2013年08月06日(火)
「憲法はむずかしくない」 [書評]
◎e-hon本より
憲法はむずかしくない (ちくまプリマー新書)
池上彰 2005年11月 筑摩書房
■ おすすめコメント
このところ、憲法のことがニュースにたびたび登場します。イラク戦争の後、イラクという国を建て直すために、新しい憲法を作ることになりましたが、どんな内容にするかをめぐって、難航に難航を重ねたことがニュースになりました。
日本でも、いまの日本国憲法を改正すべきかどうかが大きなニュースになっています。憲法を変えようという人たちは、「時代にあった憲法を」と主張しています。でも、「時代にあった」とは、どういう意味なのでしょうか。
一方、「憲法を変えるべきではない」と訴える人々は、「日本国憲法は世界に誇れる平和憲法だ」と言っています。「平和憲法」とはどういう意味なのでしょうか。それよりなにより、そもそも「憲法」とは、どんなものなのでしょうか。普通の法律と、どこが違うのでしょうか。
そこで、この本では、そもそもの基本から憲法について考えてみることにしました。憲法とはどういうものか。日本国憲法はどうやって生まれたのか。第二次世界大戦後、日本国憲法をめぐっては、どんな議論があったのか。憲法改正を求める人は、何を問題にしているのか。そんな基本を解説します。
まず知ってほしいことは、憲法はむずかしくない、ということです。この本を読んだ上で、あなた自身は憲法についてどう考えるのか、自分の意見をまとめてみてください。
■内容
憲法はとても大事なものだから、変えるにしろ、守るにしろ、しっかり考える必要がある。そもそも憲法ってなんだろう?この本は、そんな素朴な質問に答えます。
■著者
池上 彰 イケガミ アキラ
1950年長野県生まれ。1973年、NHKに記者として入局。32年間にわたり、記者として、キャスターとして、事件・事故・災害・教育問題・消費者問題など、様々な分野のニュースを取材。1994年からは11年間、「週間こどもニュース」のお父さん役として、日本と世界の様々なニュースを子どもにも分かるように伝える仕事に専念。2005年3月にNHKを退職し、フリーランスのジャーナリストに。ニュースの背景にある歴史などを解説する著書も好評を博している。
主な著書に『憲法はむずかしくない』『おしえて!ニュースの疑問点』(ちくまプリマー新書)、『そうだったのか!ニュース世界地図』『そうだったのか!中国』(以上、集英社)『そうだったのか!現代史』(集英社文庫)、『ニュースの読み方使い方』(新潮文庫)、『経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ』(海竜社)、『ニッポン、ほんとに格差社会?』(小学館)ほか、多数。
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だいぶ前に買って途中まで読み放置されていた本。私の部屋にはそんな本が山とある。このままだと、私が死んで火葬にしてもらうとき、私の体重以上の「読みかけ」の本を焼いてもらわなくてはならない。
「こりゃいかん!」
幸い、管理人代理のバイトを始めてから本を読む時間ができた。200ページくらいの新書だと、だいたい3時間あれば読める。ありがたいことだ。
本を最後まで読むようになってから、新しい本を買わなくなった。まず、今持っている本を読まなくては。
この「憲法はむずかしくない」も、その名の通りむずかしくない内容なのに途中まで読んで行方不明になっていた。最近見つかり、一から読み直し。先週のバイトのとき、2時間くらいで読めた。
この本の帯に書いてあったが、「知らなきゃ議論できない」。ほんとにその通り。
最近では、大江健三郎「沖縄ノート」裁判で、名誉棄損で訴えた原告が「沖縄ノート」を読んでいなかったことが発覚。大江さん側が勝訴したからよかったが、これは「知らないのに議論」のいい(悪い?)例だ。(という私も、「沖縄ノート」に3回挑戦して最後までたどり着かず、その本自体も今はどこへ行ったやら・・・。)
その時の原告側の弁護士が、のちに自民党の国会議員になり、今や大臣。その大臣が、何が何でも8月15日に靖国に参拝するそうだ。
(あっ、ちょっと脱線しました。)
この本を読んでよかった。私も「日本国憲法」について大きな勘ちがいをしていた。長くなるが、引用。
◇ ◇ ◇
