2008年09月26日(金)
「蟹工船」 [映画]
今話題の「蟹工船」。
今日1回限りの上映会があった。
これは行かねば。
仕事を早く切り上げ、家からバスで地下鉄・国際会館前。
そこから丸太町駅。下りてすぐの「ハートピア」。
午後6時半からだったが、5分ほど遅れた。
主催は、北上地区労(北・上京地区労働組合協議会)と府職労北上地協。
会場に入ると、主催者さんのあいさつが始まっていた。
◎映画のチラシより
蟹工船は、1929年に発表された小林多喜二の小説です。プロレタリア文学の代表作とされ、国際的的評価も高く、いくつかの言語に翻訳されています。
この小説には特定の主人公がおらず、蟹工船にて酷使される貧しい労働者が群像として描かれている点が特徴です。蟹工船「博光丸」のモデルになった船は元病院船の博愛丸です。
作者の没後75年にあたる今年、新潮文庫『蟹工船・党生活者』が古典としては異例の40万部が上半期で増設されました。例年の百倍の勢いです。
読者の多くは十代後半から四十代ん幅広く、若者、特に就職氷河期世代に人気。多くは非正規雇用などの不安定労働者であり、ワーキングプアも少なくない。一流大学を出ても就職ができずに苦しんでいる者もおり、小林多喜二の捉えた世界観は今日の若者の現状と通じるものがあることを示しています。
会場をざっと見回すと、およそ100人くらいの参加者。
ところがやっぱり、若者の姿がない。
「蟹工船」って、若者の間に話題になってるんちゃうん? 会場の中央に若い女性が2人見えるだけで、それ以外は、ほとんど私より年配の方に見えた。参加者の平均年齢は、ゆうに60歳を越えている。
6時40分ごろから上映が始まった。
白黒なので、黒澤明の時代劇を見ているようだ。
だいたいあらすじは知っていたので、割と落ち着いてみることが出来た。
原作は1928年。私の父が7歳の時。昭和の初めである。はっきり言って、むちゃくちゃな時代。人間の死とはとても思えないような死。こんなことは、この時代ではめずらしいことではなかったようだ。
映画の中で一番心に残った言葉。
「俺はストライキはきらいだ。けんかも争いもきらいだ。どんなことでも、今まではしんぼうしてきた。でも、もうしんぼうできない。人前でしゃべったことなどないけれど、今ははっきり言いたい。こんなあつかいは、もうしんぼうできない。」
この言葉をきっかけに、どうしようもない男どもと思われていた人々が、団結していった。
私は、これが言えなかった。心の中にあることをはっきり言葉に出して言う。人間にとって、一番大切なこと。これを忘れてはいけない。
自分の思い通りにならないことはたくさんある。しかし、自分の思っていることを言葉にすることは、すべての物事のスタートになる。
どんな発言も、まず許容する。そして、そこから議論していく。それが真の成熟した社会であると思う。
映画の最後のシーンは強烈だった。
「貴様ら、帝国海軍を侮辱するのかー。」
蟹工船の臨時工員に向けられる銃弾。その犠牲者の中には、人数合わせのために乗せられた小学生も。
「軍隊は決して自国民を守ってくれない」という象徴的なシーンであった。
「蟹工船」は、昭和初期の過酷な労働環境を描いた映画なのだろうか。私は、そうは思えなかった。この最後のシーンにこそ、製作者の思いがこもっているように感じた。
みなさん、ぜひ一度見てください。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
M見さん、「わんこにゃんこ「」シリーズしっかり見ていただいてありがとうございます。
ぱっくんされた右足太ももは、ちょっとくさってきました。きくは、このごろなぜかおケツが痛いようで、おすわりができません。(また動物病院かー。)
マラソン大会に参加しながら、ワンちゃんを見つけては写真を撮っているので、また見てくださいね。
『えびぞりさん』に、ぱっくんされた足は大丈夫でしょうか・・・?
私個人的に、えびぞりさんの出てくる『わん、にゃん』シリーズが大好きで〜す♪
ストレス社会・・・世の中の不条理、許せない〜〜〜!と叫びたくなる様々な事を、個人の力ではど〜しょうもないのでひたすら耐え、そのうち開き直って諦めて・・・なんていう生活を時々していると、何にも考えず見ているだけで癒されるのは、やっぱり動物さんたちの可愛いショット!思わず笑ってしまいます(笑)(笑)(笑)
次回の痛快ショットを期待したいます。
私がサロマを『知らぬが仏』で走ったのは、たしか、1999年と2000年です。