パオパオだより

2017年02月06日(月)

モラトリアム [病院]

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 今日は、鞍馬口医療センターで経過観察。
 一週間前に採決してもらった血液検査の結果をお聞きする。

 名前を呼ばれて診察室に入ると、またもやいやーな間。ああ分かりやすい。血液検査の結果がよくなかったんですね。

 「サイロブログリンの値が少し上がってきています。」
     ◇     ◇     ◇

◎サイログロブリン Thyroglobulin (隈病院ホームページより)

■サイログロブリンとは
•血中に分泌される甲状腺ホルモン(T4=サイロキシン)の直前の物質のことです。
•甲状腺組織の中で合成され大量に貯蔵されています。
•正常の状態では血液中にはわずかにしか出てきません。
甲状腺に病気が出現した時に血液のサイログロブリン値が高い値を示します。
•その値は血液中の濃度で表現されます(正常値46ng/ml以下)。

サイログロブリンは甲状腺の血液検査でしばしば測定されるもので、Tgと記されています。
血中サイログロブリン値は、
•甲状腺の腫瘍がサイログロブリンを産生する時
•甲状腺を刺激する物質で甲状腺が刺激された時
•甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊された時

に高い値を示します。甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌などの甲状腺の腫瘍マーカーとして使用されることがありますが、良性の甲状腺腫瘍、やバセドウ病、慢性甲状腺炎などでも値が高くなり、必ずしもがんの存在を示すものではありません。

甲状腺乳頭癌や甲状腺濾胞癌になった方は、甲状腺全摘術の後に腫瘍マーカーとしてサイログロブリンの測定を行います。もし低下していた血中サイログロブリン値が高くなった時は、頸部のリンパ節の再発、遠隔臓器への転移、たとえば肺転移や骨転移などが考えられます。

サイログロブリンの値が高いだけでは、甲状腺癌の確定診断はできません。血液のサイログロブリン値では甲状腺腫瘍の良性悪性の鑑別は不可能です。良性悪性の鑑別には超音波検査、細胞診などを行います。


■サイログロブリンの特殊な使い方

・大きく腫れた頚部のリンパ節が、甲状腺癌由来であるのかを診断します。注射針でそのリンパ節の組織を採取し、食塩水で稀釈してサイログロブリンの値を測定します。サイログロブリン値が高い時は甲状腺癌由来と診断できます。

・甲状腺から遠く離れた組織(たとえば肋骨や腰の骨)が腫大した時、甲状腺癌由来のものかどうかを診断します。その組織の中にサイログロブリンが存在するかをプレパラートの上で染色し、顕微鏡で観察して、サイログロブリンが陽性であれば甲状腺癌の転移と診断されます。
     ◇     ◇     ◇

 私のサイロブログリン値は、8月22日-197.2、12月5日-33.2、1月30日-46.8。(基準範囲は33.7以下としている医療機関が多い。)12月初めには正常値に戻っていたのに、その値が再び上がっているということは癌細胞が増殖しつつあるということ。

 「決して安心できる状態ではありません。今後の治療をどうされて行くかは決められましたか。」
 「それがねえ、癌と言われても手術後の喉元に違和感があるだけで、それ以外は以前と何も変わらないので・・・。」
 「そういうものですよ。奥様は何かおっしゃっていないんですか。」
 「特になんにも。」
 「えー! なにも! それなら藤井さんが自分で決めるしかないじゃないですか。」
 「たしかにそうなんですけど・・・。」
 「ほかの病院で一度話を聞かれるのもいいと思いますよ。」
 「私の友だちに兵庫県の方がいて、『神戸に甲状腺専門病院があるので、一度診てもらったら』って言ってくれてるんですよ。」
 「はい、隈病院ですね。ちょっと遠いけど、一度行ってみられますか。それはそれでいいと思いますよ。」

 この話に出てきた「兵庫の友だち」は、実は友だちでもなんでもなく、このブログにコメントを入れてくださった方。まさかこのブログがこんなところで役に立つとは、思ってもみませんでした。

 ということで、鞍馬口医療センター耳鼻咽喉科の?医師に紹介状を書いてもらい、神戸の隈病院に行くことになった。もうちょっと先の話だけれど。

 ああ、モラトリアムモラトリアム。
 癌治療に「猶予」などあるんでしょうかねえ。
 さて・・・。
     ◇     ◇     ◇

◎当病院での甲状腺疾患に対する治療方法(隈病院ホームページより)