憲法は国家権力をしばるもの
憲法とは、簡単に言えば、その国の「法律の親分」のようなもの。一番上に憲法があって、その下にさまざまな法律が存在している、というイメージでしょうか。
でも、憲法は単に「法律の親分」ではないのです。法律は国民ひとりひとりが守るべきものですが、憲法は、その国の権力者が守るべきものだからです。
そもそも憲法は、国家権力を制限して、国民の自由と権利を保障するものです。
たとえばイギリスでは、17世紀、国王と議会がたびたび対立しました。国王が勝手なふるまいをして国民を苦しめることが多く、これに怒った議会のメンバーは、国王の力を制限する「権利の章典」を制定しました。これは「名誉革命」と呼ばれています。国王の力を、憲法のもとで制限してしまおうというものでした。「王様にだって、守るべきルールはある」というわけです。その後も、議会が国王と対立しながら、少しずつ国王の力を減らし、議会が力を持つようになりました。
このように、国家権力を制限する憲法にもとづいて政治を行うことを「立憲主義」といいます。
(中略)
憲法と法律の関係は、次のように区別することができるでしょう。
憲法は、国民が権力者に勝手なことをさせないように、その力をしばるもの。
法律は、世の中の秩序を維持するために、国民が守らなければならないもの。
◇ ◇ ◇
私は、「憲法は、私ら国民が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」だと思っていた。でもちがった。「憲法は、権力者が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」やったんや。
自民党関係者だけでなく、右翼と呼ばれる人の中にも「憲法96条改正反対」を訴える人が多いわけが分かった。「権力者が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」を時の権力者の都合で簡単に変えられるようにしたら・・・、そら恐ろしいことになる。
最近、国民全体の中でも憲法96条改正反対の割合が増えてきたのは、このあたりのことを理解する人が増えたからだろうと思う。
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【今日のきく】
明日、真樹が沖縄から帰ってくる。
きくとは、ゴールデンウイーク以来のご対面。3か月ぶりやねえ。
さあ、きくの反応やいかに。
楽しみ、楽しみ。
(バイト先のパソコンでは写真の取り込みがうまくできない。よって、今日はきくの写真なし。)
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
小橋川さん、コメントありがとうございます。また、メールのお返事もありがとうございました。もうすぐ約束の「ネットワーク京都・9月号」送りますね。小橋川さんは「青年Kさん」で書かせてもらいました。お楽しみに。
「パオパオだより」は、ふざけた内容のときだけ見てまじめな記事はとばす、とよく言われます。でも、小橋川さんのように、どれもみな目を通してくださっている方もいらっしゃると分かるとほんとにうれしいです。
マラソン申し込みは無理なさらないように。私は娘が大学在学中は、できる限り沖縄のマラソン大会に行くつもりです。娘は「大学を卒業しても沖縄に住みたい」と言っているので、そのチャンスはもっと続くかもしれません。タダで泊まれるところがあるのは助かります。
だから、またこの先にお会いできる機会があるでしょう。
もし「久志20km」でお会いできたら、小橋川さんに負けないようにがんばりたいと思っています。
京都は沖縄より暑いので、一度夏の間に20km走をしようと思っています。まるっきり見当もつかないのですが、真夏の20kmって1時間40分くらいですかねえ。とりあえず足の具合がもうちょっとよくなってからの話ですが・・・。
法律は我々のためにあり、憲法は権力者のためにある…知りませんでした、勉強になりました!
という事は…「今の憲法は俺たちを縛りすぎてるから何とか緩くしてやりたい放題してぇ〜な〜!」って事なんでしょうかね…許せる訳がありません。
さてパオパオさん…9月の暑い・熱い『久志ロード』を出場しようか調整に入りました(笑)
『中部トリム』は混んで走り辛いと言う事で敬遠してましたが…小遣いと調整してみます!(笑)