2018年10月14日(日)
第4回峨山道トレイルラン・前半 [ランニング]
完走できました。
完走タイムは、制限時間1秒前の14時間29分59秒。
もちろん、狙っていたわけではありません。(狙ってできたら恐いわ。)
今回の「峨山道トレイルラン」の参加目標は、癌告知2周年を迎えて「悟りを開く」こと。しかしこんなこと1回したくらいで悟りが開けたら、修行僧に失礼というもの。
それは分っていたのだが、14時間半の間には心の浮き沈みが何度もあった。何回計算しても、制限時間内完走が微妙。(がんばればギリギリ間に合うが、気を緩めたら間に合わない。)
その微妙さは、ゴールに近づいた時までもずっと継続。
そんな気持ちでゴール前の真っ暗闇を走っていると、ゆっくり走っておられる「27番」の女性選手に追いついた。
「あと10分あります。がんばったらゴール制限間に合いますよ。」
「そうなんですか。」
どうも彼女は腕時計をしてないようで、そのあと何回か私に「あと何分ですか」と聞いてこられた。
ただ私より元気が残っていたようで、一番最後の永光寺への長い階段の下には私より先に到着していた。
「制限時間内ゴールまであと40秒。39、38、37・・・」とアナウンスが聞こえる。
最後の力を振り絞って階段を駆け上がる。
階段の途中で止まりかけていた27番さんに追いつき、二人ほぼ同時にゴールの計測器へ。(この大会は、腕に着けた計測用バンドを、計測器に接触させる方式。)
ここで一瞬「レディファースト」という言葉が頭をよぎった。
彼女はギリギリ時間内に計測。続けて私がタッチしたが、惜しくも制限時間を数秒過ぎていた。
「あー、数秒アウトとは・・・」と嘆いていた。
しかし完走証発行所に行くと、「完走証出ていますよ」とのお言葉。
いただいた完走証は、「14時間29分59秒」。
神様、いやいや仏様がちゃんと見ていてくださったんですかねえ。「我が我が」と前に行かず、女性を優先したことを。そのごほうびが、「制限時間1秒前の完走」だったんでしょうか。
これが今回の成果です。
「我が我がはダメ。譲れる心が大事。」
足はバキバキだが、最後に気持ちよくゴールできた。
よかった、よかった。
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やっぱりぐっすりは眠れなかった。
10時20分くらいにふとんに入り、12時から1時50分までは続けて眠ることができた。しかし、その前と後は数十分ごとに目覚めて時計を見ていた。
七尾の「さたみや」さんから輪島市の總持寺までは50km。3時10分に出発し、1時間で到着。
駐車場でパンやバナナを食べてから、スタートの總持寺山門前へ。
車の外気温計は11℃で寒かったが、無風だったのでウインドブレーカーは着なかった。走り出したら寒さは感じなくなるでしょう。
私の菅笠は目立つ。すぐに山越さんが見つけて声をかけてくださった。
山越さんは羽咋のホテルに泊まられたそうだが、9時から3時までしっかり6時間寝られたそうだ。大物ですね。私は時間が気になって気になって・・・。
この大会の最大の特徴は「セルフサポート」。
エイドステーションは48km地点におにぎりなどがあるだけで、あとは真水と塩のみ。スポーツドリンクさえない。
私はそれが気に入って申し込ませてもらったのだが、参加者の皆さんの装備を見ているとさすが本格的なものばかり。私の「作務衣・菅笠」は異様と言えば異様。
「ふざけるな!」と食ってかかってくる人がいないかとビビっていた。
前日の競技説明会で「持ち物・装備に不備があった場合、出走できません」と強調されていた。しかし、当日スタート前の持ち物検査は時間の都合で省略。
よく考えると、400人の検査を短時間でするのは無理でしょう。私のような怪しそうな人だけピックアップして調べるという方法でよかったのかも。
スタート直前にやっと内田さんが到着。
これで、女子エース、男子エース、男子中古が勢ぞろい。
ゴールでお会いするのは無理なので、ここで京都走ろう会の3人そろっての写真が撮れてよかった。
午前5時、およそ400名が真っ暗闇に向けて一斉スタート。
周りのみなさんのヘッドライトが明るかったので、私はつけずに便乗ランということにさせてもらった。厳密にはこれは違反でしょうけど。
1km過ぎから山中へ。
ここでもうへたっている男性ランナーがおられてビックリ。続けてもう一人の男性ランナー。また続けて、今度は女性ランナー。
14時間半制限のレースで、30分も走らないうちに3人もリタイアとは・・・。いったい何があったんでしょう。今まで見たこともない事態だったので不安。
ちょっと上って、すぐに下り。
ここで道幅が狭くなり大渋滞。まああせってもしょうがない。
「峨山道」の標識、いいですねえ。走る気がモリモリわいてきますねえ。
また上り坂が続いたのだが、そのあちこちに地蔵様が設置されていた。暗くてよく見られなかったのが残念。
第1チェックポイント(第1エイド)、古和秀水(こわしゅうど)到着。
5km、44分半。キロ9分ペース、いいですね。
六地蔵から、また奥深い山道。
途中しらじらと夜が明けて、こんないい景色もみることができた。
まだ序盤なのに、もう「プラ階段」始まってますやん。
