パオパオだより

2009年03月14日(土)

「2009名古屋国際女子マラソン」を見て [マラソン評論]

画像(250x250)

毎日新聞より

 「今頃?」と思われるかもしれないが、今日やっと「名古屋国際女子」のビデオを見た。
 テレビのスポーツニュースや新聞で、結果はだいたい知っていた。また、私のブログのリンク集に入れさせていただいている「ちひろっぴぃ」(田中千洋さん)、「赤羽有紀子のママさんランナー奮闘記」(赤羽周平さん)でも、それぞれの立場から記事を書かれており興味深く読ませていただいた。
 特に、田中さんはこのレースではからずも高橋尚子さんと並走しなくてはならなかった選手として、高橋選手の態度行動を厳しく批判されており、読み応えがあった。多くの方からコメントもよせられていた。

 しかし、やっぱり初めから終わりまで通して見たい。
 このレースは、高校時代に脚光を浴びた二人のランナー(藤永選手・新谷選手)の対決、高橋尚子選手の引退が話題にのぼっていた。

 中間点までに、先頭集団はキレル選手(ケニア)、白選手(中国)、新谷選手、藤永選手の4人にしぼられていた。30km付近で新谷選手がスルスルっと前へ。離される藤永選手。
 ところが、もっと離されそうで離されない藤永選手が盛り返し、36km付近で新谷選手を抜き去る。そして、そのままゴール。タイムは2時間28分13秒。
 しろうとの私から見ると、重そうな走りの藤永選手より新谷選手の方がはるかに軽快に見えた。分からんもんですねえ。
 実況アナが、「土佐礼子選手を彷彿させる粘りの走り」と表現していたが、これは言いえて妙。身長170cmの藤永選手の粘りは、本当に土佐選手型だと思った。

 藤永選手と言えば、長崎・諫早高校出身。諫早高校と言えば、短髪角刈り。正直言って、初めて諫早女子の短髪角刈りを見たときは度肝を抜かれた。何もそこまで・・・。
 もう一つ、諫早女子の選手は速いのは速いのだが、まるで息を止めているのではと錯覚してしまうくらいの苦しい走り。何もそこまで・・・。
 しかし、この日の藤永選手はその「諫早」の呪縛から解き放たれていた。27歳ののびのびした走りであったように思う。

 かたや新谷選手。
 レース中に挿入されていたインタビューは、海が見えるバルコニー。ああ、あれは合宿されていた徳之島の海ですね。
 新谷選手も、興譲館高校のデカはちまきの印象が強い。しかし、インタビューに答える姿は21歳の感じのいい娘さんだった。気のきつそうなイメージとは全然ちがった。

 けっきょくこの二人の勝負は、一日の長で藤永選手の勝ち。大人としての魅力が、藤永選手の方が勝っていたというところでしょうか。
 優勝者インタビューでも、藤永選手は落ち着いてきれいな言葉で話されていた。浮ついた感じの選手が多い中で、これは出色であった。

 高校時代に脚光を浴び、その後一度沈んでしまい、また這い上がってきた選手は極めてまれである。
 迷走気味の高橋選手より、大人の魅力を持った藤永選手に、ぜひメディアも注目してもらいたい。

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