■甲状腺癌の遠隔転移の病変に対する放射線性ヨウ素内用療法(アイソトープ療法)

肺、骨などに甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)が遠隔転移を起こすことがあります。この時に行うのが放射性ヨウ素による放射線性ヨウ素内用療法(アイソトープ療法)です。

甲状腺の細胞は、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素という元素を細胞内にとりこむ性質をもっています。甲状腺癌の細胞も、甲状腺の細胞と同じようにヨウ素元素を取り込む性質を有している場合があり、その性質を利用して遠隔転移(多いのは肺や骨)を起こしている癌に対して行う治療です。

このヨウ素元素には、放射性同位元素(アイソトープ)といって放射線を放出する種類のものがあります。甲状腺を全部摘出した後に、この放射性ヨウ素を投与すると、転移をおこしている癌細胞がヨウ素元素を取り込む性質があれば、シンチグラフィーで検出されますし、放射性ヨウ素を大量に使用することによって癌細胞を破壊することが期待できます。遠隔転移を起こしている病巣を外科的に切除できるのであれば、それが優先されますが、切除不可能な病変、多発性の転移などの時には有効な治療と考えられます。


•放射線を使用しますが、アイソトープ(131I)のカプセルを服用するだけです。
•体外から放射線を当てる外照射ではありません。体の内部から放射線を当てるので内照射と言います。
•甲状腺全摘術をすでに済ませていることが前提です。
→甲状腺組織が残っていると、服用したアイソトープは正常の甲状腺組織に全て入ってしまい、癌の組織には入らないからです。
•甲状腺ホルモン剤の補充をいったん中断してからカプセルを服用します。
→甲状腺の癌細胞はヨウ素を取り込む力が弱いので、脳下垂体のホルモンであるTSHを増加させる必要があるからです。
大量のTSHが存在するとアイソトープが癌細胞の内に取り込まれやすくなります。
•内服したアイソトープ(131I)が転移の部位(肺、骨など)に取り込まれると、131Iから放出されるベータ線が、その組織を破壊します。アイソトープが取り込まれる可能性は高齢者の癌より若年者の癌が高いようです。
•アイソトープの副作用はほとんどありません。
•この治療にはアイソトープ使用の許可を得たアイソトープ病棟のある特別の施設が必要です。当院ではこの施設を完備しています。
 

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【RUN】

 夕方6時すぎから、ひとっ走り。
 いつもの十王堂橋往復5km。

 なぜか分からないが、今日はすごく軽快に走ることができた。いつもこんなんやったらええのになあ。
 5分29、5分26、5分27、5分14、5分12で26分49秒。

 2月11日の「出雲くにびきマラソン」は10kmに申し込んでいたのだが、私一人で出店ということになったのでDNS。今は体調がいいのに、こういう理由で出られないのは無念。
 翌日12日が「武庫川ロード記録会」なので、走りに行きましょうかねえ。でも、出雲からの帰りの雪道がねえ・・・、どうなるか。

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【今日のきく】

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 今日も「京都キャロット」終了の7時に、ヨメさんときくをお迎え。
 私の車が店の前の駐車場の到着すると、きくは大喜び。

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 「はよかえろー、はよかえろー。」
 入口前でのアピールがきつい。(ピンボケです。)

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 「もうちょっと待ってな」と言うと、かしこー待ってるきくちゃんでした。

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2016年12月12日(月)

甲状腺低分化癌、経過観察 [病院]

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 42日ぶりの診察。
 今日は1週間前に採血してもらった血液検査の結果を聞くことと、甲状腺の超音波検査。この先の治療方針を決めて行かなくてはならないので、ヨメさんも付き添い。

 診察室に入ると、I医師(女性)がいきなり「サイロブログリンの値が、190から33に下がりました」と。何もかもよく分かっている相手に話されている感じ。
 「あの、そのサイロブログリンというのは何なんですか。」
 「あっ、ごめんなさい。がん細胞のところにたんぱく質が集まるのがサイロブログリンです。がん患者さんによっては、この値が何千何万になることもあります。」
 「えっ、そうなんですか。ということは、今は平常値に収まっているということですね。」 
 「そうですね。『今は』そうですけど、この先はどうなるか分かりません。転移が見つかればアブレーション治療をしなくてはなりません。」
 「あの、そのアブレーションというのは・・・。」
 「患部を焼き切る治療です。」

