2013年08月27日(火)
○○で世界に反核を問う [時事]
◎毎日新聞8月26日夕刊・特集ワイド
今、平和を語る:直木賞作家・作詩家、なかにし礼さん
◇歌で世界に反核を問う
人としての倫理、取り戻せ
直木賞作家でヒットメーカーの作詩家、なかにし礼さん(74)は「核兵器に反対する歌」を用意している。旧満州(現中国東北部)で生まれ、6歳から8歳にかけて棄民を体験したという、なかにしさんに平和国家の在るべき姿を聞いた。
−−反核の歌の題名は「リメンバーヒロシマナガサキ」です。
なかにし 「リメンバーヒロシマ」でもなければ「リメンバーナガサキ」でもありません。「リメンバーヒロシマナガサキ」のフレーズによって初めて核兵器廃絶のアピールになり、思想になるのです。核兵器に反対することは、戦争に反対することであり、さらに突き詰めれば戦争の放棄を掲げた憲法9条を守る姿勢を通すことにつながります。東京電力福島第1原子力発電所の大事故によって安全神話が幻想であったことを知ってしまった以上、原発の再稼働と新設についても反対の立場をとらざるをえない。
−−反核を前面に打ち出されたのは。
なかにし 戦争に反対する小説は書いてきましたが、スローガンにはしていません。だから、そろそろ言うべきことを言っておこうと思っていたところに、オペラ歌手の佐藤しのぶさんが背中を押してくれたのです。アメリカのオバマ大統領のノーベル平和賞受賞が決まった2カ月後、正確には2009年12月16日のことでした。彼女から、核兵器に反対する歌を書いてほしい、と頼まれたのです。思想を明確にしている歌なので、メーカーやスポンサーなどから圧力がかかって歌手生命に影響することになるかもしれない、と懸念を伝えました。すると彼女は、歌手として、人間としての責任を果たしたいと強い決意を示したのです。こうして歌作りにかかりました。人間に倫理観があれば、誰かがやらねばならない仕事だから、これは私にとって使命なのです。
−−楽曲も決まり録音も済ませていたところ、11年3月11日に東日本大震災が起き、福島第1原発では放射性物質が放出される大事故となりました。それでCDの発売を延期しました。
なかにし 日本は福島の原発事故で原爆を落とされた被害者の立場から、放射性物質をまき散らす加害者の立場にいると思ったのです。しかし今は、こう考えます。日本人こそが、核の恐ろしさと悲しみと罪の意識を知っているのだから、核をなくすために世界に向けて訴えなくてはならない。つまり「リメンバーヒロシマナガサキ」を歌うことが、世界に向けて取るべき態度だと思い至ったのです。
−−今後の予定は。
なかにし 素晴らしい楽曲で、平和を愛する心が楽譜の一つ一つに息づいています。海外向けも用意して、10月ごろに公表する予定です。特定の政治運動に加担することなく、歌が自由に独り歩きし、気に入ってくれた世界中の若者に口ずさんでほしいのです。
−−なかにしさんを駆り立てた倫理について。
なかにし 人間が生きていくうえで最も大事だと思うのですが、残念ながら今の日本では、倫理という言葉が死んでいます。たとえば、原発は倫理の問題としてばかりでなく、今や人間はもちろん自然界の生命全体の命をおびやかす存在となっております。原発ゼロをめざすのが当然でしょう。それが可能なのに、やろうとしない。そこに倫理観の欠如があるのです。
また憲法というのは時代の大きな変わり目に成立したり改正したりするものです。今は変えたいと思う人々の都合が先行している。今やまさに戦後民主主義は危機的状況にあります。なんとしても第9条は守り抜かなければなりません。
−−ところで満州では過酷な体験をされました。<死体はみんな、汽車の窓から捨てるのである。軍人も民間人も子供も赤ん坊も、死体に区別はなかった>(エッセー「翔べ! わが想いよ」=文春文庫)。自伝的小説「赤い月」(文春文庫)には次の一文があります。<ソ連軍が参戦するや、居留民を置き去りにしていち早く逃げた関東軍と軍属や満鉄。敗戦後、外地の居留民は現地に定着せしめるべしと言った外務省。引揚げ費用を出さなかった日本政府のことなどをいやがうえにも思い出した。そして残留孤児の問題。日本という国は国家自体がすでに悲しむ心を失ってしまっているのではないかと公平は思った>(公平は著者の分身)
なかにし 1906(明治39)年にアメリカで排日の移民問題が発生した時、移民たちは日本国に見捨てられた。以来、国が私たちを守ってこなかった事実は、歴史が示しているではないですか。満州はみんな棄民にされ、沖縄は切り捨てられました。福島では大勢の人たちが避難している。今も昔も「悲しむ心」が権力側には欠けているのです。「悲しむ心」を失った権力者を厳しくとがめる勇気を持ちたいものです。
−−国家とは。
なかにし 国民一人一人によって成り立っているものであり、国民から政府がその運営をまかされているにすぎない。政府イコール国家だと、政府は言いたがりますが、不遜ですね。政府は国家を運営する巨大な事務局にすぎないのです。国家とか国益という言葉を持ち出す人には警戒したい。
−−この国の針路について。
なかにし 誇りを持てと言われても、正しい歴史認識を持とうとしない国の国民は誇りを持てません。この点は、アウシュビッツの懺悔(ざんげ)を続けているドイツとは大違いです。
戦争を放棄した世界でも特殊な国。いいじゃないですか。特殊であることにこそ、日本人は誇りを持つべきです。間違っても、戦争のできる普通の国になろうとしてはならないと思います。<聞き手・専門編集委員 広岩近広>=次回は9月30日掲載予定
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リメンバーヒロシマナガサキ
作詩・なかにし礼
リメンバー
この地球を宇宙から眺めたら
美しい青い星だ
国境は引かれていない
今もどこかで 戦争は続いている
悲しみと山のような
屍(しかばね)が折り重なって
戦争と核兵器のない
平和の実現を願うものは集まれ!
