パオパオだより

2014年06月11日(水)

「朽ちた手押し車」 [映画]

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◎シネマトゥデイより

■チェック:認知症の父親と末期患者の母親を抱えた一家の苦悩を通し、高齢化社会や認知症、尊厳死などの問題を描いた社会派ドラマ。撮影当時61歳だった主演の三國連太郎は、2時間以上かけた特殊メイクで80歳の認知症老人に成り切り、失禁して汚れた着物のままうつろな表情で海岸をはいかいするなど、鬼気迫る演技を披露。きれいごとでは済まされない介護の現実に迫る重い内容から、1984年に製作されるも劇場未公開となっていた幻の傑作が30年を経てよみがえる。

■ストーリー:昭和59年(1984年)、新潟県。元漁師の安田源吾(三國連太郎)は、老人特有の認知症で毎晩はいかいを繰り返していた。さらに妻のトミ(初井言榮)に、余命半年という重病が発覚する。不治の病で死を待つばかりの老母の「殺してくれ」という訴えに悩まされる息子夫婦たち。するとある日、長男の忠雄(田村高廣)が、医者(下條アトム)に対して安楽死の提案をし……。
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 今回も京都シネマ。30年も前のマイナーな映画の割には25名の観客。
 私の大好きな三國連太郎。私的好きな俳優1位を仲代達也と争う存在だ。 
 せっかく完成させた映画が、未公開になることもあるんですねえ。
     ◇
 本作は1984年に製作されながら、早すぎた異色の題材ゆえに劇場未公開。昨年の「お蔵出し映画祭2013」で発掘上映されるや満場一致でグランプリに輝き、ここに劇場公開が決定しました。
     ◇
 「認知症」という言葉は一般に認知されているんでしょうか。どうして「ボケ」ではダメなんでしょう。みんなその言葉を使っているのに。
 三國連太郎がおにぎりをむさぼるシーンは、92歳の私の父と重ねて見るのが普通でしょう。でも、私は自分の近未来に見えてしょうがなかった。
 「失禁」ではなく「たれ流し」でしょう。これも私の近未来です。ヨメさんは私を「見捨てる」と宣言しているし、どうしたらいいんでしょう。

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【RUN】

 6月23日の「一人沖縄平和ラン」に向けて、無理せず気持ちよく走る。
 雨が降っていたが、3kmだけご近所ラン。故障しないように、走るのがイヤにならないように、それだけを気をつけて・・・。

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【今日のきく】
 
 水曜はいっぱい散歩に連れて行ってもらえる日だったのに、ヨメさんは補習があるということでなかなか帰ってこない。しゃーないね、オッサンと散歩に行こ。

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 きくがもうちょっとスリムになりますように。

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2014年05月22日(木)

「夢は牛のお医者さん」 [映画]

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◎シネマトゥデイより

■チェック:1987年、新潟県にある9人しか児童のいない小学校にやって来た3頭の子牛との出会いから、獣医になる夢を抱いた少女の26年間を追ったドキュメンタリー。病気の子牛を世話するうちに、牛のお医者さんになりたいと思い立った少女が初志貫徹し、大学受験・国家試験と目標へいちずに突き進む姿にカメラが寄り添う。獣医という夢に迷いなく向かう少女時代、結婚と出産を経て獣医として活躍する現在と、その厳しい道のりにもめげずに変わらぬ志を貫く彼女の生き方に感動を覚える。

■ストーリー:1987年、新潟県松代町(現・十日町市)の生徒数9人の小学校に3頭の子牛がやって来た。小学校3年生の少女は病気がちな子牛の面倒を見るうちに、医者になるという夢を抱くように。牛との別れを経験、高校へ通うために実家を離れた彼女は猛勉強し、大学の獣医学科へと進む。やがて獣医となり、母になりながら、常に命と向き合っている。
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 昨日、「京都シネマ」で一人で見た。観客は、わずか11人。

 小学校に牛がやって来てやがて別れの時が来る・・・、その場面が映画の半分以上をしめるものだと思っていた。でもちがった。牛が小学校にいたのはわずか8か月。牛たちが400kgになったらせりに出すという約束だったから。この映画の中でも、その場面は20分ほどで終わってしまった。
 重点を置かれていたのは、知美さんの高校3年からあとの部分だった。「国立の獣医学科に一発勝負、滑り止めも無し、浪人も無し。一発勝負の結果がだめならあきらめる」と公言していたのはすごかった。どうしてそこまで思えるようになったのか。それは映像だけからは想像できなかった。

