2010年10月18日(月)
第16回四万十川ウルトラマラソン・続き [ランニング]
「すいませーん。あのー、フェンシングをやってられた方ですよね。」
ヨメさんの高校のフェンシング部の先輩が、この大会に出ているはずと聞かされていた。それで、京都から参加の選手が見つけられないか注意しながら走っていた。
この大会のナンバーカードは、ナンバーの下に大きく都道府県名が書いてある。これは助かる。
60km過ぎ、追いついた「京都府」のナンバカード。よく見ると、今度は小さな文字でお名前が・・・。「大坪○○」、まちがいない。
「はい。えーと、藤井さんですよね。」
「そうです。ヨメさんからお世話になったと聞いてます。」
ここから「カヌー館」まで、いろいろな話をしながら並走。私が一番聞きたかったのは、ヨメさんの高校時代の悪事の数々。しかし残念ながら、そのあたりの話は聞き出せなかった。
ヨメさんと、「何で先輩は高知の端である大会やのに何回も参加してはんにゃろう」と言っていたのだが、そのわけが分かった。奥様の実家が、この大会の地元中の地元・西土佐村(現在は、四万十市西土佐)。さらに聞いて驚いたのは、奥様のお父様が大工さんで、その時私たち二人の目前に迫っていた「カヌー館」を建てられたというのだ。それなら毎年来られるのもよく分かる。
「今まで一度も関門収容されたことはないんですけど、今回はダメです」と大坪さん。
「そんなんまだ分かりませんて。最後まであきらめんと走りましょ。」
一つだけ大坪さんにあやまらなあかんことがある。
今まで一度もリタイアされていないと聞いて、「フルはどれくらいで?」と聞いたとき、「速い時でサブ4です」と答えられた。その時思わず「そんな遅いんですかー」と言ってしまった。なんと失礼な!
フルまでのタイムがそんなに速くなくても、そのまま100km走れる人が本当にウルトラの適性がある人と言える。見習わなあかん人でした。
大坪さんといっしょに入った第3関門62.1kmの「カヌー館」。
ここも見かけは30分の貯金だが、実質12分。あまりゆっくり休んでいられない。
ここで待っておられた大坪さんの奥様にお願いして記念写真。
大坪さんの奥様は、美しさとかわいらしさを兼ね備えた魅力的な方でした。まあ、うちのヨメさんとええ勝負です。(ヨイショっと。)
5本指ソックスをはき替えたあと、またエイドでおにぎりをパクリ。本当にゼファー750さんの教え通り、初めから食べておいたら後半も気持ちよく食べることができる。ウエストバッグに入れてきたゼリー系の食糧も、ここまでで全部食べつくしていた。こんなことは初めて。
「最初から食べる」というこの教えは、もしまたウルトラに出ることがあったら守っていこう。
ただし、途中で抜けた差し歯を元の場所に戻していたことを忘れていた。歯がないと、肝心なときに歯を食いしばれない。(私が今までウルトラを完走できないのは、食いしばるべき歯が欠損しているのが原因かもしれない。)
今度はおにぎりごと変な噛み方をしたので、「バキッ!」
わずかに残っていた土台の歯がポロポロに。あーあ。
でも、そんなことにかまっているヒマはない。抜けた差し歯をまたポケットに入れ、再スタート。
このトランペッターさんは、去年もここで応援してくださっていた。
このあたりは応援の少ない区間なので、ほんとに心強く思います。ありがとうございました。
去年、ちょっと余裕をかましすぎてしまった沈下橋。その時は、この先の関門に引っかかるとは思ってもみなかった。
今年は、関門規制時刻をきっちりメモしてきたのでだいじょうぶ。
大会役員さんらしき方にお願いして写真を撮っていただいた。
「平和・憲法九条」のミニのぼりが光っています。
橋を渡ると、オカリナ奏者。心なごむ音色です。
確か、去年はこの場所ではなかったような・・・。
70km、9時間54分。
平均ペースでは、ここは9時間48分で通過しなければいけないところ。かなりペースが落ちてきているが、71.5kmの関門は甘くしてあるのでたいじょうぶ。ただ、その先の79.8kmの関門が危なくなってきた。
「おー、立命(立命館大学)の旗! 私も立命の卒業生です。」
それより、ワンちゃんの写真やね。
でも、柴犬は飼い主さん以外には愛想なしです。
橋を渡れば71.5kmの関門。
去年は2分足らずでアウト。今年は2分余しでセーフ。
関門ギリギリまで待ってみたが、大坪さんは追いついては来られなかった。残念!