リメンバーヒロシマナガサキ
過ちは繰り返さない
リメンバーヒロシマナガサキ
人間に叡智(えいち)と愛があるなら
遠くとも核なき世界を
めざして手をつなぎ
みんな歩き始めよう!
リメンバーヒロシマナガサキ
沈黙にさよならしよう
リメンバーヒロシマナガサキ
行動と勇気で生まれかわろう
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■人物略歴
◇なかにし・れい
1938年中国黒竜江省(旧満州)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科を卒業と同時に作詩家として活動を始め、日本レコード大賞、ゴールデンアロー音楽賞など多くの音楽賞を受賞。2000年に「長崎ぶらぶら節」で直木賞を受賞、近著は「生きる力 心でがんに克(か)つ」(講談社)。著書多数。サンデー毎日でエッセー「花咲く大地に接吻(くちづけ)を」を連載中。
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「アンタのやってることは、何の足しにもならん。」
これがうちのヨメさんの口癖だ。
「今までなーんにもしてこんかったくせに、今さら平和がどうたらこうたら・・・。若いときから続けてるんならまだしも、あきれてものが言えんわ。
それに、『京都キャロット』にそんな変なもんが関わってると思われたら商売にも影響する。どうしてもしたかったら、すべての縁を切ってからにして。」
えー、これを解説しますと・・・。
「○○運動というたぐいは、生活に余裕のある人がすること。アンタみたいに仕事のでけへん人間は、そんなことより1円でも稼ぐことを考えるべし。」
なかなかいいとこ突いてます。
ただし、私はなかにし礼さんが歌を通して反核平和を訴えたかったのと同じように、走ってそれがしたかっただけ。それぞれがそれぞれの得意分野をうまく使えば、平和運動もまた楽しい。
第一、なかにし礼さんのような著名人なら影響力は大きいが、名もなきパオパオごときが「平和・憲法九条」ののぼりを背負って走ったくらいで誰が何を思うものか。まあ、「ご苦労さんなこっちゃ」くらいで終わりでしょう。
今日、奥様を亡くされ悲しみにふけられているだろう走友・Tさんに手紙を出した。「気が向いたら、いっしょに走りませんか」と。
私がだれかを励ましたいと思うとき、何ができるか。いくら考えても、走ることくらいしか思いつかない。いや、走ることならいくらでも・・・。
私が走ることで少しでも喜んでくださる方があれば、何とかしてこれからも走り続けたい。
頼むし、「すべての縁」は切らんといて〜〜〜。
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2013年08月02日(金)
やせがまんの国で9条を背負って生きていく [時事]
◎朝日新聞7月25日朝刊・あすを探る
9条の国、誇り高き痩せ我慢 森 達也
アメリカでは銃の誤射や乱射事件が起きるたびに、銃規制についての議論が高まるが、結局は尻すぼみとなってまた事件が起きる。
昨年12月にコネティカット州の小学校で児童ら26人が殺害されたとき、全米ライフル協会(NRA)の副会長は記者会見で、「銃を所持した悪人の行為を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べて銃規制に反対し、アメリカ全土では銃の売り上げが急増したという。
アメリカの銃社会をテーマとしたドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でマイケル・ムーアは、黒人や先住民族を加虐してきた建国の歴史があるからこそ、アメリカ市民は銃を手放せないのだと主張した。報復が怖いからだ。つまり銃を手もとに置く人は勇敢なのではない。臆病なのだ。
こうしてアメリカの正義が発動し、正当防衛の概念が拡大する。丸腰の高校生を射殺した自警団男性の正当防衛が認められて、無罪評決になったことは記憶に新しい。
NRAの主張に同意する日本人は少ないだろう。頭の回路がどうかしていると思う人もいるはずだ。でも実のところこの思想と論理は、世界のスタンダードでもある。
