2013年10月28日(月)
清水さん [学校]
「清水さん!」
「先生!」
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夕方6時、店にいるヨメさんから電話がかかってきた。
「ちょっと、店おいで。」
「なんで?」
「何でもええし、おいで。」
店に入って振り向いた顔・・・、というよりあの吸い込まれるような目ですぐに分かった。私が28年前に担任として小学校を卒業させた中の一人、清水さん。
ヨメさんは、「28年ぶりやのに、ひと目見てよう分かったな」と言う。そら分かりますがな。清水さんは、当時そのクラスの人気ナンバーワン女子ですもん。
どこがよかったのかと聞かれるとその評価は分かれるかもしれないが、私は「頼りがい」を一番に上げる。清水さんはさっぱりとした性格で、男子からも女子からも頼りにされていた存在であった。(ついでに、クラス担任の私からも。)
それと、相手の目をしっかりと見て話す話し方。これは、自信もなく相手をしっかり見ずに話すことが多かった私にはグサッときましたね。
私が清水さんの小5の担任になる前の年、ヨメさんが講師で同じ学校の小4の担任をしていた。ヨメさんは清水さんの担任ではなかったが、同じ学年だったので清水さんのことはよく知っている。その清水さんが来店してくれたので、私を呼び出しくれたのだ。
小さな山の学校から街の大きな学校に移り、最初に担任させてもらったクラスは男女の仲があまりよくなかった。「次こそは男女仲のいいクラスにしたいなあ」と思っていた。そしたら頼りがいのある女の子がたくさんいてくれてたおかげで、5クラスあったその学年で一番の仲良しクラスになった。清水さんは、そんな仲良しクラスづくりに大きく貢献してくれたメンバーの一人である。
私自身みんなが仲のいいクラスにしたかったのだが、具体的にどうすればいいのか分からなかった。そんな時、本気で「男女みんなが仲のいいクラスが一番いいクラス」と思ってくれている子がたくさんいることが分かった。
「どうしたらみんな仲良くなれるかなあ。」
私はいつも、そんな子らに聞いてみた。そして、その子らが出してくれるさまざまなアイデアを次々と採用。子どもたちの発想は大人よりずっと豊かです。そのアイデアのたいていがうまくいきました。本当にいい勉強をさせてもらいました。
その清水さんも、いまや中2女子・小6男子・小3女子の3人の子の母。その2番目の子が、大文字駅伝の予選会に出ると言う。あちこちのスポーツ用品店でシューズを探したがいいのが見つからず、そこで「京都キャロット」を思い出してくれたらしい。ありがたいことだ。
当時は1クラス45人近く。私のようないい加減な先生をどうしても許せない子もいれば、「先生に頼らず、自分たちで楽しいクラスにしていこう」という子もある。清水さんは後者だった。
清水さんは、その小6の息子にいろいろな話をしてくれているようだ。
「不幸の手紙が来たら自分に出してくださいってゆわはった先生?」と小6息子。
「そう、でもそれはそんなことしたらあかんっていうことを教えてくれはったんやで」と清水さん。
「そんなことゆうとったなあ。『不幸、大好き』とかわけの分からんことゆうとったなあ」と私。
「車のナンバーに『4』と『9』が入ってた先生?」
「そう、でも『9ろうな4』やからええねんって言ってはったなあ。」
「そんなこともゆうとったなあ。」
「藤井先生のとき、まっつんとおんなじクラスやったんやで」と清水さん。
「まっつんて、お母さんが好きやった人やんなあ」と小6息子。
「なにー、そんなことまで息子にゆうとるんかい!」と私。
「雪降ったら、必ず鴨川に遊びに行きましたよねえ。」
「教科書の最後まで行ったことないですよね。」
「遊んでばっかりでしたね。」
あー、とんでもない担任でした。でも、清水さんはそんな話を息子たちに自慢げに話したり、元担任のヨメの店にもこだわりなく来てくれる。あー、ありがたやありがたや。
「この店はヨメさんが社長で、その稼ぎでおっちゃんは食わしてもろてるわけや」と小6息子に説明。これは必ずゆわなあかんとヨメさんから念を押されているから。でも、小6息子はポカンとしていた。
「帰ってから、お母さんにしっかり説明してもらいなさい。」
長男の直磨君と次女の杏奈ちゃん。来てくれてありがとう。かわいい二人を見ているだけで、幸せな気分なれたよ。長女の祐奈ちゃんにも会いたいな。お母さんにすごく反抗してるって。ああそのバトル、見たいなあ。たぶん、横にいるだけでビビリまくりやと思うけど・・・。
一応、帰り際に直磨君にアドバイス。
「とにかく落ち着いてね。落ち着きすぎても1500mくらいやったらアッと言う間に終わってしまうからあかんけど・・・。一番あかんのは、走ったのかどうなんだか分からんままに終わってしもたってゆうやつ。それやったら、最初からバンバン行ったほうがええで。自分の持ってる力を100パーセント出せるよう、しっかり走ってな。」
末っ子の杏奈ちゃん、お兄ちゃんのシューズを買いに来るのに付き合わされて退屈だったでしょう。ときどきお母さんから「ダメッ!」とかきつく言われたりしてね。おっちゃんは、お母さんの「ダメッ!」に杏奈ちゃん以上にビビッてましたよ。
名前の漢字を聞いたとき、分かりやすくくわしく説明してくれたね。「きー書いてくち書いて、奈良のな」。もうそれだけで「いい子」と思いました。また来てね。待ってるよ。
北上支部の予選会は今度の木曜の午後。直磨君の応援しに行こうと思ったら、バイトの日やん。何とかならんもんかなあ。直磨君の劇走、見たいなあ・・・。
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【今日のきく】
今日は店でちょっとはしゃぎすぎて、ヨメさんに怒られましたー。
こんなかわいいミニシェパードなのに・・・。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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