パオパオだより

2012年07月10日(火)

「鴨沂対両洋」 ( 高校野球京都大会) [学校]

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鴨沂−両洋 8回表鴨沂、古田が一塁へのバント安打を決め、敵失も誘って二塁に進む(わかさスタジアム京都)

◎京都新聞7月10日朝刊

  「鴨沂、力尽く」
       バント駆使 強豪に意地

    鴨沂    020001020=5
    京都両洋 01031011X=7

 強豪と堂々と渡り合い、鴨沂は散った。力を尽くした思いと、敗れた無念さ。「もちろん、勝つつもりで来ました」。鴨沂の市川監督は、悔しさの色が濃かった。
 過去2年は初戦敗退の鴨沂に対し、京都両洋は昨秋の府大会4位。好右腕の横垣をどう攻略するかー。見いだした策は、徹底して練習したバントだ。
 共通理解は「長身右腕を動かす」。二回1死二、三塁の好機。白江が投前に絶妙のセーフティースクイズ(記録は安打)を決め、続く織作もスクイズを成功。狙い通りの作戦で2点を先制した。
 四回に逆転されたが食い下がる。3点を追う8回。バントの構えの古田は「初級(横垣が)三塁側に動いた。いける」。3球目を一塁側に転がすバント安打。竹山の二塁打で生還した。小技で重圧を与え、安打数も相手より2本多い9本を放ち、意地を見せた。
 勝負の夏だった。現3年生の入学時、上級生は9人だけ。早くから経験を積み、継投した3投手ら下級生も加わった。それでも1勝は遠く、1年生の古田は涙目で誓った。「3年生が基礎をつくった。次こそ勝てるチームを目指す」     (堤冬樹)

  冷や汗の初戦突破
 ○ 昨秋の府大会4位の京都両洋は冷や汗の初戦突破となった。先発横垣が6四死球と制球に苦しみ、バックも4失策。打線が四回に3点を奪って逆転し、中盤以降も小刻みに得点しながら、鴨沂に粘られた。右腕は「相手は思い切りが良かった。普段通りの投球を心がけたが・・・」と淡々と振り返った。横垣ら昨夏の4強の主力が6人残り、初の頂点を狙う。高木監督は「初戦の難しさをあらためて痛感した」と話す一方、守りは「前に出て捕ろうと攻めた結果。次につながる」と前を向いた。
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 強豪校(たいてい私立)対普通校(たいてい公立)が初戦で当たると、大変な結果に終わることが多い。今回の初日2試合も、10対0で5回コールドと13対3で7回コールドだった。
 過去2年初戦敗退の京都府立鴨沂高校がくじで引いた相手は、昨年ベスト4の京都両洋高校(私立)。チームのことを何も知らない私は、「コールド阻止」で9回まで試合ができたら上等かと思っていた。しかし、それは結果的には大変失礼な想像だった。

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 3年前のこの大会を思い出す。
 廉が高3の夏。ベスト8に進んだ紫野高校が鳥羽と対決。同級生が出場しているのに廉は応援に行かず。その代わりでもないのだが、なぜか私と真樹(当時中3)が応援に。炎天下の中4時間もかかった試合だったが、私も真樹も胸いっぱいになって帰ってきた。なんと言っても、延長14回ツーアウト満塁ツースリー(今ふうに言うとスリーツー)からのサヨナラ押し出しで決着がついた試合だもの・・・。

 (もしよろしければ、私のブログの名作「紫野対鳥羽」−山田君の涙ーを見てください。)

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 今年も真樹を誘ってみた。ところが、ちょうどテスト期間と重なってしまった。もし奇跡的に(ゴメン!)1回戦を突破したら、次は16日の祝日なのでそれを祈ることにした。
 私だけでも応援に行きたかったのだが、「まさか去年のベスト4には勝てるまい」と思っていたのと、日曜に1日遊ばせてもらったのでおとなしくしておこうという気持ちもあった。

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 ところがところが・・・。
 ネットの試合速報を見ると、「2対1」で鴨沂リード。
 「まさか!」

 これは応援に行かなどーする。
 うちから西京極球場までは車で40〜50分。着いたころに試合は終わっているかもしれないが、とにかく出発した。

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 私が到着したとき、8回表6対3で両洋がリード。
 しかし、逆転され3点を追う鴨沂は元気いっぱいだった。