 血液検査の結果は、現時点では転移がないと思われる。超音波検査も異常なし。
 このあと、診察室にヨメさんも入れてもらい医師からの説明を受けた。ヨメさんはいろいろと質問すると思っていたのに、ずっと黙ったまま。I医師からの専門用語ばかりの早口の説明に圧倒されていたようだ。その説明に対して、私が応対し、要所要所で質問していたことにも圧倒されていたらしい。「なんであんな専門的な難しい話に、普通に応対できんの?」と。
 私は相手の話を分析し、自分の理解できるところとそうでないところを分別する能力がある。分からないことを恥ずかしがるということもない。的確に質問するので、的確に答えていただける。ふだんボーとしている私が医師と普通に話している様子が、ヨメさんには不思議だったようだ。
 私が「なんにもでけへんくせに、突然頭だけはよう動く男」であることを忘れてましたね。

 今後の治療方針については・・・。

 以前お聞きしたのとほぼ同じ。
 1.残っている右側の甲状腺も取ってしまい、ヨード治療を開始する。(転移の可能性が低くなるが、甲状腺から出るはずだったホルモンの薬を一生飲み続ける。)
 2.経過観察を続け、転移が見られた時点で右側の甲状腺を取り、全身に転移している可能性を考慮し新たな治療を開始する。(例、一週間ほど独房のようなところに軟禁されヨード治療を受ける。それを何度もくり返す。)

 甲状腺低分化癌は症例が極めて少なく、低分化癌と判定された時点で他の部位に転移していないかった例はほとんどないらしい。それが今の私の状態です。

 1のほうは、現在ちゃんと働いている甲状腺を切除してしまうというのに抵抗がある。でも切除したあとの治療は、比較的楽なものというニュアンスだった。
 それでももう手術はかなんなあと思っていたので、2の「手術をせず経過観察」に気持ちは傾いていた。しかし、「一週間独房みたいなところ」の話を聞いてまたヒビッてしまった。そうなってしまったら、気が狂うかも・・・。もちろん、こちらの場合もこのあと一生薬を飲み続け。なんでもすぐ忘れてしまう私に、そんなことできるんでしょうか。
 ああ、どっちもどっち状態です。

 あとは、「ずっと放っておいても転移しない」という奇跡に賭けるか。
 I医師の話では、それはどうも考えにくいらしい。

 とりあえず、症例が少なすぎて有効な治療法が確立されているとは言い難いらしい。少ない情報から、「自分で判断してください」と言われてもねえ・・・。
 次は、1月の終わりから2月の初めにかけての診察になる。それくらいまでには決断しなければならないんでしょうね。どうしましょう。

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 病院のすぐ近くの「スーパー・くらら」さんでお買い物。
 ちょうど抽選券を配っておられ、ますみちゃんは知らない方から2人も券をもらった。「かわいいからくれはったんやわ」とゴマをすっといた。
 自分の分も足して、3回分の抽選。
 残念ながらティッシュだけでしたけど。楽しめました。

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 トヨタのカードでためたポイントを「黒毛和牛」に交換。それが今日送られてきた。
 今日は超めずらしい「家で焼き肉」。

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 スーパーで買った豚肉と野菜も焼き、豪華なものになった。すごく柔らくておいしかった黒毛和牛は、300gあったのだが食べきれずに残してしまった。お腹パンパン。

 今年の通院は今日で終わりなので、「病院一区切り祝い」ということかな。

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 きくちゃんにも1枚だけおすそ分け。

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 きくは牧場生まれで「牛守る犬」のはずやったのに、「牛食う犬」になってしもたね。

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2016年11月29日(火)

オプジーボとキイトルーダ [病院]

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◎京都新聞11月29日朝刊

   がん免疫療法 効く人判別へ

 がん治療で注目されている免疫療法。日本では治療薬「オプジーボ」(小野薬品工業)が非小細胞肺がんなどに使われ始めているが、問題はどんな人に効くのか、全く指標がないことだ。世界で指標探しが進む中、次に発売を予定しているMSD社の「キイトルーダ」では、その手掛かりをつかみ、治療に生かそうとデータを蓄積している。

