2015年10月12日(月)
第33回京都鴨川ゆっくりラン [ランニング]
◎私のアピール
みなさん、おはようございます。ランニング用品専門店・京都キャロットの藤井です。この大会に何度も参加させていただいて、ブログに大会の様子をレポートしていますので、ご存知の方も多いかと思います。今日は店の宣伝ではなくて、みなさんに聞いていただきいことがありまして、太田実行委員長にお願いして3分だけお時間をいただきました。
みなさんは、フルマラソン完走能力があるのに東京マラソンや京都マラソンの抽選にも参加させてもらえないランナーが存在することをご存知でしょうか。それは、東京の下山利博さんという車イスのランナーです。
下山さんは現在47歳なのですが、29歳のときに追突事故に会われ、それ以来車イス生活を送っておられます。私と知り合ったのは7年前、金沢中央走ろう会主催の「マラソンに挑戦する会」のレース中です。そのとき下山さんは、競技用ではなく日常生活用の車イスでフルマラソンに挑戦されていました。この年は車イスのタイヤがパンクしてしまい、残念ながらリタイヤでした。しかし、翌年から3年連続で4時間40分前後で完走されています。
そのときに下山さんに「競技用の車イスを使おうとは思われないんですか」と聞いたことがあります。すると下山さんは「私は競技者ではなく市民ランナーですから、日常生活に使っているふつうの車イスでフルマラソンに出たいんです」ということでした。下山さんは「ふつう」にこだわっておられるようで、決してぜいたくせず、その大会にも東京から金沢まで夜行バスで来られ夜行バスで帰るという徹底振りでした。
その実績を作った後、東京マラソンなどのシティフルマラソンへの出場を交渉されたのですが、ふつうの車イスではマラソン大会に応募すらできないんです。。『他のランナーとの接触があると危険だから』というのが主な理由です。
私はこの大会で下山さんと知り合って、全国のシティフルマラソン大会にふつうの車イスで出場できないか問い合わせてみました。すると、すべての大会で不可でした。私の地元の「京都マラソン」も第1回大会から交渉し続けていますが、門前払いという状態が続いています。それでもあきらめずに、今後も大会への働きかけをしていくつもりです。
下山さんはその後胃がんになられ、マラソンもされていなかったのですが、今年の3月の「かつしかふれあいランフェスタ」のハーフで復活されました。この大会も車イスは1kmの部のみ参加が認められていたのですが、ガードランナーを2名つけ、スタートを10分遅らせるという条件で特別にハーフへの参加が実現しました。何でもかんでも頭ごなしにダメと決め付けるのではなく、どうすれば参加が可能かを検討していただけた大会があり、少しだけこの先の希望がわいてきました。
私も、下山さんの夢であるシティフルマラソン完走実現を目指してがんばって行こうと思っています。今日は、「かつしかハーフ」のときの写真をのぼりにしたものを持ってきました。今日は10kmを走ったあと、こののぼりを持って少しだけアピールランをさせてもらおうと思っています。みなさんのじゃまにならないように走らさせてもらいます。どうか応援よろしくお願いします。
去年の体育の日以来の「京都鴨川ゆっくりラン」。
4月10月12月の3回のうち、毎年この10月が一番参加者が多いらしい。今年も大盛況。
ヨメさんと大きなブルーシートに荷物を置きに行くと、「藤井さん!」と呼びかける人あり。
「ああ・・・。」
私の大好きなちひろさんじゃないですか。と言っても、今は新婚さんです。
「今日ね、開会式のときにスピーチさしてもらうんです」と言って、スピーチ原稿を見てもらった。
「視覚障害者のマラソン参加も、最初は全然相手にしてもらえなかったようですよ」とちひろさん。
そのあと、ダンナさんから今までのいきさつなどをくわしくお聞きした。
「粘り強く働きかけて、何年もかけてやっと出場を認められたということです。」
大勢のみなさんの前でうまく話せるか心配だったのだが、朝一番にちひろさんご夫妻とお話ができてよかった。
指名していただいた後、壇上へ。
協力委員の水戸さんのお孫さんのかほちゃんを秘書に指名。のぼり持ちをしてもらった。
まあまあ落ち着いてお話できたんじゃないでしょうか。
昨日の夜、太田実行委員長に電話。急な提案をさせてもらったのに快諾。太田さん、ありがとうございました。手伝ってくれたかほちゃんもありがとう。
さて、参加者のみなさんにどこまで私の思いが届いたでしょうか。
今日は、あーちゃん(真樹の中学時代の同級生)とあーちゃんのお母さんも来てくださった。あーちゃんのお母さんは、今日がマラソンデビュー戦。3km(実測約3.2km)をうちのヨメさんとゆっくり走るらしい。
10時、3km以外のランナーが一斉スタート。
私とあーちゃんもここ。
水戸さんの「10、9、8、・・・」という口でスタート。
私はいつも通りスタートダッシュ。腰痛も関係なし。
気がつけば3番目くらいを走っていた。
南折り返しには、いつも通り塚本さん。
いつもいつもご苦労さんです。
ちひろさんご夫妻。
楽しそうに走ってられて、いい感じ。
常連・梅田さん。
もうすぐ80歳だそうです。
いつもお世話になっています。
京都走ろう会の岩田さん。
スタート地点に戻って約3.2km、14分17秒。
「いや、かわいいワンちゃん。写真撮らせてください。お名前は?」
「ココアです。」
京都走ろう会の中島さん。