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 京都新聞の写真に採用された古田選手のバントヒットは見られなかったが、1番竹山選手の胸のすくような二塁打には間に合った。これで6対4。
 すぐ真樹に電話。
 「竹山君の二塁打で1点入って6対4になったわ。まだまだいけるで。」

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 このあと2番3番が連続四死球で満塁。
 ここで最も頼りになる4番・小西選手が登場。一打同点、この試合のクライマックスとなった。
 しかし、結果はデッドボール。このときの小西選手の悔しそうな表情が印象的だった。1点は入ったものの、ここで鴨沂の追撃の流れが完全に途切れてしまった。

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 このあと二塁ランナーが牽制死。5番バッターも倒れチェンジ。

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 鴨沂の1年生エース古田選手は、時おりスローボールのようなものも混ぜ落ち着いた投球だった。

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 しかし、8回裏には、ダブルスチールで1点取られ2点差に。
 これもしっかり見破って、ショートカットして本塁への矢のような送球やったのになあ・・・。

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 これで鴨沂がシュンとなるかと思ったら・・・。

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 9回表、先頭の6番・吹山選手に嵐のような「フッキー」コール。

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 それに応えるように、吹山選手はクリーンヒット。

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 しかし、残念ながらそのあとに続くことはできなかった。

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 最後はダブルプレーでゲームセット。

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 私は最後の2回しか見ることができなかったが、両チームの気迫が感じられるいいゲームだった。

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 公立の弱小と思われるチームであっても、気持ちしだいで強豪チームと互角に戦うことができる。それを証明してくれた試合であった。

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 こんないい試合なら、初めから見に来とけばよかった。
 
 来年は高校とはまったく関係がなくなるが、また見に来ようかな・・・高校野球。また、真樹を誘って。

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※ 鴨沂高校の「鴨沂」は「おうき」と読みます。京都の人は全員分かり、京都以外の人は全員分からない読みです。 

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コメント

 池田さん、コメントありがとうございます。
 私の拙い野球観戦記が、喜んでいただけたようでうれしいです。本文中にも書きましたが、正直、鴨沂高校野球部を見くびっていました。本当に申し訳ない。あんなに元気いっぱいで堂々としたチームだとは思ってもみませんでした。試合の初めから見に行っとけばよかったと悔やんでいます。
 でも、竹山選手の目の覚めるような二塁打、吹山選手の希望をつないでくれたクリーンヒットを目の前で見ることができてよかったです。
 本文中には書きませんでしたが、竹山選手と吹山選手は、うちの娘・真樹とは元同じクラスです。引っ込み思案の娘なので、ほとんどしゃべったことはないと思いますが・・・。
 うちの娘は今、大学受験に向けて自分なりにがんばっています。竹山君がどんな進路を希望されているかは分かりませんが、お互いがんばって希望がかなえられるようにしたいものです。
 これからも、竹山君を勉強面でピシピシしごいてあげてくださいね。

パオパオ 2012年07月12日 09時29分 [削除]

パオパオ様

京都市北区の学習塾『育星舎』講師の池田と申します。
突然のコメント失礼します。

なんで塾のセンセが?とお思いでしょう。
というのも、当記事にて登場の竹山倫生(ともき)君を中1の頃から教えてきたのですが、
パオパオさんのブログで彼のことが書かれていることに感動してしまい、失礼ながらコメント差し上げました。

勉強はまあこの際置いときますが(笑)、野球での活躍譚をしょっちゅう耳にしていましたので、いつか大きな舞台で活躍するぞと期待していました。
彼にとっては何とも残念な結果となりましたが、自分を発揮できた瞬間をきちんと獲得してくれたと胸を撫で下ろしています。

塾のセンセ風情が言うことでもないでしょうが、それでも6年間のお付き合い。それなりに思い出は積もっています。高校受験時の粘り強い奮闘も懐かしいです(ちなみにその年の年間MVPでした)。

ちなみに鴨沂はテスト期間中(笑)。そんなこと気にせず大活躍してくれたようですね。
ちなみに(×2)、敗戦後の火曜、いつものように塾に来て勉強してくれました。彼の人生はまだまだ続くのですね。

それでは失礼します。楽しいブログをありがとうございました。乱文ご容赦ください。
育星舎個別アルファ北野塾長 池田真一

アルファ北野 池田 2012年07月12日 00時05分 [削除]

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