核兵器や軍隊の存在理由だ。
我が国の軍隊は、他国に侵略する意図などない。でも悪い国が軍隊を持っている。だから攻められたときのために、国家は軍隊を常備しなくてはならない。つまり抑止力。理屈はNRAとまったく変わらない。
こうして誤射や過剰防衛が起き、それをきっかけに戦争が始まる。人類はそんな歴史を繰り返している。
しかし第2次世界大戦後にこの国は、新しい憲法で武力放棄を宣言した。その憲法が公布される前の衆院本会議で共産党の野坂参三議員が、「侵略の戦争は正しくないが自国を守るための戦争は正しいのでは?」との趣旨で質問し、これに対して吉田茂首相は、「正当防衛や国家の防衛権による戦争を認めるということが結局は戦争を誘発する」との趣旨で答弁した。記録ではこのとき議事堂では、与野党を超えた議員の大きな拍手が響いたという。
もちろん日本の背後には、世界最強の軍隊と大きな核の傘を持つアメリカがいた。だから不安や恐怖を押し殺して痩せ我慢ができた。極論すれば憲法9条の1項は、すべての国に共通する理念でもある。でも現行憲法には、軍事力と交戦権を放棄することを宣言した2項がある。アメリカに軍事的に庇護される国は数多いが、ここまでラディカルな宣言をした国はない。
その後に冷戦の時代が幕を開ける。ご近所はすべて銃を持っている。でも暴力に対して暴力の抑止は成り立たない。自衛の意識が戦争を起こすのだ。だから我が家は銃を持たないと決めた。アメリカからは何度も改正を要求されながらも、結果として日本は9条を60余年間にわたって守り抜いた。いろいろ妥協もしたけれど直接的な戦争には一度も参加せず、国民総生産(GNP)世界第2位を達成した。
改憲派は平和ボケなどと嘲笑するけれど、9条は抑止論にとらわれた世界への、とてもラディカルな提言となっている。スペインのグランカナリア島には、9条の碑が設置されている。戦争地域ではよく、「日本は9条の国だ」と話しかけられる。世界に対して日本は、身をもって稀有な実例を示し続けている。
この街から銃が消える日はまだ遠い。でもこの精神だけは手放さない。誰もが銃を持たない社会。その実現のために、我が家は街で最初に銃を捨てる宣言をした。怖いけれど高望みを維持し続けてきた。
自衛隊を軍隊にして誇りを取り戻そうと言う人がいる。意味がわからない。他の国と同じで何が誇らしいのだろう。不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う。
( もり・たつや 1956年生まれ。映画監督・作家。明治大特任教授。近著に『虚実亭日乗』)
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今日も昨日と同じ、寮の管理人代理のバイト。午前10時45分に家を出て、帰ってくるのは夜の12時前。また昼すぎの3時間ほどがヒマ。
先週の朝日新聞にすごくいい記事があったのだが、朝日新聞のデジタル版は有料でコピーできない。「せっかく多くの人に紹介しようと思ってんのに、ケチか!」とぼやきながら、「今日は指一本の長文手打ちに挑戦してみるか」とまで思っていた。でもいろいろ探していると・・・、ありました。ある人のブログに全文紹介。無断転載させていただきました。
何度読んでも、たいへんわかりやすいいい主張だ。
「この街から銃が消える日はまだ遠い。でもこの精神だけは手放さない。誰もが銃を持たない社会。その実現のために、我が家は街で最初に銃を捨てる宣言をした。怖いけれど高望みを維持し続けてきた。」
私が「平和・憲法九条」のぼりランをしているとき、「何をしているの?」とよく聞かれる。これからはこう答えよう。
「誰もが武器を持たない社会を実現するために、怖くてもやせがまんする人を増やそうと思って!」
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2013年07月25日(木)
「すべて私の責任です」 [時事]
◎東スポWeb 7月12日
細野幹事長 本当だった?“モナ回避”
猛暑の中、繰り広げられる参院選で1人だけ肝を冷やした男がいた?
