パオパオだより

2013年10月24日(木)

「ネット右翼の矛盾」 [書評]

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◎「BOOK」データベースより

   ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」 (宝島社新書) 
       安田浩一・山本一郎・中川淳一郎  2013年2月

【内容情報】
インターネット上で過激な発言を繰り返し、ついにはフジテレビや提供スポンサー企業に対してデモを行い、現実世界でも影響を持ち始めている「ネット右翼」。反韓、反マスコミ、反エリート…“愛国”“憂国”を唱える彼らの論調は、一見、非常に論理的な意見に見えるが、実は矛盾に満ちている。一体、ネット右翼はどのような人々が中心で、どのような生活を送ってきたことで、そのような考え方をするようになったのか。ネット右翼の「誤解」や「妄想」、はたまた「論理の矛盾」を具体的に挙げつつ、彼らのホンネがどこにあるのかを、ネットジャーナリズムの旗手3人が分析、明快に解き明かす。

【目次】
第1章 ネット右翼のリアル(ネット右翼のシンボル的存在、「在特会」/節電で「犠牲者」は増えたのか ほか)/第2章 弱者のツール(変わりゆく日本社会に置いていかれる恐怖と無学の関係/ネット発のデモが起こる構図 ほか)/第3章 メディアの反日陰謀論ー考えすぎだ、メディアにそんなガッツはない(レッテル貼りに成功した“愛国者”たち/私が反日認定された「理由」 ほか)/第4章 ネット右翼の正体ーお前ら、日本をどうしたいんだ!(「ネット右翼」に思想的なものは何もない/下から見上げる「目線の構造」 ほか)

【著者情報】
安田浩一(ヤスダコウイチ)
1964年生まれ。『週刊宝石』『サンデー毎日』などの記者を経て、現在はフリーのジャーナリストとして活躍

山本一郎(ヤマモトイチロウ)
1973年生まれ。1996年、慶應義塾大学卒業。投資会社経営の傍ら、著作家やブロガーとしても活躍

中川淳一郎(ナカガワジュンイチロウ)
1973年生まれ。1997年、一橋大学卒業後、博報堂入社。2001年に同社を退社し、雑誌編集者などを経て、06年からインターネット上のニュースサイト編集者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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◎新書の小径(週刊朝日)より

■自分陣営の居心地悪さ     [文]青木るえか  [掲載]2013年04月05日

 「ならず者の最後の逃げ場が愛国」なんてセリフがありましたが、コリアンタウンで「チョーセン死ね!」とか言ってる在特会など見てると「まさにソレだ」と思う。私も「和食より韓国料理のほうが旨い」と言ったら「半島へ帰れ」と言われた。帰れと言われても。
 自分が気に入らないことを言う相手はすべて「韓国朝鮮在日認定」。それで聞くに堪えないようなヘイトスピーチを繰り返す。冷静に考えて「マトモではない」。どんな時代でもそういう層は表面に湧きだしてくるだろうが、やはり「いったいなぜそんなことに」という気持ちは抑えられないもので、本書の共著者である安田浩一の『ネットと愛国』などは、そういう気持ちを晴らしてくれる素晴らしい書であった。
 この本は「ネット右翼」をバカにする本だ。知性もなく、ついでに職もカネもなく、一対一になったらいきなり弱っちくなるような、救いようのない小物、それがネット右翼であり、ああいう連中に在日認定されちゃってオレたちもタイヘンだねワハハハ、というような。
 でも、どうも複雑な気分にさせられる。この対応(間違った行動を取る人をバカにする)は私もよくするし相手を貶めるために効果的と思ってきたし、議論にケリをつけるにはいい方法だ。しかし、こうやって自分以外の人がやってるのを見ると、逆効果なんではないかと思わされる。妙案も思いつかないが、貧乏でバカな人に向かって「おまえバーカ」と言ってるのが自分陣営の人だと思うと、居心地が悪いのである。
 ことにこの本における、中川淳一郎の、バカに対する上から目線は「やっぱり博報堂なんか入れる人はこうなるのか」という偏見が起きる。
 お料理ブログなんかをやってる奥さんとかがたまに嫌韓的なことを書いたりするのを見ると異様にコワイ。そういう奥さんたちは、こうやってバカにされて考えを改めるか。そのへんが私にはどうにもわからない。
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 今日からまた泊りのバイト。
 「電話番だけの時間に、久しぶりに本でも読むか・・・。」

