パオパオだより

2011年01月06日(木)

とよぞのおっさん [家族]

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うちの家紋「角立て井筒に剣かたばみ」

 今日は、豊三叔父さんのお通夜だった。
 豊三叔父さんは私の父の弟。父の4歳下なので85歳だった。

 昨日、いなかの倉庫の前の雪かきをしている時、兄から電話があった。
 「とよぞのおっさんが、1月3日に亡くならはったんやわ。」
 「えー!」
 前から具合はよくないとは聞いていたが、まさか・・・。

 小さいときから「豊三叔父さん」とは呼んだことはない。ずうっと、「とよぞのおっさん」。
 私の父は、(息子の私が言うのも変かもしれないが)とても山奥の農家の長男とは思えない気品がある。そして、次男・豊三さんはそれにさらに輪をかけたような上品さがあった。そして、すごく物知りでもあった。(ついでに言うと、男前でかっこよかった。)父も叔父さんも高等小学校しか出ていないはずだが、人間の品格と学歴とは関係ないといういい見本だ。

 豊三叔父さんについては、若いころ東京で働いていたこと、そこで知り合った人と結婚したことくらいしか知らなかった。お母さんが関東の人なので、4人の子どもはみんな京都弁と関東弁のチャンポンだ。

 その叔父さんが、戦時中満蒙開拓団に入っており戦後シベリアに抑留されていたというのを知ったのは去年。もうそのときは、叔父さんとは話ができない状態になっていた。
 「シベリア抑留」の補償が話題になっていた時、自分にはまったく関係のない話だと思っていた。こんな身近にその対象者がいたというのに・・・。
 戦争体験の話は、やはり自分と少しでも関係のある人から聞いたほうが心に残る。その体験を話せる人がどんどん少なくなっている。
 今日、父と豊三叔父さんのいとこ「ひろしのおっさん」とちょっと話ができた。ひろしのおっさんは豊三さんの1つ下の84歳。
 「おっさんは戦争中どうしてはったんですか」と聞くと、「東京の海軍兵舎で働いとった」とのこと。そのあと時間がなくて話が広がらなかったが、まだまだ元気そうなのでまた話を聞きに行こう。

 ◇ ◇ ◇

 今まで、お通夜といえばお焼香だけして帰るというものだった。でも、今日はちがう。喪主が豊三さんの息子で、男兄弟はなし。いとこで男は私と兄だけなので、兄が受付、私が立礼役をすることになった。
 喪主の横に立って、お焼香に来ていただいた人に礼をする役目だった。初めてのことなので緊張したが、半分近くは知り合いだったので心配することもなかった。
 それよりビビったのは、お焼香。なんと、私は喪主の次。
 「えっ、私はナンバー2あつかい?」

 お焼香のあと、ご住職様から「通夜 お別れ説教」があった。戒名についての説明、叔父さんの経歴、残された者の心の持ち方などについて話してくださった。これは本当によかった。みなさんもそうおっしゃっていた。
 「今のうちにボクが死んだ時の分の原稿書いとこう。ええことばっかり書いて、お坊さんにゆうてもらおう。」・・・ややヒンシュク。

 ◇ ◇ ◇

 叔父さんの長女は私と同い年。
 小さいときは同い年ということで、ちょっとライバル心もあった。私も当時はいなかでは「かしこ」でとおっていた。でも、豊三叔父さんの長女も「かしこ」という評判だった。そして対面して思った。都会のかしこはいなかのかしこの3倍くらい賢そう。
 「負けましたー。」

 私の祖母のお葬式に会って以来なので、たぶん43年ぶり。弟や妹たちはさっぱり見分けられなかったが、長女・Rちゃんの賢そうな風貌に変りはなかった。
 「お久しぶり、元気にしてる?」
 「うーん、元気というかなんというか・・・。こうちゃん、顔変ったね。」
 「そうか? 若く見えるってことかな・・・。」

 「お通夜の席で、遺族に何ゆうとんねん」って感じでした。(あとで思ったんやけど、「顔かわったね」はボクがアホっぽくなったっていう意味やったんかなあ。)

 とよぞのおっさん、こんなお気楽な甥ですが、天国からあたたかく見守ってくださいね。

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