9日、混戦模様の千葉選挙区には各党が党幹部を応援弁士に投入し、票を奪い合った。中でも民主党は細野豪志幹事長(41)と蓮舫幹事長代行(45)の二枚看板を投入。しかし、細野氏の不可解な動きが、ある噂に真実味を与える結果となってしまった。
「国防軍をつくったって、この国は強くなりませんよ。本当に強い国をつくるのは、社会を強くすること。国民の生活がよくなることなんです」
JR幕張本郷駅前で訴えた細野氏に、約100人ほどの聴衆から拍手が起きた。イケメンと名高い細野氏だけに女性人気が高い。とはいえ不可解なのは、応援演説の場所だ。この場所の前はお隣のJR津田沼駅で演説をした。もちろん同じ候補のためだ。
周辺にはもっと人通りの多い駅もあるのにどういうことか。例えばJR新浦安駅は幕張本郷駅の約2倍の利用客がいる。永田町関係者は「昨年の衆院選のころからいわれているのですが、細野氏は新浦安駅では演説できないそうです。人通りは多いけど、駅前のビルが『モナ』なんだとか。周囲が気を使っているのでしょう」と明かす。
確かに新浦安駅前には地元民が愛用するショッピングセンター「MONA」がある。この日、みんなの党の渡辺喜美代表(61)が駅前で演説していたが、街宣車の前方にデカデカと「NONA」の看板が見える。渡辺氏の目線の高さに「MONA」がいる。右サイドからも見下ろすように「MONA」が・・・。
今さら説明不要だろうが、細野氏は過去に中西モナ(37)と路上キスを写真に撮られるスキャンダルを起こしている。もし渡辺氏でなく細野氏がここにいたら・・・。「MONA」と見つめ合いながら演説など、とてもできないだろう。
とはいえ激戦の千葉選挙区。改選数3に対して9人が立候補。自民党は2人を擁立し、民主、共産、みんな、日本維新の会、生活の党など勢揃いしている。
「自民党現職は飛び抜けている。自民党新人と民主党現職がそのあとに続き、ほかが追いかけるという構図です」(野党関係者)
民主党現職も決して安泰とはいえず、終盤までもつれ込む可能性は高い。すでに各党の党首クラスも千葉県入りしている。
図らずも噂に真実味を与えてしまった細野氏。しかし、いずれこの場所で演説することが、必要になる日が来るかもしれない。
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「すべて私の責任です」と言って辞任する人が、「過去の人」の過去にさかのぼって処分しないと気がおさまらないなんて・・・。それは、本心では「すべて私の責任」だと思っていないということですね。笑っちゃいます。
私は今日も寮の管理人のバイト。ヒマなので、いつものように朝日新聞チェック。ところが、今日はいい記事が見つからなかった。
「今の日本で最もかっこ悪い人、細野さんの記事はないかなあ」とネットで検索。そしたら、最近のことよりかなり前の「モナ」系記事が続々と。その中で一番新しいのが上の「東スポ」の記事(コピーできないようになっていて打つのが大変だった)。
「人のこと批判する前に、我を振り返れよ」と言いたい。
私の姉は、辻元清美議員を女たらしの術で引っ張り込んだ前原氏が一番嫌いらしい。しかし、私はいつも自信がなさそうに下を向いている前原氏より、公費を使ったらしい不倫旅行の後も大きな顔をしている細野氏の方がいや。あの時点で細野氏の政治生命は絶たれたと思っている。その人が、何をえらそうに・・・。
細野氏の会見は、民主党の支持率をさらに下げるために暴れているとしか見えなかった。笑っちゃいました。
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【今日のきく】
今日もバイトから帰ったのは夜の12時前。
家はなぜか鍵がかかっていた。暗くて鍵穴がよく分からず、戸をガタガタしていたらきくちゃんが来てくれた。
しかし、そのあと口を半開きにして「ハー、ハー」の連続。
これは、「オッサンのお散歩はないのんですか」という意味。
「この時間からはかんにんしてくれよー。」
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2013年07月19日(金)
右翼の立場、左翼の立場 [時事]
◎朝日新聞7月17日朝刊
(2013参院選)日本の現在地:下 木村三浩さん、太田昌国さん
右翼の立場から「正義」を、左翼の立場から「公正」を追求してきた2人はともに、この日本社会の現状に呆然(ぼうぜん)としていた。でも誰かのせいにはしない。自分の責任として引き受け、考え続ける2人に聞いた、日本の現在地。
■お手軽な愛国主義に席巻され 「一水会」代表・木村三浩さん
和をもって貴しとなす。これこそが日本の伝統であり、私たち右翼が目指してきた日本のあるべき姿です。国や民族や文化や考えが違っても、相手を尊重するのが「大和」の国、日本です。
しかしどうですか、いまの日本は。嫌韓国、嫌中国を語ることで日本人の劣化から目を背け、見せかけの自信を得ようとしています。お手軽で、非歴史的で検証に耐えない。日本は右傾化したと言われていますが、民族派右翼である私はむしろ、暗然たる気持ちでこの社会を見ています。
