パオパオだより

2011年07月26日(火)

国労を応援したいんですけど・・・ [時事]

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◎毎日新聞6月25日朝刊

 国労「JR復帰」断念
   四者四団体月末に解散 24年の闘争に終止符

 87年の国鉄分割・民営化に伴うJR不採用問題で、国鉄労働組合(国労)と旧全動労(現全日本建設交運一般労組)や支援組織などでつくる「四者四団体」が今月末、解散することになった。「JR復帰」を訴えてきた1047人のうち9割以上を占める国労系グループが「政府・与党に解決を棚上げされ、展望が開けない」と雇用要請の取り下げを決めたため。運動を続ける意向の組合員はいるものの、戦後最大の労働争議とされる国鉄闘争は事実上、終結へ向かう。

 昨年4月、当時の与党3党(民主、社民、国民新)と公明党は、清算事業団を継承した独立行政法人が和解金など1人平均約2200万円を支払う▽政府はJR7社への再雇用について努力するが、(JR7社への)強制はできない−−などの解決案を提示。組合員910人(世帯)のうち904人が受け入れ、同6月に全訴訟を取り下げた。

 しかし、政治解決案に基づき、関連会社などを含め約330人の再雇用を求めた組合員側に対し、7社は「03年の最高裁判決で解決済み」と拒否し続け、民主党と国土交通省も積極的姿勢をみせなかった。

 組合員の平均年齢は57歳で、既に69人が死去。四者四団体の一つ「国鉄闘争共闘会議」の二瓶久勝議長は「国は震災対応で手いっぱいという事情もあるのだろうが、これ以上先送りされると、組合員や家族が第二の人生を歩めない」と苦渋の選択を明かした。

 国労系組合員と家族が北海道や九州などで結成した36カ所の「闘争団」も近く解散する方向だ。

 北海道・名寄闘争団の佐久間誠さん(56)は「国鉄から天下った多くのJR幹部に贖罪(しょくざい)をさせることなく、旗を降ろすのは無念だが、国による差別という道義的責任は歴史に残る」と話した。【坂本高志】

《JR不採用問題》
 分割・民営化に反対した国労組合員を中心に約7600人がJRに採用されず、1047人は国鉄清算事業団からも解雇された。中央労働委員会は大半の採用や選考の見直しを命じたが、JR側は訴訟を起こし、03年に「JRに責任なし」との判決が確定した。その後、組合員側は旧国鉄を相手取った訴訟を続けたが、昨年夏に政治解決を経た和解が成立。和解を拒否した一部組合員の訴訟は今年6月、解雇を有効としつつ、所属労組を理由とした「旧国鉄の採用差別」を認め、1人550万円の賠償を命じる判決が最高裁で確定した。
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 1ヶ月前の新聞記事を引っ張り出してきて、「時事」問題でもあるまいに・・・、と思われるかもしれません。でも、この記事の内容を自分にどう納得させればいいのか、1ヶ月たった今も分かりません。
 6月22日、いつもどおりに「勝手に国労応援ラン」。右アキレス腱を痛めていたので、走ったり歩いたり・・・、というよりほとんど足を引きずりながらの歩きだったかな。
 それでも「闘いはまだまだ続く」という中野勇人さんの言葉を信じ、一歩一歩進んでいたつもりだった。

 しかし、その翌々日にこの重大発表。今まで様々な手を尽くしてこられた中野さんも、さぞ落ち込んでおられることだろう。
 政治のことがまったく分からない私は、今の状況がよく読めない。明日、恒例の「勝手に国労応援ラン」に出かけようと思っているのだが、いったいどう応援したらいいのだろう。
 明日こそ和歌山港を目指し、フェリーで四国徳島入りを計画していたのだが・・・。

 自分に直接関係のないことには誰しも無関心。国労闘争団は、そんな人たちをどの程度自分たちの味方にすることができたのだろう。そのあたりを総括して、今まで支援してくださった方へ報告する必要はあると思う。

 最後に、このブログの2010年5月7日の記事「JR不採用から『下方への競争社会』へ」を再録します。内容はほとんど毎日新聞の「記者の目」ですが、もう一度読んで見る価値はあると思います。

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◎毎日新聞 2010年5月7日朝刊

記者の目:JR不採用の政治決着=坂本高志(東京社会部)

 87年の国鉄分割民営化に伴う1047人のJR不採用問題で、政府・与党と公明党は4月、不採用になった国鉄労働組合(国労)組合員や遺族ら計910世帯に1人平均約2200万円の和解金を支払うなどの政治解決案をまとめ、大半の組合員が受け入れを決めた。歴代自民党政権と組合側双方が“挫折”を重ねた末の決着は「政治とカネ」などで迷走する鳩山内閣の数少ない成果かもしれないし、逆に「労組に甘い」と政権批判につなげる向きもある。だが政治的評価よりも、戦後最大の労働争議から見える教訓を探ることが重要だと考える。