 私の小さいときの夢は、学校の先生になること。でも大学生になって、ある教職科目の第1回目の授業でビックラがえった。大教室からあふれるくらいの学生が・・・。「こんなたくさんの人間が先生になれるはずがない」、そう思い第2回目の授業から行かなくなった。
 大学卒業間近な時、「ふじいー、仏大の通信1年で小学校教員の免許取れんぞー」と教えてくれた友だちがいた。「1年で取れるってええやん」と思い、佛教大学通信教育学部へ。ほんまに1年で免許が取れた。
 「あとは採用試験だけか・・・。」
 当時の京都市小学校教員採用試験は5倍。もうその頃は自分がそんなに賢くないことが分かっていたのだが、なんか受かるようなお気楽な気分。しかし問題がさっぱり分からず、見事に奈落の底へ。
 でも翌年に奇跡が。私の知ってる問題ばっかりが出た。自己採点すると、苦手なはずの音楽が満点など軒並み好成績。見事まぐれで採用試験合格。

 ああ猛勉強の初志貫徹少女とえらいちがいじゃー。
 まあまぐれでなったようなもんなんで、長続きはせんかったちゅうことですかねえ。でも干支が一周する間やったから、ええとしよう。
 このブログに度々登場する小谷屋のおばさん(私の小中同級生のお母さん)の言葉。「こうじさん、あんたおかちゃんが死んださかい先生やめたんやろう。生きとったら、こわーてようやめんやろう。」そら、私が採用されて一番喜んどったんおかちゃんやから。若き日の数年小学校の先生をしていた母は、4人の子の一番下が後をついでくれたようでうれしかったんやろうなあ。
 1991年1月に母が亡くなり、その3月に私は退職。へへへ・・・。

 映画の中で一番心に残ったシーン。 
 獣医学科の知美さんが、黒い雑種犬のお腹をなでている。その犬は、本当に気持ちよさそうに寝そべっていた。それは、小学生の時に牛をなでていた時と同じように・・・。しかし、その犬は「実験動物」だった。 
 「一番かわいがっていた人の目の前で殺すのがつらい・・・」
 この場面を見て、「泣いて終り」の映画ではないとあらためて思った。

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2014年05月15日(木)

「そこのみにて光輝く」 [映画]

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◎シネマトゥディより

■チェック:『海炭市叙景』の原作者、佐藤泰志の三島由紀夫賞候補となった小説を基に、北海道函館を舞台に生きる場所のない男女の出会いを描くラブストーリー。仕事を失った男がバラックに住む女と出会い、家族のために必死な彼女をいちずに愛し続ける姿を描く。主演は、『シャニダールの花』などの綾野剛。主人公と惹(ひ)かれ合うヒロインを、池脇千鶴が演じる。メガホンを取るのは、『オカンの嫁入り』などの呉美保。美しい函館を背景につづられる、男女の愛の軌跡と人生の過程が心に突き刺さる。

■ストーリー:仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
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◎日刊アメーバニュース3月3日より

   綾野剛&菅田将暉、池脇千鶴の重鎮オーラに圧倒「俺たちは孫みたい(笑)」

 映画『そこのみにて光輝く』完成披露試写会舞台挨拶が3日、シネ・リーブル池袋にて行われ、主演の綾野剛をはじめ、池脇千鶴、菅田将暉、呉美保監督が登壇した。

 本作は、函館の短い夏を舞台に紡ぎ出す、運命の出会いと家族の物語。儚げな存在感でひとりの女を愛しぬく主人公に綾野剛、ヒロインに『ジョゼと虎と魚たち』の池脇千鶴、その弟には『共喰い』の菅田将暉と、今旬な俳優が出演。

 青いスーツ姿で登場した綾野は、赤いスーツを着た菅田と壇上で並び、「将暉と並ぶと漫才コンビみたい(笑)」と話し来場者を笑わせると、「気分が沈むようなアンダーな作品ですから、舞台挨拶のうちに笑っていただいて、観終わってどんよりして帰っていただく流れになると思います(笑)。陽気な感じでいきたいと思います」と挨拶。これに菅田も頷きながら「いつもに増して剛君が陽気で嬉しい!」と冒頭から和気あいあいとした雰囲気を作り、舞台挨拶を盛り上げた。