ソ連崩壊と、それに伴う左翼の失墜にあぐらをかいてしまっているのではないでしょうか。左翼とは理想を語る人たちです。その理想は強力でしたから、私たちも彼らに対抗できるようマルクスやエンゲルスを読んで勉強したし、彼らと議論することによって、自らの思想を深めました。しかし日本の左翼思想は外来であるがゆえに脆弱(ぜいじゃく)で効力を失い、それに伴い右翼も理想を語らなくなった。代わりに出て来たのが、他人をさげすんで自らを慰撫(いぶ)する、夜郎自大なお手軽ナショナリズムです。
*
<惰性の米国追従>
戦後自民党はもともと、反共産主義、つまり理想ではなく「反」に立脚した政党だと考えた方がいいと思います。アメリカの要請、時代の要請だったのでその是非を問うても仕方ありませんが、少なくとも冷戦終結後は、「反」を超えて、世界の中でどういう日本を目指すのか自分の頭で考えなければならなかった。ところが結局、アメリカについていけばいいんだという惰性に流れてしまいました。損か得か、ごく短い時間軸でしか物事を考えられない定見を欠いた国。それが今の日本です。
「アメリカと仲良くすることが日本の国益につながる」という政治家や官僚の言説がまかり通っていますが、国益は、目先の損得とは全く違う次元で構想されるべきでしょう。大国の陰に隠れてものを言うような国が、他国から尊敬されるはずがありません。
決定的だったのは、イラク戦争への加担です。真っ先に開戦を支持し、協力した。そこには日本独自の判断なんかみじんもないし、その判断が妥当だったかの検証すらいまだに行われていません。こんな現状を放置したまま憲法を改正したら、集団的自衛権の旗印のもと、アメリカの下請けとして、どこまでも引きずられて行くことになる。ゆえに現時点では、憲法改正には反対せざるを得ません。
*
<何を「取り戻す」>
TPP(環太平洋経済連携協定)もそうです。日本をアメリカに売り渡すことになると、右翼の立場から反対しています。だけど安倍晋三首相は、東京都議選告示前の街頭演説で遭遇した反対派の人たちを「左翼の人達」「恥ずかしい大人の代表」とフェイスブックで批判しました。日の丸を持っている人もいたのに、自分の言うことに反対する人間はみんな左翼だとレッテル張りをして攻撃する。お手軽な時代にふさわしい、お手軽な政治手法です。
何よりも許せないのは、アメリカに付き従っている代償行為として、お手軽ナショナリズムを政治がくすぐっていることです。その典型が、今年4月28日の「主権回復の日」。沖縄を例にとるまでもなく、主権なんて回復されていないじゃないですか。あまりにも腹が立ったので、「羊頭狗肉(ようとうくにく)の戦後レジームからの脱却を許すな」という横断幕を掲げ、記念式典の開催に合わせて3日間、初めて国会前で座り込みをしました。
自民党は「日本を取り戻す」と盛んに言っていますが、どこから何を取り戻すつもりなのでしょうか。政治の言葉にくすぐられ、踊らされたらロクなことにならない。「取り戻す」の内実はきちんと検証されなければなりません。
成田空港の建設に反対する三里塚闘争のような異議申し立てが社会から消え、人々がいきり立たずに生きていける社会になったことは喜ぶべきかもしれません。しかしその結果、思想の力が弱まり、みんな自分の生活さえ守れればいいとなって、問題が起きた時に、何が「正義」か問うことすらできなくなっている。お手軽に生きているツケは、いつかきっと払わなければならないでしょう。
(聞き手・高橋純子)
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きむらみつひろ 56年生まれ。81年、「反米愛国・自主独立」を掲げた新右翼「統一戦線義勇軍」を結成、議長に。00年から現職。著書に「憂国論」「『男気』とは何か」など。
■自己批判できない左翼の敗北 社会運動家・太田昌国さん
私たちはいま、現代資本主義という怪物がたどりついた頂点の時代を生きています。新自由主義経済とグローバル化が生み出した世の中は、実にすさまじい。
多くの若者たちが熾烈(しれつ)な競争の中にたたき込まれ、ろくに休みもとれない低賃金の長時間労働にさらされています。精神的に追い込まれながらも、みんな耐えている。それが大変な問題とされない社会になっている。しかも経営者は涼しい顔をしているのです。
本来なら、公正な社会の実現を求める左翼運動が支持を広げるチャンスなんでしょう。しかし現実には、もはや左翼は消滅したも同然です。僕らの言葉は若者たちの胸に響かない。それどころか、左翼は時に彼らの批判の対象にすらなっています。
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<ソ連崩壊が契機>
なぜなのか。一つには、僕らの時代と違って今の若い人は社会主義への幻想が皆無だからです。
僕が高校生のときにはキューバ革命、大学生のときにはアルジェリア独立革命が起き、欧米中心の世界地図を革命勢力が塗り替えていました。新しい歴史が刻まれていくのを同時代に体験し、よりよい社会の実現に夢を抱いた多くの若者たちが、左翼の陣営に走ったのです。そこには「新しい時代が来る」という希望がありました。
しかし、ソ連崩壊は社会主義の理念と実態があまりにもかけ離れている現実をさらけだした。日本でも左翼は分裂に分裂を重ね、内ゲバなど陰惨な抗争が起きました。それでもなお、左翼が踏みとどまろうというのなら、厳しい自己批判と新たな試行錯誤を始めなければならなかった。
