2017年02月06日(月)
モラトリアム [病院]
今日は、鞍馬口医療センターで経過観察。
一週間前に採決してもらった血液検査の結果をお聞きする。
名前を呼ばれて診察室に入ると、またもやいやーな間。ああ分かりやすい。血液検査の結果がよくなかったんですね。
「サイロブログリンの値が少し上がってきています。」
◇ ◇ ◇
◎サイログロブリン Thyroglobulin (隈病院ホームページより)
■サイログロブリンとは
•血中に分泌される甲状腺ホルモン(T4=サイロキシン)の直前の物質のことです。
•甲状腺組織の中で合成され大量に貯蔵されています。
•正常の状態では血液中にはわずかにしか出てきません。
甲状腺に病気が出現した時に血液のサイログロブリン値が高い値を示します。
•その値は血液中の濃度で表現されます(正常値46ng/ml以下)。
サイログロブリンは甲状腺の血液検査でしばしば測定されるもので、Tgと記されています。
血中サイログロブリン値は、
•甲状腺の腫瘍がサイログロブリンを産生する時
•甲状腺を刺激する物質で甲状腺が刺激された時
•甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊された時
に高い値を示します。甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌などの甲状腺の腫瘍マーカーとして使用されることがありますが、良性の甲状腺腫瘍、やバセドウ病、慢性甲状腺炎などでも値が高くなり、必ずしもがんの存在を示すものではありません。
甲状腺乳頭癌や甲状腺濾胞癌になった方は、甲状腺全摘術の後に腫瘍マーカーとしてサイログロブリンの測定を行います。もし低下していた血中サイログロブリン値が高くなった時は、頸部のリンパ節の再発、遠隔臓器への転移、たとえば肺転移や骨転移などが考えられます。
サイログロブリンの値が高いだけでは、甲状腺癌の確定診断はできません。血液のサイログロブリン値では甲状腺腫瘍の良性悪性の鑑別は不可能です。良性悪性の鑑別には超音波検査、細胞診などを行います。
■サイログロブリンの特殊な使い方
・大きく腫れた頚部のリンパ節が、甲状腺癌由来であるのかを診断します。注射針でそのリンパ節の組織を採取し、食塩水で稀釈してサイログロブリンの値を測定します。サイログロブリン値が高い時は甲状腺癌由来と診断できます。
・甲状腺から遠く離れた組織(たとえば肋骨や腰の骨)が腫大した時、甲状腺癌由来のものかどうかを診断します。その組織の中にサイログロブリンが存在するかをプレパラートの上で染色し、顕微鏡で観察して、サイログロブリンが陽性であれば甲状腺癌の転移と診断されます。
◇ ◇ ◇
私のサイロブログリン値は、8月22日-197.2、12月5日-33.2、1月30日-46.8。(基準範囲は33.7以下としている医療機関が多い。)12月初めには正常値に戻っていたのに、その値が再び上がっているということは癌細胞が増殖しつつあるということ。
「決して安心できる状態ではありません。今後の治療をどうされて行くかは決められましたか。」
「それがねえ、癌と言われても手術後の喉元に違和感があるだけで、それ以外は以前と何も変わらないので・・・。」
「そういうものですよ。奥様は何かおっしゃっていないんですか。」
「特になんにも。」
「えー! なにも! それなら藤井さんが自分で決めるしかないじゃないですか。」
「たしかにそうなんですけど・・・。」
「ほかの病院で一度話を聞かれるのもいいと思いますよ。」
「私の友だちに兵庫県の方がいて、『神戸に甲状腺専門病院があるので、一度診てもらったら』って言ってくれてるんですよ。」
「はい、隈病院ですね。ちょっと遠いけど、一度行ってみられますか。それはそれでいいと思いますよ。」
この話に出てきた「兵庫の友だち」は、実は友だちでもなんでもなく、このブログにコメントを入れてくださった方。まさかこのブログがこんなところで役に立つとは、思ってもみませんでした。
ということで、鞍馬口医療センター耳鼻咽喉科の?医師に紹介状を書いてもらい、神戸の隈病院に行くことになった。もうちょっと先の話だけれど。
ああ、モラトリアムモラトリアム。
癌治療に「猶予」などあるんでしょうかねえ。
さて・・・。
◇ ◇ ◇
◎当病院での甲状腺疾患に対する治療方法(隈病院ホームページより)
■甲状腺癌の遠隔転移の病変に対する放射線性ヨウ素内用療法(アイソトープ療法)
肺、骨などに甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌)が遠隔転移を起こすことがあります。この時に行うのが放射性ヨウ素による放射線性ヨウ素内用療法(アイソトープ療法)です。
