2018年07月17日(火)
「あまいもんくれー」 [病院]
(注) 以下の記事はあくまでフィクションとしてお読みください。現存する病院とは一切関係ありません・・・か?
「寝られますか」と看護師さんが横を指さしながら気を使って聞いてくださる。
「気にしないようにしてますので」とお答えすると、ほっとした表情になられる。
「だいじょうぶ?」とヨメさんも私に聞く。
「数年後の自分やと思ったら、腹も立たんわ。」
「そやなー。」
お隣のじいさんは、もう入院3週間目になるらしい。
私が入院した日から、ナースコールを使わず「おーい、あまいもんくれー」の連発。「そうか、あまいもん中毒患者で、今禁断症状が出てるんやな」と理解していた。(そんな中毒あるんかいな。)
中毒患者につきもの幻覚症状もあるようだ。
私のスペースとの間には仕切りのカーテンがあるだけで、ベッドどうしは10cmほどしか離れていない。そこに魔の手が忍び寄る。
昼間はどうってことないのだが、寝ているときにその魔の手が越境してくる。私の体に当たったり、私のベッドの横枠をトントンと叩かれたり。もちろん私は目が覚める。
こないだなんか気配を感じて夜中目を覚ましたら、仕切りのカーテンが20cmほど開き、じいさんの寝顔が見えた。こわいちゅうねん。もう寝られへんちゅうねん。でも、その顔が数年後の自分に見えた。よけいこわいちゅうねん。
このじいさんが人を呼ぶときは二通りのみ。「ねえさん」か「にいさん」。現在看護師さんは全員女性なで「ねえさん」。医師は全員男性なので「にいさん」。
私もお箸を洗うときにじいさん前を通る。
「にいさん、あまいもんくれー。」
あかん、目に留まってしまった。どう対応していいのやら。どうしようもないので、黙って自分のスペースに戻る。
ところが、じいさんの向かいのじいさんの対応がすばらしかった。
「あまいもんくれー。」
「ない!」
このじいさんも入院されて長いようで、声が出にくいようだが的確な対応。勉強になりますねえ。
ずっとこの「あまいもんくれー」が続いていたのだが、昨日なぜか「あまいもんちょうだい」というのがあって笑ってしまった。「じいさん、弱気になっとるがな」とちょっと心配になったりして・・・。
もっともっと笑い転げそうなこともあったのだが、いくらフィクション仕立てと言ってもこれ以上は書けない。
まあ、退屈な病院生活も人間観察していたらそこそこおもしろいということ。
明日退院予定です。
昨日は一日痛み止めの薬なしで行けると思っていたら、夜に横になってから下腹が痛みだした。11時15分、耐えられなくなって薬をもらって飲んだ。30分後くらいから効きだして、12時半くらいには眠りにつけたと思う。
今日も昼間はしんぼうしたが、夜寝れないと困るので痛み止めの薬をもらった。今のこの痛みは、「ボディブロー」を受けたような痛みでしょうか。体の中心がじわじわー、じわじわー・・・。
甲状腺を切った時は息苦しかっただけで、退院してすぐに走り出したけど、今度は無理やわ。腹切っとるからなあ。あーあ。
今日の朝食。
パンが暖かくておいしかった。
スープが欲しいところですね。
今日の昼食。
なすびのケチャップ煮かな。
なすびの色が悪く、おいしくなかった。
そのせいかどうか分からないが、食後3時間くらいにお腹ゴロゴロ。
今日の夕食。
味付け海苔、おいしかったなあ。もうすぐヨード制限食開始で、海のもんが食べられんようになる。
ここの病院食はだいたいおいしいのだが、めったに汁が出て来ない。毎食汁系が欲しい私にとっては、「あまいもんくれー」じゃなくて「おつゆくれー」ですね。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
トラックバック
トラックバックURL
http://blog.kyoto-carrot.com/tb.php?ID=4211