パオパオだより

2009年11月19日(木)

京都水族館 [雑感]

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(財)京都市都市緑化協会ホームページより

◎毎日新聞(京都版)11月16日朝刊より

 支局長からの手紙:京都水族館 /京都

 日本は四方を海に囲まれているせいか、日本人は魚を食べるのが好きなだけでなく、見るだけの水族館も大好きなようです。正確なことは忘れましたが、大きな水族館がこれほど多くある国は珍しいと聞いたことがあります。水族館は自由に生きている魚を人間の都合で水槽に閉じ込めるからけしからん、と魚の立場に立つ意見もあるでしょうが、「水族館はあってはならない、悪いもの」とは思いません。

 ところが、京都市内中心部にある市有の梅小路公園にオリックス不動産(東京都港区)が日本初という内陸型大規模水族館「京都水族館(仮称)」を建てる計画だと聞くと、「水族館がある京都なんて想像もしなかった。京都に似合うだろうか?」と素朴に思います。大阪市や神戸市に水族館があっても違和感はありませんが、京都市に水族館が出来ると考えるだけで、違和感を覚える人は少なからずおられるのではないでしょうか。

 市緑政課が「京都水族館」とJR西日本が計画する「京都鉄道博物館」の建設を軸にまとめた「梅小路公園再整備の方向性(案)」を読むと、市は公園の再整備で地域が活性化することを大いに期待していることが伝わってきます(もっとも、同公園を作るときにも「地域を活性化する」と周辺住民に説明があったそうです)。しかし、市が最も期待しているのは市の財政が少しでも良くなることではないでしょうか。

 市は市有地を民間に貸せば借地料を稼げます。また、観光客が市内の宗教施設にお金を落としても税収にあまり直結しませんが、民間の水族館に約200万人(開業初年度の目標)も入場すれば市にも大きな増収となるでしょう。市は周辺社寺など「歴史文化資源」との連携を強化し、共存共栄を目指そうとしていますが、観光客が200万人も純増するでしょうか。現実的に考えれば、観光客は何カ所かの社寺で使う時間とお金を水族館に回すようになるでしょう。その結果、水族館建設を認めた市と社寺がぎすぎすするようなことにならないか心配です。

 そもそも同公園は平安遷都1200年を記念し、「都心の緑の創造」「歴史の継承と未来への飛躍」「緑の文化の発信」をテーマに整備されたそうです。京都水族館が「ワカメや昆布を主体にした海の植物園」になるのなら梅小路公園の理念にピッタリです。もちろん、そんなはずはないでしょうね。でも、どのような水族館になるか具体的な計画案はまだ市にも示されていないそうです。

 伝統と格式を重んじる一方で、革新性も併せ持つ京都、京都人が納得して受け入れられる水族館なのかどうか。早く青写真を見せてほしいという声をよく耳にします。皆さんはどのようにお考えですか。【京都支局長・北出昭】

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◎ (財)京都市都市緑化協会ホームページより

 梅小路公園のご案内

 梅小路公園は、市街地の中心(京都駅から西へ徒歩約15分)にありながら人が緑と花で憩える空間として、また災害時には市民の皆さんが避難できる場所として、1995(平成7)年から開園している面積約11.7ヘクタールの都市公園です。公園内には、広々とした「芝生広場」、水と親しめる「河原遊び場」、賑わいのあるイベントが開催される「七条入口広場」、フィールドアスレチックのある「ふれあい広場」などがあり、また有料施設として、建都1200年記念の日本庭園「朱雀の庭」や、自然がいっぱいのビオトープ「いのちの森」、昔懐かしい「チンチン電車」(土日祝のみ運行)、レストランや貸室(和室・茶室・イベント室)のある「緑の館」があります。
 公園の隣には、蒸気機関車のことならなんでもわかる「JR梅小路蒸気機関車館」があります。

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 3日前の朝。

パオパオ「今日の毎日新聞に、京都水族館のこと、わかりやすー書いてあったわ。『支局長からの手紙』っていうコラムあるやん、あそこに。」
ヨメさん「なんて?」
パオ「京都市に水族館は違和感を覚えるって。梅小路公園は緑の創造をテーマにつくらはったんやて。それやったら、ワカメや昆布の水族館にしたらテーマに合うって書いてあったわ。」
ヨメ「そんな変な水族館、誰が行くねんなー。」
パオ「そう、それが言いたかったわけや、支局長さんは。誰も作ってほしいってゆうてへんもん無理やり作って、誰が行くねんてな。」
ヨメ「そんなんゆうたら、動物園かてみんなそうやん。」
パオ「いや、それはいっしょにしたらあかんと思うけど・・・。」

 ここ最近の流れを見ていると、「何が何でも、梅小路公園に水族館作ったんどー」という京都市の意気込みが感じられて気色悪い。「そんなに必死になって作らんならんようなもんかい?」
 京都市の説明によると、水族館建設予定地は現在別の建物が建っている場所で、水族館ができても公園が狭まることはないらしい。
 しかし、しかし・・・。
 
 去年、パスポート申請で京都駅ビルに行き、お昼ごはんを食べたレストランから北側を見て絶句した。
 「オウ、ナンテコッタイ! コンクリートジャングル・キョウト」。
 よう、これで観光都市ってゆうてるなーと思った。とても「古都」のイメージではない。奈良のほうがよっぽどまし。