   「オプジーボ」は全患者の2〜3割
           新薬「キイトルーダ」 診断薬の開発進む

 オプジーボは悪性黒色腫と非小細胞肺がん、一部の腎がんに使われているが、治療効果があるのは全体の2〜3割。効く人を見分けられれば、患者はもちろん医療者も助かる。高額医療だけに医療費全体にも関係する。

 キイトルーダは9月末に悪性黒色腫への適用が承認され、年内にも発売される見通し。オプジーボ同様、非小細胞肺がんなどに対しても申請中だ。

 二つの薬は、がんに聞く仕組みは同じ。がん細胞に直接働くのではなく、体を守る免疫細胞からの攻撃にブレーキをかけている、がん細胞の防御策を無力化して、強力な攻撃を有効にする。

 実際には、がん細胞は「PDL1」という“味方の目印"を表面に出しており、免疫細胞の「PD1」というたんぱく質に結合して味方と認識させ、攻撃を免れている。

 二つの薬は、体内で免疫細胞側のPD1にくっついてふさぎ、PDL1との結合を妨害することで「敵」と認識させる。

 MSDは、がん細胞の目印PDL1の発言量に着目し、治療効果との関係を調べた。その結果、これまでの治療で、この目印の発現が多い患者ほど効果があることが分かり始め、欧米の学会で発表してきた。

 非小細胞肺がんの未治療の患者305人を対象にした治験では、2グループに分けた片方にキイトルーダ、他方には標準治療の抗がん剤を投与し比較。いずれもがん細胞の50%以上でPDL1が発現している患者だった。

 その結果、1年後もがんの進行が止まったままの人はキイトルーダ群が48%、抗がん剤群が15%。1年後の生存率はキイトルーダ群が70%、抗がん剤群54%だった。

 同様にPDL1 50%発現以上の未治療の非小細胞肺がん患者123人を2グループに分け、片方にはキイトルーダと2種の抗がん剤を併用し、他方には2種の抗がん剤だけを投与して比較した。

 その結果、30%以上がんが縮小した奏効率(消失を含む)は、併用群で55%、抗がん剤単独群は29%と倍近い差が出たとしている。

 MSDは「PDL1を50%以上発現している人の割合は、がん患者の約3割」と話している。

 ある治療薬が、どの人に効くかを判断する指標となる検査薬は「診断薬」と呼ばれる。

 治療ごとに診断薬が異なると、医療費がかさむことになりかねず、がん免疫療法では共同して診断薬開発が進みつつあるという。

 オプジーボは標準治療をした後の患者が対象だが、キイトルーダの今回のデータは未治療の非小細胞肺がん患者を対象似たもので、申請も既治療者に加え、未治療者を対象にしている。申請が認められれば、非小細胞肺がん患者が最初に使える第一選択薬になるかもしれない。

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 今日は寮1(二条)17時間。
 今日も新聞読み漁り三昧。

 自分が癌になっていなかったら絶対に見向きもしなかったであろう新聞記事。しかし、読んでみたらおもしろい。製薬会社同士の攻防って、えげつないんでしょうね。

 この記事がどこかにアップされているかと探してみたが見つからず。ヒマだったので、ポチポチと打ってみました。

 ところでその「キイトルーダ」ちゅうやつ、甲状腺癌には効かんのか?
「効いとるーだ!」

 そんで値段はなんぼですのん?
 私の興味はそこだけですね。

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2016年11月24日(木)

京都を世界トップレベルのがん治療拠点に [病院]

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中性子線を使った新たながん治療に用いる装置の試作機を前に握手する吉川府立医大学長、山田府知事、澤村ローム社長、古久保福島SiC応用技研社長(左から、京都府庁)

◎朝日新聞11月23日朝刊

   ■陽子線に加え中性子腺がん治療も
          府立医大 最先端拠点に

 京都を世界のトップレベルのがん治療拠点に―。府や半導体大手のロームなどは22日、中性子線を使うがん治療機器のの共同開発や、拠点となる建物を府立医大(上京区)敷地内に建設することで合意した。同大学では陽子線治療施設の建設も進んでおり、二つの最先端治療の提供をめざす。

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BNCTの概要 出典:ローム

 府などが新たに実用化をめざすのは「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」。放射線治療の一種で、がん細胞だけに集まる専用のホウ素薬剤を患者の体内に点滴で入れ、中性子線によって核反応を起こしてがん細胞を壊す治療法だ。

