パオパオだより

2014年09月04日(木)

何事もなしえない非力な自分 [時事]

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◎朝日新聞9月4日朝刊 オピニオン・耕論より

   風向きは変わったか

 安倍晋三首相が内閣を改造した。高支持率に支えられた1年8ケ月。首相の言葉、地方の経済、社会を取り巻く空気、そして風向きがどう変わったかのかを考えた。

 ■言葉の力、信じない首相 金田一秀穂さん(杏林大学教授)
 ■「津々浦々」ってどこだ 守和彦さん(北海道中小企業家同友会代表理事)

 (上お二人の記事は省略)
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 ■思考停止の空気を利用 小林よしのりさん(漫画家)

 ネット右翼に相変わらず安倍首相の人気は高いですね。首相自身もネットの世界での身内的、好意的な反応を支えにしていると思います。双方が共存している構図は変わってない。

 ネット右翼が主張する排外主義は「ノイジー・マイノリティー(声が大きい少数派)に過ぎない」と考えていましたが、「嫌韓反中」の空気は、今やテレビなどのメジャーな世界も浸食した。暴論でも視聴率が取れて週刊誌が売れる。そんな空気も政権を後押ししています。

 「嫌韓反中」の武断的な言説は「日本人であるだけですごい」と言っているだけです。何事もなしえない非力な自分を全面的に肯定してくれるから無邪気に喜んでしまう。その本質は、安易な自己啓発本です。

 それは「保守」の思想でもなんでもない。保守政治家は、歴史に裏打ちされた伝統や慣習を重んじることに加え、国内外の状況をよく観察し、冷静に戦略を立てるリアリズムが必要です。日本が孤立しないために、政治家が排外的な空気の防波堤になるべきなのに、逆にその空気を利用し、広がる格差の不満をそらしている気がします。

 安倍首相の掲げる「保守」の看板は、ワシには「商魂」に見えます。安倍首相は「小泉・竹中路線」を引き継いだ新自由主義者だと思っています。アベノミクスは、大企業や株主の利益を重視する「株主資本主義」そのものだからです。国民の暮らしが豊かになるかが重要なポイントなのに、消費増税やエネルギー価格の高騰で、庶民の実質的な賃金は下がっている。

 経済界に「安倍さんを支えて長期政権にしよう」という空気が根強い背景にも「商魂」があります。安倍政権はトップセールスをして新興国に原発を売り込もうとしています。輸出で利益を得る大企業は大喜びでしょう。しかし、福島で原発事故が起きたことを踏まえれば、道義に反していますよ。もし輸出先で事故が起きればその国民に顔向けできるはずがない。

 原発事故で日本の美しい国土が汚染される事態を招いたのだから、本来の政治は、脱原発を目指して、自然エネルギーの拡大に知恵を絞るべきです。過去の戦争は、エネルギー問題が発端でもある。なぜ、日本の総力を結集してエネルギーの諸問題を全面解決し、戦争の可能性を極小化しようとしないのか。

 しかし、時代の空気は「脱原発」といえば左翼、「集団的自衛権の行使容認反対」といえば左翼と決めつけ、主張に至る思考と論理に耳を傾けない。逆に靖国神社に参拝さえすれば、何も考えてなくても称賛される。靖国は「魔法の杖」になってしまった。政権を支えるこうした思考停止の空気が、大問題だと思っているのです。(聞き手・古屋聡一)

     *

 こばやしよしのり 53年生まれ。89年「おぼっちゃまくん」で小学館漫画賞。92年から「ゴーマニズム宣言」で社会や思想を論じている。近著に「大東亜論」「女性天皇の時代」など。
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先日の寮のばんごはん

 「藤井さん、ちーぬかはったんやね。」
 「えっ、えー・・・。」
 「娘に教えてもらって、藤井さんのブログやっと見られるようになったんです。」
 「そーやったんですか。○○さんのことも何回か書かせてもらいました。『藤井さんに言っとかんなんことが・・・』とか。」
 「見ました。このごろ毎日見るのが楽しみで・・・。」
 「いや、そしたらこれからええかげんなこと書けませんやん。」

 寮の管理代行のバイト仲間であるKさんは、私の少し年下の女性。もちろん私と同じくパソコンは苦手。そんなKさんが私のブログを見つけてくださって、「楽しみ」とまで言ってくださっている。ありがたいことだ。

 今日、「京都キャロット」に「カフェ・やんちゃ村」のご夫婦が来てくださったそうだ。ヨメさんが私のことをボロクソに言っていると、やんちゃ村の奥さんが「素敵なブログを書いてられるじゃないですか」とフォローしてくださったらしい。ああ、ありがたい。たぶんヨメさんは「ブログなんか一銭の足しにもならん」とかゆってたんやろなあ。

 それはさておき。
 今日も寮の朝日新聞を読んでいると、おもしろい記事があった。
 小林よしのり氏は、一世風靡した人物であると言っていい。しかし、私はあの漫画が「きたないもの」にしか見えずしっかり見たことはない。ただなんとなく、右翼的な人物だろうくらいの認識しかなかった。それと、朝日新聞を攻撃した本も出されていたような・・・。
 その小林氏が、朝日新聞のオピニオン欄に登場していること自体がおもしろい。内容もすごく分かりやすかった。

 ネット右翼を「何事もなしえない非力な自分を全面的に肯定してくれるから無邪気に喜んでしまう」とは見事!
 いや、でもよく考えてみると、「憲法九条バカ」としてのぼりを背負って炎天下を走っている私も「何事もなしえない」という点では同じ穴のムジナ。私とネトウヨは親戚関係やったんか。
 まあ、30℃を超える沖縄の海岸線をのぼりを背負って70km、11時間走ってるんやから、私のほうが肉体を鍛えているイメージが強い本物の「右翼」に近いかも・・・。

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