パオパオだより

2011年06月23日(木)

沖縄をおもう日 [沖縄]

◎毎日新聞6月23日夕刊

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沖縄全戦没者追悼式で「平和の詩」を朗読する嘉味田朝香さん=沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で2011年6月23日午後0時35分、和田大典撮影

沖縄:「忘れない限り平和は続く」 13歳が詩朗読

 23日の沖縄全戦没者追悼式で、沖縄県浦添市の仲西中2年の嘉味田朝香(かみだ・ともか)さん(13)が、自作の詩「幸せの一枚」を朗読した。沖縄戦を風化させず、悲劇を繰り返させないとの思いを込めた。

 「私の祖母が持つ一枚の写真 何年も経(た)つけれど 忘れられない笑顔 忘れられない言葉」

 小学3年の時に学校の宿題で、祖母(85)に沖縄戦の体験を尋ねた。祖母は何も言わず、1枚の写真を嘉味田さんに見せた。

 「古びた写真に写る 子どもたち 満面の笑顔の男の子 勝気そうな女の子」

 祖母は小学校の元教員。写真の二十数人の子どもたちは、祖母の教え子たちだった。

 「みんなどうなったの?」

 嘉味田さんの問いに、祖母は長い沈黙の後で答えた。

 「どうして戦争なんかするのかねー 戦争さえなかったら みんな幸せだったのに……」

 つらそうな祖母の言葉と表情に触れ、嘉味田さんは、一見幸せそうにみえる写真に、祖母の悲しみが込められているのを知った。

 「大人になるその日を夢みていたはずだ その笑顔を 幸せを 奪った戦争を 私は許さない 絶対に許せない」

 戦後66年がたった今も、沖縄には多くの米軍基地がある。「戦争が終わったのに、なぜこんな広い基地が残っているのか」という疑問がある。しかし、一方で米軍普天間飛行場に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが新たに配備されるとのニュースも報じられる。日本は平和に見えても、世界のどこかで「戦争が続いている」との思いも募っていく。

 「私たちが忘れない限り 平和は続くだろう だからこそ 忘れてはいけない この地には たくさんの笑顔が たくさんの夢が 眠っていることを」

 世界から戦争がなくなった時に、子どもたちが笑う祖母の写真が、本当の意味で「幸せの一枚」になると信じている。【井本義親】
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「幸せの一枚」全文

 沖縄県主催の「沖縄全戦没者追悼式」で、浦添市仲西中学2年の嘉味田朝香さん(13)が朗読した詩「幸せの一枚」の全文は以下の通り。

私の祖母が持つ一枚の写真
何年も経つけれど
忘れられない笑顔
忘れられない言葉

小学生の頃
先生がだした宿題
家族から戦争の話を聞いてくること
急いででかけた
祖母の家

祖母は何も言わず
棚の奥から
一枚の写真を
取り出した

古びた写真に写る
子どもたち
満面の笑顔の男の子
勝気そうな女の子
おとなしそうにはにかむ笑顔
豪快に口をあけた笑顔
たくさんの笑顔
一人一人の目は
未来を見つめ
キラキラ輝いている

「この人だぁれ?」
真ん中に写る女性を指さし
祖母に尋ねる
祖母は寂しそうに笑い
「わたし」
一言だけ答えた

一人一人の顔を
愛おしそうに
懐かしそうに
指でなぞるように
眺めながら
時が止まる

「この子たちは?」
ふたたび祖母に尋ねる私
「おばあちゃんの生徒たち」
「大切な大切な生徒達」
「みんなどうなったの?」

祖母は答えなかった
ずっと黙ったままだった
幼い私にも
祖母の深い悲しみが
深い苦しみが
痛いほど伝わった

長い沈黙のあと
祖母は
「どうして戦争なんかするのかねー
戦争さえなかったら
みんな幸せだったのに…」

私はもう一度写真を見た
みんな笑っている
幸せそうに笑っている
愛する家族がいたはずだ
たくさんの夢があったはずだ
大人になるその日を夢みていたはずだ
その笑顔を 幸せを
奪った戦争を
私は許さない
絶対に許せない

祖母は多くを語らない
私はあれ以来
あの写真を見てはいない
祖母の家に眠る一枚の写真
それにこめられた祖母の思い
もう何年も経つけれど
忘れない
私はずっと忘れない

私たちが忘れない限り
平和は続くだろう
だからこそ
忘れてはいけない
この地には
たくさんの笑顔が
たくさんの夢が
眠っていることを
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 昨日の夜、久しぶりに沖縄の智さんから電話があった。
 「明日のことを思い出してもらおうと思って・・・。」
 「ああー、23日。沖縄慰霊の日ですね。」

 確かに、忘れてはいないが特別覚えていたわけでもない。
 5年前、初めてお話させてもらった滋賀沖縄県人会の高間悦子さんから「沖縄差別」という言葉を聞いたときはショックだった。日本の米軍基地の75%を沖縄に押し付けておいて、それをなんとも思わず放置しているだけでも沖縄を差別していると言っていい。
 
 1945年の6月23日は、激しい地上戦となった沖縄戦で、旧日本軍の組織的戦闘が終結したといわれる日。沖縄では、この日を「慰霊の日」として休日にしている。

 沖縄だけじゃなく、日本全体の休日にしたらどうでしょう。「沖縄をおもう日」でいいと思います。沖縄が抱えている問題をみんなで真剣に考えたら、今の日本の抱えている問題が次々と浮かび上って来るでしょう。沖縄から学べることは山ほどあります。
 休日が多すぎるというなら、「昭和の日」はもういいです。「沖縄」の中に「昭和」も十分含まれていますよね。

 6月23日を日本全体の休日とし、せめて一年に一度だけでも沖縄のことを真剣におもう・・・ということがあっていいと思います。

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 今日、真樹の高校で演劇鑑賞があった。
 その題は「修学旅行」。

 俺は何のために沖縄に来たんだぁっ!
 「あの時代」の記憶と、「この時代」の現実が重なり合う島・沖縄で、ちっちゃな(しかし当人たちには重大な)バトルが繰り広げられる!?
 あなたと私が分かり合うことと、世界平和はカンケーない!・・・か? 

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 今日のこの日に、「沖縄をおもう」演劇鑑賞を設定してくださった高校の先生方には心から感謝します。子どもたちの心の片隅に、何か引っかかってくれたらうれしいですね。

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