2016年10月14日(金)
生前贈与−兵庫・ゆめさき舎にてー [私の好きな人]
遺産になるもんて、なんにもないなー。強いて言えば、未開封の中島みゆきの『夜会』ビデオ。これは、なんとしても兵庫のまっちゃんにもろてもらわんなん。」
「思い出の地巡礼」シリーズの次は、「思い出の人にお別れ」シリーズですか。栄えあるその第1弾は、兵庫・ゆめさき舎のまっちゃん。
まっちゃんに会えたのはもちろんうれしかったが、この作業所のオリジナルメンバー(AKBかい!)のMI君が「「パオパオさん・・・」と言いつつ不気味に近寄ってきてくれたのがうれしかった。
午前中に15km走り、きくのお散歩をしてからシャワー。さっぱりして着替えて、レトルトカレーの昼食。
12時45分自宅出発。兵庫県姫路市夢前町の「ゆめさき舎」へ。
以前松本さんから、「前のようにのんびりした雰囲気がなくなってきて、いろいろと大変です」と聞かされていた。それを聞いて、私のような完全部外者がひっかきまわしに行くのはどうかと訪問を自重していた。そのため、今回は約2年ぶりの訪問ということになる。今はもうそんなことゆうてらませんから。どんどん時間がなくなっていくようで・・・。
上賀茂神社前でやきもちを買い、おみやげに。
シュッと寄れて、シュッと買って持っていけるので便利。
京都南ICから中国道・福崎ICへ(3230円)。
運転しながら今後のことを考えた。
「20日の検査は3時間ほどかかるって。きついなあ・・・。」
「31日に今後の治療方針が決まる。これが第2宣告日ちゅうことやなあ。」
「そうそう、その日がI医師とのお別れの日になるんや。『いい先生にお会いできてよかったです』ってゆわなあかんな。」
そう思ったら、涙があふれそうになった。
「あかんあかん。そんなまじめなセリフはボクには似合わん。笑ってお別れできるあいさつを考えよう。」
ゆめさき舎」に着いたのは3時すぎ。
もう、通所者のみなさんを送って行かれるところだった。
玄関におられた松本さんは、私の顔を見てびっくりされていた。
「動けるうちに、お世話になった人に直接会ってお礼をゆうとかなあかんと思って・・・。」
「いやいや、そんな・・・。」
「現時点では、首が苦しいだけでほかはどっこも悪くないんです。今日も午前中に15km走ってきました。そこそこのスピードで。
でもこれがだんだんとゆっくりしか走れへんようになって、次は走れへんで歩くようになって、その次は立つこともできひんようになって、寝たきりになって、死ぬんですかねえ・・・。」
「いやいやいや・・・。」
あかんあかん、これは「死ぬ死ぬハラスメント」や。大事な友だち、まっちゃんを困らせてどうすんねん。
「ボクの唯一の遺産、中島みゆきのビデオを松本さんにもらってもらいますわ。『生前贈与』です。未開封やし、めっちゃレア物ですよ。ヨメさんが、『ネットオークションに出したらけっこうな値が付くでー』ゆうて惜しがってたけど。」
「ありがとうございます。12月に兄貴の作ったみそ持っていきます。」
ビデオがみそに。ここのみそ、めっちゃおいしいんですわ。12月が楽しみやわー。その時、入院してたら味わえんけど・・・。
無認可が認可になって、役所関係の方の訪問なども多いようだ。
「前みたいに写真撮ったり、それをブログに載せたりしたら問題でしょ」とお聞きすると、「全然だいじょうぶですよ」とおっしゃってくださった。私は「好意をもって」ブログに載せさせてもらっているが、それを「悪意をもって」と取る人もいるかもしれない。
「だいじょうぶ」と太鼓判を押してもらったので、私がこの先元気だったらまた来ます。その時もし問題起こしてしまったら、守ってくださいね。
帰りに東側から「ゆめさき舎」の写真を撮った。
「おー、なんてこったい! 『ゆめさき舎』に『ゆめ』がない。それはあかんやろー。ゆめが見えるようにしてくださいね。」
しゃべる時間があまりなく、「死ぬハラ」もエスカレートせずよかった。
私の病気話を聞いた方は、たいてい「どうゆうてええか・・・」と言葉に詰まられる。どうもせんでも、「ふつう」でええのに。みんなに気を使わせてしまっては、私も動きにくくなる。今まで通り「ふつう」でお願いしますね。
「ゆめさき舎」にいたのは30分ほど。3時35分に帰路に。
帰りは、高速代がもったいないのでR372でゆっくりと。
帰りは、私の遺書案を考えた。なんでも早め早めにね。
頭の中にあるパソコンに打ち込んでみる。
まずはヨメさんに・・・。
あれもこれもそれもどれも・・・。死ぬのにそんないっぱい書いてどうすんねん。そう思ったら、最終的には31年もしんぼうしていっしよにいてくれたことへの感謝しか残らない。
廉にはあのことは書いておきたいなあ・・・。
真樹にもあのことは書き残しとかんと・・・。
でもそんなん残したら重すぎるかも・・・。
けっきょく、子どもらにも感謝の気持ちしか残らない。
きくちゃん・・・。
きくちゃんは人間の言葉がちょっとだけ分かる。でもオッサンがおらんようになっても、「また一人減ったんか」くらいで終わってしまうんかなあ・・・。
やっぱり、きくちゃんにも感謝感謝。
オリンピックのメダリストのコメントがワンパタ−ン。「私を応援してくださったり支えてくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。」
もうちょっと気の利いたことゆえる奴やつはおらんのかと思っていたが、感極まったら感謝しかない。私もウルウルきながら、頭の中のパソコンを打ち込んでいた。
こないだヨメさんに言っていた。
「一番好きな人と結婚できて、かわいい息子と娘に恵まれて、かわいい犬もネコもいっぱい飼えたし、なーんにも思い残すことはないわ。」
「そうやろ。」
あとねえ・・・。
姉や兄にはいらんな。
あっ、おとちゃん(父)忘れてた。まさかもうすぐ95歳になる父より先に行く可能性があるとは・・・。
「おとちゃん、ごめん。ボクはおとちゃんとおかちゃんを笑わすために生まれてきてん。ほかのしっかりした兄弟とちごて、アホなこといっぱいしたしおもしろかったやろ。でも、もう笑わせられへんかもしれんねん・・・。」
あかんあかん、涙あふれてきて前が見えん。事故起こしそう。
打ち直しや。
いやいや、父には全部内緒にしてもらった方がいいのかも・・・。
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【今日のきく・2】
夜のお散歩。
いつも行く大きな公園にゴムボールが。
なんにも言ってないのに、自分で遊びだした。
あー大暴れ。
きくもこれだけ遊んだらすっきりしたみたい。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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