ところが特に日本では、そんな姿が人々の目に見えなかったんじゃないでしょうか。これは僕らの世代の責任が大きい。旧来の左翼って、やっぱり自己批判ができないんです。自分は正しいという確信の、あまりの強さによって。使命感の裏返しではあるのですが。
日本は産業構造が大きく変化し、少子高齢化も進んで新しい時代を迎えています。私たちはかつてのような「経済成長第一」の考え方自体を見直すべき時期に来ているはずです。いったんは解決したと思われた貧困問題も再び浮上し、中堅の働き手も高齢者も子どもも、それぞれつらい状況を生きている。問題の根がどこにあるのかをよく見極め、具体的な解決策を打ち出していくのが、本来の政治のあるべき姿でしょう。
ところが安倍政権は、目の前に山積している課題を放置しながら、矛盾を糊塗(こと)するかのように外に「敵」をつくり、ナショナリズムをあおっている。「日本を取り戻す」という威勢のいい言葉で目くらましにしようとしている。
残念ながら、社会全体が抵抗力を失っている感じがします。メディアの批判的な言論もすっかり衰退しました。社会はここまで、むざむざと壊れるものなのかと、呆然(ぼうぜん)とすることもあります。
*
<新しい運動模索>
もともと無政府主義に惹(ひ)かれていた僕は、党や組織を絶対化することが諸悪の根源だと考えていましたから、無党派ラジカルの立場からイラク派兵阻止や反安保など様々な社会運動にかかわってきました。ソ連崩壊は抑圧的な社会主義の崩壊であって、広い意味での社会主義思想が再生するためにはプラスだと評価する立場です。
だからこそ、ますます非人間的になっていく状況を人間の理性がいつまでも放っておくとは思わない。批判の理論と実践が人々の間から生まれないはずがない。こういう時代だからこそ、左翼は再登場しなければならないんです。
そんな芽はどこにも見えないじゃないか。一体どこにあるんだと言われれば、確かにそうかもしれない。でも失敗に学び、どうすれば「権力を取らずに社会を変えられるか」という問題意識は生まれています。反権力ではなく、非権力・無権力の立場から新しい言葉、新しいスタイル、新しい社会運動の模索が始まっています。それは、大きな希望です。
いま世界をおおっている現代資本主義は、5世紀かけて形成されてきた強靱(きょうじん)なシステムです。これを批判する思想と運動が、いったん敗北した後によみがえるには、まだまだ時間が必要なのです。
(聞き手・萩一晶)
*
おおたまさくに 43年生まれ。「現代企画室」編集者。南北問題や民族問題を研究。著書に「『拉致』異論」「鏡としての異境」「チェ・ゲバラ プレイバック」など。
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今日もバイトで朝日新聞チェック。
いつもは1週間分がおいてあるのに、2日分しかなかった。でも、そこにいい記事を見つけた。「右翼と左翼」って、今ははやらへんのかなあ。この記事に関しては、すごく分かりやすいと感じたけど。
これを読んでもらって、投票の参考にしてもらえたらいいのになあ。
ついでにネットで「上」も読んでみたけど、蓮池薫さんのが秀逸で、あとは「何を言ってんだか」というものでしたね。
ああ、何とか護憲派が1議席でも増えますように・・・。
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2013年05月21日(火)
いっしょにされたらかなん [時事]

◎京都新聞5月21日朝刊
侮辱されたのは女性だけか
橋下発言 失言以上に重苦しい
コラムニスト 北原みのり
一連の橋下徹大阪市長の発言に、戸惑いと強い怒りを感じている。彼の発言は歴史的認識問題以前の、許してはいけない暴言だ。
「従軍慰安婦は、当時必要だった」
「(米軍司令官に)もっと風俗業を活用してほしいと言った」
「人間、特に男に、性的な欲求を解消する策が必要」
など、橋下氏は電波を通じて、またツイッターで、持論を繰り広げてきた。
発言からは、男性の性欲を満たすため、女性の身体を利用するのは自然、という橋下氏の考えが透けて見える。
さすがに各界からの批判が相次いでいるとはいえ、橋下氏を擁護する声も少なくない。“男とはそういうもの”などとする男性論者もいる。
あらためて思う。橋下氏の発言があらわにしたのは、この国の根深い女性蔑視の現実だ、と。
心から不思議だ。いったい男の性欲とは、政治家が「策を取らねば」というほど、大層なものなのか。他国の軍司令官に「わが国の風俗を利用して」と進言するほど、逼迫した問題なのか。
私は「性欲」や「風俗」を否定しない。ただ長年、性に関する仕事をしてきた者として実感するのは、男性の性欲が、この国では尊重され過ぎている現実、またケアされ過ぎている異様さだ。
例えば性犯罪に関する言説で、その傾向は顕著だ。性犯罪と女性の服装などに因果関係がないことは、さまざまな調査が明らかにしている。にもかかわらず「男性の性欲は抑制不可能であり、男性を刺激する服装、態度を女性が慎むべきである」と被害者の責任に言及する視線は根深い。10年前に「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」という政治家の発言が問題になったが、レイプですら男性の性欲=自然、とする視線があった。
