パオパオだより

2009年10月29日(木)

いりえゆかさんのケーキ [私の好きな人]

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10月25日

 月火水と3日間、完全休養。今日、久しぶりに仕事(のジャマ)に復帰。

 いきなり、ヨメさんの怒り爆発! (理由はくわしく書けません。)
 「きく連れて、家帰りー!」の連発。
 「ちゃんとするしー」とあやまっても、無視。ああ、この立場の弱さよ。うちはいつもこうなんです。

 この我が家の上下関係をしっかり把握してくださっているのが、いりえゆかさん。彼女が書いておられるブログ「ラスティックなひとりごと」の「諏訪湖マラソン」の記事の中でも、きっちり「ますみ社長さん」と書いていただいている。

 そのいりえゆかさんが、「諏訪湖マラソン」でお会いした時、手作りケーキをくださった。お礼も言えず気にしていたのだが、ご自身のブログでも味がどうだったかとか気にしておられた。

 この場を借りて・・・。
 「おいしかった!」
 味について、文章で表現するのはむずかしい。しかし、あえて表現すると、このケーキは「プロの味」。
 実は、日曜の夜、熱が38.3℃まで上がり、食べ物が食べられなかった。でも、いりえゆかさんからいただいたケーキがあったことを思い出し、一口食べてみた。
 「おー、これはいける。」
 パクパクパク。けっきょく、ふた切れも食べてしまった。「絶妙に味のバランスの取れたお上品なケーキ」とでも表現すればいいのでしょうか。本当に、いいもんいただきました。

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10月29日

 今日、ケーキの最後の一切れを食べた。
 少しかたくはなっていたが、おいしかった。

 最後の一切れを食べながら考えたこと。

 私といりえゆかさんの似ているところ。
 「ちょっとしたことでも喜べる、(その反面、ちょっとしたことでシュンとする)」
 これはまちがいない。自分で言うのもなんですが、このいい性格(?)は、もって生まれたもの。プラスお育ちのよさ(?)。へへへー、いいたい放題です。
 私といりえゆかさんの一番ちがうところ。
 「負けず嫌いとへらへら」
 もちろん、負けず嫌いがいりえゆかさんで、へらへらが私です。

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 話は変わりますが・・・。

 今日いい写真が撮れた。
 私がきくを撮っているかげ。

 ケーキは、ほんとにほんとにおいしかったです。
 「ペンション・ラスティック」の看板犬・まある君の記事、書いてくださいね。(しつこいですが・・・)

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2009年10月14日(水)

「あしたまた、来るん?」 -兵庫・ゆめさき舎にて- [私の好きな人]

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 「あしたもまた、来るん?」とMI君。
 「えー、そんなんゆってくれるん。」

 「松本さん、あのひと言を聞いて、今日来た甲斐がありましたわ。」
 「あの子らはね、お愛想もお世辞も一切なし、いやな人にはあからさまな拒否反応ですから。」

 そうか、素直によろこんでよかったんやね。

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 今日、かねてから行きたかった「ゆめさき舎」を訪問させてもらった。(「ゆめさき舎」は、「ランナーズ9の会」のまっちゃんが経営されている小規模作業所。今日のブログでは、「松本さん」と書かせていただきます。)
 朝、ちょっとぐずぐずしていたので、到着したのはちょうど12時。

 初めは、すごく緊張した。「いやがられたらどうしよう・・・。」
 でも、最初出入り口に立ったとき、6人全員がこっちを向いてくれていて、ちょっとほっとした。
 そして、中に入れてもらうと「ニコニコ顔」が・・・。

 松本さん、女性スタッフさん、私を含め9人でお昼ごはん。

 「藤井さんのブログに『汁系がないと食べられん』とか書いてあったんで、豚汁作っときました。」と松本さん。すいません。それにしても、すみからすみまでしっかり読んでくれてはるんですね。ありがとうございます。

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 私は、この作業所に通う唯一の女性KOさんと、最年少男性MI君の間にすわらせてもらった。

