パオパオだより

2014年11月08日(土)

八百長会談? [時事]

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桜井誠・在特会会長(右から2人目)との面談を終え、会場を後にする橋下徹・大阪市長(左から3人目)=大阪市役所で2014年10月20日午後4時11分(毎日新聞)

◎THE PAGE 11月7日(金)10時0分配信    

   政治に逆流する排外主義 橋下市長・在特会会長の会談から見えたもの 
                  徳島大学准教授・樋口直人

 排外主義ってなんだ?――この言葉にピンと来ない人でも、10月20日に橋下徹・大阪市長と桜井誠・在日特権を許さない市民の会(在特会)会長が机越しに怒鳴り合ったシーンは記憶にあるのではないか。だが、あの珍奇な光景の本質は「会談」そのものではなく、翌日の記者会見にある。そこで橋下市長は、在日コリアンの在留資格である「特別永住」を廃止し、一般の外国人と同じ「永住」に一本化する必要があると述べた。この発言は何を意味するのか、在特会を調査した者として解説していきたい。

■排外主義運動の担い手たち

 家に引きこもってネットにかじりつき、中国、韓国を攻撃することで、不遇をかこつ自らの境遇に対する不満を爆発させるネット右翼。昨年の流行語大賞トップテンにも入った「ヘイトスピーチ」をまき散らすのも、そうした「異常な人たち」の行動にしかみえない――筆者も当初そう思っていたが、実際に調査して各国の研究結果と付き合わせていくと、「下層の鬱憤晴らし」という見方は間違いであると結論づけざるをえなかった。

 今年、私が公刊した『日本型排外主義』(名古屋大学出版会)で述べたように、排外主義運動の担い手は、年齢・職業・学歴的にさまざまで、活動家層ではむしろ大卒のホワイトカラーや自営業者が多い。社会的属性でいえば、男性比率が高いこと、独身者が多いのが目立つ程度である。将来への不安や生活への不満を軸に結集したとも言い難い。

 では何が共通点なのか。筆者の調査では、政治的に保守層である点ではおおむね一致がみられた。保守といっても、右翼的な教育を受けた者から、自民党に任せておけば安心という者、平等とか人権とか平和って胡散臭いという「左翼嫌い」まで一定の幅がある。だが、左派的な価値に懐疑的な「保守層」が担い手となった運動というのが、筆者が見聞きした限りの結論となる。

■極右政治家に呼応する排外主義運動

 では、なぜ保守層が外国人排斥を訴えるようになるのか。この問いに答えるには、運動の担い手より政治、特に排外主義運動に影響を与えている極右の変化を見た方がよい。「極右」とは、ナショナリズムと排外主義に対して「保守」より強硬な主張をする者を指す。日本ならば、2012年に東京都による尖閣諸島の買い上げを訴えた石原慎太郎氏を最高顧問に据える次世代の党が、典型的な極右となる。

 冷戦時、自民党内の極右政治家にとっての敵は圧倒的にソ連だった。冷戦後には、中国、北朝鮮、韓国という近隣諸国が極右の標的となった。東アジアには、歴史や領土問題のような解決困難な課題が山積している。ナショナリズムに訴える極右政治家は、拉致、尖閣、「慰安婦」といった問題での強硬発言により存在をアピールし、支持を調達する。

 在特会の活動家だったJは、「田母神がやっぱりこう、自分が目覚めるきっかけだった」という。元航空幕僚長だった田母神俊雄氏は、今年2月の都知事選で60万票を獲得した。在特会も、彼のような政治家に呼応したことで勢力を伸ばしたわけであり、「本体」たる極右政治家の主張を街頭で垂れ流す「影」のようなものでしかない。

■橋下発言の意味――政治へと逆流する排外主義

 冒頭で紹介した橋下氏の発言「特別永住を廃止すべき」は、「影」たる在特会の主張が「本体」に逆流したことを示す。在特会は、特別永住資格、朝鮮学校補助金交付、生活保護優遇、通名制度を「在日特権」とするが、これは意図的に各種制度の理解をねじ曲げた虚構にすぎない。だが橋下市長は、「特別永住」という資格に対して疑問を投げかけた。その根拠は「特別扱いは差別を生む」からだという(注1)。

 特別永住は植民地時代に日本国民だった者に適用される在留資格で、歴史的経緯から他の外国人とは異なる法律が適用されているにすぎない(注2)。橋下市長は、これを「特別扱い」と呼ぶことで、在特会の主張に呼応した。いかに極右政治家といえども、これまで特別永住資格の見直しを主張した者はいなかった。橋下市長は、日本の政治家で初めて在特会の主張を後押ししたわけで、それが橋下−桜井会談の本質ということになる。


(注1)『朝日新聞』2014年10月21日付(http://digital.asahi.com/articles/ASGBP3RLBGBPPTIL00C.html)
(注2)金明秀「特別永住資格は『在日特権』か」『シノドス』2014年10月22日(http://synodos.jp/politics/11245)

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樋口直人(ひぐち なおと)
 徳島大学准教授、社会学。著書に『日本型排外主義』(名古屋大学出版会)、『日本のエスニック・ビジネス』(世界思想社)、『国境を越える』(青弓社)、『顔の見えない定住化』(名古屋大学出版会)などがある。

