2010年08月06日(金)
中野高級ホテル [平和]
初めから夜はアルコールを注入する予定だったので、中野さんのお言葉に甘えて、中野さんのおうちでの宿泊を予定させてもらっていた。
映画「人らしく生きよう・パート2」でそのおうちが少し写ってはいたが、どんなところかまったくイメージがわいてこなかった。
案内されたおうちは、一軒家の二階。
一階のあけにくいドアから入ると、階段にはたくさんのシューズ。その時、一瞬、二階に何人か住んであおられるのかと思った。しかし、よく見るとそれらはほとんどがランニングシューズ。二階部分全体を、中野さん一人で使っておられるのだった。
二階に上ると、細かくは仕切られているが3部屋続き。それとは別に、キッチン、バス、トイレ。おっと、これは高級ホテル並み。言わば、「3K」ですか。
いや待てよ、「3K」と言えば・・・。
「きつい」「汚い」「危険」な労働。
私は中野さんの「5K」を思いついた。
か なしいです
き ついです
く るしいです
け っ!
こ んなくらしがいつまで・・・
でも、こんな「5K」も考えられる。
か いこはふとう、でも
き ぼうはすてない
く にがあいてでもひるまず
け んぽうのせいしんがうしろだて
こ ようされるひまではくじけない
中野さんが23年前国鉄を解雇される前、「国労をやめて生き延びろ」という周りの声が多かったそうだ。しかし、中野さんは「ここで自分の信ずる道を捨ててしまえば、この先同じような場面に出くわすたびに自分をごまかしながら生きていかなくてはならない」と思われた。そんな生き方はできないと決断され、その後いばらの道を歩まれることになる。
寝る前に、中野さんの部屋にあった数々の写真を見せていただいた。
去年の「国会前54日間連続フルマラソンアピール行動」の前にも、「1047kmキャラバン」などさまざまな行動を起こされていた。そのほとんどが中野さんの得意なランニングがらみ。
「今までこれだけすごいランニングの実績を残されているのに、私ら一般ランナーにほとんど知られてないのが残念ですね。『JR不採用問題』をおいといて、ランニングの部分だけを取り上げても、ランナーなら関心を持ったと思うんですけど・・・。それを見たうちの何人かは、『なんで、ここまでやらはんにゃろう』と思って調べると思いますわ。そういう意味で、マスコミの姿勢ってどうなんやろうと疑問に思います。」
「組合活動に対するマスコミの目は、決してあたたかいものではないですから・・・。」
「ボクは、組合活動や平和運動って弱い者を助ける活動やと思ってるんですけど、それを白い目で見る人ってどうかしてますよね。私らの親の世代ならそういう教育を受けてきたからある程度は仕方ないと思いますけど、私らの下の世代くらいからまた反動化しているようで・・・。」
「そうなってきたのも、社会や教育の力が大きいでしょう。」
話している途中で気がついた。
ずっと話し続けているは私。中野さんはほとんど聞き役。中野さんは私の7歳下だが、7歳上のどうしようもないオッチャンの話をしっかりと聞いてくれている。
もう一つ気がついた。
私は今まで、生マジメな人を茶化してカンカンに怒らせてしまったことが何度もある。(そういうどうしようもないタイプの人間なんです。)中野さんは、その生マジメな人間。でも、カンカンに怒らない。フシギでしたねえ。
マジメ・不マジメは本来強烈に反発しあうものであるのに、中野・藤井は今後も意外と長持ちするのかも・・・。そんなことを思いながら眠りについた。
「ここは、中野高級ホテル・・・、むにゃむにゃ・・・。」
※ 上の写真は、泊めていただいた翌朝、中野さんが顔を洗いに行ったスキに盗撮した中野部屋。これは、「高級ホテル」と言うより「アジト」ですね。(「アジト」って、死語ですか?)
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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