 そう言えばこの2か月、また本を読んでいない。8月はいい感じで読めてたのになあ。あの後味の悪い本を読んで以来か・・・。
 そう、それが「ネット右翼の矛盾」。 
 8月中に読み終えていたのだが、読後の気分が悪く、書評を書く気にもなれなかった。
 一つきりをつけておかないと、次には進めない。今日ネットで調べてみると、私のいやな気分を代弁してくれているかのような書評が見つかった。それが上の「自分陣営の居心地悪さ」。

 私の亡き母は、「人から見下されるような人間になるな」とよく言っていた。しかし今も健在な父は、「人を見下すような人間になるな」と教えてくれた。私は母の教えは守れていない。でも、せめて父の教えは守って生きて行きたいと思っている。

 また気を取り直して、いろいろな本を読んでみよう。
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【今日のきく】

 「昨日はオッサンに一日連れられまわされて、やっと帰ってきたとおもたらオバサンになめまわされ・・・。つかれるちゅうねん!

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2013年08月06日(火)

「憲法はむずかしくない」 [書評]

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◎e-hon本より

   憲法はむずかしくない (ちくまプリマー新書)
     池上彰 2005年11月 筑摩書房

■ おすすめコメント

 このところ、憲法のことがニュースにたびたび登場します。イラク戦争の後、イラクという国を建て直すために、新しい憲法を作ることになりましたが、どんな内容にするかをめぐって、難航に難航を重ねたことがニュースになりました。
 日本でも、いまの日本国憲法を改正すべきかどうかが大きなニュースになっています。憲法を変えようという人たちは、「時代にあった憲法を」と主張しています。でも、「時代にあった」とは、どういう意味なのでしょうか。
 一方、「憲法を変えるべきではない」と訴える人々は、「日本国憲法は世界に誇れる平和憲法だ」と言っています。「平和憲法」とはどういう意味なのでしょうか。それよりなにより、そもそも「憲法」とは、どんなものなのでしょうか。普通の法律と、どこが違うのでしょうか。
 そこで、この本では、そもそもの基本から憲法について考えてみることにしました。憲法とはどういうものか。日本国憲法はどうやって生まれたのか。第二次世界大戦後、日本国憲法をめぐっては、どんな議論があったのか。憲法改正を求める人は、何を問題にしているのか。そんな基本を解説します。
 まず知ってほしいことは、憲法はむずかしくない、ということです。この本を読んだ上で、あなた自身は憲法についてどう考えるのか、自分の意見をまとめてみてください。
 
■内容

 憲法はとても大事なものだから、変えるにしろ、守るにしろ、しっかり考える必要がある。そもそも憲法ってなんだろう?この本は、そんな素朴な質問に答えます。

■著者

 池上 彰 イケガミ アキラ

 1950年長野県生まれ。1973年、NHKに記者として入局。32年間にわたり、記者として、キャスターとして、事件・事故・災害・教育問題・消費者問題など、様々な分野のニュースを取材。1994年からは11年間、「週間こどもニュース」のお父さん役として、日本と世界の様々なニュースを子どもにも分かるように伝える仕事に専念。2005年3月にNHKを退職し、フリーランスのジャーナリストに。ニュースの背景にある歴史などを解説する著書も好評を博している。
 主な著書に『憲法はむずかしくない』『おしえて!ニュースの疑問点』(ちくまプリマー新書)、『そうだったのか!ニュース世界地図』『そうだったのか!中国』(以上、集英社)『そうだったのか!現代史』(集英社文庫)、『ニュースの読み方使い方』(新潮文庫)、『経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ』(海竜社)、『ニッポン、ほんとに格差社会?』(小学館)ほか、多数。
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 だいぶ前に買って途中まで読み放置されていた本。私の部屋にはそんな本が山とある。このままだと、私が死んで火葬にしてもらうとき、私の体重以上の「読みかけ」の本を焼いてもらわなくてはならない。
 「こりゃいかん!」

 幸い、管理人代理のバイトを始めてから本を読む時間ができた。200ページくらいの新書だと、だいたい3時間あれば読める。ありがたいことだ。
 本を最後まで読むようになってから、新しい本を買わなくなった。まず、今持っている本を読まなくては。

 この「憲法はむずかしくない」も、その名の通りむずかしくない内容なのに途中まで読んで行方不明になっていた。最近見つかり、一から読み直し。先週のバイトのとき、2時間くらいで読めた。