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 昨日はまた、午後3時から11時半まで寮の管理代行のバイト。今回は、朝日、読売とも新聞ネタでいいのがなかった。

 しかしYahooニュースの「安い学費+独自カリキュラム 大阪市の公設民営学校が開設へ加速」という記事を読んでいると、「あわせて読みたい」という欄に先日の「橋下VS在特会」の記事が出ていた。
 私自身は、例の会談は「八百長くさいなあ」くらいにしか思っていなかった。「30分の予定が8分で打ち切りて、それはないはなあ」という感じ。ショーやったら「金返せ!」の世界ですね。でも8分全部を見てみたが、双方おんなじようなことの繰り返しばかりで、あれでは30分は持たんなあとも思った。
 吉本新喜劇のギャグの「今日はこれくらいでかんにんしといたろ・・・(フラフラ)」ちゅうやつですかね。さすが大阪!(ちがうか?)

 「会談を実現させたのは、双方にとって得なことがあるからにちがいない」とは思っていたが、それが何かはよく分からなかった。樋口さんがどういう方か知らないが、最後のまとめは「ふーむ、ふむふむ」とうなづいてしまう。
     ◇
 いかに極右政治家といえども、これまで特別永住資格の見直しを主張した者はいなかった。橋下市長は、日本の政治家で初めて在特会の主張を後押ししたわけで、それが橋下−桜井会談の本質ということになる。
     ◇
 掴みかからんくらいのけんまくに見えたけど、実は向いている方向はまったくいっしょやったりして・・・(パフォーマンス、パフォーマンス)。
 やっぱり、八百長?

 ふつうの人があの会談を見て、何のバトルか分かっただろうか。まあ、「下品さの競い合い」くらいにしか見えないのでは。そういう点では、市長が大差で勝利です。
 日本一わいせつな横山知事を生んだ大阪で、今度は日本一お下品な市長が誕生です。(「言葉づかいなどたいした問題ではない」と、そのあたりはご自身も認めておられるようです。)これは記憶に残りますね。

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【追加】

◎ブログ「ドーラクチホーセージ」より

2014年11月07日(金) 16時03分13秒
橋下市長に溜飲下げてもらっても意味がないのに
テーマ:論壇のような漫談

 先日、橋下市長と在特会の会長の公開討論がありました。
 内容は、お互いを罵り合うだけでどっちもどっちだったのですが、普段ヘイトスピーチを批判している反レイシストの人達が「橋下市長は支持しないが、あのやり方は効果的」と賞賛しているのです。

 たしかにヘイトスピーチ(レイシスト)に対して怒っているから、あの振る舞いに賞賛しているのかもしれないけど、言っておきますけど橋下市長に溜飲を下げてもらっても効果がないことは、これまでの実績が証明しているんですよ。
 それこそ、卒業式に君が代を歌わない教員に対し口パクチェックをしたり、不祥事が続く公務員に対し厳しい条例を施行したりしましたけど、相変わらず毎年卒業式には君が代を歌わず処分される教員が出ているし、公務員の不祥事が劇的に減ったという話は聞きません。
 また施行当時は公務員バッシングへの追い風があり、「橋下さんのやり方は強引だけど、あれくらいやらないとしょうがない」という声が多かったのです。ヘイトスピーチ問題も同じ構図じゃないですか。
 たしかにマスコミにレイシストの蛮行が取り上げられるようになったけど、公開討論後も相変わらずヘイトデモは続いているじゃないですか。テレビに映った嫌韓本も売れ出したそうじゃないですか。

 だいたい、あの公開討論の狙いは、世間を騒がしているヘイトスピーチに対してテレビカメラの前で止めろとアピールすることで、視聴者に好感を得ようとしたのと、その後に在日韓国・朝鮮人らに認められている特別永住資格を見直すと表明したように、都知事選挙の田母神氏のようなネトウヨ層の票を得ようとして、来年の統一地方選挙に弾みを付けようとしたのが狙いでしょう。
 選挙で勝てば何をしてもいいと公言している人なんだから、橋下市長の言動は何らかの形であれ選挙で勝つためのアピールと見ておくべきでしょう。

 それにしても、反レイシストの人達までも「賞賛」させる橋下市長の言葉には人を惑わす効果があるんだなあと思わざるを得ません。
 反レイシストの人達は維新に投票する事は今後もないと思うけど、彼らですら惑わされるのなら何も知らない一般の人は今後も惑わされるのだろなあと思いましたわ。

 同じ橋下不支持の人でも、これまでの大阪の行政での振舞いを知っている人に言わせれば、そもそも公開討論会を開く意味がないというツイートがほとんどでしたし、僕もそれに同意します。
 橋下市長の振る舞いは、耳だけでなく全身で感じなければならないということですよ。
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 私が愛読しているブログ、やくもさんの「ドーラクチホーセージ」(道楽地方政治?)。
 「文章の転載は自由にしていただいて結構ですが、その事による苦情の対処は当方では出来かねます」とのことですので、まるまる引用させていただきました。おもしろい分析ですね。

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