 今回の合意では、ロームなどが最新の半導体技術を使った中性子線を発生させる機器を実用化に向けて開発を進め、2、3年以内に同大学に新たに建設する研究・治療拠点とともに府に寄付。2020年度を目標に、同大学が臨床試験(治験)を始める。

 開発費の見通しは立っていないが、ロームの負担は「数十億円規模になる」(府幹部)とみられる。山田啓二知事は「府は土地を提供するだけでなので、本来高額な治療だが、府民には安く提供したい」と歓迎する。

 同大学では、陽子線治療や高精度放射線治療などができる全国初の施設を、精密小型モーター最大手・日本電産の創業者で会長兼社長の永守重信氏が約70億円をかけて寄付。来秋完成をめざして建設中だ。

 目で確認できるがんに対するピンポイント攻撃が得意な「陽子線」と、広く転移していたり正常な細胞と入り交じったりして切除が難しいがんに効果が見込まれる「中性子線」。症状によって二つの最先端治療を使い分けることができるようになる。府の担当者は「京都を、世界トップレベルのがん治療拠点にしたい」と意気込む。

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「SiC-BNCT」の中性子線照射装置イメージ 出典:ローム

   ■ローム、機器を小型化

 BNCTをめぐっては、大阪医科大や筑波大、国立がん研究センターなどが実用化に向けた研究や準備を進めている。原則1回の治療で済み、副作用も少ないというメリットがあるため、開発競争が激しい。

 これまで治療できる施設は原子炉を持つ研究機関に限られていた。だが最近は、中性子を生み出す全長5〜6メートル、重量も数十トンの加速器と呼ばれる機器が開発され、比較的取り組みやすくなったという。

 今回、ロームなどが開発した機器は、さらなる小型化に成功している。全長50センチ前後、重さは50キロ以内。複数の機器を並べて様々な方向から中性子線を集中的に当てることもできるようになった。

 また、これまでのBNCTでは治療できる範囲が体表から6センチ程度だったのが、25センチほどまで広がり、治療能力の向上が見込まれるという。小型化により、将来各地の病院にも普及しやすくなる。

 同大学の吉川敏一学長は「膵臓がん、胆嚢・胆管がんは見つかったときにはすでに転移していることが多い。それを治療する協力なツールになる」と期待する。
          (岡本智)

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 今日は寮2(出町)24時間。
 また、朝日と日経を読みふけっていた。

 これはうれしいニュースかな。
 甲状腺がんにも使えるんでしょうか。

 ただし、高額ちゅうのがねえ・・・。
 オプジーボよりは安いんやろか。

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2016年10月31日(月)

PET検査結果 [病院]

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 「余命宣告受けたら、あとは好きなように生きていき・・・。あっ、今もう好き勝手に生きてるやん。何も変わらへんやん」とヨメさん。
 「ほんまや、ほんまや」とうれしがる私。

 なんちゅうお気楽な夫婦やねん!
 (また、[夫婦になった覚えはない!」とかぬかしよんにゃろなあ・・・。)

 病院から帰って、ヨメさんにメール。
     ◇     ◇     ◇
病院から帰って、きくの散歩に行ってきました。○ンコ出ました。
PET検査の結果は、「現時点で」遠隔転移なしです。
土壇場で、いいほうの「ごくまれ」になりました。
ただし、これで終わりではありません。くわしくは後ほど。
     ◇     ◇     ◇

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 昨日は一日家に閉じこもり、ブログの復元。腰が痛くなってしまったが、心はだいぶ復活した。
 「低分化癌と診断された時点で、転移していると思ってもらったほうがいい」とおっしゃっていたので、どんな結果が出ても受け入れる覚悟はできていた。そうなったら、「旅行の計画を立てるみたいに余命の計画立てたんね」と手ぐすね引いているようなところもあった。

 9時すぎ、病院に着くとすごい人。私は9時半の予約だったのだが、待合は座るところもないくらいのぎゅうぎゅう詰めだった。
 9時55分にやっと中待合。しかし前の宣告日と同じく、また前の患者さんとのやり取りでざわついていた。そこに、「待たせる時間が長すぎる」とクレームを入れてくる女性もあり。「頼むし、静かにしてくれやー」と言いたくなった。
 前の患者さんが出られてすぐ呼ばれるのかと思ったら、ここで間。「あー、これはこないだのパターンやん。先生、言いたくないことを言うのに間をあけてはるんやわ」と不安になってきた。