休みにくいお仕事とお聞きしていましたが、今日はだいじょうぶだったようですね。
太田実行委員長が巡回視察。
責任ある立場の方はゆっくりしてられませんなあ。
ランニング会の錦戸亮こと中村智明さんが快調な走り。
昨日の「あざいお市マラソン」は、ちょっと残念な結果だったそうです。
北折り返しは約6.5km、29分50秒(15分32秒)。
「あっ、あーちゃん!」
いい笑顔。
楽しく走れている感じ。またおっちゃんといっしょに、大会で入賞ねらおうぜ。
またまた、太田さん。
「今日はありがとうな。」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました。」
中島徹・寛子さんご夫妻。
いっつも笑顔で、なんかこちらまでうれしくなってしまいます。
もう一回、ちひろさんご夫妻。
もう一回、岩田さん。
岩田さんにはいつも写真をお願いしているので、これはお返し。
私の10kmゴールは、44分43秒(14分53秒)。
実測は9.7kmなので、10km46分くらい。腰痛の割にはがんばりました。
ゴールしてしばらくすると、南からヨメさんらが。
「ダウンジョグしてんの?」と聞くと、「今ゴールやわ」とのこと。
二人とも余裕たっぷりのゴール。
正確なタイムは分からないが、私らより20分ほど遅くスタートしたので25分くらい。3.2kmを3km換算で24分弱ですかね。
私は3分ほど休けいしたあと、アピールののぼりを持って2周目へ。
南行きはよかったが、上流に向かったとたんに川側から強風。これはこたえた。
それでも多くの方が声をかけてくださって、それがはげみになった。また、私のこのブログを呼んでくださっている方が多いようで、何人もの方から「腰はだいじょうぶですか」と声をかけていただいた。ああ、ありがたい。
つらくなったら、「下山さんはもっともっとつらいことを乗り越えてきてはる」と思いながらがんばった。
のぼりを持って走っているものだから、鴨川に散歩に来られている方からも声をかけてもらった。短時間でうまく説明できたかどうか分からないが、何もしないよりはましでしょう。粘り強く、ね。
しんどいときに、帰路につくあーちゃんとあーちゃんのお母さんに遭遇。
写真撮ってもらいました。
2周目はちょうど1時間。
足がつりそうになるくらいだったが、1時間で走れたら上等です。
いつもはゴールしても何もいただかないのに、今日は腹ペコ。バナナ2切れと梅干2つをいただいた。
「ありがとうございました、帰ります」と、協力委員の矢瀧さんにごあいさつ。
「えー、もう終わりですか。」
「もう無理、ヘロヘロで走れません。」
今日は10+10で20km。ヘロヘロになったけど、久しぶりにしっかり走った感じがした。大会関係者のみなさん、どうもありがとうございました。またよろしくお願いします。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 4 )
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コメント
下山さん、コメントありがとうございます。
絶対に実現しましょう、ふつうの車イスでのシティフルマラソン出場。そして下山さんの横に私が付いていられたら・・・。その場面を想像するだけでワクワクします。
「かつしかふれあいRUNフェスタ」、前回大会のときよりタイム縮めましょうね。風が吹かなかったらいいんですが。
下山さんこそ、「風邪ひくなよ!」
パオパオさん
お久しぶりです。下山の記事を読みました。
本当に感謝の思いでいっぱいです。
アピールしていただき、胸をはって元気よく走ろうと勢いをいたたきました。
金沢マラソン、本当に出たかったです。懐かしいあの町並みを走りたかったです。
車イスランナーも共に走れるシティマラソン実現は、きっと数年のうちだと信じて益々元気に活躍しようと決意しました。
ちょっと寒くなりました。風邪などひかれませんように!
かつしかふれあいRUNフェスタのハーフマラソンに、事務局と調整すみで、エントリーしました。
来年も頑張ります!!!
千尋さん、コメントありがとうございます。
朝一番に、思いもかけずお目にかかれてうれしかったです。そのとき千尋さんご夫婦に対してアピールスピーチの予行演習のようなことができて、気持ちが落ち着きました。本番もあがることもなく、まずまずいいお話ができたと思います。
ただし、マイクの声があまり届いてなかったとか。それが残念でした。でも、少しでもみなさんの心の隅に引っかかっていてくれればうれしいです。
あのあと、昼ごはん用に御薗橋の「なか卯」で肉うどんを買って帰りました。何気なく鴨川を見てみると、千尋さんご夫婦が下流に向かって元気に走って行かれるところが見えました。
千尋さんが何回も言ってられた「粘り強く」という言葉を、いつまでも忘れずにがんばっていこうと思います。また、アドバイスよろしくお願いします。ダンナ様にもよろしくお伝えください。
藤井さん
賀茂川ゆっくりラン、お疲れさまでした。
写真を載せていただいて、ありがとうございます。
下山さんの話を聞かせてもらい、
普通に走りたいのに走れない現実があることを
初めて知りました。
視覚障碍者の場合も、
粘り強い働きかけの末、やっと大会参加を許可されるようになったという話もいくつも聞いています。
下山さんのような車椅子ランナーの方も
普通に大会に参加できる環境になることを
私も願っています。