もちろん、性欲そのものは人間の本能であろう。が、その発露の方法は、文化に他ならない。男性の性欲にとことん甘い社会だからこそ、許されてきた発言、行為があることを、橋下氏は自覚するべきだ。
若い女性を対象に高齢出産の危険性を教える「女性手帳」や、3年間の育児休業の提案など、自民党政権になってから、女性たちに求められるものが偏りつつ、重くなっているのを感じる。制度を柔軟に変化させる前に、女性の生き方、考え方を変えさせようとする力が働いているようだ。そういう中での「男の本音」発言は単なる失言以上に、女性に重苦しく響いている。
自由に辞めることが許されず、過酷な性労働を強いられてきた女性たちがいる。その現実を前に「必要だった」と言い放つ男性政治家の暴力に、甘い社会でありたくない。特に男性には厳しくあってほしい。侮辱されているのは、女性だけではないのだ。「男を一枚岩のように語るな」と、同姓として怒ってほしいと、心から願う。
■きたはら・みのり 1970年横浜生まれ。女性向けアダルトグッズ店「ラブピースクラブ」主宰。著書に「毒婦。木嶋佳笛100日裁判傍聴記」「さよなら、韓流」など。
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自民・維新・みんなの言わば「改憲トリオ」のそれぞれのちがいを説明できる人は少ない。全部まとめて自民でもなにも不思議ではない。
しかし橋下氏の従軍慰安婦発言の後、いち早く自民党幹部から「この発言を利用しない手はない」といった内容の発言が連発。橋下氏の発言内容があまりにもひどいものだったので、自民党幹部の発言がすごくまともなものに聞こえてしまった。「橋下維新といっしょにされたら困る」みたいなものなのに。でもよく考えると、前は似たようなことを自民党がゆうとったな。「いまさらなんじゃい」とも思う。
維新との選挙協力を推進していたみんなの党はどうするのかと思ったら、手を切りましたね。「政策以前に基本的な価値観でわだかまりが生じた」と。でもこれも分かりやすく言うと「橋下維新といっしょにされたら困る」ということ。というか、「気持ちわるー」と言っているみたいに聞こえた。でも、そんなみんなの党の参議院議員江口最高顧問は核武装論者のようだしねえ。こちらもかなり気持ち悪い。
3党が右翼系ガチガチトリオであることはまちがいない。ただ今回の橋下発言で、自民・みんなが相対的に維新よりましに見えてきたところが恐ろしい。
そういう意味では、忘れかけられている民主党はもっともっとましなのかも・・・。共産、社民を含め、護憲勢力がもうちょっとふんばってくれたらなあ・・・。
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2013年05月14日(火)
「おばちゃん党」は仕事が早い [時事]
◎毎日新聞5月14日夕刊
橋下・日本維新の会共同代表:「慰安婦必要」発言 女性団体「不見識、世界に問う」 沖縄からも怒り
従軍慰安婦を巡る日本維新の会の橋下徹共同代表の一連の発言に対し、女性市民グループや沖縄の女性団体から反発の声が上がった。
交流サイトのフェイスブック(FB)上で活動する女性市民グループ「全日本おばちゃん党」は「国際社会の評価を問いたい」と発言内容を多言語に翻訳し、世界に広めるプロジェクトを始めた。党員約2500人には研究者や日本在住の外国人、海外在住の日本人も多く、14日正午現在で英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、オランダ語の5カ国語が完成し、ネット上で公開した。
同党代表代行の谷口真由美・大阪国際大准教授(国際人権法)は「戦時中であれば、『猛者集団』のために女性が犠牲になっても仕方がないという感覚は国際社会で通用しない」と批判。「『日本の恥を世界に知らせてどうなる』という意見もあるが、恥ずかしいからこそ、声を上げることが大事だ」と話す。
また、沖縄県女性団体連絡協議会の伊志嶺雅子会長(69)は「風俗店を活用していないから規律が守れず、米兵らの犯罪が起こるという発想にびっくりした」と憤った。
1995年に沖縄で起きた米兵による少女暴行事件では、米太平洋軍司令官が「事件に使ったレンタカー代で女性を手に入れることができたのに」と発言し、辞任に追い込まれた。伊志嶺さんは「今回の発言も同次元の話。橋下さんは軍隊の発想で女性を発散の道具と見なしている。女性に対する人権感覚が全くない」と批判した。【反橋希美、佐藤敬一】
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「おばちゃん党は仕事が早い。」
橋下氏慰安婦発言を早くも5ヶ国語に翻訳し、インターネットで公開とは。
橋下氏は一本筋が通っている(悪いほうに)。
「女は黙っとれ!」
大阪府知事になったときは女性職員に、大阪市長になってからは女性記者や女性学者にねちこくねちこくいちゃもんをつけていた。今まで、よっぽど賢い女性にえらい目にあったのか。賢そうな女性を見つけると、「なんでそこまで」と思うくらいしつこくからむ。こんなに心の狭い人を多くの人が支持するとは、よう分からん。