 10時5分ころ、名前を呼ばれ中へ。
 まずI医師の表情を・・・。うん、こわばってはいない。

 「PET検査の結果が出ました。・・・現時点でということになりますが、遠隔転移は見られません。」
 「えー、そんなことあるんですか。多かれ少なかれ転移しているものと覚悟していましたのに・・・。これまでずっと悪い方の『ごくまれ』に入っていたのに、今回はいい方の『ごくまれ』に入ったんですね。」
 「ただし、現時点で遠隔転移が見られないということで、これですべて心配がなくなったわけではありません。」
 「そら、そうでしょうね。」
 「ここから先は患者さんに決めていただく場面が多くなります。一つは残っている側の甲状腺をとってしまう手術をして、ヨード治療をしていく方法があります。」
 「それって、前におっしゃっていた薬を飲み忘れたら一日も生きられないってやつですよね。一生飲み続けなあかんやつ・・・。」
 「そうです。」
 「はー(とため息、「そんなことできるかよー」)。」
 「また、この先はっきりと転移が見つかった時点で対応していくという方法もあります。その時は、狭いカプセルのようなところに入って放射線治療ということになります。」
 「はー(とため息)。」
 「また、ほかにも・・・(省略)」
 くわしくていねいに、この先の治療法について説明してくださった。

 そうか、とりあえず緊急性がなくなっただけの話で、癌細胞がこの先どう動くのかははっきりとは予測できひんちゅうこっちゃね。予防的治療をするのか、対処的治療でいいのか判断せよと聞いてはるわけか。
 しばらくは経過観察になるので、その間に決めて行けばいいらしい。

 一番心配していたお金と時間が、これで取られることは少なくなった。 
 ヨメさんに言っていた「死ぬまでにいっぺんは浮気ちゅうのをしとかなあかん」とゆうのも猶予された。「だれが死にかけのじじいと浮気すんねん!」とヨメさんは言っていたけれど・・・。

 今すぐにどうこうということはなくなってひと安心。しかし、この先また難しい局面に立つ可能性は大。
 今のところ、「ポピュラーな癌ではなくめずらしい甲状腺癌」、「大多数の乳頭癌ではなく濾胞癌」、「大多数の良性ではなく悪性(低分化)」と悪い方の「ごくまれ」3連発だった。ほんとうにこの土壇場で、「転移なし」といういい方の「ごくまれ」を引き当てた。ここからは、いい方の「ごくまれ」3連発とかにならへんかなあ・・・。

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 もちろん、玄関の「ナイチンゲール像」も拝んで帰りましたがな。
 おっと、これは地蔵さんとちゃうか。

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 家に帰って、待ってくれているもんがおるのはうれしい。

 「きくちゃん、オッサンなあ、ちょっとだいじょうぶやったみたい。」
 「ふーん。まっ、それはいいから散歩いっとこか。」
 「いやいやいや、ちょっとは聞いてもらわんと。すぐに入院せんでもええんやて。」
 「ほー。・・・はい、散歩っと。」

 薄情もんのきくは、私に似て自分勝手なやつであった・・・。

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【RUN】

 明日また寮1(二条)17時間なので、今日走っておかなくては。

 いつもの岩倉・十王堂橋往復5km。
 5分55、5分27、5分21、5分13、5分24で27分22秒。

 相変わらず息苦しい。
 今日そのことを先生に言ってみた。
 「今、ケガが治りつつある状態だと思ってください。甲状腺の手術の場合、のどの調子が元に戻るには3カ月ほどかかります。藤井さんは脂肪がほとんどなく、いろいろなものがへばりついていた状態だったので治りにくいです。ごくまれには、違和感が何年もずっと続く方もあります。」

 また、「ごくまれ」かい!
 このごくまれには入りたくないなあ。

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【今日のきく】

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 病気ひと段落記念写真。

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 景気づけ、きくの石垣ジャンプ。

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 もうちょっと離れて撮らんと、躍動感が出んなあ。

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 60代女性やと思たら、このジャンプ力はすごい。
 マスターズ大会なら優勝確実。

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 帰りには、黒子猫の顔見せサービス。

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 川はちょっとこわい。

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 こわいけど、川は好き。

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 花ときくとオッサン。
 うまいこと撮れんなあ。

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 これでどうじゃろな。

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2016年10月20日(木)

