2010年10月17日(日)
第16回四万十川ウルトラマラソン [ランニング]
※前回「丹後ウルトラ」は結果報告をじらしましたが、それは何の意味もない。
「四万十川ウルトラ」は、およそ78.3km地点で強制収容でした。
ぼちぼち記事を書いていきますので(どんどん増えていきますので)、また見てくださいね。
3時起床。
私が泊まった窪川から四万十市までは約50km。
前の晩に作っていただいたおにぎりをほおばりながらの運転。3個のうち2個は運転しながら食べることができた。
四万十市からはバスでスタート地点の蕨岡中学校へ。残りの1個のおにぎりも、その蕨岡中学校についてから食べきった。
今日の最大のテーマは、走友・ゼファー750さんからの教え「食べたくなくても初めから積極的に食べる」を実践すること。いつもより大きめのウェストパックに、ゼリー系の食糧を入れられるだけ入れた。(ちと重い。)
そろそろスタート地点に向かおうかというとき、「藤井さん」と呼ぶ声が。「丹後」でもお会いした土井さん。
土井さんは過去5回申し込んでみなはずれ。今年やっと選ばれたそうだ。そう思うと、私は2回申し込んで連続当選なので運があるほうなのかもしれない。はずれた人のためにも、あきらめずにできるだけ進まなければ・・・。
ただし、気になるのは左足。2週間前は50mも走れなかった。
「あいおわ治療院」さんに詰めて通ったので痛みは和らいできたが、いまだにこわくて走れない。5日間まったく走らずに本番を迎えたが、これがどっちに出るか。
最後尾に陣取っていたら、今年もまた「みかた」の久保井さんがギリギリになって駆けつけた。どう見ても目がしょぼしょぼ。「また、二日酔いのスタートかいな・・・」と思ったが、どうもそれだけが理由ではなかったようだ。
「藤井さん、ウルトラの途中で眠たくなったことない?」
「ボクはあんまりないですけど、それってよう聞きますね。」
「こないだの『村岡』で眠り病になってしもて、途中で1時間半も寝てしもたわ。」
「えー、それで完走できたんですか。」
「それは問題なかったんやけど・・・。」
久保井さんは、去年の「村岡」では携帯電話に仕事の依頼が入り途中抜けをしたというし、ほんまわけわからんオッサンです。(私と同い年。)
久保井さんとしゃべっていると、横から「こんにちは」とあいさつしてくださる方あり。去年もこの「四万十」の記事に登場していただいた原さん。おきれいな八田さんという方との2ショット。お二人とも、「京都キャロット」のお得意様です。
さあ、そろそろスタートかというとき・・・。
「あれ、みんな両足にチップつけてるやん。これって片方だけでいいんとちゃうの?」と久保井さん。
「いや、他の大会は片っぽだけですけど、なんやさっきから『両足につけてください』って放送してましたで。」
「あー、えらいことや。一応持っては来たんやけどな。今からつけよう。」
ピストルの音は聞こえなかったが、前にいたかたまりが遠ざかっていく。
「藤井さん、ええから先行って。」
人のことをかまえる余裕もなく、もちろん私は久保井さんを見捨ててスタート。(と言っても、最後尾ですが。)
今年は100kmの部に3000人ちょいの応募があったそうだ。出場枠は1500人ちょい。競争率2倍です。
スタート地点までバスでの選手の送迎があるので、ここらが限界か。でも、100kmにこだわらず、ゴール地点からスタートしたらあかんのかな。バスで10分ちょっとやったから、10kmほどとちがうんかな。いっそ「四万十川110kmウルトラマラソン」にしたら、定員増やせるのに。
レースに出るとき、いつもウェアで悩む。それは暑さ寒さで着用するものを悩むのではない。
今持っているランシャツランパンは、「京都キャロット」の黄色と、「ランナーズ9の会」の青。店の宣伝が重要な時は「京都キャロット」、そうでもないときは「ランナーズ9の会」と使い分けている。
今回は店の出店もしていないので、「ランナーズ9の会」のユニフォームで出ようかとも思った。でも、この大会の参加費や旅費などはすべてヨメさんがかせいだお金から出ている。それならせめて店の宣伝をせんとね。今回は、「京都キャロット」の赤いTシャツで出ることにした。
その代わり、多少とも平和のアピールもしたい。「ランナーズ9の会」には、大きなのぼりを持って100kmを走る人もおられる。私にはとても無理なのでネットで調べてみた。
ありました!