 同い年の池脇と共演した綾野は、「池脇さんはわんぱくに育った感じで、女性の強さを掲げていないところが素敵。現場では重鎮みたいなオーラを出してます。俺たちは池脇さんの孫みたいな感じ(笑)」と共演した感想を語り、菅田も「僕がパンツ1枚で股間を触った手で池脇さんに触れるシーンがあったんですが、あとでそのことを池脇さんに話したらゲラゲラ笑って『何してんねん!』って言ってて(笑)。池脇さんはそういう感じの人」と池脇とのエピソードを披露。池脇は「その話いる?」と照れながらも大爆笑していた。

 また、その池脇は本作で体当たりの演技を見せているが、「台本を読んだときに共感してしまい、女性なら誰しも観ていただければわかると思います」と語り、劇中での綾野を殴るシーンについては「本当に当たってます。現場ではやるしかないんですよ! 遠慮なんかしたら終わっちゃうんです」と迫真の演技を述懐。さらに、綾野に殴られた菅田は、「剛君は、人の脳はここで叩けば揺れないっていう知識を持ってたので、安心して殴られました。翌日クラっとしましたけど(笑)、剛君はすごいなって思いました」と綾野の知識に感心しきりだったが、綾野は「将暉の事務所の方には深々と謝っておきました(笑)」と申し訳なさそうに語った。

 映画『そこのみにて光輝く』は4月19日公開。
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 衝撃作。
 関西ふうに言うと、「えげつなー。」

 この映画を見たいと思ったのは、「海炭市叙景」がすごくよかったから。同じ作家の小説を映画化なら、きっといいにちがいないと思った。
 それと、池脇千鶴。「どこがいいん?」と聞かれると答えに困るが、私はファンです。最近テレビで見ることがないので、映画で見られるならぜひ行こう、という感じ。

 ああ、でも重かった。
 「気分が沈むようなアンダーな作品ですから、・・・観終わってどんよりして帰っていただく流れになると思います」って、その通り。

 主な出演者は、達夫(綾野剛)、千夏(池脇千鶴)、拓児(菅田将暉)と、千夏・拓児の両親、拓児の保護司である植木業社長。

 見ていて気になったのは、この社長。「どっかで見たことあるけど、思い出せん・・・。」「こんな悪役が似合うのって・・・、あっ、高橋和也!」
 元・男闘呼組(ジャニーズ)の、と言ってもほとんどの人は分からないでしょう。1997年のNHK金曜時代劇「寺子屋ゆめ指南」でさわやかな先生役をしていたのにびっくりしたが、今やこんなキッツイ役もできるようになったんやー。後で調べると、今44歳。ある意味、ジャニーズの出世頭と言っていいかもしれない。しびれました。

 そしてもう一人。千夏・拓児のくたびれた母親。「見たことあるけど、だれやったっけ。」けっきょく最後まで分からなかった。映画の終りの出演者を見て・・・、「伊佐山ひろ子!」日活ロマンポルノ出身の・・・、と言ってもこちらもほとんどの人は知らない。
 あとで調べると、今61歳。「えー、ボクより3つ上なだけかいなー。あのくたぶれ様には脱帽やなー。」

 池脇千鶴、ゆうことなし。
 もう40前くらいやろと思って調べると、まだ32歳。デビューが早い人は、なかなか歳いきません。いつ見ても、素人ぽい感じがするところが好きなのかも。

 衝撃作が見たい方は、ぜひこの映画を!

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2014年05月01日(木)

「猫侍」-夫婦50割引- [映画]

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◎シネマトゥデイより

■チェック:『ねこタクシー』や『幼獣マメシバ』などの動物作品群を手掛けてきたスタッフが再集結した人情時代劇。幕末の江戸を舞台に、猫暗殺の依頼を受けたことで大きな人生の転機を迎える浪人剣士の姿を描き出す。『ATARU』シリーズなどのマルチ俳優北村一輝が主演を務め、ヒロインを『源氏物語 千年の謎』などの蓮佛美沙子が演じ、寺脇康文や温水洋一らベテラン勢が脇を固める。猫とこわもての侍が織り成す、笑って泣ける物語に心癒やされる。