PET検査 [病院]

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 今日はPET検査。
 病人の大先輩・としさんは、「ペット検査は 薬を血管注射して 水飲んで寝てたら終わるから 楽勝や」と。なんかこれだけではよう分からん。とにかく、けっこう時間がかかる検査だということらしい。
 癌細胞がどこに転移しているかを調べる検査。
 以下、「がんの転移が心配なときに読むサイト」より。
     ◇     ◇     ◇

   局所転移と遠隔転移

■原発の近くに転移する“局所転移”

転移したがんの中でも、最初に発生した原発がんと同じ臓器や、周辺に発生するものを局所転移(局所再発)と呼びます。例えば、肝臓は人間の臓器の中で最もサイズが大きく、がんが発生すると同じ肝臓内でいくつか転移や再発を繰り返すことがあり、局所転移の最たる例です。

また、臓器とそれに隣接するリンパ節は同時に治療することが多く、原発がんのすぐそばのリンパ節などに起きた転移についても、局所転移と考えます。

局所転移が発生する原因は、最初の外科治療で取り逃したがん細胞が増殖してしまうパターンがひとつ。さらに、浸潤したがんが原発の臓器から外へ出てしまい、周辺へと腫瘍が飛び散ってしまうパターンがあります。

■局所転移は比較的治療しやすい

局所転移を起こしている段階では、がん細胞がまだ一部の臓器だけに留まっていると考えることができます。

局所転移の場合は、腫瘍が発生している臓器や器官と、その周辺のリンパ節などを取り除いてしまえば、まだ十分に完治や寛かいの余地があると考えられ、外科手術の適用となるケースが多いという特徴があります。治療の効果が上がりやすく、予後も比較的良好だと言われています。

■離れた臓器に転移する“遠隔転移”

原発がんが進行し、血管やリンパにまで腫瘍が浸潤を起こしているようなケースでは、血管やリンパの流れにがん細胞が乗ってあちこちに転移してしまうことがあり、この現象を遠隔転移と呼びます。

遠隔転移が比較的多いとされるのは、肝臓や肺、脳や骨など。血流やリンパの流れが集中しやすい場所には、がん細胞が集まりやすいということですね。さらに、微細な血管が多い場所などにも、がん細胞が流れ着いて定着しやすいようです。

遠い場所に転移している場合でも、がん細胞の性質は原発がんと同じですので、抗がん剤の種類などは、原発がんに効くものを選ぶことになります。

■遠隔転移が起きたら“全身転移”だと考える

原発がんと離れた場所に転移巣が見つかったときは、がん細胞がすでに全身を巡っていると考えるのが妥当です。微小ながん細胞があちこちに散らばっていることが予想されるため、外科手術で目に見える腫瘍を取り除いたとしても、完治できるほどの治療効果がないと考え、体の負担となる外科治療は行いません。

ひとつでも多くの腫瘍細胞を減らし、がんの増殖を抑えるために、抗がん剤による化学療法など全身治療に切り替えます。痛みや苦痛を和らげるための緩和ケアなどを行う場合もあります。
     ◇     ◇     ◇

 私の場合、「低分化癌」と判定された時点で、この「遠隔転移」が確実視されているようです。
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 ヨメさんの通学時間とうまく重なったので、途中まで車でいっしょに。烏丸御池でヨメさんを下ろし、西大路御池の「御池クリニック」へ。 
 8時40分までにと言われていたが、その5分前くらいに到着。広い駐車場があった。

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 入口はホテルふう。
 玄関を入ると、スタッフの男女2名がていねいにごあいさつをしてくださった。

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 9時10分開始の予定と聞いていたが、すいていたのか、着替えたらすぐに処置室に呼ばれた。
 「血液を採り、検査薬を投与します」と言われ、「放射線が出ているので少し離れます」とあとずさり。「えっ、なんで? 運命共同体とちゃうんかいな」と思ったけど、そらそうや。赤の他人の検査で被爆してしもたらあほらしい。ただ、「そんなもん、体の中に入れてええん?」という疑問も・・・。

 「では、こちらへ」と案内されて個室へ。
 「えーっと、ここで検査薬入れるんですか。」
 「あっ、さっきもう終わりましたよ。」
 「えっ、あんなちょっと?」
 「20ccですから・・・。」