甲状腺の細胞は、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素という元素を細胞内にとりこむ性質をもっています。甲状腺癌の細胞も、甲状腺の細胞と同じようにヨウ素元素を取り込む性質を有している場合があり、その性質を利用して遠隔転移(多いのは肺や骨)を起こしている癌に対して行う治療です。
このヨウ素元素には、放射性同位元素(アイソトープ)といって放射線を放出する種類のものがあります。甲状腺を全部摘出した後に、この放射性ヨウ素を投与すると、転移をおこしている癌細胞がヨウ素元素を取り込む性質があれば、シンチグラフィーで検出されますし、放射性ヨウ素を大量に使用することによって癌細胞を破壊することが期待できます。遠隔転移を起こしている病巣を外科的に切除できるのであれば、それが優先されますが、切除不可能な病変、多発性の転移などの時には有効な治療と考えられます。
•放射線を使用しますが、アイソトープ(131I)のカプセルを服用するだけです。
•体外から放射線を当てる外照射ではありません。体の内部から放射線を当てるので内照射と言います。
•甲状腺全摘術をすでに済ませていることが前提です。
→甲状腺組織が残っていると、服用したアイソトープは正常の甲状腺組織に全て入ってしまい、癌の組織には入らないからです。
•甲状腺ホルモン剤の補充をいったん中断してからカプセルを服用します。
→甲状腺の癌細胞はヨウ素を取り込む力が弱いので、脳下垂体のホルモンであるTSHを増加させる必要があるからです。
大量のTSHが存在するとアイソトープが癌細胞の内に取り込まれやすくなります。
•内服したアイソトープ(131I)が転移の部位(肺、骨など)に取り込まれると、131Iから放出されるベータ線が、その組織を破壊します。アイソトープが取り込まれる可能性は高齢者の癌より若年者の癌が高いようです。
•アイソトープの副作用はほとんどありません。
•この治療にはアイソトープ使用の許可を得たアイソトープ病棟のある特別の施設が必要です。当院ではこの施設を完備しています。
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【RUN】
夕方6時すぎから、ひとっ走り。
いつもの十王堂橋往復5km。
なぜか分からないが、今日はすごく軽快に走ることができた。いつもこんなんやったらええのになあ。
5分29、5分26、5分27、5分14、5分12で26分49秒。
2月11日の「出雲くにびきマラソン」は10kmに申し込んでいたのだが、私一人で出店ということになったのでDNS。今は体調がいいのに、こういう理由で出られないのは無念。
翌日12日が「武庫川ロード記録会」なので、走りに行きましょうかねえ。でも、出雲からの帰りの雪道がねえ・・・、どうなるか。
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【今日のきく】
今日も「京都キャロット」終了の7時に、ヨメさんときくをお迎え。
私の車が店の前の駐車場の到着すると、きくは大喜び。
「はよかえろー、はよかえろー。」
入口前でのアピールがきつい。(ピンボケです。)
「もうちょっと待ってな」と言うと、かしこー待ってるきくちゃんでした。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 1 )
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コメント
通りすがりさん、コメントありがとうございます。コメントの非公開、了解です。
セカンドオピニオンというのは、医師に気を使いますよね。でも、担当のI医師のほうから「ほかの病院で・・・」と切り出してくださったのでありがたかったです。
?医師のいやな結果を話されるときに生じる独特の間も、人間味があって私は好きです。
治療に関してですが・・・。
一度は最悪の事態を予測し、もうすぐ来るであろう死を覚悟しました。(意外と冷静に。)ところが「転移していない」という検査結果を聞かされ、本来喜ばなければならないところが拍子抜けしてしまいました。ほんとうに「モラトリアムとはこのことか」という感じです。
私の悩みは、見る人が見ればほんまにしょーもないぜいたくな悩みだと思います。でも、医療の知識に乏しい人間てこんなもんなんですよね。
それにしてもつくづく思うのは、「なんで私はごくまれなほうばっかり行くんかな」ちゅうことです。「ごくまれ」ということはマイノリティーということなので、ひとといっしょが嫌な私は喜んだ方がいいんでしょうかねえ。
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