パオパオだより

2015年10月22日(木)

まだまだ生きていく人と仕舞い支度をする人と [雑感]

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今日の昼食

◎朝日新聞10月18日朝刊・政治断簡

   理屈はわかる でも「心」がある
               編集委員 前田直人

 アベノミクスの新「3本の矢」の中にある「介護離職ゼロ」が気がかりだ。施設や介護人材を増やして、家族の介護のために仕事をやめないで済む社会をめざすという。

 「団塊ジュニア世代が大量離職する事態となれば、経済社会は成り立たなくなる」からだと、安倍晋三首相は記者会見で言っていた。

 働き手が減ったら経済が困る、という理屈はわかる。介護にあたる家族の負担は、軽くしなければならない。

 でも、そんなに竹を割ったようにいくのだろうか。

    *

 仕事帰りに立ち寄ったバーで、介護派遣サービスの事業所を近くで営む女性と知り合った。日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会理事の川口有美子さん(52)である。

 彼女のお母さんは全身の筋力を失うALSを患い、8年前に亡くなった。12年近くつきっきりで在宅介護した経験から、いまは重度障害者の介護を支える活動に走り回る。

 ゆっくりお話を聞きたいと思って、改めて喫茶店に足を運んでもらった。

 話題はおのずと介護経験の回想に。「だれにも迷惑をかけずに逝く」という願いは、なかなかかなわないという現実についてだった。

 「呼吸器をつけずに死にたい」。川口さんのお母さんはそう言っていた。けれど病が進行し、いよいよ呼吸が苦しくなった母が口にした言葉は「助けて」。川口さんは「じゃ、呼吸器つけるのね」と言うと、「うん」と応じた。

 「死ぬのは怖くないけど、家族との別れは耐えられない」と母は言ったという。

 詳しいことは川口さんの著書「逝かない身体」(医学書院)に譲るが、呼吸器をつけてからが長い。ずっと付き添いが必要で、お金もかかる。だから保険や税金で負担を軽くし、家族や地域、医療機関が支えるしくみがある。

 お母さんも元気なころ、祖母の介護経験を生かして認知症介護の支援活動をしていた。「税金は本当に困っている人のために使うべきだ」と支援制度の不備について自治体に直訴する姿も見た。

 その思いを継ぐ川口さんに「いまの政治をみて、何か心配はないですか?」と聞くと、即答が返ってきた。

 「もう心配だらけですよ」

    *

 心配とは、経済成長重視や社会保障費抑制の流れのなかで、弱い人たちにしわ寄せがいくこと。そして、お年寄りの命や家族の絆を軽く考える風潮が広がることだという。

 「『弱ったら死ねばいい』なんて思わないでほしい。そう簡単に死ねないし、在宅介護で親をみとりたい人も多い。団塊の世代は一生懸命日本の高度成長を支えてきたのに、死ぬときには厄介払いされるの?」。そんな川口さんの心配を杞憂(きゆう)と言い切ることは、私にはできなかった。

 成長力を追い求めるアベノミクス論議をみていると、人間が「労働力」に置き換えられ、「人の心」をつい見失いがちになる。弱きを助けるという基本が抜け落ちないように、きめ細かく見ていかなければならないと思う。
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 今日も寮の管理代行のバイトで、恒例の朝日新聞チェック。
 この文中の「助けて」は重い。
 まだまだ生きていく人と仕舞い支度をする人と、そのテーマは重い重い。

 ちょっと話を軽くします。
 最近の私は、このさき生きていくことに興味がどんどんなくなりつつある。いつどう死ぬかばかり気になる。平均寿命にはまだまだ余裕があるのだが、これはどうしたことか。いつ死ぬか分らんので、「多少ぜいたくなことでも生きてるうちに・・・」と思ってしまう。
 こんな私に反して、うちのヨメさんはまだまだ生きるつもり。「炎の鍼灸師」目指して燃えに燃えている。燃え尽きてしまわんかと心配なくらい。その目的達成のためには「細く長く質素に」生きていかなくてはならない。
 最近二人の会話がかみ合わないのは、このあたりが原因なのではないだろうか。

 かくいう私も、いざという場面になったら「助けて」とすがってしまうんでしょうね。ああ、かっこわる。
 
 以上、軽い話でした。

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