2019年03月14日(木)
父の寝顔 [家族]
私は、一日一度も携帯を見ないこともある。
今日も、夕方5時ごろ初めて携帯を見た。
すると兄からメール。なんと朝の8時50分に。
◇ ◇ ◇
おはよう。おじいさんが昨夜肺炎で鞍馬口病院に入院しました。717号室です。まだしゃべれませんが、また見に行ってやってください。
◇ ◇ ◇
あかんやん、しゃべれへんて。
急いで病院へ。
病室に入ると、父は眠りこけていた。
耳のそばで、「おじいさん、こうじです。お見舞いに来ました」と何度も言ったのだが、ピクリとも動かなかった。
「しゃーないなあ、写真でも撮っとくか。」(というのが上の写真。)
どうしましょうと思っていたところに、ちょうど看護師さん。
私の顔を見て、「去年入院されてましたよね。」
「はい、2月と3月と8月の3回。」
でも最後の退院から7か月もたっているのに、よく覚えてられましたよね。
「ふじいさーん、ごはんたべましょかー」
「はい!」
あれ、兄の情報では「しゃべれへん」ということやったのに、元気に返事しとるがな。よかった、よかった。
今日のお昼は、何度も起こそうとしても起きず、一口も食べていないそうだ。私とそっくりの食い意地のはった父なのに、よっぽどしんどかったんかねえ。
実際に食べさせに来てくださった方は、さっきとはちがう看護師さん。
私の顔を見るなり、「去年入院されてましたよね。」
「はい、2月3月8月の3回。」
「そうでしたね。ふじいこうじさんですね。」
「えー、下の名前までおぼえていてくださったんですか。」
私はビックリ仰天だったが、その看護師さんは「なにか」みたいな。
すごい、すごい。7階におられるY看護師さん。参りました。(きれいな方なので、私もお名前をおぼえていました。)
Y看護師さんが上手に起こしてくださり、父はバクバクと食べだした。
お昼に一口も食べられへんかったって、なんやったんでしょうね。
途中Y看護師さんに呼び出し。
食事は中断したが、また最初の看護師さんが戻ってきてくださった。そして、次から次へと食べていき、完食!
そのあと、父は熟睡。
入れ歯を入れたので、しっかりとした顔になった。
せっかく来たので、面会時間最終の8時前までずっと父の顔を見ていた。
ずっと見ていても、ピクリとも動かない。このまま死を迎えたとしても何の違和感もない。
父は今97歳3か月。
100歳まで行くと思っていたが、今日の状態を見ていたら無理なような気がしてきた。
私のがんが全身転移していたら、父より先に死ぬと思っていた。私が先に死んだら父は悲しむ。でも、今の父は私が誰かもよく分かっていないようだ。
父が死んだら私が悲しむ。
たぶん、家族の中で一番悲しむと思う。
ほぼ寝たきりになった今も、こわくてこわくて仕方ない父。
寝たきりの振りをして、私がしょーもないことしていたら「バカモン!」と言ってゲンコツを振り下ろしてくるにちがいない。
うちの父はそういう父です。ああ、こわ!
帰るときも声をかけたが、ピクリとも動かず。
私が来たことも記憶に残らないのはちょっとさびしいけど、しっかり眠って元気になって。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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