 この本の帯に書いてあったが、「知らなきゃ議論できない」。ほんとにその通り。
 最近では、大江健三郎「沖縄ノート」裁判で、名誉棄損で訴えた原告が「沖縄ノート」を読んでいなかったことが発覚。大江さん側が勝訴したからよかったが、これは「知らないのに議論」のいい(悪い?)例だ。(という私も、「沖縄ノート」に3回挑戦して最後までたどり着かず、その本自体も今はどこへ行ったやら・・・。)
 その時の原告側の弁護士が、のちに自民党の国会議員になり、今や大臣。その大臣が、何が何でも8月15日に靖国に参拝するそうだ。
 (あっ、ちょっと脱線しました。)

 この本を読んでよかった。私も「日本国憲法」について大きな勘ちがいをしていた。長くなるが、引用。
     ◇     ◇     ◇

  憲法は国家権力をしばるもの

 憲法とは、簡単に言えば、その国の「法律の親分」のようなもの。一番上に憲法があって、その下にさまざまな法律が存在している、というイメージでしょうか。
 でも、憲法は単に「法律の親分」ではないのです。法律は国民ひとりひとりが守るべきものですが、憲法は、その国の権力者が守るべきものだからです。
 そもそも憲法は、国家権力を制限して、国民の自由と権利を保障するものです。 
 たとえばイギリスでは、17世紀、国王と議会がたびたび対立しました。国王が勝手なふるまいをして国民を苦しめることが多く、これに怒った議会のメンバーは、国王の力を制限する「権利の章典」を制定しました。これは「名誉革命」と呼ばれています。国王の力を、憲法のもとで制限してしまおうというものでした。「王様にだって、守るべきルールはある」というわけです。その後も、議会が国王と対立しながら、少しずつ国王の力を減らし、議会が力を持つようになりました。
 このように、国家権力を制限する憲法にもとづいて政治を行うことを「立憲主義」といいます。
 (中略)
 憲法と法律の関係は、次のように区別することができるでしょう。
 憲法は、国民が権力者に勝手なことをさせないように、その力をしばるもの。
 法律は、世の中の秩序を維持するために、国民が守らなければならないもの。

     ◇     ◇     ◇

 私は、「憲法は、私ら国民が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」だと思っていた。でもちがった。「憲法は、権力者が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」やったんや。
 自民党関係者だけでなく、右翼と呼ばれる人の中にも「憲法96条改正反対」を訴える人が多いわけが分かった。「権力者が守らなあかん決まりのいっちゃんきついやつ」を時の権力者の都合で簡単に変えられるようにしたら・・・、そら恐ろしいことになる。
 最近、国民全体の中でも憲法96条改正反対の割合が増えてきたのは、このあたりのことを理解する人が増えたからだろうと思う。
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【今日のきく】

 明日、真樹が沖縄から帰ってくる。
 きくとは、ゴールデンウイーク以来のご対面。3か月ぶりやねえ。
 さあ、きくの反応やいかに。
 楽しみ、楽しみ。

 (バイト先のパソコンでは写真の取り込みがうまくできない。よって、今日はきくの写真なし。)

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2013年07月26日(金)

「お笑い沖縄ガイド 貧乏芸人のうちなーリポート」 [書評]

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◎楽天ブックスより

   お笑い沖縄ガイド 貧乏芸人のうちなーリポート(生活人新書)
        小波津正光 2009年5月 日本放送出版協会

【内容情報】
B級グルマンがカーナビつきレンタカーで路地裏のそば屋に乗りつけ、女性誌は対ゲリラ訓練用キャンプのジャングルを「隠れ家リゾート」と持ち上げる。移住ナイチャーが産地不明の土産物をナイチャー観光客に売りつけ、地元お笑い芸人は米軍基地をネタに飯を食う。等身大の「癒しの島」は、矛盾だらけの泣き笑い。沖縄で生まれ育ち、東京から出戻った芸人が、ウチナンチュの本音をリアルに綴る。今、「沖縄好き」の度量が試される。

【目次】
オープニング 沖縄Q&A/ヤンバル芸人と行く沖縄リゾートの旅/Aサインと伝説のロックンローラー/灼熱の日米ビーチ決戦/観光の島/お笑い米軍基地ヒストリー/不動産屋の話〜移住計画者に捧ぐ/沖縄お笑い芸人への道/スピリチュアル・オキナワ〔ほか〕