■ストーリー:江戸時代末期、かつて一流の剣の使い手と恐れられた斑目久太郎(北村一輝)も、今やしがない浪人暮らし。ある日、彼の元に久しぶりに仕事の話が舞い込むが、何とそれは対立する一家の親分がかわいがっている猫を暗殺せよとの命令だった。久太郎はやむを得ず仕事を引き受けるが、踏み込んだ屋敷で彼を待っていたのは愛らしい白猫だった。

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 昨日見た「猫侍」。
 これは、私の映画鑑賞史上最高傑作と言える。
 「アナと雪の女王」の100倍くらいいい映画です。

 この映画は猫好きマニア向けの映画ではない。
 最後のシーンの相川親分の言葉を聞け!
 「犬も猫も人も・・・」

(注) 現在、「パオパオだより」がまだらボケ状態になっています。突然つながったり切れてしまったり。つながっているときにチャチャッと記事を書かなあかんので、今日は短く。

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【今日のきく】

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 きくは、今日も午後1時出勤で7時まで。
 お仕事、ごくろうさんです。

 パオパオはバイトに行ってきます。 

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2014年04月29日(火)

「チスル」 [映画]

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◎シネマトゥディより

■チェック:太平洋戦争終結後、南北に分断された朝鮮半島の済州島で起きた「済州島四・三事件」を題材に描く衝撃のヒューマンドラマ。1948年、3万人を超える島民たちが犠牲となった実話を基に、戒厳令下でおびえながら暮らす人々の戦々恐々とした日々を映し出す。済州島出身のオ・ミョル監督が韓国の歴史的タブーに挑み、サンダンス映画祭ワールドシネマ・グランプリなどを受賞。明らかになる現代史の知られざる暗部に、言葉をなくす。

■ストーリー:1948年10月、済州島の海岸線から5キロを超えて内陸にいる者は全員射殺するとの韓国軍からの有無を言わせぬ通達に島民たちは面食らう。風評に惑わされた彼らは山中深く逃げ込んだり、銃を手に応戦しようとしたりとさまざまな反応を見せる。そして韓国軍は実際に村人たちの無差別虐殺を開始し、家を追われた人々は洞窟に逃げ込んで命をつなぐ。

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 4月23日、「京都シネマ」で見た2本目。
 こちらの映画は観客が少なく、20数人。

 韓国内部でも語られることが少ないと言われる「済州島四・三事件」。済州島出身の監督は島出身者にこだわり、ほとんどの出演者を島出身者にしたそうだ。そのこだわりだけでも、この映画を見る価値があると思った。(題名「チスル」は、この地方ではジャガイモのこと。)

 戦後の韓国済州島でこんなことがあったとは。まったく知りませんでした。
 現在の済州島は、観光客年間1千万人を超えるリゾート地とのこと。このあたり、沖縄と似ているところもある。
 日本も沖縄はアメリカ、北海道にはソ連が進駐していたので、箱根あたりを境に東日本国と西日本国に分裂していたかも。そして、日本人同士で殺し合いを繰り返していたかもしれない。

 直接は関係のない話だが、韓国の沈没船のニュースを聞くたびに、人を殺すことは簡単で救うことはなんてむずかしいんだろうと思う。
 すべての人の命を救うことに血まなこになる国ばかりだと、戦争も起こらないのにね。

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「世界の果ての通学路」 [映画]

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◎毎日新聞4月26日夕刊「シネマ通信」より

 この国では、子供が教育を受けるということは義務であり権利とされている。おそらく私たちは、小さいころから何ほどの疑念もはさまずに学校に通ってきたことだろう。しかし世界には大人の足でも過酷で危険だらけの道のりを、毎日数時間もかけて通う子供たちがいる。今回紹介する映画は『世界の果ての通学路』。地球を通学路という視点からとらえた実に興味深いドキュメンタリーだ。

 野生のキリンや象が生息するサバンナを駈け抜けるケニアのジャクソン。ヤギ飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子に教育は不要とする古い慣習が残る村から、4時間かけて寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル…。

 別の大陸、違う言語、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳で夢を語る。ひたむきな彼らを見て、教育とは未来を切り開くためのパスポートだということに気づかされる。撮影後のインタビューでパスカル・ブリュッソン監督は「エネルギッシュでモチベーションの高い彼らを、もっとサポートすべきだ」と語る。私たちもこれを見て学べることがあるはずだ。
          ◇
 『世界の果ての通学路』は下京区の京都シネマにて公開中。(京都シネマ・谷口正樹)

