パオパオだより

2023年09月01日(金)

見ずに笑う? [雑感]

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 8月の最終土日恒例の「24時間テレビ」。
 偽善批判1位の番組らしいが、うっとおしかったら見んかったらええだけのこと。そう思いますけど。
 私は、100kmマラソンを走っているタレントの表情を見ているだけで満足している。

 私のちょっとした知り合いに、福祉関係の施設を営んでおられる方が二人おられる。

 そのうちの一人は、Facebookに3年前の記事を再掲。
 「僕は一切見ませんが(笑)」という言葉のあとに「24時間テレビ」の批判をされていた。

 この(笑)という文字ががすごく気になった。
 「見ずに笑う」って、そんなことしていいん?

 その時、大江健三郎の「沖縄ノート裁判」を思い出した。

     ◇     ◇     ◇

◎大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判 (Wikipediaより)

大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判(おおえけんざぶろう・いわなみしょてんおきなわせんさいばん)は、元沖縄戦指揮官および遺族が、大江健三郎・岩波書店を名誉毀損で訴えた裁判。集団自決訴訟、沖縄戦集団自決裁判ともいわれる。原告側は「沖縄集団自決冤罪訴訟」と呼称した。事件番号は、平成17年(ワ)第7696号出版停止等請求事件。

岩波書店発行、大江健三郎著『沖縄ノート』と家永三郎著『太平洋戦争』の記述を巡り争われ、大江・岩波書店が勝訴した。

     ◇     ◇     ◇

 この裁判で一番びっくりしたのは、大江健三郎を訴えた原告(大尉の弟)が『沖縄ノート』を読んでいないと発言。
 「えっ、えっ、えっ、読んでもいない書籍の著者を訴えることなんてできるん?」
 それはあかんやろ。
 私も『沖縄ノート』を読んだけど、かなり難解。
 かとゆうて、誰にそそのかれたのか知らんけど名誉棄損で訴えるなんて。

 「見ずに笑う」のは絶対にあかんと思う。
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 さて、もうお一人のブログ。

     ◇     ◇     ◇

 24時間テレビなんてものをじっくりと見たことが最近はないんですね。
 今日、たまたま昼過ぎに見たら、どんどん体の自由が効かなくなる難病の20代の女性が映しだされていた。日に日に失われていく身体的機能に一時は生きる気力さえ失いつつあったという。ある人と出会って「生きる目標」ができてそれに向かって日々頑張っているという文句のつけようのない話し。十分感動したし、この女性の人生に幸多からんことを心から願った。

 誰のせいでもない、当然本人が悪いわけでもなく、ご両親の責任など微塵もない。たまたまそういう宿命を背負ったという100%偶然の産物である。しかし、世の中にはこういう「運命」を背負うには訳がある、と説く詐欺師がたくさんいる。何の根拠もないのに「ご先祖様を大切にしないから」とか「家の松の木を切ったからその祟りが・・・」と言ってその難病が「必然」であるようにいう奴があるんや。それがオジサンは許せない。なんかあったら前世の報いが…っていうねん。

 宿命や運命も操作できる、と信じている普通の人も多いよなあ。そうなったのには訳があるって。あるかい、そんなもん。たまたまなんや。たまたま、そういうものを背負って生きている。それはもしかしたら自分であったかもしれない、という想像力がない人多いねん。

 もう世の中のことは自分の努力以外のことで決まってしまうことが多い。家庭環境が、遺伝的要因が、で決まることが多いのに、なにか当人がじぶんの「努力不足」のように考えてしまう風潮ってあるよね。「障害者」ってなんでこんなに不自由で差別されて、その生きづらさがさも当然のように思えてしまうんだろう。どんなに性格がよくて、優しくて、頭が良くても、麻痺があって醜いとか、動けないという一つの事実だけで「普通でない」扱い受ける世の中が普通ってどうなんだ。

 顔のある目、鼻、口などのパーツとその配置がちょっとだけ人と違って「きれいに見える」というだけで人生のアドバンテージを与えられて生きていける人って変だよね。何の努力もないんだから。

 結婚相手の「どこが好きですか」って聞かれて「優しいところ」って答えるけれど、違うでしょ。その人に「脳性麻痺の障害があって心が同じでも結婚しますか」って自問すればいい。ぼくもそういう質問への回答に何の自信もない。

 なあ、人生が不平等過ぎないか。自己責任の分野が多すぎないか。これだけ様々な差異を生まれた時から与えられて、「負け組」にはそれなりの生活しか夢見れないっておかしくないか。それもこの国は勝ち組優先社会です、っていってないけど、ほぼそういう国の形をしているよね。

 なんか違うよな、この番組。僕は1978年、この番組を見て心動かされて福祉の道に決めたんだけど、あまりにも体制への批判がない。福祉を必要としている人の視点に立てばこの国の劣悪さを告発せずにはいられないはずなのに、そういうことは一切しない。恥ずかしい番組だ。

     ◇     ◇     ◇

 うーん、さすがやね。
 私の大好きな○○ちゃんだけあるなあ。
 他の人には絶対にできないたいへんな仕事を、普通に受け入れ続けておられる○○ちゃん。私は何の力にもなれんけど、ずっと応援していますよ。

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