【著者情報】
小波津正光(コハツマサミツ)
1974年那覇市生まれ。高校卒業後、比嘉崇と漫才コンビ「ぽってかすー」を結成。沖縄県内で活動した後、東京へ活動拠点を移す。2005年、企画・脚本・演出を担当した舞台『お笑い米軍基地』で注目を浴びる。2006年からウチナンチュであることにこだわり、単身沖縄に戻り、テレビ、ラジオ、舞台で活躍中。

(本データはこの書籍が刊行された当時、「BOOK」データベースに掲載されていたものです。)
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 今日も寮の管理人のバイト。午後1時から4時ごろまでの3時間は電話番をするだけ。もう新聞も読むべき記事もなし。
 ということで、超久しぶりの「書評」。また前回より1年ぶり。

 「1年に1冊しか本読んどらんのかい!」と言われそう。
 そんなことないんですよ。本を買ってきては読み始め、相変わらず読みながら頭がどっか行ってしまう性癖が出て遅々として進まず。そしてまたいつも通り、途中まで読んだ本がどこへ行ったか分からない。
 それでも何冊かは最後までたどりついた。「書評」を書こうと思ったが、どうせ書くなら気の利いたことを・・・と思いつつそのまま放置。まあ、思い入れのありすぎる「書評」を読むのもしんどいことですしね。だれも私の「三文書評」など望んでいませんから。

 でも、この「お笑い沖縄ガイド」はよかった。
 管理人のバイトに来た5月のある日。電話番しかすることのない午後の3時間で一気に読めた。
 私が一番心に残ったのは、「お笑い米軍基地ヒストリー」の項の89ページ以降。
     ◇     ◇     ◇
 そんな時、ある事件が起きた。
 それは忘れもしない2004年8月13日、わんのちょうど30歳の誕生日やさ。沖縄国際大学にアメリカのヘリコプターが墜落したわけよ。その日、わんは嫁と一緒に東京の汚いアパートにいたんだけど、嫁の友達からすぐ電話があったわけ。
 「今沖縄で大変なことが起きてるよ!」
 すぐにテレビをつけたけど、そんなニュースはやってない。沖縄のことが気になり、その日は一日中テレビをつけていたんだけど、ヘリ墜落のニュースを取り上げたところは殆んどなかったわけさ。それどころか、その日はアテネオリンピック開幕と当時プロ野球巨人のオーナーだったナベツネこと渡邉恒雄の電撃辞任のニュースばかり。
 「沖縄の大学にヘリが墜落したことよりも、巨人のワンマンオーナーの方が大事だば!」
     ◇     ◇     ◇
 「米軍基地に対する沖縄と本土の温度差」とよく言われる。しかし、それは「温度差」などという生ぬるいものではない。沖縄以外のほとんどの地域では、米軍基地を意識することさえない。同じ日本の国民なのにそれでいいはずがない。
 あとがきにはこう書かれていた。
     ◇     ◇     ◇
 この本の原稿を書いている間にも、米軍所属の飛行機がウージ(さとうきび)畑に墜落したり、訓練中の米軍の流れ弾が民家に停めてあった車のナンバープレートを貫通したり、工事現場で不発弾が爆発し作業員が重傷を負ったりした。
 沖縄ではそんな事件や事故が毎日のように起きているからや。これが「癒しの島」の本当の姿やさ。そんなことが日常的に起こること、そこで生活しているウチナンチュたちは自然と平和について考えるようになるよね。わったーにとって、それは特別なことじゃないわけさ。
     ◇     ◇     ◇
 真樹が入学していたかもしれない沖縄国際大学には、オープンキャンパスのときに行かせてもらった。また、現在住んでいる名護市は、普天間基地の代替地とされる辺野古がある。私たち家族にとっても、沖縄の米軍基地問題が身近なものになってきている。
 それについて私が知りえたことは、少しずつでも広めていきたい。
 
 まずは、「お笑い沖縄ガイド」を読んでみてください。
 私が自信を持ってお勧めします。
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【今日のきく】

 今日は、ちょっとだけでもきくのお散歩に行きたかった。
 ところが、1階にいるはずのきくが見つからない。居間にはおらず、大好きな階段下にもおらず、一番落ち着くらしい廉のベッド下にもおらず・・・。
 あとは、主不在の真樹部屋しかない。