 私たちは配達お弁当。作業所に来られている方は、まちまちの内容。

 私のとなりのKOさんは、なかなか食がすすまないようだったので、「食べへんにゃったら、もらうでー」と言って取るマネをした。そしたら、いつのまにかたいらげ、今度は私のごはんを取るマネを。「はははははー」と人なつっこい笑顔とともに。(ほおばっていたごはん、飛び出しそうやったし・・・)

 あーよかった。こうやって人のん取るマネしながら食べたら、うまいのなんのって。

 でも、ちょっと悲しい「事件」もあった。

 私が持っていったシュークリームに一番反応してくれていたMI君。食後のお楽しみで出てきたシュークリームを見て、がっくり。
 私が持っていったシュークリームは、普通のとちがっておまんじゅうのような形をしたもの。それを見て、いつも食べているシュークリームとちがってがっくりきてしまったようだ。味はおいしかったんやけどなあ。ごめんなー。

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 今、この作業所では、フェルトのコースターを4枚重ねて袋詰めする作業をされていた。こういった仕事もどんどんへってきているそうだ。

 松本さんは、一人一人の連絡帳に連絡事項を書かれていた。毎日毎日、たいへんです。

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 「写真撮るでー」と言ったら、このポーズ。
 なんやかんや言って、けっこうすましてるやん。

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 午後は、MA君の歯の治療。そして、そのあとは手柄山公園へ。
 私もついていかせてもらった。

 (この写真で、帽子をかぶってにっこりしてくれているのは、SA君。今日、一番私に話しかけてくれた。)

 

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 「口腔保健センター」。
 ここは、障害者歯科診療が週2回ある。

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 MA君と松本さんが治療室に行っている間、私と残り5人は車で待ちぼうけ。
 でも、私たちに気づかれた歯科助手さんがこちらに向かって手を振ってくださった。それも一人ではなく、気がつかれた方がみんな。これはうれしい。(この場面、写真とらせてもらえばよかった。残念。)

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 このあと、みんなで手柄山公園へ。

 ここも私にとってはなつかしい場所。
 以前「市川マラソン」に出張販売に行っていたころ、子どもを連れてここに来たことがある。

 ここで、みんなでサイダーの乾杯。

 せっかくなんで、みんなで記念写真。
 紅一点のKOさんのてれくさそうな表情がかわいい。

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 松本さんと私が交代して、もう一枚。

 もう、KOさんたら。せっかくひっついたのに、下向いてるやん。

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 「さあ、そしたら、そろそろ帰ろうか」と松本さんが言われ、歩き出した時・・・。

 「あしたまた、来るん?」とMI君。

 ありがとね。こんなへんなおっちゃんでも、どっか気に入ってくれたんやね。

 「あしたは来れへんけど、絶対また来るし。」

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 手柄山公園から、何人かのおうちまで送迎。
 その車の中で、だいぶ松本さんとしゃべった。

 一番の話題はMA君。
 MA君は、自傷行為どころか他人に対しても暴力をふるい、いくつもの施設を断られて今「ゆめさき舎」に来ている。
 おうちのほうでは、それはしつけの問題として「しかって制止する」という対応をされていた。しかし、それでは何の変化もなし。
 そこで、松本さんともう一人、大学関係の方がMA君の家庭に入り、彼の行動を徹底的に分析した。
 「注目、感覚、要求、逃避」
 彼の行動は、この4つがそれぞれ単独に出たり、複合されて出たりする。

 この中でも、「注目」に注目。
 調理中のおかずをフライパンごと床に落としたりする。そのとき、絶対にその行動に反応してはならない。何度同じようなことがあっても、絶対に反応してはならない。それが徹底できれば、やがてその行動はなくなっていく。

 そういった徹底的な行動分析を続けた結果、1年半後にようやく他人への暴力がおさまった。
 そのときの松本さんは、「行き場をなくした人は、自分が引き受ける」という意地でMA君のおうちに通い続けておられたそうだ。