 ◇バイトで生計 子の進学断念も
 「闘争」にも「団結」にもなじみが薄い私がこの問題を取材し始めたのは、東京地裁を担当する司法記者だった約6年前。国鉄債務を引き継いだ旧国鉄清算事業団を相手に、国労の一部組合員が起こした解雇無効訴訟の審理が進んでいた。十数年間争い続ける理由を、原告の一人は「世の中では風化したかもしれないが、たまたま民営化に反対した組合に属したというだけで紙切れ一枚で首になった時を忘れることができない」と話した。静かな怒りが伝わった。

 昨年1月、原告が多い北海道名寄(なよろ)市を訪れた。JR発足と同時に、不採用となった約180人が事業団名寄雇用対策支所に送られ、90年に36人が解雇された。以来、原告と家族は土木作業や山菜とりなどのアルバイトのほか、設立したクリーニング店などで得た金を分け合って暮らす。月収は十数万円。進学を断念した子供も珍しくなく、原告たちは「極寒のバイトよりも、家族に苦労をかけたことがつらい」と口をそろえた。

 彼らの多くは「安定職だから」と国鉄を選び、先輩の誘いなどで自然と第1組合の国労に加入した。だが、民営化を前に、職場では「国労ではJRに行けない」と脱退を迫る動きが相次ぎ、民営化に賛成した労組の採用率はほぼ100%、国労は48%程度。国鉄は全国の「人材活用センター」に余剰人員を集めた後、約7600人を事業団に回した。旧国鉄やJR側は「手厚い雇用対策が行われた」などと説明するが、原告らの受け止めは違う。「職安の紙が張り出されただけ」「廃屋に集められてひたすら自学自習。ほとんどいじめだった」と憤る。

 民営化前後は職員の自殺も急増したという。働く者に踏み絵を迫る、荒廃した環境が作られたことは否定しがたい。民営化の理由である巨額債務の背景に「我田引鉄」と称された政治家による利益誘導もあった。不採用の1047人に限らず、やむなく他労組に移ったり転職したすべての人が国策の犠牲者といえる。

 国鉄改革法の審議で中曽根内閣は「一人も路頭に迷わせない」と述べ、参院も所属労組による差別が行われないよう付帯決議した。何度か和解への試みがあったとはいえ、政治の側に約束を守る強い責任感があれば、23年の月日は必要だったろうか。その反省に立てば、政府は今回の和解金に加え、再就職への支援も怠ってはならない。

 国労の責任にも触れる。民営化を前に1人1人の雇用確保よりも政治闘争にまい進し、皮肉にも労働運動全体が衰退する流れを加速させた。

 さらに、00年に当時の与党と社民党が政治解決に合意し、国労は定期大会で受け入れた。これを不服とする組合員が02年、今回の解決への足がかりとなった訴訟を起こした際、国労執行部は与党側の強硬姿勢を受け、提訴した組合員を大量処分するなど内部を統一できなかった。この訴訟が05年に一部勝訴して以降、原告支援に転じたものの、労組本来の役割とは何かという重い宿題が残った。

 ◇非正規労働など 今日につながる
 大分大の石井まこと教授(社会政策)は労働運動の弱体化に伴う90年代以降の労使関係の変容を指摘する。「国鉄のケースでは、労働者が不利な条件で残るか、辞めるか判断せざるを得ない状況に追い込む手法がとられ、バブル崩壊後の企業リストラにも広がった。その結果、非正規労働の拡大を招き、正規公務員や正社員という身分も批判の対象となる『下方への競争社会』につながった」と語る。

 公共部門の縮小を唱えた81年設置の「第2臨調」は世論の高い支持を集め、分割民営化への道を開いた。「行革フィーバー」を生んだ成功体験は基本的に継承されている。

 出口の見えなかった原告らにとって、今回の政治決着は名誉回復の一助になるだろう。ただ、改革の「影」の部分は今後も検証されていくべきだ。私にはそこに「官と民」や「正規と非正規」に象徴される、働く者を巡る今の状況を読み解く一つのカギがあると思う。

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 公務員をたたけば、政治家は票がとれるらしい。その典型的かつ象徴的だった例が、小泉元首相である。
 弱いもんどうしで足を引っ張り合ったとき、一番喜ぶのはダレ? そこをよく考えなければ・・・。

 足らないところを補い合い、みんなで助け合って楽しく暮らせる社会を作っていこうという考えは、もう古くさい?
 「下方への競争社会」とは、なんと分かりやすく、またむなしい言葉であろうか。でも、もうそんなバカな競争をやめる必要性に早く気付かなければ・・・。

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