2010年04月20日(火)
第5回天女の羽衣伝説ウルトラマラソン70km・詳報 [ランニング]
朝4時起き。「日帰りウルトラ」は、つらいぞー。
家を4時20分に出、受付会場の余呉湖荘に着いたのはちょうど2時間後の6時20分。
途中の寒暖計は4℃だった。空は快晴だったので、お昼は気温が上がるのだろうか。
この大会は、要項を「京都キャロット・産大前店」に持ってきていただいて初めて知った。バイトさんが受け取ったので、どんな方が主催されているのかわからなかったが、こじんまりした大会であることはわかった。
本来はレース後の懇親会にも重点を置かれている大会なので当日宿泊が原則だが、私は翌日「宍粟市さつきマラソン」に出張販売だったので特別に日帰り参加にしてもらった。
とにかく、わざわざ要項を持ってきてくださった大会に「表敬参加」(なんて言葉、あるんでしょうか)したかった。
「70km」と言えば、100kmの練習に最適な距離であるように思う。それも、1周7kmの余呉湖を10周するコースなので、自分なりのペースが組み立てやすい。いざとなったら、途中でやめるという選択もできる。
私は、前の週に15kmをフラフラになって走ったばかりなので心配もあった。相変わらず左腰は慢性的に痛いし、右腰のぎっくり腰も心配だし、股関節もくしゃみしただけでビリビリ。でも、走りのリズムさえつかめたら、ある程度は行けそうな気がする。
スタート前にいただいた参加者名簿を見ると、51名の申込み。
氏名・年齢・性別・所属クラブ・住所(市・郡名まで)・参加回数・自己PR・主催者より、という欄があった。
私の自己PR「100kmウルトラの練習として70kmはピッタリですね。翌日仕事のため、夜おつきあいできません。すいません。」
主催者より「次回は泊まりでご家族で、そして出店もしてくださいね!」
それは、ちょっと・・・。
初参加は、私を含め18名。5回連続が5名、4回目の方も5名。リピーターが多いということは、それだけを見てもいい大会だと思われる。
ウルトラとしては珍しく、20代3名、30代15名も参加。この大会に関しては、私は平均より上かも。
6時40分、選手集合。
注意事項連絡をされていたのは、大会実行委員長の松波一弘さん。
特別ルールは特になし。
エイドにマイカップを用意することと、周回チェック表に自分で記入することくらいでしょうか。
制限時間10時間、9時間20分で次周回突入打ち切り。妥当なところですね。時速7kmを下回ったら、歩いているのとそう変わりませんから。
大会会長の南部功さんと記念撮影。
参加申し込みの前にお電話させてもらった時、ていねいな受け答えをしてくださって、それで出てみようと思った。たしか、うちのヨメさんと同い年。想像していたよりイケメンさんでした。
7時ちょうど、いよいよスタート。
100kmウルトラはたいてい真っ暗な中のスタートだが、こんな明るい桜の木の元をスタートできるなんて!
