2019年12月05日(木)
藤井善一、98歳 [家族]
今日12月5日は、父・藤井善一の誕生日。
1921年(大正10年)生まれなので、今日で98歳。
一人でお見舞いに行こうと思っていたのだが、それではあんまり寂しいので、ヨメさんの仕事が終わるのを待っていっしょに来てもらった。
11月21日、兄からショックな報告。
「おじいさんの具合が急激に悪化。もう何も食べられず、チューブ(点滴や酸素)で現状維持を保っている状態。何も反応がない。」
10月末にお見舞いに行ったときは、病院の流動食を全部食べていたのに。呼びかけたら、片目だけ開けていもいたし。
それを聞いてからはお見舞いに行きづらくなった。もっとひどくなっていたらどうしようと心配になって。
でも、今日は父の誕生日。
反応がなくても、お祝いはしてあげなければ。
「ひょっとしたら、良くなっているかも」と淡い期待を抱き、何か明るくお祝いできるものと考えた。
やっぱりきれいな花が一番かな。病院に花はダメということは知っていたが、「誕生日のお祝いをしたら、持って帰ります」と言えばいいだろう。
何軒かの花屋さんをまわって、やっといいのが見つかった。
北山通りに面する「歳時樹」さん。マンションの1階部分がお店だったが、その一番前にシクラメンが置いてあった。
「今日父の誕生日で、今入院中でほとんど何も分からない状態なんですけど、お祝いがしたくて・・・。」
「おいくつですか。」
「98歳です。」
「それは、おめでとうございます。女性の方の90歳代はたくさんおられますが、男性は少ないでしょうね。」
「はい、そうやと思います。この花を見て、喜んでくれたらいいんですが・・・。」
花屋さんを出たとき、気づいた。
特別、花が買いたかったわけではない。
誰かに父のことを聞いてもらいたかっただけかもしれない。。
それに手ぶらで行って、もう動かないかも知れない父親に対峙する自信もなかった。
病院に着き、お見舞いに来た事を告げると、看護師長さんが出てきてくださった。
「藤井さーん、息子さんが来てくださってますよー。お誕生日のお祝いに来てくださってますよー。」
えっ、反応ないって聞いてたのに、父を起こそうとしてはるやん!
「あのー、ずっと寝たままって聞いてきたんですけど・・・。」
「はい、2週間ほど前はそうでしたね。でもそれからまただいぶ元気になられて、調子のいい時は起きて返事をされたりもしてますよ。」
「えー、そうなんですかー。よかったー。」
ヨメさんが父の目をふいてくれた。そしたら、しかめっ面で反応。目は開けなかったが、明らかにヨメさんのほうに顔を向けていた。
私は父の手を握って「腕相撲」。思っていた通り、大きな手ですごい力。
父が弱っていると思って腕相撲したら、コテンとやられてしまう。「バカモン、こうじに負けるかー」と父が笑う。こんな夢を何回も見た。それは夢でもないみたい。
「アンタもお兄さんもたいそうやねん。おじいさんはそうやすやすと弱ったりせん!」
「弱虫兄弟やしな。」
「犬猫で泣けども、人では泣かず」が私の信条なのに、今日はちょっと危なかった。
ヨメさんが若ちゃんからいただいたクリスマスプレゼントも、にぎやかしに病院に持って行かせてもらった。何も食べられへんから、すぐ持って帰ってきたけど。
最後まで目は開けてくれへんかったけど、きっと心の目で見てくれてるやろう。
今日でちょっと安心。
また見に行きます。
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【今日のきく】
オバサンに固められて、必死でペロペロしているきくちゃん。
かわいいなあ。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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