて、元々個室しかありませんから、差額請求はないです」とのこと。よかった。

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 この病室の特徴は、監視カメラ。
 以前はこの部屋もアイソトープ治療に使われており、その名残のようだ。(もちろん、今日は稼働していない。)

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 この注意書きも名残ですかねえ。
 「密封病室」という名前だけでビビってしまう。
 わしら、パウチされんのか?

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 今日は、去年の父の日に廉がプレゼントしてくれた上下を着て入院。
 最近冷房がすごくこたえる。これとTシャツ、半ズボンしか持って来てへんし―。寒うてしゃーないがな。

 いろいろな方(医師、看護師)からいろいろな説明を受けた。
 そのたんびに、「放射性ヨードを飲んで、甲状腺癌細胞だけをやっつけに行き、ほかの臓器などに悪影響がないちゅうのが分かりません」と聞いてみた。みなさん説明に困っておられたが、「放射性ヨードは、シューとすごいスピードで癌細胞めがけて走るんです」という説明がまあまあかなあと思った。わき目もふらず、突っ走ってくれるんてすね。

 「放射性ヨード、がんばって行きや〜。」(ユリアン・レトリーバー風に。)

 この治療が初めて患者は、放射性ヨードカプセルを飲んだ後の体調の変化を一番心配するらしい。その不安を取り除こうとしてか、「こうなる場合もありますが、こうすれば何とかしのげますし・・・」という話が多かった。とにかくその体調の変化も人それぞれらしい。
 「どう出るか、楽しみにしてます」と言ったら、目をまん丸にしておられた若い医師もおられた。病人がお医者さんをおちょくったら、きっとひどいしっぺ返しがあるでしょうね。

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 今日の部屋は快適やけど、明日はこの横のアイソトープ治療室に移動。「基本、この部屋と同ですよ」とおっしゃっていたが、窓がないはず。窓あるなしでだいぶ気分が違ってくるやろうね。

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 コーヒのフレッシュの代わりにする牛乳を買い忘れたので、地下売店へ。

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 病院でうまいコーヒーが飲めるとホッとする。
 ただし、熱湯が出るところから病室までこぼさんように運ぶのが大変。

 売店に行ったついでにテレビカードを買ってきた。
 病院でテレビを見る気はあまりなかったが、パソコンが持ち込めないので、テレビを見るか本を読むしかない。本もいろいろと選んだのだが、どうしても「捨てる」というのがしのびない。テレビを見るしかない。(新聞は、お願いすれば買って来てくださるそうだ。)

 ここのテレビカードは1000円で1000分(16時間40分)。
 オールスター前の最後の3連戦、「巨人対ヤクルト」がBS日テレで放送される。「これだけで10時間やなあ、ひひひ」と思って喜んでいたら、「BS、映らへんやん!」
 ああ、もうこれで見るもんない。アイソトープ治療室に持ち込んだテレビカードは、残っていても持ち出せない。新聞の付録のTVの週刊案内だけは持ってきたんやけど、ほんま見るもんない。

 体調悪化が予想される治療より、そんなことばっかり考えているパオパオでした。
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【追加】

 今(午後3時前)、明日から入るアイソトープ治療室を見に行った。

 「窓、ありますやん! いやー、これで気分がだいぷ楽になりましたわー。」

 鞍馬口の?医師、ヒビらせすぎ。「窓のない厚さ1メートルの壁に囲まれた部屋」ゆうてはったやないですか。窓があったというだけで、もう3泊4日はだいじょうぶと思えてきた。
 単純でしょ。


【また追加】

 タイロゲン注射2回目。
 自分で半ズボンとパンツをずらしていたのだが、「失礼します」と看護師さんがペロリンチョ。「おっと、そこまでずらすんかーい」というぐらいずらされた。昨日はそこまでは行かんかったけどなあ。ああ、恥ずかし。

 次から次と、薬剤師、医師、医師とインターン。
 なんか若い人ばかり。放射線治療科にはじいさん先生はおらんのか。
 また例の「なんで放射性ヨードは他の臓器に悪影響を及ぼさないか」の質問。
 「放射性ヨードは体中をぐるぐる回るんですが、甲状腺由来の癌細胞は、ヨードが近づいたら積極的にガッと取り入れるんです。もちろん、体中をめぐるわけですから長い間体の中に残ったままだと悪影響が出ます。そのために、下剤を飲んでもらったり、水分を大量に取ってもらって取り入れられなかった放射性ヨードは体の外に出して行くというわけです。」

 おー、だいぶ分かってきたような・・・。

 ついでに、もう一つの疑問も思い切って質問してみた。
 「退院後の3日間ほどは小さい子などには近づかないように言われたんですが、飼っている犬はどうなんでしょう。」
 残念ながら、これに対する答えはあいまいだった。たぶん、「そんなこと聞かれても・・・」状態だったと思います。
 「疑わしきは、用心の上に用心」
 そんなことわざなかったやろうけど、そうしとこ。
 きくちゃんになんかあったらえらいことやし・・・。 

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 夕食は超久しぶりの魚。さかな魚サカナ〜。
 ぜーんぶ食べたけど、もうきゅうりはええなあ。あきたなあ。

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 野球中継が見られないので、読書。

 沖縄・東村高江で「土人」と差別発言された目取真俊さんの「沖縄『戦後』ゼロ年」。戦後60年にあたる2005年に出版され、私は2007年に買って放置してあった。
 もう捨てるとなったら、赤ボールペンで線を引きまくり。でも二度と読むことはないのに、なんの線ひきやーちゅうことやね。
 とにかくしっかり読みましょう。

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 おー、テレビ見んかったら一日で読み終えてしまった。
 この本が「捨てんといてー」ってゆうたんかなあ。というか、土人と呼ばれた目取真さんの筆の力ですかね。

 明日、売店で本買わなあかんなあ。
 でも、捨ててもええヤツやしなあ。むずかしいなあ。

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