2021年01月15日(金)
「猫は生きている」 [書評]
◎絵本ナビより
発売日: 1973年10月
著者/編集: 早乙女勝元, 田島征三
レーベル: 愛蔵本
出版社: 理論社
発行形態: 全集・双書
ページ数: 86p
ISBNコード: 9784652020050
○絵本ナビメンバーの声
なんとも救いようのない哀しいお話です。
昌男の家の軒下に住み着いた野良猫の「稲妻」とその子どもたち。
稲妻一家の生きる姿を通して子を思う親の気持ち、家族愛が伝わってくるのですが、それを戦争の悲惨さがこれ以上ない重苦しさと緊張感で包んでしまいました。
大空襲に見舞われた昌男の家族。
火の手から必死に逃げる姿と家族を思う心。
生きる望みが一つ一つ打ち砕かれていきます。
まさに地獄です。
畳みかけるような地獄の様の中で、昌男と母親は離ればなれになってしまいます。
川に逃げ込んだものの次々と息絶えていく人々。
その中で生き残りながら稲妻一家を岸に上がらせると力尽きて死んでいった昌男。
逃げ場を失いながら、子どもを守ろうとした母親。
最後まで期待したのだけれど、誰も助からなかった。
生き残ったのは猫たちだけ。
たくましさと悲惨さの中で、稲妻は生き続けなければいけません。
見ているものにとって、これ以上の衝撃はないのではないでしょうか。
戦争の悲惨さと平和を訴え続ける早乙女さん。
実体験を通して稲妻一家の中に早乙女さんがいるのではないでしょうか。
そして、激しいタッチの絵で見るものを圧倒する田島さん。
いつまでも大事にしていきたい絵本です。
(ヒラP21さん 50代・千葉県 男の子13歳)
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体が元気になったら本を読もうと思っていた。
でも体力が落ちているのと同様に、知力も落ちている。
今日24時間バイトだが、途中3時間の休けいがあるので本も読める。(その間は、電話と来客のみ対応すればいい。)
ただし、かなり頭も衰えているので難しい本はダメ。
前から読みたかった早乙女勝元さんの「猫は生きている」を読むことにした。
東京大空襲のことを、小学校低学年以下の幼い子ども向けに書かれた本であるということは知っていた。だから、大変な目にあっても、最後は希望が持てる終わり方だと信じて読み進めた。
実際はちがった。
「猫は生きている」けれど、「人間は全滅」。それもみな焼夷弾に焼かれて死んでいく。「まさか、まさか」の連続だった。こんな悲しい話を、とても小さな子どもに読み聞かせる自信はない。
「パオパオ、なんで泣いてんの?」とひかれてしまうのがオチ。
でも、この悲惨な結末が現実。
小さい時に心のどこかに引っかかったものは、必ずまたひょこひょこと顔を出すはず。
廉や真樹には読んであげられなかったけど、もしいつの日か孫ができたら、読み聞かせさせてもらおうかなあ。まず、自分が泣かずに読み進められる訓練をしなくては。
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【今日のみー】
私が朝早く出ていくときも、「みーみー」言ってごはんをねだる。
私の足へのスリスリもだいぶ板についてきた。
みーちゃんに「行ってきまーす」と声をかけるだけで、ちょっとやる気がわいてくる。おもしろいもんですね。
みーちゃんは推定2歳やそうやから、確実に私より長生きする。オッサンになついてもあんまりええことないかもしれん。やっぱりオバサンになついときなさい。それが平和ちゅうもんや。
きくちゃんが寝ている間に家を出て、今日は泊まり。明日帰ったらまたすぐ泌尿器科クリニックに行かんなんので、きくちゃんには当分会えないかも。さびしいねえ。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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