話がちがう・・・。
とても336mの低い山とは思えなかった。
私は、もうかなり太ももの筋肉を酷使してしまった。
こういうところは気持よく走れる。
前にも後ろにもろランナーがいっぱいいて走りやすい。
いきなり泥道。
車のわだちにたまった二筋の水たまり。どこを通ってもシューズは水没。
ここでまだ8km。あと65kmもあるのに、もうソックスまで濡れてしまってガックリ。
ほとんどの人がシューズぐちゃぐちゃになっているはずなのに、みなさん気にせずぐんぐん進む。
10km、1時間40分。
ここまでちょうどキロ10分ペース。
15km、2時間18分。
このあたりはキロ8分を切るペース。
道が川に。
でもこれは序の口だった。このあと、もっともっとひどいところもあった。
20km、2時間51分。
このあたりからGPSの距離表示が狂ってきた。
第2エイド、稗造(ひえづくり)小学校へ。
21km、3時間03分。
ここは、だいぶ前に統廃合された小学校のようだ。
トイレが使えたので中に入ると2つともふさがっていて、待ち時間4分。この時間は残念だった。しかし、すっきりできてよかった。
けっきょく10分休んで再スタート。
家屋のあるところはほとんど通らないので、こんな応援はありがたい。
電動車いすの方からも暖かい応援。
このあたりはずっとアスファルトだったので走りやすかった。
しかし、このあたりからポツポツと雨が。ウインドブレーカーを着るほどでもなかったが、きつくなったら困るなあと思いながら走っていた。
25km、3時間51分。
本来ならここらが3分の1になるのだが、後半のきつさを考えるとまだまだというところ。
車が1台も通らないのどかないなか道。
第3エイド(チェックポイント)、釶打(なたうち)。
28km、4時間16分で入り8分休けい。
GPSの距離測が2kmも狂っている。
ここで石垣に腰かけて給水していると、役員さんが話しかけて来られた。その役員さんがちょっと先までおられた場所では土砂降りの雨だったらしい。山間部はこういう降り方が多い。この先も要注意。
30km、4時間40分。
20kmからあとは、キロ10分を超えるペースになってきた。前後のランナーが一人も見えなくなることもあった。
風力発電の風車が続く区間。
車が通れる道なので走りやすい。
空が晴れて来て、もう雨の心配はなさそう。
こういう見通しのいい道だと、前後にだれも見えなくても安心して走れる。
35km、5時間38分。
この5kmに1時間近くかかったので、キロ12分ペース。
田んぼのあぜ道みたいなところも走る。
人家が見えるとホッとする。
第4エイド、土川。
37km、5時間51分。
給水して、ちょっと休けい。
8分後に再スタート。
前後ランナーが誰も見えないので、ジジイの自撮り。
こんなとこ、こんな格好で走りましたんやわ。
上を通ってるのは高速道路でしょうね。
40km、6時間43分。
田んぼが見えると平坦なのでうれしい。
前半のアップダウンで足がやられて、上りも下りももうまともに走れない。ただし、平坦なところならキロ8分で走れたりする。
45km、7時間39分。
「鉄塔地獄」は第5エイドの徳田の後と聞いていたのに、もう始まっていた。こっちも心づもりがあるんやから、ゆうといてもらわんと−。
これはたぶん「猪の罠」ですね。
入っとったら恐ろしいがな。
高速道路の標識が見えた。
もうすぐおにぎりのある徳田エイドや。
第5エイド(チェックポイント)、徳田到着。
48km、8時間17分。ここまではキロ10分21秒ペース。
私の想定では、ここまで7時間12分で来たかった。でもたしかに走れる区間は多かったが、アップダウンのきついところもたくさんあった。想定外の「プチ鉄塔地獄」もあったし・・・。これで上等。
高速道路の下で休むランナーたち。
ここで休み過ぎると、次に走り出す時がつらくなる。
takacchさんはここでおにぎりを食べ、消化しなくて失敗したと言っておられた。でもそれは速い人の失敗。私のようにギリギリ制限時間内完走を目指しているものは、ゆっくり時間をかけて食べたらよろしい。
そう思いながら食べ始めたのだが、お腹が減っていたのでほとんどかまずにおにぎり2個をバクバク飲み込んでしまった。
でもスタート前に飲んだ胃腸薬「ガスト―ル」が効いていたのか、ムカムカすることもなかった。
それに、こむら返り対策として「コムレケア」も飲んできた。絶対に攣りそうな険しい道も走ってきたが、こちらもだいじょうぶ。
おにぎりを食べた後に、「ガスト―ル&コムレケア」を再投入。
ついでに甲状腺の薬を飲もうと思ったら、どこかで落としてきたみたい。本当はこっちの薬のほうが大事やのに・・・。
再スタート前に、まだまだ元気な写真を撮ってもらった。
この時、体は元気、足はバキバキという状態。
この先は、足がゆうこと聞かない分をどうやってカバーしていくかが課題です。
(注)後半に続く。
Posted by パオパオ トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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