私の橋下氏批判の記事に匿名で誹謗中傷コメントを入れてくる人は、「女性蔑視のかたまり」の仲間でしたか。なるほど。
全日本おばちゃん党、がんばれ。
入れるもんなら私も入りたいくらい・・・。
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【RUN】
お昼はかなり気温が上がった。しかし、夕方はぐっと涼しくなった。これなら走れる。
今日も1.3+6+2で9.3km。6kmは34分56秒。
最近、同志社小学校の横を走るときはアスファルトではなく東側の土の道を走っている。そこには、根っ子が盛り上がっている箇所がある。5cmほど盛り上がっているだけだと思うのだが、そこに引っかかってしまった。もうちょっとで額面血だらけになりそう。つんのめりになっても手がまったく出なかった。何とかギリギリセーフだった。
しかし、右足の親指をぐねってしまった。かなり痛い。
明日5月15日はあんもちゃんの命日なので、あんもちゃんのふるさと・雲ヶ畑まで走ろうと思っていた。でも、ちょっと無理そう。
うちの二軒西隣のHさんちのゲンちゃん。ずっとシンちゃんというワンちゃんといっしょにいたので、犬を恐がらないらしい。
きくは弱そうなネコちゃんは追いかけるくせに、強そうなネコちゃんは見てみぬふり。だいぶ前にゲンちゃんからネコパンチを入れられた経験がある。
「ゲンちゃん、いつまでも強いネコちゃんでいてねー。」
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【今日のきく】
「へっへっへっへっへー・・・。」
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「誰でも分かる」ってなに? [時事]
◎毎日新聞5月14日朝刊
橋下氏慰安婦発言:記者団との一問一答(要旨)
■13日午前
−−日本の植民地支配と侵略を謝罪した村山首相談話について。
「侵略」に学術上きちんとした定義がないことは安倍首相の言う通りだが、敗戦の結果として侵略だということは受け止めなければいけない。ただ、事実と違うことでわが国が不当に侮辱を受けていることに関しては主張しないといけない。
従軍慰安婦問題も、意に反してそういう職業に就いたということであれば配慮しなければいけないが、なぜ日本だけが取り上げられるのか。慰安婦制度は世界各国の軍が活用した。朝鮮戦争やベトナム戦争でもあった。銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。韓国とかの宣伝の効果でレイプ国家というふうに見られてしまっているのが一番問題だ。
■13日午後
−−従来より踏み込んだ発言だが。
聞かれなかったから言わなかっただけ。当時の状況で(慰安婦制度を)活用していたのは事実。自らの意思でそういう職業に就いた人もいたでしょうし。現代社会だって風俗業が職業としてある。
−−慰安婦の意に反しても必要か。
意に反して慰安婦になったかどうかは別にして、軍の規律維持のために、慰安婦制度は当時は必要だった。
−−今は。
認められない。慰安婦制度じゃなくても、風俗業は必要。普天間飛行場に行った時、「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったら、米海兵隊司令官は凍り付いたように苦笑いして「米軍では禁止している」と。建前論ではだめだ。そういうものを真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはきちんとコントロールできない。
−−活用していないから事件が起きるのか。
活用したから(暴行)事件が収まるという因果関係にあるようなものではない。
−−世界各国が活用したと言うが、どこか。
米軍も活用した。沖縄の占領時代も、日本人女性がそういう商売に携わっていたのは事実。いいか悪いかは別として、あったのは間違いない。なぜ世界で日本が非難されているか国民はもっと知っておかないといけない。軍や政府が国を挙げて慰安婦を暴行脅迫拉致したという証拠が出れば、日本国として反省しないといけないが、今のところはそういう証拠はないと政府が閣議決定している。
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「誰でも分かる」とか「当たり前のこと」という言葉を連発したのは、小泉元首相。その言葉を聞くたびに、「自分とちがった考えがあるということも知らない人が一国の首相なんて・・・」と常々思っていた。
しばらくそこまで極端な政治家は表に出てこなかったが、こんな表現が大好きな人が現れましたね。
「銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。」
ここで言われている「誰でも」とは、いったいどの範囲のことなのだろう。私はその「誰でも」の中にはいない。「あなたといっしょにしないでください」と思っている人は少なからずおられると思う。
大阪は、自分の考えをみんなの考えのようにすり替えるこんな首長を擁護する土壌でもあるのだろうか。「誰でも」と言われて黙っているようでは、本当に「大阪の恥」だと思う。
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