「関西共同印刷所」の憲法グッズ。
ちっちゃいのぼりをウエストパックにはさみ、憲法9条シールをTシャツに貼り、頭には憲法9条手ぬぐいを・・・。これなら私でもできる。(ちっちゃなアピール!) ここで、トップの写真へ↑
あたりが薄明るくなったころ、かわいいワンちゃん発見。
たぶん、2ひきともかわいい雑種。
ここのコースは、いなかのわりにワンちゃんが少ない。そういう意味でも今年はラッキー!
給水所があるところで、用意してきたゼリー系をいっしょにガブリ。今まで食糧を持ち歩いたことはなかったが、食べようと思えば食べられるものだ。
蛍光色のゲイターをつけているランナー発見。
「あっ、すいません。そのゲイター、すごく目立ちますよねー。」
「よくぞ聞いてくれました。」
「ちょっと見たことないような・・・。」
「そうでしょう。僕の友だちが輸入の仕事をしていて、外国から仕入れたものなんです。蛍光ピンクとか全部で15色くらいあって、値段も日本製と変らないんですよ。」
どうせ身に着けるのなら、あんな目立つ色がいいなあ。
10km、1時間12分。
キロ7分ちょっと。とりあえず、理想的なペース。
左足は痛み出しているが、普通の痛み。激痛とまではいっていない。そうろりと走ったら、まだまだ行けそう。
コース沿いのおうちから「ワンワン」とほえ声。
「こら、写真撮らんなん。」
ちょっと道をそれると、かわいいかわいいワンちゃんが。これは、私らを応援してくれてるんやね。
「あっ、『9条の会』の人や。9条ゆうても九条ねぎとちゃうで。憲法9条やで」とプロペラさん。
「あっ、そうそう。スポーツ店の雑用係さんや。ねえ」とオレンジTシャツさん。
「お二人とも『つう』ですなあ。『9条の会』とか『雑用係』とか、なかなか言えませんでー。」
「あっ、『京都キャロット』というと・・・。」
「はい、ランニング用品店です。」
「あっ、やっぱり。僕も京都からの参加なんです。」
「もう何回も出てはるんですか。」
「いえ、去年初めてで。ウルトラ自体が初めてだったんですけど・・・。」
「ひょっとして、それで完走?」
「ええ、ぎりぎりですけど・・・。」
「すごいですやん。」
「81kmに、すごい私設エイドがあるでしょう。」
「いや、私もここは去年初めて出たんですけど、そこまで行けてませんねん。」
「ビール出ますよ。カニとかもありますよ。」
「えー、そらええこと聞いた。今年はどんなことしても81kmまで行かなあきませんね。」
しばらく話をしながら並走してくださったのは、佐山さんという方でした。走る意欲のわく情報をありがとうございました。「ビールは苦手だが、カニは食いたい!」このあと、この思いがだいぶ私の推進力になりました。
20km、2時間30分。
この10km、1時間18分。ずっと上りであった割には健闘。
「最初の堂ヶ森の上りが・・・」と言われる方が多いようだが、私はこの上りは大好き。
さあ、やっと来ました。おにぎりがある最初のエイド。
ゼファー750さんの教えどおり、それほど食べたいという感じでもなかったが1個いただく。
このとき事件が・・・。
なんか歯がおかしいと思ったら、おにぎりをかんだ拍子に差し歯がポロリ。「あー、こういう恐れがあったんや。」すっかり忘れていた。ああ、こんな大事な時に・・・。
取れた差し歯はトランクスのポケットに。いつもならランパンだったので、今日はトランクス型パンツにしといてよかった。
差し歯抜け記念の1枚。大会カメラマンらしき方にお願いして撮っていただいた。
21kmのエイドを少し上ったところから、今度は下り。
スピードアップするかと思えば意外に遅い。
給水所を手伝ってくれていた小学生。
「名前、教えて」と言ったら、ちっちゃな声で「○○たくひろ。」
ありがとね、たくひろ君。おっちゃんはな、ちっちゃい子が応援してくれたらほんまにうれしいねん。
おー、川向いの田んぼから大声の応援。うれしいっス。
30km、3時間48分。
この10km1時間18分ということは、下りばっかりやったのに上りばっかりと同じタイム。
どういうこっちゃ!