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 帰る前に、松本さんから言われた。

 「どう言ったらいいのか、うまく言えませんけど・・・。
 藤井さんのブログを読んでいると、あまりにもふだん私が考えていることと似ていて、不思議で不思議で・・・。」
 「いや、でもね、案外同じ考えの人はたくさんいやはんのかもしれませんよ。それを口に出して言わへんだけで・・・。ボクかって、ブログ書いてへんかったら、どんなこと考えてんのか、まったくわかってもらえへんかったやろうし。」

 「ブログの中の藤井さんしか知りませんけど、僕は藤井さんが大好きです。」
 「ありがとうございます。これからも松本さんにきらわれんように、しっかりブログ書きます。」


※ 今日の記事に関しては、私なりに自主規制して書いたつもりです。ただし、写真だけは撮ったそのままの形で掲載しました。目隠しのような写真は載せたくありません。(それは、かえってご本人に対して失礼だと思っています。)
 どれもみないい写真でしょう。

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2009年10月11日(日)

くーちゃんはますみちゃんの永遠のライバル [私の好きな人]

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くーちゃんちの前で

 210km、2時間10分。

 もちろん、ウルトラマラソンのタイムではありません。
 くーちゃんち(徳島県上板町)から我が家(京都市左京区)までの距離と、運転にかかった時間です。(あー、飛ばした、飛ばした。)
 実は、ついさっき日付が変わるころ、やっと家に着きました。

 くーちゃんは、うちのヨメさんの「永遠のライバル」。

 初めて出会った高校時代は、別々の学校のフェンシングのエースとしてのライバル。
 同じ大学に進んでからは、イケメン男子(?)を取り合う恋のライバル。
 そしてビヨーンととんで現在は、「歳のわりには若くてきれいですね」と言ってもらいたいライバル。
 そして、このライバル関係は今後も果てしなく続く・・・。

 ヨメさんがよく言っていた。
 「くーちゃんはな、私が付き合ってた男をいっつも知らん間に取ってしまうねん。でもそれはくーちゃんが取ったというより、男がなびいてしまうねんなあ。まあ、そういう男やったちゅうだけのことやけどな。」
 とか何とか言いながら、いまだに悔しそうな顔してしゃべっとる。

 そういや、結婚前にヨメさんからくーちゃんを紹介してもらった時は「なんてかわいい」と思ってしもたなあ。ただし、くーちゃんはオーソドックス系のかわいさ、それに対してますみちゃんはマニアック系のかわいさ。かわいさの種類がちがいます。
 元来マニアック系の私が選ぶのは、「もちろん、ますみちゃん!」。(ええのか悪いのか・・・)

 くーちゃんは食べ物に例えると、「綿菓子」。
 甘くてふわふわでおいしくて、でも気がついたらなくなっている。ボトッと下に落としてしまうこともある。雲のような存在かな。

 ついでにうちのヨメさんを食べ物に例えると、「毒キノコ」。
 食べたら死んでしまうかも知れんけど、ついつい手を出してしまう。「まあ、こいつ食うて死んだんやったらしゃーないか」と思えるええおなごです。(のろけー、のろけー)

 今日買った新書版の詩集、もう全部読んでしまったのでくーちゃんにあげたけど読んでくれるかな。「綿菓子」みたいなくーちゃんやから、そのまま置き去りにされてしまうかも・・・。
 くーちゃん、せっかくやし読んでね。たまには詩を読むのもいいと思うよ。

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くーちゃんちの愛犬・エルちゃん

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2009年10月08日(木)

マコちゃん [私の好きな人]

 「ランナーズ9の会」のマコちゃんが、新聞にデカデカと載った。
 京都民報10月4日第8面(裏1面)。

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 前はPDFがうまくいったのに、もうやり方忘れてしまいました。
 京都民報をとっておられない方にもぜひ読んでいただきたかったのに、残念!