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 4月23日に「京都シネマ」で見た1本目。
 私が見る映画としてはめずらしく、ほぼ満席。
 私はすごくおもしろかったのだが、今の若い子が見てもおもしろいのだろうか。戦争関連映画を見て、「戦争のない今の日本に生まれてよかった」という感想しか持てない子が多い。そんな子らは、この映画を見て「苦労せずに通学できる今の日本に生まれてよかった」という感想で終わるのかもしれない。

 私は小中といなかの学校に通学したのだが、その学校は山間にある川沿いに伸びた長さ2kmの集落の中心にあったので通学の苦労はなかった。うちの家から学校までは700mほど。
 ただ中学は、峠を越えた別の集落から徒歩で通う同級生がいた。その距離約4km、山道を1時間。普段も大変だが、雨の日や冬の雪の日はそれはそれは大変だったと思う。しかしその当時の私は、峠を越えて通っている同級生のことをなんとも思っていなかった。(2年前に亡くなった私の相棒、幸博君もその中の一人。)身近にそんな友だちがいた私でもそんな状態だから、この映画を見たくらいではなんとも感じないという人がいたとしても不思議でもない。

 私の母校の小中は統合でなくなり、今地元の子は「スクールバス」という名の乗用車で6kmほど先の統合校に送迎してもらっている。京都市の果ての小中一貫校の通学路は、今そんな状態のようです。(もう地元を出て7年になるので正確な情報ではありませんが、6kmほどの道を歩いては行ってないようです。)

 学校のすぐ前の元旅館「小谷屋」のおばさんは、「学校があったときはうちの前を通って行くさかい、どんな子がいるのかよう分かったけど、なくなったらあかんな。さびしいわ」と言ってはった。「学校がなくなったとき、その集落も終わり」とよく言われるが、そのとおりだと思う。
 学校があり、その子どもたちの通学路があり、その町や村が元気になるような気がする。私はこの映画を見て、そんなことを思った。

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2014年02月28日(金)

「さよなら、アドルフ」-夫婦50割引- [映画]

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◎シネマトゥデイより

■チェック:第2次世界大戦の終戦直後、ナチス親衛隊高官の父と母が去ったあと、14歳の少女が小さい妹弟と共に祖母に会うために困難な旅をする姿を描くヒューマンドラマ。旅の過程で、ナチスの行ったユダヤ人虐殺の真実に動揺し、葛藤する加害者の子どもたちの繊細な心の動きが映し出される。監督は、『15歳のダイアリー』のケイト・ショートランド。ヒロインは、ベルリン国際映画祭シューティングスター2013に選出されたザスキア・ローゼンダール。過酷な現実に直面し、さまざまな経験を経た少女の成長の物語に心を揺さぶられる。

■ストーリー:1945年、敗戦して間もないドイツ。ナチスの幹部だった両親が去り、14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、妹と弟と共に南ドイツから900キロ離れたハンブルクの祖母の家へ向かうことに。途中、貼り出されたホロコーストの写真を見たローレは困惑する。翌日、連合軍兵士に呼び止められたローレはユダヤ人青年のトーマス(カイ・マリーナ)に助けられ……。

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 一人で映画を見に行くときは、もちろん自分の好き放題。でも、ヨメさんと行くときは「夫婦50割引」の恩恵を受けるので自分の好みは言えない。今回は新聞の映画スケジュール欄で探しても、これというのがなかなか見つからなかった。
 「みなみ会館で、ナチスの家族の映画やってるんちゃうん」とヨメさん。
 ヨメさんにしてはめずらしく、社会派の映画に興味を持ったようだ。まさかこの映画を夫婦50割引で見にいけるとは思わなかった。

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 毎度のことだが、私の映画評では個人の感想をだらだらとは書かない。誰がそんなもん読みたいかっちゅう話です。ただこの作品なら、1800円でも惜しくないと思った。ケチなパオパオなのに・・・。なぜそう思ったかを探しに、この映画を見に行かれるのも良いかと思います。

 日本では、戦争首謀者やその家族は敗戦直後どうしていたのだろう。そんな映画、なかったような・・・。
 原題「LORE(主人公の名前)」は日本では「さよなら、アドルフ」として公開された。ということは、日本版「LORE」は「さよなら、陛下」になるのだろうか。

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