やはり、下りのほうが足への負担は大きい。
調子に乗って飛ばしてしまわないように、道端の花などもゆっくり観察しながら走らなくてはいけない。
小さくてかわいい女の子のハイタッチの応援。
「写真、撮らせてね」と言ったらはにかんでしまった。
お母さんに娘さんのお名前をお聞きすると、「かこです」とのこと。ありがとね。その応援がどんなにうれしいことか・・・。
「わかものー、写真撮るでー」と言ったら、このポーズ。
ここではバナナをいただいた。
エイドの近くにすわっておられたおばちゃんが、私が腰につけている「平和・憲法九条」のミニのぼりを見て一声。「平和の使者、がんばれー。」
「ありがとうございます。最後の最後まで走り続けまーす。」
この橋を渡ると大通り。しばらく単調なコースになる。
道路の反対側にかわいいワンちゃん発見。わざわざ横断して見に行った。
「いやま、バナナ食べてはりますやん! うちのは、バナナは食べませんけど・・・。」
「今、知り合いのランナーが通ってやってくれたんですよ。だから食べてるんやと思います。」
「ハチ・なんとメス・1歳」でした。
四万十川沿いにしばらく走るとトンネル。
トンネル内は1車線をコース専用にしてくださっていた。これだと恐怖感なく走ることができる。
40km、ちょうど5時間。
この10kmは1時間12分。
ほんとうに理想的なペースで進んでいる。
この先の大きなエイドで、またおにぎりをパクリ。
全然普通に食べられた。今までの大会で食べたくなかったのは何でやろ? よう分からん。
エイドを手伝ってくれている中学生が、私のミニのぼりに気付いてくれた。
「平和・・・、憲法九条・・・」と小さな声で読んでくれた男の子。
「守って行こな!」と私。
この思い、伝わったかな。
写真ばっかり撮っていて、タッチをするのを忘れてしまった。これはもったいない。
四万十川を見下ろすと、渡し船が見えた。
風情がありますなあ。時間があれば乗ってみたいなあ。
道路わきの石の階段の上にかわいいネコちゃん。カメラを向けても逃げない。
こんな一瞬の間にネコちゃんを見つけられるということは、私もまだまだ余裕があるといえる。
50km、6時間26分。
この10kmは1時間26分もかかっちゃったね。日差しがきつくなってきたのが一番の原因かな。でも、まだ34分の貯金があるのだからうれしい。
沈下橋では、プロのカメラマンさんが写真を撮ってくださっていた。
「きれいに撮れてたら、買います!」
「あっ、お願いします。」
この先は第二の上り坂。去年はここでだいぶ歩いてしまった。今年は歩くまいと思い、自分では走っているつもりだったが、明らかに歩いている人に抜かれていく。「くっそー。」
去年もここから同じ写真を撮った。これぞ、「四万十の清流」。
去年はこの辺からヨメさんに電話した。
京都を出るとき「今年も電話していい?」と聞いてみたが、「アンタの遊びの相手をしてるヒマはない!」とキッパリ。しょうがないので真樹にメール。真樹は、3時ごろ、冬休みのバイトの面接に行く。
「面接、しっかりね! 今、55キロをこえました。足は棒。でも、まだまだ走ります。」
峠を越え下りに入ったところで声をかけられた。
大会でよくお会いする大阪の福原さん。少し弱りつつある私を追い抜き、快調に下って行かれた。
第2関門55.6km地点到着。
これだと38分の貯金に見えますが、平均ペースから計算すると実際は18分くらい。もうおしりに火が・・・。
またもや、広くて真っすぐな単調なコース。
しかし、給水所から元気な声が聞こえてきた。「がんばってくださーい!」
「ありがとうね。高くてよく通るいい声やわ。その声で、ほんまに元気が出てくるわ。ここ単調なコースであきてくるから、しっかり声かけてね。たのむわ。」
60km、8時間11分。
この10kmは1時間45分かー。貯金は13分まで減ってしもた。
でも、まだまだあきらめへんでー。
(注)後半に続く。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
みったんさん、コメントありがとうございます。
「四万十」は、応援が温かく自然が豊か過ぎるコースです。最後の20kmは走れてないので分かりませんが、それまでは人家のほとんどない田舎のコースです。ちょっと、あきると言えばあきるかも・・・。
関東からの遠征は大変かもしれませんが、ぜひ一度出てください。(競争率2倍です。)
足の痛みのほうは、どういうわけかだいじょうぶでした。今日も特に痛むところもなく、やっぱり力が出し切れてないような感じです。
休養も十分過ぎるほど休養して、また○○さんに怒られています。
もう自分にはウルトラの適性がないのではないかと思う今日この頃。いろいろなことを考え直す時期であることはまちがいないです。
パオパオさん、四万十川ウルトラ、大変お疲れ様でした。写真から、応援も温かく自然豊かなコースのようですね。いつかチャレンジが報われますように…それにしても、足の痛みは大丈夫でしょうか?しっかり休養してくださいね。