 最初のほうの部分。

 高校卒業後、京都の労働基準局(当時)に就職。労働組合に入り、賃金闘争や平和運動に参加しました。時は60年安保。「平和憲法があるのになんで米軍は日本に駐留し続ける?憲法に反するで!」と仲間とともに「安保反対!」と声をあげました。退職後も国民平和大行進など平和活動に取り組んできました。

 真ん中へん。

 「戦後日本でスポーツが発展し、60年以上も国民がスポーツを楽しめるのは戦争をしないと決めた憲法9条があるから。9条を守ろうと訴えているんです」

 最後の部分。

 安保闘争当時に抱いていた「どうして大人たちは戦争を止められなかったんだろう」という疑問が最近ようやく解けたといいます。「政府は国民をうまくだましながら戦争を始めるんですね。今、なし崩しに自衛隊が海外へ送られるなど戦争ができる状況が出来上がりつつあります。戦争を放棄した9条は絶対に守らなあきません。」 
 11月に行われる福知山マラソンで、憲法9条とともに城下町を駆け抜けます。

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 私が、マコちゃんこと藤井眞さんに初めてお会いしたのは、去年11月の福知山マラソン。30km過ぎで、やっと追い抜くことができた。
 そのとき目に焼き付けられた、「ランナーズ9の会」のユニフォーム。私は「9の会」の「9」の意味するところは、すぐピンときた。
 そのときのマコちゃんは本当にかっこよく、またそのユニフォームもすごく似合っていました。それが、私と「ランナーズ9の会」との出会いです。
 その日以来、マコちゃんは、同じ名字である私のことを「弟よ」と呼んでくださる。私も、マコちゃんをランニング界の(と言うより、人生の)アニキだと思っている。

 とにかく、マコちゃんはかっこいい。初めて会った「ランナーズ9の会」の会員さんがマコちゃんでなかったら、私はこの会に入っていなかったかも知れない。
 こんなかっこいい70代になりたいなあ。

※ 「ランナーズ9の会」のかわせみさんが提案されていた「9の日の平和ラン」は、準備不足のため、各自で実行することになりました。私は、明日(10/9)、9km走る予定です。みなさんも走ってみませんか。

※ 今日の「0.1tのひとりごと」、なかなかおもしろいです。ぜひ、私のリンク集から見てください。

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2009年10月06日(火)

まっちゃんに、電話 [私の好きな人]

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 今日、「ランナーズ9の会」のまっちゃんに電話した。
 まっちゃんは、兵庫県で「ゆめさき舎」という障害者作業所の所長をしておられる。私より5歳ほど年下である。

 今月の7日か14日に、その「ゆめさき舎」を訪問させていただく約束をしていた。
 しかし、明日は娘の学校行事が入ってきたので、そのことを連絡せねば。

 でも、どうして私が障害者作業所に?

 話は、一挙に40年前。当時、私は中学生。
 京都で若者の服といえば「長崎屋」(今はもうありません)。私は、高校生の姉に連れていってもらった。店を出たときの姉の言葉。
 「今の店員さん、かたっぽの手、なかったな。」
 「えー、全然気ーつかんかった。」

 そして、今。
 ヨメさんの言葉。
 「こうじさん、今のお客さん、目の見えへん人て分からんと応対してたやろ。」
 「えー、全然気ーつかんかった。」

 私は、こんなやつです。あまりにも注意力散漫。よく言えば、細かいことにこだわらない。

 こんなこともあった。
 出張販売先でのお客様。ヨメさんが応対するがまったく話がかみ合わない。それがあまりにも極端な場合は、ヨメさんはお手上げ。
 そこで、私が登場。何でも楽しんでしまうくせのある私は、そのめちゃくちゃな会話さえ楽しんでしまう。
 「あの応対ぶりだけは、負けるなー」と、ヨメさんに言われたことがある。 

 また、こんなこともあった。
 伴走者付きの全盲ランナー。
 「写真撮らせてもらいました。私のブログに載せさせてもらいます。」
 「ありがとうございます。見ておきます。」
 うん? 
 「見ておきます」って、どうゆうこと?