 「ありゃま、こんなとこに・・・。」
 真樹部屋の押し入れに敷いてある大きな座布団の上。

 人間側は一人一部屋あるのだが、きくには決まった部屋がない。いくつになっても落ち着かず、他犬にケンカをふっかける性格は落ち着く場所がないからだろうか。

 「きくちゃん、もう真樹部屋もらっちゃう?」

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2012年07月24日(火)

「左翼・右翼がわかる! 佐高信×鈴木邦男」 [書評]

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◎amazonより

内容紹介
◆政治・歴史・思想に関心のある方、必読!
◆左翼・右翼の源流から昨年の政権交代まで、重要人物や事件などを、縦横無尽に語る!
◆「対立」「共感」「爆笑」「苦笑」・・・・・・対話の場に、読者をいざなう1冊!

人物・事件・用語など、知識欲・読書欲をそそる充実の脚注!
【美輪明宏】【二・二六事件】【大杉栄】【あさま山荘事件】【毛沢東】【大川周明】
【石橋湛山】【雨宮処凛】【尊王攘夷】【アジア主義】【小林多喜二】【中江兆民】【玄洋社】
【島津斉彬】【大久保利通】【北一輝】【大逆事件】【赤報隊】【丸山眞男】【松本清張】
【児玉誉士夫】【重信房子】【孫文】【宮崎滔天】【安岡正篤【天皇機関説】【レーニン】
【トロツキー】【赤尾敏】【白樺派】【魯迅】【中島岳志】【石原莞爾】【中野重治】
【出口王仁三郎】【治安維持法】【ヤマギシ会】【よど号事件】【斎藤貴男】【破防法】
【チェ・ゲバラ】【教育勅語】【辛淑玉】【東條英機】【新撰組】【森達也】 など、多数


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐高/信
1945年、山形県酒田市生まれ。高校教師、経済誌の編集長を経て評論家となる。『週刊金曜日』発行人

鈴木/邦男
1943年、福島県生まれ。学生時代から右翼・民族運動に関わる。新聞社勤務を経て、73年、「一水会」を結成して99年まで代表、現在は顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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 このブログに「書評」というカテゴリーを設けたのに、まだ記事は3つ。去年の12月以来なし。本を読んでいないわけではないのだが、またいつもの悪いくせ。途中まで読んでどこに置いたか分からなくなってしまう。まあ、集中力がないのにも程があるちゅうもんです。われながら・・・。

 久しぶりに最後まで読んだ本「左翼・右翼がわかる!」
 本と言っても対談本ですが・・・。

 私の知り合いで私のことを左翼と思い込んでいる人がある。前にも書いたが、それは本物の左翼に対して失礼。「私はそんなたいしたもんとちゃいます」ということを説明するためにこの本を読んだ。
 佐高氏も鈴木氏も過激な人ではないので安心して読めた。特に鈴木邦男氏は、今までの右翼のイメージを大きく変えた人であると思う。ひと言で言うと「上品な右翼」。私にとっては、「ありえなーい」という感じです。
 私の右翼のイメージは、高校に入学して街に出てきたとき(40年以上前)に見た、日の丸を描いた異様な黒塗りのバス。耳をつんざく軍歌。「都会というのは、こんなこともしんぼうせなあかんのか」と不思議だった。それまで「日の丸」に対して特別な感情はなかったのに、これで恐怖のシンボルになってしまった。今でも「日の丸」を見て一番に思い浮かべるのは右翼の街宣車である。
 一方、左翼と言えば「あさま山荘事件」。高校の同級生の藤田君は、授業中ラジオにイヤホンをつけて実況に聞き入って興奮していた。まあ、左翼もむちゃくちゃです。仲間を殺してしまうなんて、どう考えても理解できない。仲間内だけで盛り上がりすぎて、仲間割れして自滅ちゅうのが左翼のイメージかな。

 今現在の私のイメージは、「右翼は自分たちの主張を外側に向かって暴力的に強制しようとする勢力、左翼は自分たちの主張を内側に向かって暴力的に強制しようとする勢力」という感じです。まあ、ひところに比べると「暴力的」という部分がだいぶましにはなっているような・・・。まちがってますかねえ。私はどっちにしても「強制」は大きらいなんですが。

 この本を読んで、だれがだれの影響を受けたかということはよく分かった。そして、元左翼の右翼が多いということもわかった。下段にくわしい脚注があり、それを読むだけでも勉強になった。でも、いまだに「左翼と右翼」はよく分からない。まあ、自己申告みたいなとこもありますね。

