2009年06月24日(水)
沖縄学 [沖縄]
昨日6月23日は、沖縄「慰霊の日」。
1945年3月26日、慶良間列島(渡嘉敷島など)に米軍が上陸。4月1日には沖縄本島にも上陸。そして、6月23日、沖縄戦の司令官であった牛島満中将の自決をもって、組織的な戦闘は終結したとされる。
犠牲者は、一般住民94000人(推計)、日本軍94136人、米軍12520人。この3ヶ月たらずの間に、20万人以上の命が奪われた。
この中の一人が、うちの実家の本家の先代、藤井勘六さんである。
私の父・善一のいとこ。現在「かんろく」家を守っておられる藤井克己さんのお父さんである。
勘六さんは、准尉として内地勤務。赴任先を京都・沖縄のどちらか選べたそうだ。そのとき、「日本がやられるときは、京都も沖縄も同じ」と言って沖縄に行かれたそうだ。
私の父が出征するときも、「絶対に死ぬなよ」という言葉で見送ってくださったそうだ。
その勘六さんは沖縄戦で玉砕し、もちろん遺骨などは一切なし。いなかの家に戻ってきたのは、名前を書いた木の札だけだったそうである。
おとなりのおじさんが戦死されたことは知っていたが、くわしいことを聞いたのはつい3年ほど前のこと。
私たち沖縄以外の住民は、沖縄のことを知らなさ過ぎる。日本国内の米軍基地の75%が沖縄に集中していることを、なんとも思わない日本人が多すぎる。これは、学校教育との関係が深いのではないだろうか。
小学校から「英語教育」を必修化するくらいなら、日本のさまざまな問題が集約されていると言ってもいい「沖縄」のことをもっともっと学ばせてほしい。
そんなことを考えている人は、あまりいないんでしょうか。
・・・と、かく言う私も、沖縄のことをいろいろ調べだしたのはわずか5、6年前のこと。
なかなか現地に行くことは難しい。私の乏しい読書経験から、沖縄に関する本として次の3冊を推薦したい。
「子乞い」
たぶん6年ほど前。本屋さんで変わった題名の本が目についた。
そのとき、ちょうどうちの子はいなかの学校で学年一人。遊び相手もいない学校でふさぎこんでいた。
よく似た境遇の地域と学校。一気に読んでしまった。
この原作が、後にテレビドラマ「瑠璃の島」になり、コブクロの主題歌「ここにしか咲かない花」も大ヒットした。
沖縄の問題を考えるという意味では、ちょっと特殊な部類にはいるかもしれない。しかし、私が沖縄に関心を持つようになったきっかけを作ってくれた本である。
この本が縁で、2006年6月、10月、翌年3月と、3回も鳩間島に行くことができた。3回とも子どもといっしょに行ったのだが、何かはつかんで帰ってくれたと思う。
うちの子らが通っていた別所小・花一中は、統合により今はない。鳩間小中学校も、今月の19日、在校生4人(兄弟)が島を出てしまい在籍0。またも廃校の危機。
無理を承知で始めた里親制度であったであろうに。この先どうなるのか心配だ。
(著者・森口豁氏は、沖縄についてのたくさんの著書がある。ぜひ、ほかの本も読んでみてください。)
「平和は退屈ですか」
平和を守るためになにかをしたい。でも、なにをしていいかわからない。その答えが、この本の中にある。
「ひめゆり」の語り部たちと若者との論戦も興味深い。
戦争体験のないものが戦争を伝えていくには・・・。そうか、こういうふうに考えたらいいのか。ちょっと、目からうろこだった。
若い人にこそ読んでもらいたい本である。
「沖縄に学ぶ子どもたち」
えー、こんな小学校があったのかー。
小学生のころから沖縄を学ぶことの大切さ、この本を読むとよくわかります。子どもは、ちょっと材料を出してやると、その後は、自分たちでどんどん興味を広げていく力がある。
こんな小学校で、先生をしてみたかったなあ・・・。
シンガポールとかマレーシアに研修旅行に行ってる高校 !
何で沖縄に行かんかなあ。沖縄には、自分を見つめなおす材料がいっぱい詰まっているのに、ああもったいない。
以上。
沖縄に関心のある方は、ぜひ「沖縄に学び、沖縄を学ぶ」気持ちを持ち続けていってください。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
みきさん、関心を持ってもらってありがとうございます。
ひとつのことに興味を持つと、どんどんそれが広がっていくのがおもしろいですね。
今の一番の心配ごとは、「鳩間小中学校の廃校の危機」です。
2回目に真樹といっしょに鳩間島に行ったとき、民宿の隣のおじさんから、「まきちゃーん、鳩間にきなさーい」と言われた言葉が忘れられません。もし、あのあと行っていたらどうやったんやろう、とか思ってしまいます。
ふくた君はどうですか。思い切って、沖縄の小学校ということも・・・。(無責任なことは、言ったらあかんかな。)
私は独身の頃趣味のダイビングで何度も沖縄へ行き、最近も家族で旅行に行ったのに、沖縄のことあまりにも知らな過ぎでした。
「パオパオだより」で勉強させてもらってます。
紹介されている本、とても興味があります。
なかなか読書する暇がないのですが、なんとか時間をみつけてぜひとも読んでみたいです。