 その時思ったのは、コンクリートの建物を壊し公園に作り替えた会社に、莫大な報奨金を与えたらどうだろうということ。これから人口も減ってくるらしいし、会社や工場もどんどんつぶれていくだろう。そんな廃墟を残すくらいなら、今のうちに予算を計上し、それこそ「緑化」に力を入れていけばと思う。

 この梅小路公園も、ぐるっと回れば800mほどのジョギングコースがとれるらしい。それなら、その水族館予定地もジョギングコースにしてもらって、車の心配なく走れるコースを伸ばしてもらったらどうだろう。

 京都はまわりを山に囲まれているので、緑が多いと錯覚している人が多い。とんでもない。街中で安全に走れるところはほとんどないと言ってよい。大都会東京のほうが、よっぽど走れるところは多い。

 私が今ほしいのは、コンクリートで囲まれた冷たい建物ではなく、なーんにもない安全な原っぱです。

Posted by パオパオ   トラックバック ( 0 )   コメント ( 4 )

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コメント

 ミーコさん、またまたコメントありがとうございます。

 よかれと思って作った物がさっぱりやったというのはよくある話。でも、そこから学ぷことがないと進歩もないですね。

 話は飛躍しますが・・・。
 ずっと前のこと、仲代達也さんの演劇をテレビで見ました。その舞台にあるのは、四角い箱が5つほど。初めから終わりまで、その5つほどの箱だけで全ての場面を表現していました。
 目からうろこ。
 背景も何もない舞台でも、役者さんの力量によってどんどん想像をふくらませることができる。

 ごっちゃらごっちゃらいっぱいあるよりも、なーんにもないほうが心は豊かになっていくような気がします。多すぎるいろいろな情報も、もう要りません。
 シンプルにシンプルに、まず身近に見られるものからしっかり見ていきたいと思います。

パオパオ 2009年12月01日 23時25分 [削除]

パオパオ様

 こんばんは、ミーコです。コメントへのご返信
有難うございました。
 全くパオパオさんに同感です。

 ハコモノを作って、全てお膳立てして「環境教育
してます」っていうのは、今の時代、貧しい発想や
なあと思います。

 何もない原っぱこそ、いろんな昆虫や鳥がいたり、
子どもたちが想像力を働かせて遊びを生み出したり、
思い切り暴れたりできる、貴重な場所だと思います。

 水族館ができるというのでいろいろ調べてたら、
東南アジアでは、日本を含む先進国のペットショップや
水族館に売るために、ダイナマイトや、珊瑚礁の間に
青酸カリを注入したりして熱帯魚を捕獲することも
あるらしく、魚が次第に小型化してしまったり、
イルカショー用のイルカも水族館に連れて来られてから
すぐに死ぬことも多いそうです。

 ほかの生きものの命や、海外の生態系を犠牲にして
まで、森の中に水族館をつくる必要があるんかいな?
と思ってしまいます。

 建設予定地は、子どもたちが思い切り遊べて、
大人たちもゆっくり過ごしたりジョギングしたり
できる、原っぱのままで残して欲しいです。

ミーコ 2009年12月01日 22時56分 [削除]

 ミーコさん、コメントありがとうございます。

 私は出張販売で名神高速・京都南ICを使うことが多いのですが、JRをまたぐ高架橋からあの公園を見るたびに、「はー、京都にもこんなええ公園があったんや」と思います。土日通るせいもあるでしょうが、いつも家族連れでにぎわっています。みんなが集える場所は、なーんにもない原っぱが一番ですよね。

 このブログにも書きましたが、本当に京都は安全に走れるところがありません。昼間はまだしも、夜は皆無といってもいいくらいです。きっと、この公園は、ご近所のランナーやジョガーにも重宝されていると思います。

 たいそうな建物を建てれば人が集まると思っている貧困な発想しかない人たちは、「水族館」が(できたとして)破たんした時どうするつもりなんでしょう。
 どうせお金を使うなら、「水族館」ではなく、子どもたちが川や海の生物と出会える機会のほうに使ってほしいです。
 動物園の動物はむずかしいけれど、海に囲まれ川もたくさんある日本なら、水生生物はできる限り現地に出向いて見てみたいです。子どもにも、現地で見てもらいたい。
 冷暖房完備の建物の中で見る生物からは、豊かな発想が生まれるようには思えません。

パオパオ 2009年11月30日 16時32分 [削除]

パオパオ様

 こんばんは、初めて投稿させていただきます。
たまたま「京都水族館」で検索していたら、
パオパオさんの楽しいブログに行き着きました。

 記事を拝見し、「そうそう、そのとおり!」と
思いました。

 京都水族館、あまりにも不自然なんですよね〜。

 さて、12月6日に梅小路公園の緑の館で
下記の集まりを行います。水族館の建設計画を
含めて、みんなでどうすれば素敵な公園になるか
考えよう、という会です。

http://www.jca.apc.org/~qzu03325/091206umekouji.html

 もしご都合がよろしければ、ぜひご参加ください。
どうぞよろしくお願いいたします。


ミーコ 2009年11月29日 23時28分 [削除]

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