 右翼っぽい議員や知事や市長がうじゃうじゃと増えてきたけど何でやろう。私の好きだった「革新」はもう死語かねえ。
 この本は2010年の出版なので、話題がそんなに古くなくすっと読むことができた。似たような本をもっと読んでみたくなった。 

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今日の長代川

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2011年12月13日(火)

「101歳のアスリート」 [書評]

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■内容紹介
 101歳の昨年、シニア陸上100歳以上の部でやり投げの世界記録を樹立。101歳にもかかわらず、お酒もたしなめば、散歩もし、毎日笑って暮らしている。健康でいきいき長生きするにはどうすればいいのか。その秘密を101歳のアスリートが明かす。

■内容(「BOOK」データベースより)
 98歳からはじめて、マスターズ陸上100歳以上で、やり投げと円盤投げの世界記録を樹立した体力と気力!毎朝、寄り道散歩に、夜な夜な、ただ酒ざんまい…すべてを笑い飛ばして愉快に生きるスーパー101歳の健康で長生きの秘密。
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 最低月に1冊は本を読もうと思っていたのに、また私の悪いクセが・・・。1冊読み終わらないうちにまたちがう本を読み始め、その本を読み終わらないうちにまたちがう本を・・・。
 とりあえず最後まで一気に読める本を、と思い手に取ったのが「101歳のアスリート」。今年の東日本大震災の津波で亡くなられた下川原孝さんが3年前に出された本。

 私が滋賀の太田君子さんにマスターズ陸上を勧められたのが今年の3月6日。そこから私のマスターズ陸上が始まった。
 マスターズ陸上の宝・下川原さんが亡くなられたのは、その5日後だった。ご存命であれば、今年の全日本マスターズ陸上(和歌山)でお会いできただろうに・・・。ただただ残念です。
 
 死ぬまでずっと走り続けたいと思っている人は必読です。私も下川原さんを見習って、せめてあと10年は走り続けたいと思っています。

 すごくいい「あとがき」を紹介します。
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  あとがき

 ほんとうに今日までよく生きたなと自分でも思います。
 もういつ死んでもいいという気持ちも持っていますが、年寄りというのは、いったいいくつぐらいまで動くのか、そのあたりに興味はあります。
 ここまで生きてきたのだから、自分の体でそれを試してみたい。そんな好奇心も持っています。

 102歳になる今年2008年の秋に開催されるマスターズ陸上は九州の宮崎県で行われます。昨年は、山口県の下関市でしたから、さらに遠くなるわけです。
 出場したい気持ちは持っていますが、実際に出場するかどうかは、まだ決めていません。
 さすがに九州まで行くのはやめておきなさいととめる人もあれば、ここまできたのだから死んでも行ったほうがいいですよと、はっぱをかけてくれる人もいます。人によって意見が違うのが面白い。
 どちらも私のことを気遣ってくれているのは間違いないので、うれしい。
 行けば行ったで友だちもできるし、また楽しみが増えるのがいい。昨年も沖縄の人とか、地元の岩手県の人で86歳になる人と友だちになりましたし。
 「また来年、会おう」
 そう言って別れた人も何人かいます。
 しかし、80歳や90歳にもなって、また会えたねと手を握りあって喜んでいるのだから、はたからみたらおかしな光景だと思います。
 いずれにしても参加するとなったら、記録がどうかということより、健康を維持することに特別に気を使わなければいけません。
 そして、それこそが高齢で参加する者の意義だし、使命なのだと思います。
 元気な姿で、まっさらなゼッケンをつけて、グラウンドに立つ。
 その姿を今年も見せること。それが、記録よりも、100年以上生きてきた人間の正しい姿でしょう。
 私は99歳からマスターズ陸上に参加してはじめて、どこまでやれるかやってみたいという野心があって、それで今までやっているわけです。
 今は午前中と午後では体の力が全然違います。午後になると力が落ちます。そういう自分の体をよく知って楽しくやりたい。そう思っています。
 また今年、競技場のどこかで皆様にお会いできたら、ぜひ声をかけてください。人と話すのは何よりの楽しみですから。
 老人の戯言(ざれごと)を最後までお読みいただきありがとうございました。

