2011年05月16日(月)
再見、あんも! [わんこ・にゃんこ]
「きくもあんもに 『さいなら』 ゆうたって。」
「くぉーん。この黒いのん、どっかで見たことあるなー。くぉーん。でも、何で全然動かへんのかなあ。くぉーん・・・」
いつか撮りたいと思っていた「きくとあんものツーショット」。こんな形になるとは・・・。
「あんもなあ、夢に出てこーへんかったわ」と私。
「そらそうや。そうやすやすと出てくるかいな」とヨメさん。
「でもな、夜中にあんもがカタカタ、カタカタと動いて目が覚めたわ。」
「なんでやねん!」
そう、たぶんあれは私が寝返り打ってあんもが入っているケースに当たっただけなんやろうなあ。
寝る前、カチカチになった体をなでていると涙が止まらないので、まだグルグルと動くしっぽばっかりさわっていた。
昨日の夜、家族みんなであんもにお別れをした。
真樹はあんもちゃんへの手紙も書いてくれた。
廉も夜遅く帰ってきたのだが、ちゃんとお別れを言いに来てくれた。
なんてったって、廉より2歳も年上の先輩なんやから。
これで、家族みんなの写真をあんもちゃんに入れて上げられる。
自転車通学の真樹を見送り・・・。
と思ったら、きくがダッシュ!
これからのきくの一番大事な仕事は、「長生きすること」。
きくとの散歩が終わったら、いよいよあんもの旅立ち。
家族の写真を持たせて・・・。
東映団地を出るとき、かしこそうなネコちゃんが私たちを見送ってくれた。
「よかったな、あんもちゃん。見送ってくれてはるでー。」
まずはいなかの父の家へ。
「おじいさん、スコップやら貸してー。ずっと長生きしとったネコが死んでしもてん。」
「おう。おんなじとこに埋めんのか。」
「うん。これでネコはおしまい。」
「何年生きてん?」
「もうちょっで22歳やったんや。」
「ほー、そんな長生きのネコ、聞いたことないなあ。」
そのとき、父は少しうれしそうな顔をしたように見えた。年老いた動物が大事にされることが人間の世界にも通じるような・・・。
「あこらのまわりな、猪が暴れまわっておどいことになっとるど。」
「えっ、ほなら、墓のとこも・・・。」
「いや、あこはちゃんと石が敷いてあるさけ、だいじょうぶや。」
「あーよかった。」
うちの田んぼの一番はしにあるネコさんやエリちゃん(犬)の墓は、整然としていた。よかった。
できるだけひっついていたほうがいいので、一番手前を掘ることにした。
深さ50cmくらいは掘れたので、いっしょに入れる花を探しに行った。
すると、坂の下から杖をついた父がゆっくりと歩いてくる。ここに来るなんてひと言も言ってなかったのに・・・。
父も今年の誕生日で90歳。
ネコさんらの墓の前で、ずいぶん長い間立ち話をした。
最後の最後にあんもと仲良くなれたように、いつか父とも普通にしゃべれるようになれるのだろうか。私はこの歳になっても、「父=威厳」。いや、ずっとそのままでもいいのかも・・・。
いよいよほんとうのお別れ。
あんものおもちゃを入れてやった。
一番のお気に入りは、ピンクの舌を出しているポケモンの「ベロリンガ」。朝見るごとに「ベロリンガ」の場所が変っていておもしろかったなあ。
花をさがしたが、椿とタンポポくらいしかなかった。
黒猫ガラのひざ掛けは、あんもの形見として私がもらう。
その代わりでもないのだが、私の「走」Tシャツを上に。あんもには、夢の中でも走っていてほしい。
「再見、あんも!」
1989年の中国・天安門事件のあたりに生まれたはずなので「あんも」と命名。そんなあんもには、「さよなら」ではなく「再見」やね。
この上に土を。
さすがにここで涙があふれてきた。
でも、まだ父がそばにいたのでちょっとひっこんでくれた。
上に平べったい大きな石を置き、あとは「あんも石」さがし。
川に黒くてあんもの顔みたいな石発見。これを一番上に置いて、しっかり拝んで終了。
お墓のあるところは、家からちょっと離れている。殺風景なところなので、花でも植えたらいいのかなあ。
最近はお墓まいりもほとんどしていないので、また行かなくては。
廉や真樹が生まれるずっと前から、私たち夫婦を楽しくしてくれたネコちゃんやワンちゃんなんやから。
夜、ヨメさんがうちのお客様からいただいた花束を持って帰ってきた。
「あんもちゃん やすらかに・・・ パオパオのファンより」
ほんとうにすいません。ありがとうございます。
今は力が抜けてしまって、走る気がわいてきません。
ゆっくりと長い時間をかけて、いろいろなことを思い出しながら走ってみたい。そうなると、5kmじゃなくてウルトラになるんですよねえ・・・。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
ふきこさん、ずっと見続けてくださってありがとうございました。
あんもは、拾ってきた当初は先輩ネコたちにいっぱいいじめられたようです。その7ひきが全部死んでしまってからの4年は、マイペースでのんびり暮らせたと思います。
今、あんもは階段を下りたり上ったり、缶詰のカンをコロコロ転がしたりしてるんじゃないでしようか。
早く、夢に出てきてほしいなあ。
あんもちゃん、とても幸せでしたね。
もう天国で走り回っているでしょうか。