 検査薬を入れながら安静にすると思い込んでいたので、「なーんや」という感じ。

 そして個室のリクライニングシートで安静に。本でも持ってきたらよかったのだが、このごろは思い出にふける方がいい。ヨメさんは私がこのごろそればっかりで「イー」してるけど。

 今日は遠い過去のことではなく、ここ1年のことを思い出していた。
 去年8月、「結婚30周年記念旅行」はよかった。横浜スタジアム、横浜中華街、赤レンガ倉庫、ロマンスカー、箱根駅伝5区、箱根温泉。一番よかったのは、意外や意外、ヤクルトの山田哲人よりDeNAの筒香を生で見られたことかな。
 9月、国会で平和安全法制案(通称・戦争法案)成立。日本が戦争するようになったら、本気で死にたいと思った。
 11月、私の競技人生(?)初の肉離れ。このあと松本一之さんとの一騎打ちを控えて張り切りすぎた。
 12月、めでたく還暦。一応、家族のみんなからGPS腕時計をプレゼント。
 今年2月、真樹と「おきなわマラソン」に参加。真樹はまさかまさかのフルマラソン初完走。真樹よりパオパオのほうが嬉しかったかも。
 3月、廉の就職が決まり家を出て行ってしまったけれど、彩ちゃんとめでたく結婚。若干24歳(当時)の廉が、こんなにしっかりしているのにビックリ。
 3月、教師を続けておればここで定年退職。退職金がガッポリは夢のまた夢やったなあ。(25年も前に辞めてるのに・・・。)
 4月、寮の管理代行のバイトを増やし、週2管理代行、週2ガードマンで月約20万の安定収入へ。
 6月、「打倒・まっちゃん」シリーズは全敗で幕。しかし、やり切った感があった。
 8月、お腹いたから胆のう炎発覚。胆のう炎の検査で甲状腺腫瘍が発覚。さあ、次はなにが発覚?
 60歳はいろいろありました。「還暦」とはようゆうたもんです。たしかに節目の年になりました。60歳もあと2ヶ月か・・・。今までは1年先までを見て生活していたが、これからはそれを短縮して6か月とか3か月単位で考えたほうがいいのかもしれない。

 そんなことを考えているうちに、安静にする1時間半が過ぎた。
 そして、PET検査室へ。

 全身縛られ、頭も固定され、お腹の上には重りみたいなもんを置かれ、「はい、息を止めてー」と言われたときは死ぬかと思いましたわ。その一連の作業が、ロボットみたいで気色悪かった。もうちょっと人間らしくできんかー。
 そのあと、「では、始めます」と言われたのだが、始まっている感じが全然しない。「機械、動いてへんのんちゃいますかー」とよっぽど言おうかなと思った。でも、天井のちぎれ雲のイラストが少しずつ動いているのに気付いた。「そうか、ちびちび動いとんのか。それならそうゆうてくれよ」と思った。

 「はい、今でちょうど半分です。あと12分ですね。」

 このあとも無言。
 聞こえてくるのは、「カランコロンコロンコロン、カランコロンコロンコロン・・・」という鬼太郎の下駄の音だけ。
 「こっちゃ縛られて身動きとれんのやから、なんかおもしろいことでもゆうてくれよー」と思ったが、そんなサービスはないんですよね。
 終わったら、「着替えて会計に行ってください」だけ。あいそないわ。

 次は31日に「第2宣告」を受けるわけか・・・。
 どうなるんでしょうね。

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 29390円のお支払い。
 こんだけ取るんやったら、「検査後のお食事つき」くらいにしてもらわな。

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 同じフロアにレストランもあるのに。
 朝食抜きで腹ペコペコやったけど、こんな高いところでは食べられん。
 家に帰る途中で食べようっと。検査後の食事や運動の制限ないんやって。

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 千北をちょっと上がったところの、ラーメン「タンポポ」さん。

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 いつも通り、ラーメン大(800円)とライス小(100円)。
 あわててかけこんだので、腹ピーピー。
 アホです。

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  こちら、かしこいかしこいきくちゃん。

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 お昼にお散歩に行き、そのあとすぐまたバス停まで「オバサンお迎え」。

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 かしこいかしこいきくちゃんは、今日ははっきりとオバサンを認識。
 しっぽブンブンブーン。
 さあ、お仕事お仕事。 

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