 最後になりましたが、一緒に暮らしている長男の徹と嫁の秀子、それに釜石市の関係者の方々に感謝申し上げます。それから立派な写真を撮っていただいたカメラマンの斎城卓さん、編集の労をとっていただいた、今年101歳の誕生日を迎えられるおじいさんがご健在の朝日新聞出版の桑原渓一さんに感謝申し上げます。
 そしてみなさま、どうぞ、どうぞ楽しく長生きしてください。人生は、いろいろ面白いことが多いものです。

  2008年6月吉日
                                 下川原 孝
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 「どこまでやれるかやってみたいとう野心があって」という言葉は私の胸に「ビシッ」ときた。
 「野心」、いいですね。私もそれを持ち続けています。 

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ストーブにへばりつくきくちゃん

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【RUN】

 今日は午前中に5kmコース。
 やっぱり明るい時に走るほうがいい。
 行き13分51秒、帰り13分58秒で27分49秒。
 足はまだまだ重い感じ。ビューンと飛ばしたいなあ。

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2011年08月02日(火)

「いのち問答」香山リカ・対本宗訓 [書評]

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◎紀伊國屋書店BookWebより

「いのち問答―最後の頼みは医療か、宗教か?」

香山 リカ 対本 宗訓【著】
角川書店 角川グループパブリッシング〔発売〕 (2011/03/10 出版)

172p / 18cm
ISBN: 9784047102781
NDC分類: 490.15

価格: ¥760 (税込)


詳細
死んだらどうなる?西洋医学代表の精神科医と宗教者として生きる僧医が「いのち」の行方を徹底問答。

序章 僧医という存在
第1章 「いのち」の現場へ
第2章 予め用意されている「死の仕組み」
第3章 「死」は点ではなくプロセスである
第4章 自分の「死」をどこまでデザインできるか
第5章 「生老病死」は変えられない
第6章 すがる心、求める心
第7章 「死」は終わりではない


著者紹介
香山リカ[カヤマリカ]
精神科医。立教大学現代心理学部教授。1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。臨床経験を活かし、各メディアで社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍し、現代人の“心の病”への洞察を続ける。専門は精神病理学だが、サブカルチャーにも造詣が深い

対本宗訓[ツシモトソウクン]
僧医。1954年愛媛県生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、京都嵯峨天龍寺僧堂で修行僧として過ごし、ヨーロッパなど諸外国で禅指導にも携わる。93年臨済宗佛通寺派管長に就任。2000年帝京大学医学部に入学、同年佛通寺派管長を辞任。同大医学部卒業後は、心や魂に寄り添う僧侶と、身体を科学的視点で診る医師を兼ねた「僧医」として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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 このブログに「書評」カテゴリーを作った時、最低月に1回は書こうと思っていた。
 ところが、7月も何冊かの本をあっち読みこっち読み。これは私の悪い癖で、同時に何冊かを並行して読む。これをすると、なかなか1冊が読み終わらない。そして、読みかけで放置された本がたまっていく。
 そうそう、この悪いパターンをなんとかくずそうとして「書評」カテゴリーを設けたのだ。7月31日は、その中で最も終わりに近づいていた「いのち問答」を集中して読んだ。いなかに帰って廉の部屋の勉強机で読んだので、その後半部分はまあまあ頭に入ったと思う。

 2004年2月、私はスケートリンクで転倒し顔面を強打した。そのあと、ヨメさんの運転で近くの六地蔵病院へ。しかし、このあたりの記憶がまったくない。私が覚えているシーンは、診察室から出てきたら廉と真樹がニコニコしながら座って待ってくれていたこと。なぜか、いっしょにいたはずのヨメさんがいない(実際はいた)。
 このあと、また記憶が飛ぶ。そうとう頭もやられていたらしい。もうちょっときつく頭を打っていたら・・・。

 レントゲン検査の結果、頬の骨がバラバラに砕けていた。口の中を開いて手術する必要があったため、京都府立病院に転院。2月の末にその手術が行われた。
 夕方5時に手術台に乗せられ、すぐに全身麻酔の点滴。
 「藤井さん、ちょっと冷たく感じますよー・・・」の声を聞いて3秒ほどで意識がなくなった。

 「藤井さーん、藤井さーん、終わりましたよー。」
 耳元で大きな声で呼ばれ、目が覚めた。その時、9時半。4時間以上の手術がやっと終わった。当たり前のことだと思うが、4時間半の間、夢も何も見ていない。