 障害(障がい、しょうがい)のある方は、奥が深い。
 ということで、以前から障害のある方に関心はあった。しかし、今やただのスポーツ用品店のオッサンである私には、そんな施設との接点がない。
 
 そんな時、「ランナーズ9の会」のまっちゃんと出会った。ご迷惑でなければ、訪問させていただこう。
 まっちゃんとは知り合ってまだ日が浅いのに、これも私のブログのおかげか、私には好印象をもってくださっていたようだ。まっちゃんは、こんな私の申し出をすんなりと受け入れてくださった。
 ということで、こういう展開になった。

 以前まっちゃんに送っていただいた「ゆめさき舎」のお便りの中に、気になった一文があった。
 「自傷行為の激しい入所者がおられる。なにもできなくてもいい。その自傷行為を見つけていただけるだけでもいいから、手助けしてほしい。」
 そっかー。そういう入所者もいて、自傷行為を見つけるだけでも役に立つんやー。

 できるだけ長い時間、「ゆめさき舎」にいんとあかんね。

 お昼のお弁当も予約してもらったし、10月14日が楽しみ。


◎京都新聞・7月7日朝刊

「壁を破る 障害者と映像表現(中) 
          参加と改革   “良い人"美化しない番組模索」

 NHKの福祉番組「きらっといきる」(大阪放送局制作)。チーフプロデューサーの嘉悦登(当時)は、何か引っ掛かるものを感じていた。番組は週1回、前向きに生きる障害者を紹介する。担当して3年がたっていた。
 「感動した」「勇気をもらった」という手紙やメールが数多く届く回がある。たが、大半は健常者から。それも、障害のある子どもが努力して困難を克服するといった「ちょっと美談的な感じの時」に集中した。
 昨年6月、嘉悦の抱く違和感の正体を言い当てるような手紙が匿名で届いた。
 「出演する障害者のレベル、ハードルが高い。この番組は理想にすぎない」。そう書かれていた。

          △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 「障害者からの反響が少ないのは、番組が“きれいごとを描いている"と思われているからでは」
 そう思った嘉悦は2ヶ月後、特別編「これがほんまのありのまま!? 『きらっと』改革委員会」を放送する。過去に出演した障害者ら5人をスタジオに招き、番組について自由に語ってもらった。
 「きれいに作ることはやめませんか」「ありのままを出してもいいんじゃないか」。描き方への違和感を述べる意見が相次いだ。
 番組では実験も行った。ある脳性まひの青年に3日間密着してカメラを回した。制作側の狙いに合わせる従来の編集をやめ、時系列で並べた映像を放映した。
 ヘルパーに助けてもらいながら暮らす様子や症状に加え、仕事の手を抜く、しかられてやけ酒を飲む・・・。これまでならカットしたであろう部分も伝えた。
 反響は大きく、賛否さまざまな意見が寄せられた。
 「目からうろこ。『ああ、一緒なんだ』って初めて思えた」「がっかりした。この番組から勇気をもらってきたのに」
 特別編は二ヶ月ごとに続いた。番組は今、▽失敗ばかりでもええやん!と、いろいろな“きらっと"を見つける▽どんな制度を使っているのか、主人公の活動の“舞台裏"も紹介する▽主人公が「きらっとしたいが難しい」と感じている社会の仕組みも放送し、変えようと呼びかけるーと新しい方針(要約)を掲げる。
 「テレビでは、健常者が共感しやすい“良い人"に障害者を描こうという文脈が1980年代からあった。障害者を撮るのは常に健常者。番組を作るメディアの側に障害者がいないために、この流れが変わらなかった」(嘉悦)

          △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 嘉悦は今年6月、異動で「きらっと生きる」の担当から離れた。番組では 今、アルコール依存症など重いテーマも扱う。今月17日には、知的障害者たちがトレーニングジムの運営を任された話を放送する。なかなか独り立ちできない様子、進まない会議も時間をかけて撮った。担当したディレクターは全身の筋力に障害があり、車いすで生活する若手だ。
 障害者に力を与えるという番組の根幹は変えない。だが、「改革」以後、大きく変わった点が一つある。反響の9割が障害者からになった。番組への意見だけでなく、自分のことをつづったものが増えている。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 この記事には、うなった。
 何でもかんでも、「美化」は変。
 だらしない人間が普通にいるように、だらしない障害者がいても何の不思議もない。
 いろいろなことが、普通に見られるようになれば一番いいと思う。