さあてここから次の関門までの8.3kmを、1時間ちょいで行かねばならない。キロ8分ペースをキープしないと・・・。
ここから先は去年到達できなかったところ。
ギター演奏での応援、ありがとうございます。
だんだんと、明らかにキロ8分ペースをオーバーするペースに落ち込んでいく。
ただし、ゼファー750さんの教え通り食べ物の補給をこまめにしているので、割と意識ははっきりしている。歩きたいとも思わない。自分ではしっかり走っているつもりだったが、歩いている人に次々と抜かれる。
「なんじゃー、こりゃー。」
ちょっと退屈しかけた時、目を覚ましてくれる美人ダンサーさんが。
「写真撮らせてください。ブログに載せたいんでー」と言うと、喜んでポーズをとってくださった。ありがとうございます。
ここらあたりから、再びキロ8分ペース復活。
あーん、わき道にかわいいワンちゃん見つけてしもたー。これ、かまわんでどうする。
「かわいいワンちゃんですね。お名前は?」
「ラム。」
「いやー、ラムちゃんかいな。女の子やね。お歳は?」
「歳? 歳はなんぼじゃろうね。」
へへへー、歳がすぐ出てこんワンちゃんは、たいてい雑種です。めっちゃ、かわいいー。
小学生が作ってくれた看板が設置されていたので、大会役員さんにお願いして写真を撮っていただいた。
次の関門制限時間まで、あと3分か。うーん。
それでも強制収容されるまでは、一歩でも前に進むぞー。
結局、78.3kmあたりでお迎えの車に。
その先の79.8kmの関門から、バスでゴール地点へ。
ここからバスに乗った人はすごく少なかった。
この大会は完走率が8割とか。きっちり練習されてきたランナーには完走しやすいコースだと言えるのだろう。
今回は左足の痛みも何とかおさえ、食べ物も小きざみにとり、歩きたくなってしまうということもなかった。でも、自分の思っていた速さはキープできなかった。やっぱり、前半でもうちょっとたくさん貯金を作っておかなくてはならないのだろうか。悩みは尽きないですね。
今回ウルトラ初使用の「NB・MR967R」は思っていた以上によかった。私のように足の痛みが出ないかと不安を持っているものには、最適であったように思う。
ただ、「シューズ全体が光る」という特徴を夕闇の中で確認したかったなあ。まだ明るいうちにバスに収容されてしまったし・・・。
ゴールに戻ると、12時間少しのランナーが次々とゴールされていた。ああ、うらやまし。
荷物を取りに行くと、「キャロットさん」と声をかけてくださる方が。長崎の宮園さんでした。「京都キャロット」の通販のお客様です。
阿蘇ウルトラが中止になったので、急きょこちらを申し込まれたらしい。軽々11時間台で完走のようです。
うらやましい。
荷物を持って帰ろうとしたら、スタート直後かなり長くいっしょだった仮装ランナーさんにバッタリ。なんと、こちらも11時間台で完走。強い!
またまた、うらやましい。
かっこよかった蛍光色のゲイターをパチリ。
「私のブログで宣伝しときます。」
きようは素泊まりの予約なので、会場から車で5分ほどのところにあるスーパー銭湯へ。名前がよろしい、「平和の湯」。
おふろから上がって、ラーメンとミニ親子丼。いつものように気持ち悪くもならず、ぺロリと食べられた。
あーあ、楽しかった3大ウルトラ(サロマ、丹後、四万十)が終わってしもたね。69→87→78か。(というより、参加費だけでも3つで45000円か・・・。)あーあ。
これからどうしたらいいんやろう。ゆっくり考えることにしよう。(しみじみ・・・)
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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