 当時、私は48歳。これが、私にとっての臨死体験に一番近いものと言えるのではないだろうか。

 思春期、私もいっぱしに死にたいと思ったことがある。ただ、死んだあとのこの世が見られるのならという条件つきで。当時のあまり回転のよくない私の頭でいろいろ考えてみたが、それはありえないという結論になった。だから、今も生きている。

 たしか寺山修司だったと思うが、「死」は生きている者だけに存在するものだと言っていた。死んだ者には「死」さえない。この言葉はすごく納得できた。「自殺者」は、「生」だけでなく「死」をもなくしてしまう人なのだ。

 50歳を境目に、思春期とはまったくちがう「死」が身近なってきた。
 大学の時仲のよかったK君(金沢で教師をしていた)が、肺ガンであっという間に亡くなってしまった。奥様から喪中ハガキをいただいた時、「死ぬんやったら、もうちょっとはよう知らせてくれよー」と思った。その時、大学のクラス会を計画中やったから、余計に残念やった。「K君、自分のしたいことして死んだかなー」と気になった。

 「臨終の際に、自分の人生はよかったと思って死にたい」という言葉をよく聞く。
 「へへーんだ! 」 
 私はそれだけは思わない。死んだら、「無」でしょう。この期に及んで、「よかった」とか「悪かった」とか思い返したってしょうがない。逆に言うと、いつ死んでもよかったと思えるようにしとかんと。

 私のようなあんまりかしこくないものにも分かりやすい心理学系の本を乱発している香山リカさんと、38歳(最年少)で臨済宗佛通寺派管長となるも45歳で医学部に入学し医師になられた対本(つしもと)宗訓さん。香山さん1960年生まれ、対本さん1954年生まれ。ええぞ50代。これはおもろい。

 興味を持たれた方にはぜひこの本を読んでいただくとして、内容の紹介は控えさせていただきます。ただし、対本さんの姿勢がよくわかる部分のみ一部引用させていただきます。

  ✿ ✿ ✿

対本・経典を学ぶだけでは、とても厳しい現実には通用しない。修行を否定するわけではないですが、それだけならタダの修行僧に終わってしまうと痛感しました。
香山・なるほど。修行で得られる“悟り”だけでは現実に対応しきれない、と。
対本・私は現場で学ぼうと思ったんです。外の方にはあまり見えないことかもしれませんが、今の仏教界は、数百年の権威と檀家制度の上に安住していると言って過言ではないのです。
 坊さんたちが陥りがちな弊害は、自分の宗派の教義や教理の枠組みにあてはめて考えようとすることです。硬直化した祖師の言葉にとらわれるあまり、生の現実を見ようとせず、カビ臭い経典の方に合わせてしまっています。本当は現実をありのままに見て、自分の頭で考え自分の言葉で語らなくてはいけないのに。これは何とかしなくちゃいけないと思いました。坊さんが現場に出ていかなければと。

  ✿ ✿ ✿

 これはすごい。この言葉はすべての組織に当てはまる。私は、「硬直化した祖師の言葉にとらわれるあまり」のところを、「硬直化した組織の・・・」と読みまちがえてしまいました。
 でも常にこういう姿勢でいる人の言葉なら、信じてもいいかなあと思ってしまう。
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 いなかで、2004年の写真が見つかりました。

画像(320x220)・拡大画像(640x440)

 2004年2月21日、転倒事故より5日目。
 手術準備のためいったん退院。その隙に、「天竜杉の里ロードレース」に出張販売。目がパンダになっている。
 口がうまく動かせないため、旅館に頼んでおかゆを作っていただいた。食欲だけはあったので、全部ペロリ。

 こんなこわい顔のパオパオとでも、にこやかに写真におさまる真樹(当時小3)でした。

画像(320x220)・拡大画像(640x440)

 2004年2月24日、京都府立病院。
 手術に髪の毛がジャマになるかもしれないということで、地下の散髪屋さんで丸坊主に。48歳にして、生まれて初めて。たしか、この日に手術をしたような・・・。

画像(320x220)・拡大画像(640x441)

 2004年3月14日、「なかじま万葉の里マラソン」。
 この1週前の「篠山マラソン」は、さすがに出走せず販売に専念。しかし、この「なかじま」は廉との最後の親子レースだったので強行出場。高学年の子と親のレースのあとすぐに、低学年の子と親のレース。もちろん私は連続で出ました。

 ああなつかしい丸坊主。

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