※「壁を破る 障害者と映像表現」は、今年7月6日より3回にわたって連載された。

 (上) 脱モザイク  「記号化」拒否、素顔をさらす
   岡山の精神科クリニックを撮ったドキュメンタリー映画「精神」を取り上げた記事。私はこれを読んで、映画「精神」を見に行こうと思った。

 (中) 参加と改革  “良い人"美化しない番組模索
   上に紹介したとおり。

 (下) 殺人犯役   制約なく演じる自由 求めて
   身体障害者が連続殺人犯を演じた映画「おそいひと」を取り上げたもの。
 主演は、脳性まひの重度障害者である住田雅清さん。住田さんが寄せた一文。
 <障害者というだけで、過激な表現が暗黙の了解のもとに制約されてきた日本映画界において、障害者が常軌を逸した人物として登場するこの映画は、強いメッセージ性を持ち、且つすぐれた作品だと誇りを持って言えます。困難なことかもしれませんが、障害者が自分たちの文化を取り戻す作業が必要だと思います>

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2009年08月17日(月)

真柴先生、43年ぶり! [私の好きな人]

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 昨日、私のふるさと花背別所町で「別所小学校・花背第一中学校閉校式」があった。
 私が小3小4のとき、低学年の担任をされていた真柴みよ子先生。自分たちの先生でもないのに、きれいでかわいい真柴先生をみんな大好きだった。

 3年前、母校の閉校が決まったとき、思い切って電話をしてみた。長崎のお寺のご住職の奥様になっておられた真柴先生は、40年前とまったく変わりなかった。お話させていただくだけで、元気が出てくるような若々しいお声だった。

 それからは何回もお手紙を書かせてもらったり、先生からは「お寺だより」を送っていただいたり。最近は、うちの子どものことで相談にのってもらったり・・・。

 そして、昨日。はるばる長崎から、ご主人の運転で京都の山奥まで来てくださった。(仲良し夫婦ですね。)

 43年ぶりにお会いした真柴先生は・・・。
 「まあ、なんてきれいでかわいい!」
 私以外の人も、みんな口をそろえたようにそう言っていた。

 閉校式実行委員長・藤井宗明さんは、私の3歳下。小学校に入学して初めての担任が、真柴みよ子先生だった。
 「あのころは特になんとも思わんかったけど、今改めて会ったら、ほんまにきれいな人やなあ。別所にいやはったときの写真見たら、めちゃくちゃかわいいやん。」
 「そうやろー。」(このへんのませ具合の差が、小4と小1のちがいですかねえ。) 

 「真柴先生が来てくれはったんは、ボクの力もちょっとだけあんねんで。」
 実際はどうか分からんけど、みんなにはそう自慢しておいた。

 「真柴先生、あそこにすわってんのがうちの娘です。わがままな子で困ってます。」
 先生は、「あら」というような顔をしてうちの子を見ておられた。

 閉校式が終わって家に帰ってから、私のカメラの写真をチェックしていた真樹が言った。
 「あっ、この人としゃべった。パオパオ、この人だれ?」
 「パオパオが大好きやった先生や。担任じゃなかったんやけどな。」

 真柴先生は、わざわざ真樹のところまで来て声をかけてくださったようだ。電話でいろいろと相談にのってもらっていたので、ほっておくことができなかったのだろう。なんて言っていいか・・・。言葉がありません。

 担任でもなかった子に、ずっと慕われ続ける先生。そして、その先生はその子の家族のことにまで気を配ってくださる。
 そんな先生がいっぱいになったら、きっといい学校ができるのに。

 真柴先生は、決して、ただ「きれいでかわいい先生」ではなかった。多くの人の心に深く残っていたのには、それだけの理由があるとつくづく思った。

 真柴先生、よく来てくださいました。ありがとうございます。また今度、先生に喜んでもらえそうなこと考えますね。

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