パオパオだより

2008年07月12日(土)

洛北中野球部、悲運のボールデッド [学校]

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 中学総体の夏季大会が始まった。
 私が見たかったのは、洛中野球部の試合。初戦は今日の9時プレイボール、場所も地元岩倉東グランド(洛中の南隣り)だった。
 直接は関係ないが、真樹の同級生は野球部の子が多い。それも、クラスの中心になれそうな子が多いようだ。(4月1日のブログに書いたN・K君もその一人である。)

 9時ちょっと前に会場に着いたが、ウロウロしているうちに試合は始まっていた。
 最初は落ち着いて見ていたが、見ているうち次第に胸がドキドキし出して来た。洛中の子がバッターボックスにいる時は、とにかくバットに当ててくれ、守備についている時は、後ろにだけはそらすなと祈る思いで見ていた。

 私の母校花背第一中学校は昨年閉校してしまったが、私たちの在校中はぎりぎり野球ができるだけの人数がいた。(もう、40年近くも前のことです。)
 当時のチームは、ピッチャーで4番の藤井富雄君のワンマンチームと言っても過言ではない。富雄君は、京都一、球の速いピッチャーだった。(太田幸司擁する青森・三沢高校みたいなチームでした。これ、分かる人には分かる。)
 そしてその富雄君をバックアップすべきナインは・・・。私は、9番目ぎりぎりのレギュラーだったが、大事なところでエラーをし、何度エースをがっかりさせたか分からない。打つ方は守備に比べるとましだったが、それでも何べんも三振してベンチに帰った思い出が多い。

 プロ野球や高校野球は冷静に見られるのに、中学野球は私の過去とオーバーラップして足元がフワフワする。「とにかくバットに当ててくれ」、「後ろにだけはそらすな」。一人落ち着いて見たかったので、あえて洛中ベンチとは反対側の一塁ベース後方から観戦した。

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 試合の結果は・・・。

桃山中 0・0・0・2・0・2・0  ?  
洛北中 1・1・1・0・0・0・0  ?

 惜しくも洛北中は初戦敗退。
 しかし、この試合にもいくつかのドラマがあった。

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 洛中の先発は背番号「1」のI・Y君(真樹のクラスメイト)ではなく、3年生のようだった。3年生にとっては、これが最後の大事な大会。
 その背番号「7」君は、球を低めに集め冷静な投球だった。打線の方もコツコツと、1点ずつではあるが着実に点差を広げていった。
 しかし4回の表、桃山中の攻撃。ヒットやフォアボールで満塁。

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 そこから、内野手のハンブルと押し出しのフォアボールで2点献上。(選手の名誉のための注意書き→内野手はきっちりボールを胸に当て前にはじき、ピッチャーは低めに球を集めることを徹底していた。)
 なお続く満塁のピンチ。ここでエラーか連続押し出しで点を取られ、同点に追いつかれたら、そのままずるずると・・・。しかし、ここは見事にふんばった。ベンチからの声援もすごかった。見ごたえのある場面だった。

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 そして、運命の4回裏、洛中の攻撃。 
 先頭打者が1塁に出、次の左バッターのきれいに振りぬいた打球は、桃山中ライトの頭上をはるかに越え点々と・・・。バッターランナーも悠々とホームに戻ってきた。歓喜の洛中ベンチ。「これで、勝った!」とだれもが思ったはず。
 しかし、ライトオーバーの打球は勢いがあり、はるかかなたのフェンス前のサッカーゴールにまで到達。 

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 ボールはサッカーゴールの枠にはさまり、「ボールデッド」。ランナーは規則どおり、2塁3塁に戻された。

 悲運。
 喜び過ぎただけに、そのギャップも大きすぎた。
 「この回、もし1点も取れへんかったら、洛中は危ない。」私は心の中でそう思った。
 
 ホームランが取り消しになったとはいえ、ノーアウト2,3塁。最も点が取りやすい場面ではある。
 しかし、やはり中学生。ついさっきのギャップをはね返すことができず、三振、浅いライトフライ、キャッチャーフライでチェンジ。
 これで流れが変わってしまった。

 6回表の桃山中の攻撃も見事だった。
 しかし、この試合のポイントは、残念ながら4回裏の「ボールデッド」だった。3年生最後の試合としては、非常に酷な結末だった。ただただ、「悲運」としか言いようがない。

 洛中野球部は、本当にいいチームだ。初めから終わりまで、途切れることなく元気な声が出ていた。みんなの心が一つになっているように感じられた。みんな楽しそうないい顔してた。
 (相手チームのベンチのネット裏あたりにいたのたが、1年生らしき野球部員が先生らしき人に怒られていた。「おまえら、応援する気あるんかー」やって。ついこないだまでかわいらしい小学生やったのに、そんな無茶言ったらダメ! 具体的に「こんな時は、こう声をかけよう」と言ったらな。ちょっとかわいそうやった。)

 負けてはしまったが、こんないい試合を見せてくれた洛中ナインに感謝したい。(もちろん、桃山中ナインにも。)
 「みんな、かっこよかったぞ!」


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(注)必ずしも文と写真が一致していません。写真説明も、あえてしませんでした。ただ、N・K君、I・Y君はどこかに写っています。

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