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【1周目】 0〜7km
目標は、とにかく完走。
制限10時間ということは、キロ8分半ペース。ここははやる気持ちを抑えて、キロ7分ペース、1周50分くらいでいけたら理想やねー。
しかし、スタート直後に雨。空は一面厚い雨雲。
「さぶっ! ついさっきまで晴れてたのに・・・」
途中距離表示がないので、自分がどれくらいのペースで走っているのかわからない。でも、キロ7分ということはない。冷えた体を温めるため、ややオーバーペース気味であることはまちがいない。
スタートしてしばらくは余呉湖の東側を走る。ここらあたりは民家がまったくない。
余呉湖の北側は平地が広がっており、民家やお店、田畑もたくさんあった。
県道に沿うようにJR北陸本線が走っている。
「天女の衣掛柳」(中間点)を過ぎたあたりで日がさしてきた。太陽が照り続けていると、かなり暑く感じる。
余呉湖の西側には古くからあるようなおうちが多い。でも、そのわりにはワンちゃんの姿はほとんど見なかった。ワンちゃんの少ない地域なんかしらん。
余呉湖荘の手前1.5kmくらいのところは道幅が狭い。大型車が来たらたいへんと思っていたが、ほとんど車は通らなかった。
1周7km、39分55秒。
「ゲゲッ! 寒いからって飛ばしてしもたー。こら、キロ6分も切っとるがなー。これではもたん。もうちょい、ゆっくり!」
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【2周目】 7〜14km
余呉湖は1周6.8km。
7kmの距離合わせのために、余呉湖荘の駐車場を200m分はみ出て走る。
はみ出た部分から下りて来たところがエイド。
ここで、自分で周回チェック。自分の欄に、周回ごとに鉛筆で○をつける。
奥の山には雪がかぶっている。
伊吹山だと勘違いしていたが、伊吹は朝来るとき通り過ぎてきた。あの位置だと、福井県の山でしょうか。
見事な「天女の衣掛柳」。
終盤頭がボーとしてきたら、ここに天女が見えるにちがいない。
余呉といえば、西日本最高の積雪地。
この北の地区では、「積雪4mで陸の孤島状態」というのがよくニュースになっていた。
この除雪車前が、このコース唯一の上り坂。
2周14km、1時間22分31秒(42分35秒)。
「かなりゆっくり行ったつもりやのに、それでもキロ6分ペースか。今んとこどっこも痛ないし、無理してペース落とさんでもええか。」
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【3周目】 14〜21km
やんでいた雨がまた降り出す。それに、プラス風。
これは完全な冬型の天気です。たぶん、この先も晴れと雨のくり返しでしょう。
3周21km、2時間06分44秒(44分13秒)。
「走りのリズムがつかめてきた。しばらくこのペースを続けられそう。」
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【4周目】 21〜28km
そろそろ、エイドでゆっくり休憩を。
出ました!「巻き寿司ふうおにぎり」。味は3種類。
ハーフ分(21km)を走り終わったタイミングで出てくるとは、「やるなあ」。もちろん3種類ともいただきました。私はシソのおにぎりが一番おいしかったです。
そろそろ同じ景色にあきてきたころ・・・、「さる!」
余呉湖の東側、民家のまったくないところ。このちょっとさきには、5、6頭の群れがいた。
4周28km、2時間52分22秒(45分38秒)。
「エイドで休憩したわりには、いいペース。想定していたよりちょっと速いけどこのリズムが壊れないように続けていこう。」
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【5周目】 28〜35km
エイドは充実しています。
わずか50人規模の参加者のために、ここまでやっていただけたらゆうことなしです。ありがとうございます。
どこかが主催でウォークラリーもやっておられた。今年は桜の咲き加減がバッチリ。
トップを走り続けておられた「15番さん」。
だいたい私の1.5倍のスピード(キロ4分ちょいペース)で突っ走っておられた。
5周35km、3時間37分42秒(45分19秒)。
「おー、ちょうど半分まで来たでー。3時間37分とは思ってもみんかったなー。後半の崩れを最小限に食い止めんとなー。」
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【6周目】 35〜42km
視覚障害ランナーの男性も出場されていた。
伴走で付いておられた方が、まあかっこいい女性ランナーで・・・。
お花見より釣りの方がたくさん来られていた。
中には腰の辺りまでどっぷり浸かっている釣り人も・・・。
6周42km、4時間25分19秒(47分37秒)。
「フルに近い距離を、4時間25分とはね。フル4時間半を切るのにフーフーゆうとった時もあったのに。こんな楽に走れることもあんにゃーなー。そやし、走るのっておもしろい。」
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【7周目】 42〜49km
ここでは、熱いお味噌汁。
