パオパオだより

2017年07月12日(水)

悲しい思い出 [昔話]

画像(320x240)・拡大画像(640x480)

※今ごろ監禁真っ最中。この記事は7月11日に書いています。

 京大病院に関することでずっと忘れていたことがあった。

 高校卒業後、私は立命館大の2部(夜間)に進学。それと同時に、京大正門前にある「ナカニシヤ書店」に就職した。今から43年ほど前の話。
 仕事は、京大職員さんへの本の配達。私の配達区域は、医学部・病院だった。たいていは定期購読の医学雑誌などを配達する。「蛋白質・核酸・酵素」とかいう月刊誌もあったなあ。

 たいていは決まったルートを順番に配達して行くだけ。まあそれさえまちがわなければ、誰にでもできるような仕事。
 しかしある日、いつもとちがう方からの注文がありそ、その部屋を探すことになった。京大医学部の裏手あたりをウロウロしていると、檻に入れられたたくさんのワンちゃんが悲しそうに鳴いていた。いや、泣いていたといったほうがいい。
 そのあと、やっと注文された方の部屋が見つかり入っていくと、檻の中にネコちゃん。体中にチューブかなにかがいっぱいつけてあった。

 私が目の当たりにしたのは、まちがいなく「動物実験」。そのおかげで何人もの命が助かり、私が使う薬の研究にも貢献しているのかもしれない。それは分かっているのだが、18歳の犬猫好きの私には、厳しすぎる現実だった。
 けっきょく、「ナカニシヤ書店」は3か月でやめてしまった。

 今日お昼に、洗面所にヒゲをそりに行った。 
 その時に、「ひゅー、ひゅー」と悲しげな音。たぶんそれは風の音であったと思う。(そう思いたい。)でもその音で、43年前の悲しい記憶が一挙によみがえった。

 もうここまでいろいろなことが進歩したんやし、もう動物実験はかんにんしてほしい。甘いでしょうか・・・。

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