気温は、たぶん10℃くらいのはず。温かいものがいただけるのは、ほんとうにありがたい。
7周目の2km地点(スタートより44km)で、最終周の赤タスキランナーに抜かれる。ずっとトップだった「15番さん」ではなく「32番さん」だった。トップ入れ替えです。
それにしても1周7kmのコースで3周も抜かれるとは・・・。
7周49km、5時間16分31秒(51分12秒)。
「さすがにフルの距離を過ぎるとガクッとくる。これはしゃーない。それでも、これでキロ7分ペースやから、これ以上落ちんようにがんばろう。」
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【8周目】 49〜56km
私が8周目に入ろうというところ、ゴールして味噌汁を飲みながらくつろいでいる「32番さん」を発見。
「5時間切りました?」
「5時間1分17秒です。」
「わー、惜しかった。でも、すごい!」
せっかくなんで、元気な若者といっしょに記念撮影。
地元滋賀の岡田一樹さん、30歳。5年連続出場の常連さんでした。
上の写真の谷水を周回するごとに飲ませてもらった。私にとっての力水。
8周56km、6時間10分36秒(54分04秒)。
「まあまあ踏ん張ってるな。あと2周14km、できるだけ歩かんように・・・」
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【9周目】 56〜63km
「さあ行こう!」とイスから立ち上がろうとしたら、前に進めない。
「出たな、ゲシュタルト崩壊!」
今まで普通にやってきたことが急に出来なくなることを「ゲシュタルト崩壊」という。ずっと昔の話だが、松野明美選手が「走り方がわからなくなった」と行って引退してしまったが、それがこれ。
私は、この時点で腰が曲げられないことに気づいた。走り初めから左腰が痛く、途中から右も痛くなってきていた。こういうときは、そうろりそうろり頭を前に傾けてっと。ちょこちょこちょこちょこ・・・。ああ、なんとかちょびっと前に進めた。
ここらからガクンときてしまった。
風が一段と強くなり、体感温度はかなり低い。お昼には気温が上るだろうし、途中でランシャツランパンに着替えようと思っていたがその必要なし。他のランナーを見てみても、上着をはおって走っている人がほとんどだった。
9周目の「天女の衣掛柳」。
いましたわー、天女さん。
なぜか手に一眼レフカメラを持っておられましたが・・・。いや、あの美女は天女にちがいない。
「すんませーん、シャッター押してもらえませんか」とお願いしたが、天女さんの写真も撮らせてもらったらよかった。
いったいあの天女さんは、どこの天女さんやったんやろう。
この「天女との遭遇」で、ほぼ歩きペースにまで落ち込んでいたのが、ちょっとだけ回復。ゲンキンなもんです。
上のおまんじゅうみたいな写真、何かわかります?
これね、でっかいネコちゃんです。
湖岸の広い駐車場で、中年のご夫婦にぴったり引っ付いて歩いていたもんやから、てっきり飼い猫やと思ってました。ところがその後夫婦とは無関係やったようで。ただの人好きなネコちゃんやったみたい。
9周63km、7時間16分12秒(1時間05分35秒)。
「ついに1周1時間超えてもたなー。余呉湖が広がってるように感じる。あー・・・」
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【10周目】 63〜70km
もうすわったら立てへん。ここはたったまま食べもんを補給・・・と思ったけど、胃液逆流で気持ち悪いったらありゃしない。もう、体が何も受け付けません。この感覚、久しぶりやなあ。
もう、全然走れましぇーん。
歩いて歩いて・・・。赤タスキに何人も抜かれてしまった。
「天女の衣掛柳」の向こうに見えるのぼり坂。
最初はへーみたいに思っていたが、これが終盤には「きくー」。
残り2kmくらいになって、やっとぼちぼち走りができるようになった。
下の写真は、私がこのコース上で一番好きな場所。
「枝のトンネル」。(ここを走った人にしかわからない。)
10周70km、8時間30分06秒(1時間13分04秒)。
「最後の1周はキロ10分超えかー。歩いてしもたらこんなもん。
でも、最後の最後に走ってゴールできたのは気持ちよかったなあ。
今後の課題は、『胃を強くして、終盤もしっかり食べられるようにすること』かな。」
「お急ぎじゃなかったら、ばんごはんごいっしょにいかがですか」と南部さんに誘ってもらった。すごくうれしくて、お受けしたかったのだが、なんせゲロゲーロ寸前。なごり惜しかったが、会場を後にすることにした。
その時ちょうど制限時刻の午後5時。ごあいさつに行くと、ゴールなどの撤収をしておられた。参加者全員が制限時間内にゴールしたようだ。
わずか50人ほどの参加者のために至れり尽くせりの対応。実行委員の皆様、本当にありがとうございました。参加賞の「小鮎・エビ豆のつくだに」も、自慢しておられただけあって、すごくおいしかったです。
できることなら来年も出たいです。来年は、「70kmを歩かず全部走る」を目標に!
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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